忘れていたのですが前回で十話ですね。飽き性な自分がよく続けれたなぁと思います。これも読んでくださっている皆さまのおかげですありがとうございます。
今回は初めてのまともな?戦闘描写を書きました。個人的な感想はこれで大丈夫かなぁ?といった感じです。多分わかりにくい。
いつものごとく『』内の会話はドイツ語になってます。
追記、宿題まだ終わってないorz
追記2、アラクネの脚の本数が8本だったので修正
『くっ、すまない助かった…!?
おい、大丈夫か?さっきのでやられたのか…かなり傷が深いぞ』
『ええ、少し血の出る量が多いだけで大丈夫です。それよりもあいつをなんとかする方法を考えましょう。様子からして相手は出入り口から動いた気配はありません。ですがこのまま動かないままだとあちらから動いてきそうです』
右の二の腕に深い傷を負いかなり血がでている新人。敵の狙いはボーデヴィッヒの心臓だったらしく、もしも新人の行動が少しでも遅れていたらどちらかの致命傷は避けられなかっただろう。一夏も庇うように避けたため、正面から弾丸が二の腕に掠っていったのだった。ボーデヴィッヒは自分の服の袖を破ると新人の怪我をした部分に応急処置を施す。
『どうする。正面は陣取られているから囮は意味がない。正面突破しようにも相手の銃の銘柄がわからんから装填弾数も予測できん。改造の可能性も考えるとキリがない』
『ボーデヴィッヒさん、銃の片方を貸していただけますか?』
『ろくに訓練もせず、それどころか怪我をしているお前が使えるのか?ハンドガンだからといって初心者がそんな簡単に使えるものではないぞ』
『怪我は大丈夫です。それと一応ですが策はあります。危険ですがこのままというわけにもいきませんので』
『ーーーそうか、ならば私がリスクが大きい方をやろう。先ほどから助けられてばかりだ。借りは返す』
『申し訳ありませんがよろしくお願いします』
ーーガン
女と思われるテロリストが引き金を引く。新人たちのいるコンテナに向かって弾丸が突き刺さる。貫通はしないものの普通の人間ならこれだけで恐怖に陥るだろう。そして、女は甘ったるい声で物騒なことを言い始める。
「早く出てこいよぉ〜、私は待たされるのが大嫌いなんだ。早く殺されに来た方が楽だぜぇ」
「生憎だが死ぬのは貴様だ」
カン、という金属音ともにコンテナから銀色の髪をたなびかせボーデヴィッヒが飛び出し、飛び上がりながら片手で銃を構え、女に向けて引き金を引く。女は弾丸を前転で回避するとすぐにボーデヴィッヒに向けて銃を向けるがそこにボーデヴィッヒの影はなかった。女は驚くもすぐに体勢を立て直し周囲に目を向けるが、工場内の暗さでボーデヴィッヒの姿は見つからない。
「どこ行きやがった、姿を見せろ!そして私に苦痛に歪む顔を魅せてくーーカランーーそこか!」
音がなる方向へ向けて銃を撃つが聞こえてくるのは放たれた弾丸が工場のコンクリートの床を砕く音がなり響くだけだった。
「鉄パイプだと?くそっ何処にーー」
「くらえ!」
女がもう一度探そうとした瞬間、部屋の上に張り巡らされている鉄骨の支柱から落下しながらボーデヴィッヒが女を勢いよく蹴り飛ばしーー所謂ライダーキックであるーー床に着地する。女は蹴り飛ばされるがすぐさま体勢を立て直し銃を撃つ。弾丸はボーデヴィッヒの頬を擦り工場の壁へと突き刺さる。女が二発目をボーデヴィッヒに撃ち込もうとした瞬間、パンッと乾いた音がなった。そして女の肩に赤い染みができる。撃ったのは新人だった。カランと女の手から滑り落ちた銃が音を鳴らす。ボーデヴィッヒはすぐさま新人の方へ銃を蹴り飛ばし自分の銃を構える。
「チェクメイトだ。これ以上抵抗するなら貴様を殺す」
「・・・・・・」
女は先ほどから身体を震わせている。ボーデヴィッヒは痛みによるものだと思っていた。が、
「私のか・・傷つけ・・・・スコー・・・のための身体が?」
「?」
何かを呟いているのは聞こえてるのだが一部しか聞き取れず戸惑うボーデヴィッヒ。そして女はボーデヴィッヒの警告を無視して立ち上がる。
「貴様、抵抗するなら殺すとーー」
「黙れ、クソガキ」
引き金を引くボーデヴィッヒ。だがその弾丸は女の少し手前の何もない
「何!?まさかISを持ってーー」
「死ね」
ボーデヴィッヒは女が身につけたISを見たことがなかった。新しい機体なのはわかるがどうしてテロリストが、と混乱しているうちに女はボーデヴィッヒの首を掴むとそのまま持ち上げ新人の方へと投げつけた。一瞬固まるも飛んでくるボーデヴィッヒを受け止めるために構えるが、勢いが強くそのまま後ろへと吹き飛ばされ部屋の壁に打ち付けられる。後頭部を強かに打ちつけ気絶しかける新人だが日頃の身体を鍛えていた成果が出たのか気を失うことはなかった。が、気を失わなかったが意識は朦朧としている。ボーデヴィッヒは新人がクッションになったため怪我はないものの先ほどまでの戦闘の肉体的、精神的疲労が祟ってか今の衝撃で気絶してしまった。コツコツコツと近づいてくる音がする。新人が視線を上げるとそこには、8本の脚のようなものがついている毒々しい紫色の機体がいる。ボーデヴィッヒの発言からなんとなくISだということはわかった。だがこの状態ではどうすることもできないだろう。残り距離約5メートル、4、3、2、1、
「死ね」
鮮血が飛ぶ。周囲一帯に血を撒き散らす。周りは赤く染まり、血の池がだんだんと広がっていく。どちゃぁと、地面にナニかが当たる音と液体が跳ねる音がなる。倒れ伏したのはこの血の池を作った
女は胸の真ん中ーー心臓を狙ったはずだったが、寸でのところで新人は奇跡的に回避することができた。代わりに背中に深く大きな傷をつくり、血の池の製作者本人になってしまった。そして、今の一撃で完全に気を失ってしまった。長くは持たない。出血量から後10分もすれば出血多量で死に至るだろう。
だが、その10分を待たずして新人たちを狙う者がここには居る。もう女を邪魔をする者はこの場に居ない。女は背中の8本ある脚のうちの一本で新人たちが逃げれないように壁と脚で挟む。そして残りの脚で全身を串刺しにするために脚を振り上げーーー
振り下ろされることはなかった。
女はISを待機状態に戻すと撃たれた肩を抑えながら工場の暗闇の中へと溶けていった。
そして、女が消えた直後に
がらがらがらがら
と何かが崩落する音が聞こえた。
工場の壁が破壊されたのだ。その犯人は、
「一夏!どこだ!?どこにいる!」
世界最強、織斑一夏の姉、
織斑千冬だった。
まず最初に、UA8000突破、お気に入り100人突破、いつも読んでくださっている皆さまに感謝を。ゴオーさん、マス大地さん感想いつもありがとうございます。感想の返信はこれの投稿後にします。そしてまた評価をいただきました。
ふにさん、satakeさん、表裏一体さん、ガブキングさん、評価をしていただきありがとうございます。1や2の厳しい評価もあれば8や9の良かったという評価もあるので、ここから評価をどう傾けさせることができるかが作者の(ない)腕の見せ所です。
そして、
ごめんね新人くん。最初はね、新人くん無傷で帰ってもらう予定だったんだよ。でもなんか書いてるうちにテンション上がって最初の構成とは180度方向性が変わってしまったよ。正直すまんかった。
それと少し解説。どうして新人くんが一回しかテロリストの女を撃たなかったかの理由を。単純に弾が無かったからです。マガジンはラウラさんに預けて最初から装填されていた一発しか残ってなかったからです。渡したタイミングは作戦時です。本当はラウラさんがリロードする描写を入れようとしたのですができませんでした。それと鉄パイプは新人くんが投げました。相手がISを持ってなければこれで、抵抗なら射殺、何もしなければそのまま凶器だけを奪って一夏くんが捕まってた手枷で捕まえる、で終わったのですが人生甘くないです。
最後にテロリストの女の人の説明を。まあ、ほとんどの人が知っていると思いますが作者の知識が偏っているため多分原作と変わってると思いますので。
名前 一応まだ伏せます
性格 人を残酷な目に合わせてその絶望した時の顔が好きなどS?
上司LOVE
好きなもの 上司
嫌いなもの 生意気なガキ
今話で最後に帰った理由 上司最強さん(千冬さん)が来るから撤退しろと言われたため。(タイトルの撤退はここから)
次回はドイツ編最後になります。ラウラさんは主人公に落とされるのか否か?