ポケの細道   作:柴猫侍

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第二十三話 初めてのおつかいならぬジム戦

「スボミー、“しびれごな”!」

「ミー!」

 

 デクシオの指示が室内に響くと、バトルコートで佇まっているスボミーが頭頂部分を開き、そこから黄色い粉塵を周囲にまき散らした。

 喰らった相手を【まひ】にする【くさ】タイプの技“しびれごな”。【まひ】になれば、自ずと素早い動きができなくなり、運が悪いと行動不能にまでなってしまう。

 まず始めにその技を繰り出したというのは、ある種セオリー通りの立ち回りと言えよう。

 

 迫りくる粉塵を目の当たりにしているレディバとビオラであるが、焦った様子などを見せずに、寧ろ予想通りといったような笑みを浮かべていた。

 

「“しんぴのまもり”よ、レディバ!」

「ディーバッ!」

 

 突如、淡い白い光がレディバを包み込む様に発生し、スボミーが繰り出した“しびれごな”を寸での所で防御した。

 

「“しんぴのまもり”……って、なんですの?」

「“しんぴのまもり”は、相手の状態異常にしてくる技を防ぐ技だよ」

「えッ!? それじゃ、スボミーを封じられたものじゃ……!」

 

 観戦席でジム戦を眺めているジーナとライトは、たった今レディバが繰り出した技について語っていた。

 ライトの言う通り、【まひ】などの状態異常を防ぐ特殊なバリアーのようなものを発生させるのが“しんぴのまもり”という技であり、それはつまり、【くさ】タイプの真骨頂である状態異常技を防がれてしまうということだ。

 ジャンケンの結果、デクシオの次に戦うことになっているジーナは、今の技の説明を聞いて大層驚いている。何故かと言うと、彼女の手持ちにいるフシギダネの戦い方も、デクシオのスボミーと同じような立ち回りであるからだ。

 一筋の汗を流すジーナとライト。それはバトルに臨んでいるデクシオも同じだった。

 

(いきなり“しびれごな”を出すのはセオリー過ぎたか……なら!)

「“せいちょう”!」

「ミッ!」

 

 次の瞬間、スボミーの体が淡い緑色の光に包まれていく。

 自分の【こうげき】と【とくこう】を上昇させる技だ。“しんぴのまもり”で状態異常にする技が効かない以上、直接攻撃していく以外手段は残っていない。

 その前座として、まずは火力をあげようと画策するデクシオ。

 

「させないわよ! “ちょうおんぱ!」

「レレレレッ!」

「ッ……しまった! スボミー避けて!」

 

 レディバが丸い前足をスボミーにかざすと、円の形の光が連なるようにスボミーに照射されていく。

 “せいちょう”を中断させて回避させようとするデクシオであったが、その甲斐虚しくスボミーは“ちょうおんぱ”を真面に喰らってしまう。

 すると、途端にスボミーの足取りが頼りないものとなり、右へ左へと小さい足でよたよたとふらつき始める。

 

「スボッ……ミ~……?」

「畳み掛けるわよ!レディバ、“まとわりつく”!」

「ディバ!」

 

 【こんらん】状態に陥っているスボミーに、ビオラの指示を受けたレディバが特攻してゆき、ふらつくスボミーにがっちりと組みつき、ギリギリと締め付けていく。

 その光景に、観戦しているジーナが前のめりになりながら声を上げる。

 

「ちょっと、なんでデクシオはスボミーをボールに戻さないですのよ!? 【こんらん】しているなら、素直にボールに戻した方が……」

「いや、多分できないんだよジーナ」

「え? な、なんでですの?」

「あの“まとわりつく”って言う攻撃……“しめつける”とか“ほのおのうず”とかと同じで、相手を拘束する技なんだと思う。だから、ボールに戻せないとかじゃない?」

「……成程」

 

 冷静になったジーナは腰を下ろし、少し心配そうな顔のまま観戦に戻る。

 終始、文字通り纏わりつかれるスボミーは、苦しそうな顔をしている。そんな手持ちを見ているデクシオの顔も、心なしか苦しそうだ。

 【こんらん】で上手く動けない中、纏わりつかれているとなると、最早為す術がないのと同じ。

 そして―――。

 

「スボ、ミ~……」

「スボミー、戦闘不能!」

 

 レディバの“まとわりつく”が終わったと同時に、スボミーは目をグルグルと回しながらその場に倒れ込む。

 その姿を見届けるとデクシオはボールの中にスボミーを戻し、『休んでてくれ』と労いの言葉をかけて次なるポケモンが入っているボールに手を掛けた。

 

「ゼニガメ! 頼んだ!」

「ゼニィ!」

 

 赤い光が瞬くと、中からは水色の子亀のようなポケモンが現れた。

 ポケモンが出そろったことで、審判はポケモン交代のインターバルを示すために上げていた旗を下ろし、バトルの再開を示した。

 

「レディバ! “マッハ――」

「ゼニガメ! “ねこだまし”!」

「ゼニッ!!」

「ディバ!?」

 

 凄まじい速さでゼニガメに拳を振り抜こうとしたレディバであったが、眼前で手をパチンと叩かれたことに驚き、思わず体を硬直させてしまう。

 

「今だ! “みずでっぽう”!」

「ゼニブ―――ッ!!」

 

 目の前で硬直し、恰好の的となっているレディバに対し、ゼニガメは勢いよく水を噴射し、レディバはそのまま後方に吹き飛ばされる。数メートル下がった所でレディバは“みずでっぽう”から逃れたが、大分ダメージを喰らったのか息が上がっていた。

 今の攻防に、ジーナとライトの二人は感嘆の息を漏らす。

 

「まあ! 凄い効いてますわ!」

「いや、それだけじゃない! あれは……!」

 

 レディバの状態を見て、得心したかのように『してやられた』というような表情を浮かべるビオラは、二人の会話の答えを口に出した。

 

「【どく】状態……ね。君のスボミーの特性は“どくのトゲ”かしら?」

「その通りです。スボミーには申し訳ないんですが、先程のレディバの“まとわりつく”を逆手に取らせてもらいました」

「あっちゃ~……“まとわりつく”だけで決めちゃったのが不味かったかしら……」

 

 一番最初に繰り出した“しんぴのまもり”だが、あの技にはタイムリミットがある。相手と自分のポケモンが技を一つずつ出した時間を『一ターン』と数えるのならば、“まとわりつく”の持続ターンは四、五ターン。

 対して“しんぴのまもり”は五ターンである為、最初のターンを入れると、ちょうど“まとわりつく”が終わったと同時に“しんぴのまもり”の効果も無くなったことになる。

 そこで、デクシオのスボミーの特性であった“どくのトゲ”が発動し、レディバは【どく】状態になってしまったのだろう。

 

「でも、いいんじゃない、いいんじゃないの!? 君のその手持ちの特性を把握した上での立ち回り……駆け出しのトレーナーとは思えないわ!」

「ありがとうございます……ゼニガメ! “みずでっぽう”!」

「レディバ、“ひかりのかべ”よ!」

 

 再び勢いよく噴射される水に対し、レディバは自分の目の前に透明な壁を出現させ、ゼニガメの技を防いだ。

 特殊攻撃の威力を減退させる“ひかりのかべ”を見て、デクシオは『くッ……』と少し歯噛みしながら、ゼニガメに指示を出す。

 

「ゼニガメ、“たいあたり”!」

「ゼニィ!!」

「レディバ、“マッハパンチ”で迎え撃って!」

「レディ!!」

 

 互いに肉迫していく二体。

 だが、先に指示されたゼニガメよりも、レディバの“マッハパンチ”が先にゼニガメの顔を捉える。それは“マッハパンチ”が先制技であるが故であるのは、デクシオのみならず観戦しているライト達も理解している。

 だが、顔に一発貰いながらもゼニガメの勢いは衰えず、全力の“たいあたり”がレディバの胴体を捉えた。

 真面に喰らったレディバはそのまま地面に落ち、ビオラの目の前まで滑っていく。

 

「レディバ!」

「ディバ~……」

「レディバ、戦闘不能!」

 

 審判の声が響くと同時に、ジーナの甲高い歓びの声も室内に響き渡る。

 観戦席で喜んでいる二人を余所に、ゼニガメがデクシオの目の前まで歩み寄っていくと、笑顔のデクシオがゼニガメの真ん丸な頭を撫でた。

 

「よし、ゼニガメ! 次も行けるかい?」

「ゼニッ!」

 

 『まだまだイケる!』と言わんばかりに拳を握りしめるゼニガメ。そんなパートナーに激励を送りながら、デクシオは一旦深呼吸をする。

 そんな彼を見たビオラは瀕死になったレディバをボールに戻し、また別のボールに手を掛け、サイドスローで宙へと放り投げた。

 

「お願い、テッカニン!」

「ッカ!」

 

 ボールから出てきたのは、黒を基調としている虫ポケモン。先程のレディバよりも素早く翅を羽ばたかせている為、かなり大きな音が室内一杯に響いている。

 出てきたポケモンに対し、これまたライトは図鑑をかざす。

 

『テッカニン。しのびポケモン。あまりに高速で動くため、姿が見えなくなることがある。鳴き声を聞き続けると、頭痛が治まらなくなる』

「テッカニンかァ」

「これまた速そうなポケモンですわね……」

 

 その場に留まらず、常に飛び回っているテッカニンの姿を見て、観戦している二人はごくんと唾を飲み込む。

 その間にも、ポケモンが出揃ったことでバトルは再開される。

 

「ゼニガメ、先手必勝だ! “れいとうビーム”!」

「ゼニィィイイ!!」

 

 次の瞬間、ゼニガメの口腔から冷気を放つ一条の光線が、直線状で羽ばたいているテッカニンに襲いかかった。

 

「“かげぶんしん”よ!」

「テッカッ!」

 

 しかし、すぐさまビオラが“かげぶんしん”をするように指示を出すと、途端にテッカニンの羽ばたきが何倍も速くなり、凄まじい騒音を上げながら次々と分身を作り出していく。

 ゼニガメが放った“れいとうビーム”は、目の前のテッカニンに当たるも分身だったのか、当たった直後に分身は空気に溶け込む様にして消えていった。

 攻撃を外したゼニガメは業を煮やして次々と“れいとうビーム”を放つものの、刻一刻と増えていく分身の中にある本体を捉える事は叶わない。

 

「なッ、なんて速さなんですの!?」

「分身を作る速度もそうだけど、テッカニンの動き自体もだんだん速くなってるような……!?」

「その通りよ」

 

 二人の会話に対して声をかけるビオラ。

 

「テッカニンの特性は“かそく”! 時間が経てば経つほど、テッカニンの【すばやさ】は上昇していくわ! さあ、どうするのデクシオ君!?」

「くッ……ゼニガメ! 落ち着いて、分身を一体ずつ潰すんだ!」

 

 焦るデクシオだが、一先ず確実に増えていく分身を潰すようゼニガメに指示を出すと、ゼニガメも先程の冷静さを失った様子は息を潜め、的確に分身を“れいとうビーム”や“みずでっぽう”で潰していく。

 だが、ビオラの言った通りテッカニンの【すばやさ】が上昇している為、作りだしていく分身の数も最初より多くなり、ゼニガメの攻撃も意味を為さない。

 

「さあ、シャッターチャンス狙うように決めていくわよ! テッカニン、“れんぞくぎり”!」

「ッカニン!」

「ゼニガメ、“からにこもる”で防御だ!」

「ガメガッ!」

 

 風のような速さで迫ってくるテッカニンの攻撃を防ぐため、ゼニガメはその背に背負う甲羅の中にすっぽりと頭と四肢と尻尾を収納する。

 ちょうど、収納された瞬間に、テッカニンの鋭い前足によって繰り出された“れんぞくぎり”が命中した。

 岩と岩が激突するような音が響くと、それを見ていたジーナが『ひぃ!?』と声を上げる。

 だが、その一撃だけで終わるかと思っていたが、一秒もしない内に次なる“れんぞくぎり”がゼニガメの甲羅に襲いかかった。

 

 一発、二発―――。

 

 鳴り響く音は一発ごとに大きくなっていき、ちょうど五発目になったところで、ゼニガメは籠った甲羅ごとバトルコートの外へと弾き飛ばされた。

 

「ゼニガメ!?」

「―――……ゼ……ニィ~……」

「ゼニガメ、戦闘不能! よって勝者は、ハクダンジムリーダー・ビオラ!」

 

 甲羅の穴から収納した頭や四肢を出したゼニガメは、度重なるテッカニンの攻撃に耐え切れず、戦闘不能になっていた。

 ぐるぐると目を回しているパートナーの下に駆け寄り、『ゆっくり休んでくれ』と声をかけてから、デクシオはゼニガメをボール戻す。

 

「……な、なんて攻撃力なんですの……!? 殻に籠ったゼニガメを一方的に戦闘不能にするなんて……」

「“れんぞくぎり”は回数を重ねるごとに威力が上がってくからね。殻に籠ってその場に留まったのが、悪手になっちゃったんじゃないかな……」

 

 同じく“れんぞくぎり”を覚えているストライクを所有していることから、ライトはジーナに“れんぞくぎり”の能力を伝えた。

 文字通り、連続で相手を斬りつける技が“れんぞくぎり”だが、一撃当てていくごとにその威力を増していき、最終的には【むし】タイプの物理攻撃の最高峰とも言える“メガホーン”を超える威力を叩き出す。

 先程のテッカニンは、“かそく”によって自分の【すばやさ】を極限まで高めていた為、比例するように一撃を加える速度も上がり、ゼニガメの防御を上回る怒涛の攻撃力を発揮したのだと考えられる。

 

(ストライクだったら、“つばめがえし”があるから何とかなりそうだけど……やっぱりジムリーダーのポケモンだから、相当育てられてる……)

 

 当たり前と言えば当たり前であるが、トレーナーの育成の手腕を問われる存在であるテッカニンをあそこまで息を合わせて動かせるのは、流石としか言いようがない。

 その場で身震いするライトの気持ちに反応するように、ストライクの入っているボールも揺れる。ストライクの場合、武者震いだろうが、ライトが震えたのは純粋に緊張したからだ。

 

「う~……緊張してきましたわ~」

 

 しかしライトの隣では、彼よりも緊張しているジーナの姿が在った。

 やはり初めてのジム戦で緊張しているのか、少し体は震えている。だが、腹をくくったかのように、頬をバチンと叩いて気合いを入れ、清々しい顔で席から立ち上がった。

 

「で、でもあたくしもトレーナーの端くれですわ! 行ってきますわよ!」

「うん! 頑張って、ジーナ!応援してるから!」

「ふふふ! あたくしが、この三人の中で一番にジムバッジを手にしてやりますわ!」

 

 

 

 ***

 

 

 

「―――……清々しい程に負けてしまいましたわ」

「えっと……あの……その……ドンマイ」

「ほ、ほら、次もあるし……」

「同情は要らなくってよ!! ジャーマンスープレックス致しますわよ!?」

 

 若干泣き声になっているジーナに押される男子二人。

 『キーッ!』とハンカチを噛んで引っ張るジーナは、今のやり取りから分かるようにビオラに負けてきた。

 

 バトルの流れを説明するとこうだ。

 まず始めに、ジーナはミツハニーを。ビオラはフシデを繰り出した。

 始めこそ“かぜおこし”で上手く立ち回っていたミツハニーであるが、“まるくなる”からの“ころがる”というコンボを喰らい、そのまま一撃で沈んでしまった。

 次にフシギダネを繰り出し、“たいあたり”で何とかフシデを下したものの、次に出てきたバタフリーの“サイコキネシス”に手も足も出ずにフシギダネは戦闘不能になり、敗北したのだ。

 

 完膚なきまでの叩きのめされたジーナは、半泣きの状態で席に座り込み、キッとライトを睨む。

 

「ライト! 貴方は三体使うんですから、絶対に負けないで下さいまし! 『当たって砕けろ』ですわよ!!」

「えっと……砕けたらだめだと思うんだけど……」

「何か言いましたか!?」

「いや……うん、大丈夫。頑張ってくる」

 

 キレながら激励に苦笑いを浮かべながら、ライトはバトルコートに行こうとする。

 しかし―――。

 

「ライト、ちょっと待ってくださいまし」

「え……どうしたの?」

「今回のジム戦……イーブイは使いますの?」

「出さないつもりだけど……」

「……なら、バトルの間あたくしに預けて下さいまし……ぐすん」

「あ、うん……わかった」

 

 ボールに手を掛け開閉スイッチを押し、中から飛び出してきた元気いっぱいのイーブイを抱き上げ、今や今やと手を差し伸ばしているジーナに引き渡す。

 『?』を浮かべるイーブイは、何が何だか分からないままジーナの腕の中に抱きこまれた。

 イーブイを抱いた彼女は、目元に涙を浮かべながらぬいぐるみを抱くかのようにイーブイをギュッと抱きしめる。

 負けたのが相当悔しかったのだろう。それを、ライトのイーブイを抱きしめる事で慰めているのだろうが、事情を呑み込めないイーブイは終始きょとんとした顔を浮かべている。

 が、『ちょっとの間、お願いね』とライトに指示されたイーブイは、そのまま抱きしめられる事を許容し、バトルコートに降りていく主人を見送った。

 そして―――。

 

「これより、ハクダンジムリーダー・ビオラVS挑戦者ライトのジム戦を開始します! 両者、ポケモンをフィールドへ!」

「ヒトカゲ、君に決めた!」

「気合い入れていくわよ、アメタマ!」

 

 今日、三度目のジム戦となる戦いの場に繰り出されたのは、尾の先に炎を宿すトカゲと、水色の体色の可愛らしいビジュアルの虫ポケモン。

 ヒトカゲは気合十分なのか、口腔から天窓へ向かって火柱を少し上げる。

 パートナーが気合十分である一方、ライトも頬をパンパンと叩き、気合いを注入していた。

 

「ふ―――ッ! よしッ! 頑張ろう、ヒトカゲ!」

「グァウ!!」

 

 親指を立てるライトに、同じく親指を立てて反応するヒトカゲ。まだ一緒である期間は短いが、息は合ってきているようだ。

 

「ふふッ、いいんじゃない、いいんじゃないの!? その気合いに満ちた表情! 被写体として抜群にいいけど……私が撮りたいのは本気のバトルをした後の表情! 負けて悔しがるのも、勝った瞬間も、どっちも被写体として最高だからね!」

「ははっ……あんまり悔しがってる顔は撮られたくないんですけど……」

「なら、勝つしかないんじゃないの!?」

「……そうですね。よっし、滾ってきたァ―――!!」

 

 両腕の拳を握り、天高くそれらを掲げるライト。

 初めて見たはっちゃけている主人を見て、ヒトカゲも見よう見まねでライトの挙動を真似してみる。

 心の昂ぶりを口に出したところで、ライトはスッとした笑みを浮かべながら、目の前のジムリーダーに目を向けた。

 

「全力で勝ちに行きます!!」

「勿論! そうこなくっちゃね!!」

 

 意気込みは充分。場も整った。

 直後、審判の始まりの声が響くと同時に、フィールドの中心で“ひのこ”と“バブルこうせん”が激突し爆発を起きる。

 こうして、ライトの人生初めてのジム戦が始まった。

 


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