できるだけ無欲で生きていきましょう   作:タクロス

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書いていて糖分過多になりそうな作者です。フランス編だけで少し辛くなりました。さらに自分でその様子を想像し、文に起こしているのでダメージが結構デカかったり。でも、これがあと二、三回残ってるからIS学園編に入る前に力つきるかもしれません。


それと、前話でも書きましたが、テスト期間前なので今話で一度更新をストップさせ、テスト勉強に集中したいと思います。小説書いていてろくに点数取れないなんて真似だけは絶対にしたくありませんので。




タイトルどおり今話で日本に帰ります。ここで切るためにシャルロットには犠牲になってもらいます。それと、第三者視点の語り手さんにときどき作者の思考が入ったりしてますが気にせず見ていただいてくれると嬉しいです。


異郷の地フランス 〜帰〜

 

天下一家は仕事をすませた翌日に、パリの街へ観光に出かけた。その時は、シャルロット達デュノア一家を交えていろいろなところを観光した。エッフェル塔やエトワール凱旋門などなどの名所観光やシャルロットの希望でシャンゼリゼ通りで買い物をしたり、といった感じだ。観光をすませた後はデュノア家に招待され、シャルロットを助けてくれたお礼ということでパーティを開いた。新人に関しては、別にお礼はもうもらったから構わないと言おうとしたがシャルロットが涙目で『参加しないの?』と聞いてきたために断るに断れず、参加することになった。パーティと言っても会社などが行うような壮大なパーティではなく、少人数でやるための小規模なものだった(アランはシャルロットに頼まれたためデュノア社の現社長であるアランの父に会場の用意やコックなどへの依頼を頼もうとしたがアリアによって阻止された)。親は親どうしで話し合い、子どもは子どもはどうしで楽しく話したり、パーティに出された食事を美味しく食べていた。

 

先ほどまではフランスに来てから三日間の出来事であり、本来はあと四日も残していたのだが、新人の母親の方に仕事の依頼が回ってきてしまったのであった。それをシャルロット達に伝えると、『帰っちゃうの?』と聞かれてしまう。さすがに仕事は断ることはできないため新人の母親が申し訳なさそうな顔をしてシャルロットに謝ろうとするが、そこに新人が、

 

『大丈夫ですよ、シャルロットさん。僕たちはもう会えなくなるわけではありません。確かに遠く離れたところに行ってしまうのは変わりませんが、今は電話や電子メールといった遠く離れていても会話ををしたり手紙のやり取りをすることができます。時差があるために手紙や電話を受け取ることができない可能性もありますができる限りすぐに返信しますので。それに、世界は広いようで狭いとも言います。僕たちがフランスにまた来ることもあるかもしれませんし、もしかしたらシャルロットさん達が日本に来ることがあるかもしれません。ですから、もう会えないということはないんです。だから安心してください』

 

と言いながら途中からシャルロットの頭を撫で始めて説得をする。シャルロットは顏を朱くしながら『う、うん』と答えるとそのまま縮こまってしまった。どうして縮こまったのか新人にはわからなかったがとりあえず説得が成功したのはわかったようだ。

その後ろでは、新人がいつの間にか女たらしになっていると、泣きながらどこで育て方を間違えたのか思い出している父親と、あらあら、新人は何人のお嫁さんと結婚するのかしらと、微笑ましそうに見ている母親の姿があったそうな。

 

そんなこんなで帰省当日。天下一家を見送るためにデュノア一家も一緒空港へと来ていた。しかし、そこには昨日説得したにもかかわらず泣いていたシャルロットがいた。それを見た新人は周りに大勢の人がいるにもかかわらずシャルロットを優しく抱きしめた。本人がこうすれば小さい子は泣き止むと、いつもの前世知識を働かしてしまったためである。それを機に空港は大盛り上がり。別れてしまう二人が将来どうなるのかの話で盛り上がった。この中には先日訪れた喫茶店にいた人もおり、彼らを見つけると周りの人にこの二人は既にできてる、といったことを言いふらしていた。全くもって下世話な奴らである。さて、話を戻そう。そんな感じに周りが湧いていることを知らない二人は、どうしてるかというと、

 

『ね、ねえアラト。わたしのこと次からシャルって呼んでくれないかな?』

『別に構わないですがどうされたのですか?』

『わたしね、もっとアラトと仲良くなりたいなって思ってて、それで、あ、愛称で呼び合うのって仲が良くないとできないってお母さんが言ってたから...その...ア、アラトにそう呼んで欲しくて・・・』

『わかりました、シャルさん』

『う、そこはさんは外して欲しかったかな』

『すみません、こればかりはもうどうしても抜けない癖のようなもので、どうしても治らないんです。ごめんなさい』

『う、ううん。別にいいんだ。シャルって呼んでくれればそれで......それでアラトはなんて呼べばいいかな?』

『僕ですか?う〜ん、それなら新人からあを抜いてラトでどうでしょうか?』

『ラト!』

『はい、なんですか?シャルさん』

『うん、いいと思うよ。ラトって。覚えやすいし、それにすごく似合ってると思うな』

『そうですか。それはありがとうございます』

 

誰か塩をください、さすがに何回もこれ見せられてると口の中がががががが

 

ふう、失礼。取り乱しました。こうして、糖分たっぷりな空間を作っている間にも時間は過ぎ去っていき、新人の母親からもう時間だと告げられる。すると、シャルロットはあらかじめ用意しておいた紙をポケットから出して新人に渡していた。

 

『これ、わたしの家の電話番号だから、その、日本に着いたら一番にかけてね?』

『はい、わかりました。日本に着いたらすぐさま連絡しますよ』

『うん、それじゃラト』

『はい、また(・・)会いましょうシャルさん。お元気で』

『うん!またね(・・・)ラト!』

 

 

 

 

こうして天下一家初のフランス旅行は終わりを告げた。日本に着いて空港を出た後、新人はすぐにシャルロットへと電話をかけた。シャルロットは少し空港であった時より元気のない声ではあったものの、新人が、そういえば自分から抱きしめたのはシャルさんが初めてですね、というと慌てたような声をしてシャルロットが電話を切る旨を伝えると、電話は切れ、その後に電話がかかってくることはなく新人たちは家に着いたらしい。電話の時に新人が初めての件に関して話していた時にシャルロットは顏をまた朱く染めており、電話が終わった後もその場にへたり込んで顏を綻ばせながら、アラトの初めて、またアラトの初めて、うふふふふふふふ、なんて言っていたらしいがそれを本人以外は知る由もなかったという。ちなみに、何故シャルロットが初めてなんて言葉に敏感になったかというと、シャルロットの母親が初めての意味と重要性を教えてしまい、シャルロットが新人の初めてが手に入ることを喜ぶようになってしまったらしい。まさに大人階段を上る、というやつである。

 

まあ、こうしてフランスでの幕は閉じられた

 

だが、日本に戻っても、新人の奇妙な運命は続くどころか始まったばかりなのだと気づかせられるのはもう少し後になる





新人君、空港にて大胆な行動に出ました。仕方ありませんね。まだ彼も子供ですから。ですが作者の口に砂糖の塊を放り込むのは遠慮していただきたいですね。ま、このあともこんな展開が続くのですが


そして、UAが2000回を超えました。皆さんがこの小説を読んでくださっているというのがわかってとても嬉しいです。

お気に入り登録も増えてきていますし、ありがたいことです。




次回は珍しいあの人との遭遇を書こうと思っています。

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