できるだけ無欲で生きていきましょう   作:タクロス

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転生 ようやく二巻のお話
近況報告 〜ゲームを添えて〜


 

「いやー元気そうでよかったぜ、女子に囲まれてストレス溜まってねえか心配だったんだぜ?」

「絶対思ってないだろ、てかそっちはどうなんだっ、よっと」

「ん?ああ、すべり出しは好調よ。クラスの面子もいい奴らばっかだし、女子もかわい子ちゃん揃いでウハウハだぜぇ!」

「そりゃあよかった、なっ!」

 

 

「器用ですね二人とも、喋りながらゲームしてます」

「そりゃあ結構やりこんでたやつの新作だしな、二人とも体が覚えてんだろーよ。そいや新人の方はどうなんだ。困ってることとかあったりしないか?男同士でしか話せない悩みもあるだろ?」

「いえ、知り合いも学園にいましたし、友達もできて僕は特に問題ないです。優しい変な先輩が勉強も教えてくれてますし」

「なに!?それは聞き捨てならんぞ新人!」

「ふつうにISのことを教えてもらってるだけですが?」

「いや、年上の先輩からだぞ!しかもIS学園はお前ら以外女性はいないんだ!羨ましいに決まってるだろ!」

「おっ、隙あり」

「あ、アァァァァァ!」

 

「よそ見すっからそうなんだよ、弾」

「織斑くんも強くなりましたからね」

「くぅ〜、ちくしょう!次、数馬な!」

「へいへい、久しぶりにやるとはいえ負ける気はねぇぞ、一夏!」

「こい!12連勝の記録、今日こそ塗り替えてやるよぉ!」

 

ここはIS学園の外、一夏と新人が久しぶりに友人に会いたいということで外出申請をしたことで今、弾の家に遊びに来ている。親に元気にしてることを伝えに行かないかと聞かれたら、新人の両親は出張で国外、一夏も家は軽く様子を見て来たから問題ないとなっている。新人の祖父母は家で元気にしてるが、老いぼれより友達と遊ぶことを大事にしなさいと逆に追い出されてしまった。ここには一夏、新人、弾、数馬の四人が揃っており久しぶりにゲームで遊ぶことになったのだ。受験以来ゆえ衰えたかと思いきや本物のISを扱っているゆえか前より実力が上がっているようだ。だが、

 

「あれ、くそっうまくうごかねぇ」

「そこぉ!」

「あっ、くっそー!」

「へへん、まだまだだね」

「うーん、いつもならあそこでうまくいくんだけどなぁ」

「そこはゲームと現実の差異じゃねぇの?感覚が違うのはアタボーよ」

 

ちなみにこいつらが遊んでるのはとある日本の変態企業が作ったゲームソフト、Infinite(インフィニット)Core(コア)Nexus(ネクサス)という3Dロボットアクションゲームだ。チーム主任、というスタジオが作っており、パーツ数は正規非正規(フィクション)合わせて約980種類、現実とは違い部位ごとに違う機体のパーツ、例えばラファールの機体に打鉄のフレームパーツを組み込むこともできる。例えば他国の専用機同士を組み合わせたような夢のような機体も作れる。例えば専用機専用の武装を他の専用機で使うこともできる。そんな非現実的(夢のような)な作品であるからこそ世界中から批判(賞賛)の声が殺到した。意外なことに男女関係なく売れ、すでに次回作の作成に取り掛かっているらしい。

 

そんなことより、一夏は新人とプレイヤーを交代したわけだが様子を見てみよう。

 

「………」

「よっ、ほっ」

「………」

「ほい、カウンター」

「………」

「こいつでとどめっと、ふぅ…」

 

「なぁ、弾」

「ああ、一夏」

「「「相変わらずゲームが下手だな、新人は」」」

「むぐぅ」

「しかもゲーム始めると黙っちまうし」

「集中してるのは知ってるしいつも通りだけどな」

「まぁ、気にしたら負けだな」

「どうもゲームだけは相性が悪いみたいです。いつまでたってもうまくなれる気がしません」

「なんでなんだろうなぁ」

「まぁ、気にしたら負けだな」

「そうですね、気にしたら負けですね」

「それでいいのか?」

「「気にしたら負けだ(ですね)」

「かぶらんでいい」

 

 

「おーい、バカ兄貴。お昼できたよー」

 

流れを断ち切ってこの部屋を訪れたのは弾の妹、蘭であった。

 

「って、一夏さんたちじゃない!なんで来てることを教えてくれなかったのよ!」

「ん、いや伝えなくてもいいかなって」

「もー、どうしてくれるのよ。こんな格好見せたくなかったのに…ごめんね一夏さん新人さん。ちょっと失礼します」

「あれ、俺は?」

「うるさい、バカ二号!」

「うわ、ひでぇ」

 

少し乱れた格好の蘭は一夏たちが来てるのを見ると服装を整えに自分の部屋へ戻っていった。昼を伝えに来た彼女のいう通りに昼ご飯を食べに四人で下の買いに行くことにするとゲームの電源を切り移動をする。

昼ご飯のメニューは白米とかぼちゃ煮と野菜と肉の炒め物、弾の家は定食屋を開いており昔から時々だがここでみんなで飯を食いに来ていた。なつかしい思い出の味に雑談が弾む。箸も止まらなくなっていくのだ。

 

「それにしても、お前ら彼女はできたのか?」

「むぶっ、ゴホッゴホ、おま、いきなり何聞いてくんだよ」

「いやぁ、さっきも聞いたけどお前ら以外女の子しかいないんだ。誰なり彼なり寄って来たりするもんだろ。それがハニトラであれ男性操縦者が目当てであれ」

「なんで悪い方向ばっかなんだよ。てかいねぇよそんなやつ」

「仲の良い友達はいても、恋愛感情まではいきませんね」

「ふーんそんなもんか」

「ていうか、だったらお前らはどうなんだよ」

「俺か?俺はまだ普通に過ごしてるぜ。なんてったって学園系ラブコメってのは先輩後輩がいて成り立つからな。今は先輩とも同級生とも仲良くしてるだけだよ」

「ラブコメってところは否定するが右に同じく。今は高校生活を楽しむことにするよ」

「二人とも成績はーー」

「「その話はするなぁ!」」

「うるせぇぞ、ボンクラども。静かに飯は食えんのか!」

 

弾の家族に怒られてしまい飯を掻き込んで今日はおひらきとなった。だが、思いの外皆元気だったことを確認できたのは十分な成果だったのかもしれない。




あけましておめでとうございます。
今年の四月までにこの作品を完結させるのが今年の抱負です

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