できるだけ無欲で生きていきましょう   作:タクロス

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あけましておめでとうございます。遅くなりましたが今年もよろしくお願いします。作者です。


戦闘描写の難しさを痛感していました。構成にも迷っていたり。とりあえず今回も短いですが、どうかよろしくお願いします。

今回で試合開始です


ISと少年たち 〜試合開始〜

アリーナの観客席は湧いていた。かの織斑千冬の弟であり、人類初の男性IS操縦者である織斑一夏の試合を見ようと、1-1の生徒以外もこっそりと授業を抜け出して来た生徒もいるのだ。その人物たちはあとでこっぴどく怒られることをまだ知らない。

 

東側のピットから青い機体が勢いよく飛び出た。セシリアとその相棒であるブルーティアーズである。彼女は試合開始3分前に戦場(フィールド)に出ると落ち着いた表情で相手()を待つ。その目には絶対に負けないという意思が見え隠れしている。すでに彼女は余分なことを考えることなく相手について考察をしていた。と言っても、話す機会は試合が決まった時点で激減している。そのためあまり細かく性格を読むことは出来ない。だが、卑怯なことを嫌っているのは一週間前の一幕で把握済みだった。貴族なだけあって人への観察眼の能力は高い。早く来ないか、そう感じるが試合まで残り一分。戦場(フィールド)に入ってからまだ二分もたたないが、あの緊張がセシリアをはやし立てる。

そのとき、セシリアが出たピットとは反対のピットからカタパルトの発射音が聞こえた。

来た、セシリアは戦場(フィールド)に入ってくる真っ白な機体に目を向ける。まだ何色も付いてない只々真っ白な機体がセシリア方へと、試合の開始位置へとやってくる。

 

淑女(レディ)を待たせるのは紳士(ジェントルマン)として如何なものでは?」

「悪いな、こいつ(相棒)が来るのに時間がかかってな。それとISにはまだ2回しか乗れてないんだ。少しは見逃してくれると嬉しいね」

「まあ、よろしいですわ。それでは確認します。

私の全力で貴方()を倒します。

試合中に命乞いなんて無様な真似を晒すなんてことはしないでくださいませ?」

「命乞いなんかしねぇよ。俺の目標のための糧にさせてもうぜ。最後まであがいてやる」

 

お互いISのハイパーセンサーで相手の目を捉えながら挑発する。ヤル気は十分、一夏に関して獰猛な笑みまで浮かべちゃう始末。二人が位置についたことで試合開始のカウントダウンが始まる。

 

10

 

一夏は瞼を閉じる/セシリアは愛銃(スターライトmkIII)拡張領域(バススロット)から取り出す

 

9

 

小さく息を吸う/愛銃を両手で構える

 

8

 

小さく息を吐く/銃口を一夏(的/敵)に向ける

 

7

 

あらかじめ取り出しておいた剣を構える/深く息を吸う

 

6

 

いつもの自分をイメージする/息を吸う

 

5

 

眼を開く/息を止める

 

4

 

瞼を開ける/息を止める

 

3

 

視線を相手(セシリア)に固定する/息を止める

 

2

 

雑音が消える/息を止める

 

1

 

意識の全てが研ぎ澄まされる/息を止める

 

 

 

もう相手(セシリア)しか見えない/引き金を引く

 

 

 

試合開始のブザーとともに青い光が一直線に向かって、見えない壁に突き刺さる。観客席とフィールドを分けるためのバリアに溶けていった。

一夏はセシリアが開始のブザーとともに引き金を引く動作を見ていた。故に全力で左にブースターを噴かせた。掠ったせいで少しSE(シールドエネルギー)が減少したが些細なものである。機体が全力のサイドブーストに揺れるがすぐにPIC(慣性制御システム)を無意識に操り姿勢制御が成される。そして、正面にセシリアをとらえたまま一夏はブースターを噴かせる。だが、その速度は先程よりも速く、約20メートルほど離れていたセシリアの機体との間を一瞬で詰める。

 

瞬時加速【イグニッション ブースト】

 

一夏が無意識に行った動作は観客を湧かした。

が、それだけだった。

一瞬で詰め寄り、右上段からの左下段への袈裟切り。それを振るった。決まったと確信していた。だがそこにセシリアは居なかった。いや、いなくなったの方が正しい。セシリアは初弾を避けられた時点で次の動きをを予想していた。

 

後退、近接武器()を使う時点でありえない。

 

特攻、速度次第だが迎撃可能。

 

この選択肢の中で選ばれたのは特攻、つまり予測の範囲内だった。意外だったのは瞬時加速で突っ込んできたことだが、何のこともない。その程度に反応できなければ代表候補生など務まりはしない。戦場(フィールド)では何が起こるかわからない。それに対応できずして何が代表か。

白式の腹部にブルー・ティアーズの蒼と白と黒の三色で構成された綺麗な脚部装甲が突き刺さる。と、同時にバックブースターが、ビュオォォォ、とエネルギーと噴射音を吐き出しながら機体を後ろに下げる。蹴られた衝撃によってできた一瞬の間にセシリアは白式の間合いから離れると、剣を振り抜いたことによる大きな隙を突く。愛銃の引き金を引くと、蒼が白を貫く。ガードするには戻すまでの動作が間に合わない。そんな大きな隙を晒した一夏と白式はレーザーの衝撃をダイレクトに受け、姿勢制御も儘ならぬまま墜落した。今ので白式のSEは約6割まで削られた。対してブルー・ティアーズのSEは蹴った時の自爆ダメージ以外の損傷はなくまだ九割以上残っている。一夏は顔をしかめながら立ち上がると、セシリアを見据える。

 

「先ほどの踏み込みはなかなかでした。初心者にしては良い線を言っていると思いますわ。ですが、

 

その程度でイギリスの代表候補を倒せるなんて思っていませんよね」

セシリアの賞賛と挑発混じりの声に、一夏は獰猛な笑みを浮かべながら答える。

 

「当っ然、壁は高いほうがやる気は出るってもんさ。こいつがどれだけ動けるかわからなかったけど今ので大体わかった。次からそう簡単に当たらないぜ」

「言いましたわね。その余裕、すぐに撃ち砕いてあげますわ!」

 

 

試合はまだ始まったばかりである。




明けましていつもの

UA36000越え、お気に入り390件、ありがとうございます。そして、今回も感想をいただきました。LW6qCYqsさん、感想ありがとうございます。そして、今回なんと新しく評価をして下さった方がいます。izuさん、Eー102ガンマγさん、駆け出し始めさん、田中太郎130232さん、評価していただきありがとうございます。これからも頑張らせていただきますので何卒、この作品にお付き合いのほどよろしくお願いします。

改めまして今年一年も、できるだけ無欲で生きていましょうをよろしくお願いします。

次回は戦闘終了まで書きたい(希望論)

追記、この話の投稿時に評価を下さった人の中で駆け出し始めさんだけ抜けていました。本当に申し訳ございません。

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