「すー……すー……」
安らかに寝息を立てるライト。時刻は午後十時を周り、健全な少年少女はベッドで寝静まっている時刻だ。
ライトの枕元では、イーブイも体を丸めて気持ちよさそうに寝息を立てており、彼の向かい側のベッドではコルニもお腹を出しながら眠りについていた。
しかし、トレーナーたちが寝静まっている間に一つのモンスターボールが独りでに開き、中からは紅蓮の体色をした蜥蜴が出て来る。
周りの者を起こさないようにと息を殺しながら、ライトの手持ちのボールがまとめて置かれている机を見た。
そこには、自分とは別にもう一体のボールが開いており、『やれやれ』と首を振るってリザードは部屋をこっそりと抜け出していく。
廊下、エントランス、そして自動ドアを掻い潜ってポケモンセンター脇にあるバトルコートまでやって来た。
深夜の時間帯、よほどでなければ誰も居ない筈のコートでは、一体のポケモンが忙しなく動いている。
進化したばかりで有り余っている力を吐き出すかのように、俊敏に、力強く、尚且つ無音で両腕の鋏を振るうのはハッサムであった。
彼に気付かれないよう、忍び足で寄ろうとするリザードであったが―――。
『……何の用だ』
『……気付かれたか』
『お前の尻尾の炎が、嫌でも視界に入ってくる。それに俺の体はもう鋼なんだ。熱には敏感なんだよ』
動きを止め、鋭い眼光でリザードを睨むハッサム。明かりはほとんど無いものの、月明かりが彼の鋼の体を照らし上げ、妖艶に光沢を放っている。
『ふん、進化したばかりでご苦労様だな。こんな深夜にご苦労様とでも言っておくか?』
『そういうお前はなんなんだ?』
『コーヒーを飲んで目が覚めていてな。それに、ジム戦にも出ていないから体力が有り余ってるんだよ』
『……あんな苦い物のなにがいいんだか。俺には理解し兼ねるな』
『味だけで決めつけようとするのは
『……ちっ。蜥蜴風情が良く言う』
『自分でも思ってるさ』
不敵な笑みを浮かべるリザードに対し、快く思っていないハッサムは再び自主練習へと戻っていく。
今日のジム戦でプテラと戦い、一度戦闘不能になっていることから疲労は溜まっているにも拘わらず、それを思わせない豪速の拳は空を切る。
『……お前は寝ないのか?』
『言ったろ。コーヒーで目が覚めてるってな』
『……夕飯に二杯飲んでたからか。わざわざ甘い木の実を食ってから、苦い液体を飲むなんて―――』
『苦いのを飲むからこそ甘みが引き立つんだ。それにコーヒーは味だけじゃない、香りだ。旨みが欲しいならエスプレッソだが、俺は深煎りのドリップが好きなんだよ。シロガネ山の天然水で作ったコーヒーなら尚良しだ』
『小生意気だ』
『小僧なりに極めたいんだよ。今度、俺のお気に入りを勧めてやろうか?』
『結構』
『……タウリンでも水に溶かして渡してやろうか?』
『ああ。そっちの方が良いな』
服用するとポケモンの【こうげき】が育ちやすくなる効果があるタウリン。それを水に溶かして渡そうと口にするリザードに、ハッサムは自主練をしながら応える。
ストライク時代からインファイターであったハッサムは、力こそ命。奇襲で“しんくうは”などは使うものの、ほとんどが接近してからの高威力の物理技で攻めるのが得意であった。
まさにタウリンはハッサムにピッタリであるものの、如何せん値段が高く、子供は勿論大人ですら手を付けたくないほど。
使うものが居るとすれば、ジムリーダーや四天王などのバトルのエキスパートあたりか。
だが、地道に努力した方がポケモン的には実感がわきやすい。薬のお蔭で強くなったと言われてもいい印象を受けないのは、人間でもポケモンでも一緒だ。
だからこそ、ハッサムはとある問題に直面していた。
(体が……重い……)
思う様に体が動かない。
ストライク時代の体重が56キロであったのに対し、今では118キロ。ほぼ二倍だ。【すばやさ】を捨て、【こうげき】と【ぼうぎょ】に重きを置いた進化形であるハッサム。
進化したばかりで仕方ないとはいえ、ストライク時代のような俊敏な動きができないことに危機感を覚えたハッサムは、こうして一人で自主練を嗜んでいたのである。
自分の武器は、フィールドを自由自在に動き回ってから強力な一撃を叩きこんで距離をとる、一撃離脱戦法だ。
それも今や二倍の体重になってしまい、直線でしか素早い動きしかできない。“でんこうせっか”による直線の動きは以前のままだが、キモリのようにフィールドを縦横無尽にとはいかなくなってしまった。
急に方向転換しようとしても重い体が災いし、急ブレーキをかけて方向転換することができない。
まさに、死活問題だ。
自分の主人であれば、数度ほど自分を使ってバトルに挑めばその問題に気付いてくれるだろうが、恐らく気づいてから先にあるのはバトルスタイルの変更である。
【すばやさ】は失ってしまったが、その分【ぼうぎょ】は非常に硬くなった。その為、今迄は『避けて攻撃する』というバトルスタイルであったものが、これからは『受けて反撃する』に変わる筈。
(なら、その時まで俺にできるのは……反撃の時に重い一撃を繰り出せるだけの力を付けておくこと……!)
ビュッと風を切る拳。
受けて反撃するスタイルをとるのであれば、カウンターで相手を一撃で伸せるだけの攻撃力がなければ心許ない。
そう言った独断的な判断の下、特訓に励むハッサムであったが、今一つ納得し切れていないかのように拳を納めた。
『……おい』
『なんだ』
『相手しろ』
『……いいぞ。今日は他の奴等に出番譲らされて、元気が有り余ってるからな。だが、いいのか? 【ほのお】の俺と、【はがね】と【むし】のお前……どっちが有利かなんざ、短ぱん小僧でも―――』
『お前の弱火で炙られてやられるほど、ヤワな鍛え方はされていない』
カチーン。
『弱火』と称されたリザードの額には、若干血管が浮き出る。普段は冷静沈着で、目の前に居る虫ポケモンと共に、他のポケモン達を保護者のような目で眺めているリザードであったが、ここでは違った。
誰も自分達の諍いを止める者は居らず、本気で戦えるだけの口実も充分ある。
体裁を整える必要も無く、相性がいいとは言えど相手はリザード自身も認める格上。そんな相手に貶されるような言い方をされれば、誰でも頭にはくるものであり―――。
『……そうか。俺も一度、本気でやり合いたいとは思っていた頃だ』
『進化したばかりの癖に、長年アイツの下でエースを務めてる俺に盾突いてくるか。意気込みだけは認めてやる』
『進化したばかりはお互いさまだろ。それと、年季だけが物を言うと思ったら大間違いだぞ』
ザリッ……。
鋏を構えるハッサムに対し、リザードは両腕に“ドラゴンクロー”を展開する。
真面に殴り合えば返り討ちにされるのは目に見えているが、近付かなければ【ほのお】技も真面に喰らわない筈だ。
互いにピクリとも動かず、一瞬の隙を狙って身構える。
そして、月影に照らされていた木葉がバトルコートの中央に舞い降り―――。
((今だ……―――ッ!))
「夜中に喧嘩しちゃ駄目だよ、もォ~……」
駆け出そうとした瞬間、ポケモンセンター側から照射されるリターンレーザーの直撃を喰らい、技も繰り出せずにボールへ強制送還される二体。
((あ゛あ―――っ!?))
まさかのタイミングでのライトの参上。パジャマである白いジャージを身に纏っている少年は、とても眠そうだ。
どうやら喧嘩と間違われたようであり、何も弁解もなしにボールの中へと吸い込まれていく二体は、心の中で叫び声をあげる。
―――違う、そうじゃない、と。
しかし伝わる筈も無く、瞬く間に二体はボールに戻され、眠そうに目をゴシゴシと擦るライトと共に止まっている部屋に連れて行かれるのであった。
「ふぁ~……こんな夜中に出歩いて……危ないよォ~……」
***
10番道路―――通称『メンヒルロード』。
カロスでも異様な、巨大な石が幾重にも並んで見るものを圧倒する不思議な道である。明らかに人間が立てたように規則的に並ぶ巨石の大きさは数メートル程であり、大体が家一軒分程の高さはあった。
それらの中央を歩んでいくのは些か恐怖を覚えるかもしれないが、意外とライト達は楽しんで整備された道を突き進む。
朝早くショウヨウシティを出てきた為、明日にはセキタイタウンには着くだろうと予測を立てながら、どんどん前へと進んでいく。
「わッ、見てアレ!? イーブイじゃない!?」
「ホントだ。野生のイーブイなんて珍しいなァ~……」
ライトのフードに収まっているイーブイに気付いたのか、野生のイーブイは草むらから顔だけを覗かせてライト達の様子を窺って来る。
野生として生息しているのは非常に珍しいイーブイを、こうも易々と見る事ができるのは、彼らの幸運故か。
「それにしても、観光客の人多いね」
「うん。見ての通り、この謎の巨石を見に結構人通りが多いんだ、この道路!」
辺りをちらほら見れば、観光客と思われる大人たちやバックパッカーと思われる大きなバッグを背負う人達が歩いている。
中々、活気のある道であるが、野生のポケモンもそれなりに見つける事ができた。
ブルーやデルビル、ラクライ、シンボラーなど。
アルトマーレで見る事のできなかったポケモンには、いちいち図鑑を翳してどのような名前のポケモンか、どのような生態を有しているのか調べようとするライト。
こうした地道な知識の蓄積が、後のバトルに役立つのではないかという考えの下だ。
因みに、昨日のアクロマという研究者に聞いて書いたレポートをナナミに送ってみると、目が点になった状態で見つめられたということも追記しておこう。
あれ以上のクオリティのレポートは書けないだろう。
そんなことを思いながら道を進んでいくライトであったが、
「ブイ?」
「ん? イーブイ、どうかしたの?」
「ブイッ!」
「あっ、ちょ……イーブイ!?」
急にフードから飛び出したイーブイが、道を逸れたところにある草むらの中へと躊躇いなく入っていく。
突然の行動にライトは驚きながらもすぐさま追いかけていき、コルニもまたライトの背中を追って草むらを掻き分けて林の中へ突き進む。
尻尾だけが頼りになるほど草むらは鬱蒼と生い茂っているものの、何とか見失わない内にイーブイに追いつくことはできた。
そのまま小さな体を抱き上げ、逃げ出さないようにとするものの、未だにイーブイはじたばたと足をバタつかせている。
「だからどうしたの? そんな急に……」
「ブイブイッ!」
「ん? ……アレ?」
グッと前足を伸ばし、どこかを指差すような動きをして見せるイーブイ。
前足の延長線上を目で追っていくと、何やら深い草むらの中にぽっかりと穴が空いているかのように倒れている草の上で、帽子を被っている人物が一人唸っていた。
(……女の人かな?)
「え、なになに? どうかしたの?」
「しッ、ちょっと待って……」
忍び足でそ~っと草むらを掻き分けていくと、次第に女性と思われる人物の全貌が明らかになっていく。
黒い帽子に黒いロングコート。薄紫色の長い髪は首辺りで一つにまとめ上げられて、風にゆったりと靡いている。
パシャパシャと音が聞こえている事から、写真を撮っているらしい。
「―――成程。草むらの状態を見るに、恐らく数日前ほどから……」
「あ、あのォ~……」
「一足遅かったという事か……だが、手がかりが見つかっただけでも……」
「す、すみませ~ん……」
「しかし、もう一つに関しては未だ何の手がかりもないな……もう少し映し身の洞窟辺りを……」
「あの―――ッ、すみませ―――んッ!!」
「わわわッ!!?」
集中していてライトの声に一切気が付かない女性。仕方ないとばかりに桁違いの音量で声をかけてみると女性は、あたふたとした様子で手をわちゃわちゃさせる。
その所為で持っていたカメラを取り零しそうになるものの、寸での所でガッチリキャッチした。
すると、素早い身のこなしでカメラを腰辺りに持ってきてから、声をかけてきたライトに見られないよう体を百八十度回転させて木を背にする。
対面して分かったが、黒い帽子&黒いロングコート&黒いサングラスという、傍から見れば不審者にしか見えないコーディネイトだ。
冷や汗を流しながらライトとコルニを目の当たりにした女性は、『子供か……』とホッとした様子で溜め息を吐く。
だが、ライトにしてみればホッとする要素は一つもない。
「あの……何をしていたんですか?」
「え、あ、そ、その……ぼッ……いや、私かい?」
「はい。貴方以外居ませんけど……」
「……見てしまったな」
「え?」
「貴方達は見てしまったんだな」
「ど、どういう意味で……」
急に凄然とする場に、思わずライトとコルニの二人は固唾を飲む。
すると女性は、ゆっくりとライトに歩み寄って『ガッ!』と両肩を掴み、彼が逃げられないよう拘束した。
不味い、など思っていても時すでに遅し。
正当防衛を発揮する為、腰ベルトのモンスターボールに既に手は掛けている。
肩を掴んだ後、暫し無言になる女性。
しかし次の瞬間、満面の笑みを浮かべ始め―――。
「実はぼッ……私は、珍しいポケモンを撮影するためにここに来ていたのさ!」
「へッ?」
「この草むらの窪み……私の追っている珍しいポケモンが寝床として使った場所なんだ! 長い間追っているから間違いはない!」
急に鼻息を荒くしながら拳を掲げて語り始める女性に、思わず二人は茫然とする。昨日に引き続き、これまた一癖ありそうな人物だ。
そんなことを思っていると女性は再びライトの眼前に顔を寄せ、不敵な笑みを浮かべながら問いかけてくる。
「貴方は……口は堅い方かな?」
「えッ、あの……」
「堅い方かな?」
「は、はい! 堅いです!」
「そこに居る女の子の貴方も!?」
「か、堅いです!!」
「ならば良しッ!! とっておきの一枚を見せてあげよう!! くれぐれも……くれぐ~~~れも口外してはいけないよ!!?」
半ば強制的に写真を見せられることになった二人は、強引に肩を引き寄せられて女性の下へ。
勢いが凄い辺り、口外すればかなり面倒なことになるだろうと判断したライトは、アイコンタクトでコルニに『絶対言わないようにしよう』という旨のサインを送る。
コルニは無言のまま頷くと、その間に女性がカメラの小さな画面にとある写真を写しだしており、『ほらほら!』と見せつけられた。
「……空?」
「違う違う!! ここ!! ここ!!」
「……あッ、なんか黄色いのが居ますね」
一瞬空しか写っていないように見えた写真であったが、目をよく凝らしてみると黄色い戦闘機のようなシルエットのポケモン。
どこかで見たことのあるようなシルエットに、一瞬ライトの眉は動く。
―――その一瞬の動きを、女性は見逃してはいなかった。
「……貴方はこれが何のポケモンか知っているのかい?」
「……いいえ」
「……そうかい。なら、私が教えてあげよう! この黄色いシルエットのポケモンは、むげんポケモン『ラティアス』の色違いの個体なのさ!!」
「らてぃあす?」
知っているのに嘘を吐いたライトとは違い、本当に知らないコルニはメタモンのように目が点になりながら首を傾げる。
そんな少女の様子に『ふッ……』とちょっとカッコをつける女性。
「とある御伽話に出て来るような珍しいポケモンさ! ぼッ……私もそれほど知らないんだけど、一目惚れするような見た目のポケモンで……」
頬を赤らめてキャピキャピする女性に、若干引き気味の二人。すると突然、先程までの様子はどこへやら。
眉間に皺を寄せる女性が二人ににじり寄ってくる。
「もしィ~……ラティアスについて一杯知りたいって言うなら、たぁ~ぷりと小一時間かけて話してもいいけど……どうする? うへへへ……」
「い、いいです! 結構です! コルニ、行こう!」
「う、うん! それじゃあ、失礼しました!」
余りにも危ない大人の香りがした為、すぐさま一礼してダッシュで逃げていく二人。時折、木の枝にぶつかり『いだッ!?』という声も聞こえてくるが、女性は微動だにしないで二人が去っていくのを確認していた。
そして、音が消えてなくなったのを最後に、顔をオクタンのように真っ赤にして蹲る。
(な、慣れない変態キャラなんて演じるんじゃなかった……!)
今までのは全て演技。
数分間の自分の変態キャラを思い出し、恥ずかしくて死にそうになる女性は、一旦深呼吸をして呼吸を整える。
すると、耳に付けていた小さなインカムに音声が出力されたのに気づき、女性はすぐさま凛とした顔立ちに変わった。
『……聞こえているか?』
「はい。こちらでは、αが休息したと思われる場所を発見。現在、調査中です」
『……なんか声が上ずってるがどうした?』
「……気の所為です」
『……そうか。報告は以上か?』
「はい」
『……なら、引き続き調査を続行してくれ。ジョウトじゃあ、ロケット団再結成なんぞの噂も聞こえてきてるからな。解決できる案件は早めに解決しといた方が良い』
「了解しました。全力で取り組ませていただきま―――」
「ギィイイイイイイイ!!!」
通信先から聞こえてくる壮年の男性の声をかき消すほどの咆哮。女性が咄嗟に振り返ると、夥しく生えている木々の隙間から無数の蜻蛉のようなポケモンが羽ばたいているのが見えた。
―――メガヤンマ。
高速で飛び回り、相手の首元を強靭な顎で食いちぎる凶暴な虫ポケモン。その数、およそ十数体と言ったところか。
彼等が狙っているのは、通信していて無防備な女性。薄い翅をソニックブームが出るほどに羽ばたかせ、周囲には騒音が鳴り響く。
カチャ。
しかし、全く臆することのない女性は、ロングコートの中に隠していたボール―――ハイパーボールに手を掛けた。
そして、
「“ほうでん”」
刹那、ボールの中から一体のポケモンが姿を現す。巨大な四本足のポケモンは雷鳴の如き速さで女性の前に立ち、向かい来るメガヤンマ達に“ほうでん”した。
青白い光が瞬く。
バチンッ、という音が一瞬だけ鳴り響くと、先程まで鼓膜が破れるのではないかと思うほどの騒音を立てていたメガヤンマ達は、体を少し焦がしながら地面にボトリと落ちていく。
『どうした?』
「ちょっと野生のポケモンに……ですが、大丈夫です。もう撃退しましたので」
『流石だな。この調子で、二つの案件の解決を頼む』
「はい。ご期待に備えるよう、邁進していく所存です」
繰り出したポケモンをボールに戻し、再び通信先の男の会話に戻る。同時に、先程子供達に見せていたカメラの画面を切り変え、一枚の写真を映しだした。
そこに写っていたのは、ピンクダイヤモンドを思わせるような鉱石を体の至る部分に付けている姫のようなポケモン。
「―――色違いのラティアスの保護。及び、ディアンシーの保護観察……必ずや、遂行してみせます」