オーバーロード 月下の神狼   作:霜月 龍幻

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第36話

ナザリック地下大墳墓・第九階層 廊下

 

そこには、ゆっくりと歩く人影が二つ。

片方は美しい黒髪と尻尾を揺らして歩く人狼・アルフィリア。もう片方は短い金髪に猫耳を生やし、細く長い尻尾を振りながら歩く、猫科の獣人となったクレマンティーヌ。

 

二人は、ぶくぶく茶釜とペロロンチーノにアインズへの詳細説明をまかせ、シャルティアを慰めるためにバーへと向かう。

そんな中、クレマンティーヌが声を発する。

 

 

「・・・・・・なんか、凄いって言葉しか出てこない。神話とかに出てきそうな雰囲気だけど、あーちゃん達はもしかして〈ぷれいやー〉だったりするの?」

 

「ん?そうだけど。プレイヤーのこと知ってるの?!」

 

「知ってるも何も、法国が崇める六大神と、それを殺した八欲王ってのがぷれいやーだって法国に残る文献に載ってるらしいよ。小難しいことはあんま覚えてないけど。 それにしても、あーちゃん達が神様と同格の存在かぁ・・・・・・」

 

そう言いながらクレマンティーヌは遠い目をしている。

 

六大神と八欲王がプレイヤー確定、両方とももう滅んでいるという話だが、生き残りやNPCが残っている可能性がある、やはり1ヶ所では得られる情報も限られるということか。

 

「まぁ、プレイヤーは僕を含めて4人だけしかいないけどね、他は全員シモベだよ」

 

「私もアルフィリア様って呼んだ方がいいのかな」

 

「僕は呼び方は気にしないけど、シモベ達がね・・・・・・ナザリックの外の者が嫌いと言うかなんというか・・・・・・」

 

「あー・・・・・・ナーベラルって言ったっけ? 確かに私を見るとき敵意むき出しだったね」

 

「そんなわけで、普段はあーちゃんで良いけど、シモベ達がいるときはアルフィリア様かご主人様呼びで」

 

「了解しました、ご主人様」

 

そんな話をしているうちに、バーの入っている部屋の扉の前へと着き、その扉を開けるとそこは、落ち着いた照明が室内を照らし、静な音楽が流れている。まさに大人の雰囲気というものが感じられる。

 

こういうところにはダンディーなおじ様とかが似合うのだろうが、今はバーのマスターである食堂の副料理長とシャルティアとそれに付き添う男がいる。多分あれがブレインなのだろう。

 

「ご主人様、もうそれくらいにしては・・・・・・」

 

「五月蠅い!・・・・・・ああぁ、アインズ様に叱られる、どうしたらいいのよ」

 

ブレインらしき男がオロオロとしており、シャルティアは酒の入ったボトルを片手で持ち、それを煽る。

彼女の喉からゴッゴッゴッと液体を嚥下する音が響き、ボトルを空にするとドンと音をたててカウンターに立てる。そのボトルのラベルに視線をやると、そこにはスピリタスとの表記があった・・・・・・。

 

シャルティアはアンデッドなのでアルコール度数が98あろうと関係ないが、男の方は元人間であるためか飲み過ぎを気にしているのだろう。

 

「シャルティア、その人の言う通りいくらアンデッドでも飲み過ぎは良くないよ?」

 

「アルフィリア様?」

 

シャルティアとブレインがアルフの方を見る、シャルティアの顔色はいつも通りであり酔った様子はなく、ブレインは自らの主を止めてくれる存在が来たと表情が明るくなった。

 

アルフはシャルティアの左の席に座り、彼女の頭を抱いて撫でる。

 

「アルフィリア様あぁ」

 

シャルティアはアルフの胸に顔を埋め腰に手をまわし、泣くような声をあげる。

 

「大丈夫だよ。アインズさんは優しいから許してくれるよ」

 

「本当でありんすか?あんな失敗をしてしまったのに・・・・・・」

 

胸から顔を離し、アルフを見上げながら心配そうに聞いてくる。その姿を見ていると何となく保護欲というものが湧いてくる。

 

「一応任務は成功したんだ、失望されることはないと思うよ」

 

シャルティアの顔が花が咲いたようにパッと明るくなるの同時、再び胸に顔を埋め、腰に回している手が胸に移りそれを揉み始め、息が荒くなってきている。

 

一応慰めるために来ているため、抵抗せずシャルティアの頭を撫でる。

 

 

暫くしてシャルティアは満足したのか、アルフの胸から顔と手を離す。

アルフはシャルティアにねちっこく胸を揉まれていたために顔が紅潮し、息が少し荒くなっている。

 

「ご主人様、大丈夫?」

 

「あ、うん。一応大丈夫」

 

クレマンティーヌの問に、アルフは息を整えながら答えた。

 

「アルフィリア様、そちらの者は誰でありんす?」

 

「この子は僕の眷属で名前はクレマンティーヌ」

 

シャルティアはクレマンティーヌを興味深げに観察し、途中で目の色が変わる。

 

「クレマンティーヌとやら、好きな事と趣味を教えてくんなまし?」

 

「は、はい。好きな事は人を苦しめて殺す事、趣味は拷問・・・・です」

 

「わらわと気が合いそうでありんす、このナザリックにはそういった趣味嗜好を持つものが複数人いるでありんす。ニンゲンを捕まえて皆で遊ぶというのも良いでありんすね」

 

シャルティアが嬉しそうに話している、クレマンティーヌは最初こそ正直に言って良いか迷っていたが、正直に話して良かったと安堵している。

 

「アルフィリア様、この者と共にわたしの所に泊まっていきんせんか?」

 

アルフはその誘いを受け、クレマンティーヌと一緒にシャルティアのところで一晩泊まる事にした。一応条件として性的な事はしないと付け、身の安全を確保した。




アルフの設定

アルフィリア・ルナ・ラグナライト

一人称・(ぼく)、ぶくぶく茶釜の指導により、たまに『私』が出てくる。


種族 人狼(ワーウルフ)・フェンリル種

完全異形形態あり

リアルでは男、理想の嫁を創るためにユグドラシルを始め、理想の容姿でキャラメイクする。
過去に所属していたギルドで裏切りに合い、その時にたっち・みーに救われるが、その裏切りがトラウマとなり人間不信気味に。
後に所属したアインズ・ウール・ゴウンのギルドメンバー達により、トラウマを克服する。

転移後の世界では体の性別に精神が引っ張られていることを悩んでいるが、半分諦めている。
転移前はアルベドとルプスレギナが好みと言っており、クレマンティーヌを容姿で選んだ事から今も好みと性癖は変わらないようす。

子供っぽい部分があり、黒龍・ゲオルギウスにアインズをかじらせたり、転移前ペロロンチーノと共にナザリックの女湯に特攻をかけたこともある。その時二人でやまいこの説教を食らっている。

ペロロンチーノほど歪んではいないがエロにも寛容。

カルマ 善・+300

種族
ワーウルフLv15 ワーウルフロードLv5
神獣Lv10 ???Lv5

職業
ウィザードLv15 ハイウィザードLv15
拳闘士Lv5
錬金術師Lv15 真理の探求者Lv10
???Lv5

神獣・異形種になったきっかけ。
元は人狼・亜人種だったがこれを獲得してから異形種となった。

戦闘スタイルは加速特化の近接系マジック・キャスター
加速しながら杖で相手の物理攻撃を弾き、隙をついて攻撃する。使える攻撃魔法は火(爆発含む)、水、金属、土系統が多目。

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