英雄を知る破壊者と問題児達が異世界から来るそうですよ?   作:星詠みの観測者

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はい!皆さんおはこんばんにちは!
毎度お馴染みの星詠みです
最近熱くなってきましたね(笑)
そんなことよりさっさと勧めましょうか!
では、ご覧下さい!


問題がおきたそうですよ?

「ジン坊ちゃーん!新しい方達を連れてきましたよー!」

外門前の街道から黒ウサギと女性が2人歩いてきた

 

「お帰り、黒ウサギ。そちらの女性2人が新しい人達?」

 

「そうです!こちらの御二方が・・・えっ?」

くるりと後ろを振り返り、カチンと固まる黒ウサギ

 

「え、えーと後2人いませんでしたっけ?全身から『俺問題児!』ってオーラを放っている殿方と優しげな雰囲気持った『俺問題児?』って感じの殿方が」

 

「ああ、十六夜君と龍夜君の事?2人なら十六夜君が「ちょっと世界の果てでも見に行くぜ!」と言ってそれに龍夜君が

「面白そうだな、俺も付いていこう」と言って駆け出していったわよ?」

あっちにね。と言って指差した方角は上空4000mから見た断崖絶壁。

 

「な、なんで止めてくれなかったのですか!?」

 

「止めてくれるなよって言われたもの」

 

「ならなぜ黒ウサギに教えてくれなかったのですか!?」

 

「黒ウサギには言うなよと言われたから」

 

「嘘ですよね!?実は面倒くさかっただけですよね、御二人様!」

 

『龍夜(君)に言われたけど面倒だったのも事実』

 

ガクリと前のめりに倒れる黒ウサギ

そんな黒ウサギを尻目に先程からいた少年、ジン=ラッセルは蒼白になって叫んだ

 

「そ、それが本当なら大変です!世界の果てにはギフトゲームの為に野放しにされている幻獣がいます!」

 

「幻獣?」

 

「は、はい。ギフトゲームを持った獣を示す言葉で、世界の果て付近の幻獣には、強力なギフトを持ったものがいます!出くわせば最後、人間では太刀打ち出来ません!」

 

「あら、それは残念。もう彼はゲームオーバーなのかしら?」

 

「参加前にゲームオーバー?・・・斬新?」

 

「冗談を言っている場合じゃ無いですよ!?」

ジンは事の重大さを2人に訴えるが2人とも肩を竦めるだけである

その時、黒ウサギがため息を吐きつつ立ち上がった。

 

「はぁ・・・ジン坊っちゃん、御二方のご案内をお願い致します」

 

「わかったよ、黒ウサギはどうする?」

 

「問題児様方を捕まえに参ります。・・・箱庭の貴族と謳われる黒ウサギを馬鹿にしたこと、後悔させてやります!」

立ち上がった黒ウサギは怒りのオーラを全身から醸し出し

艶のある黒髪を淡い緋色に染め上げ、外門目掛けて高く飛び上がり外門の柱に水平に張り付き

「一刻程で戻ります!皆さんはゆっくりとしていてくださいませ!」

と言って全力で飛び上がり、あっという間に視界から消え去っていった

髪の毛を抑えていた飛鳥は

 

「箱庭のウサギは随分早く飛べるのね。感心するわ」

 

「ウサギ達は箱庭の創始者の眷属。力もそうですが、様々ななギフトの他に特殊な権限も持ち合わせた貴種です。彼女なら大丈夫だと思いますが・・・」

 

「そう、なら私達は先に箱庭に入るとしましょう。エスコートは貴方がして下さるのかしら?」

 

「は、はい!コミュニティのリーダーをしているジン=ラッセルです11になったばかりの若輩ですがよろしくお願いします。御二方のお名前は?」

 

「久遠飛鳥よ。そこの猫を抱えているのが」

 

「春日部耀、よろしく」

ジンが自己紹介をし、飛鳥と耀もそれに倣い一礼した。

 

「さ、それじゃあ箱庭に入りましょうか。そうね・・・軽い食事でもしながらお話を聞かせてもらえると嬉しいわ」

と言ってジンの手を引き、笑顔で箱庭の外門をくぐった

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああもう!一体全体何処まで言ってしまったのですか、あの問題児様方わ!?」

黒ウサギが2人を探し始めて早くも半刻が過ぎた

全然見つからない2人の事に自分勝手すぎると憤るのと同時に不安な気持ちもあった

(この辺りは特定の神仏がテリトリーにしています。もし、彼等のゲームに参加させられたら・・・!)

焦りを募らせ走る黒ウサギ、しかし周囲の森から聞こえる魑魅魍魎たちの呻き声が聞こえ、彼女は十六夜達がこの道を通ったか聞くことにした

 

「あのー森の賢者の様方。もしよろしければこちらの道を通ったお方がどちらに行ったかご存知でしょうか?」

と聞いてみるが

『・・・・・・』

と誰も答えない

その時

「よろしければ私が案内しますよ、黒ウサギのお嬢さん」

と静かな森から蹄の音が響き、現れたのは・・・

ユニコーンと呼ばれる幻獣だった

 

「こ、これは珍しいお方が!一本角よコミュニティは南側のはずですけれども?」

 

「それはこちらの台詞ですよ。東側で公式ゲームの時以外で兎を見る事が出来るとわ・・・と、それはさておき貴女が探している人達は私の向かう方角と同じだと思います。

森の住人曰く、彼等は水神の眷属にゲームを挑んだそうですから」

 

「うわお・・・」

とガックリ膝をつく黒ウサギ

世界の果てと呼ばれる断崖絶壁には箱庭の世界を八つに分かつ大河の終着トリトニスの大滝がある

その辺に住む水神の眷属となると龍か蛇神のどちらかであろう

 

「よりにもよってなんて事を・・・」

 

「泣いている暇はないぞ。もし知人なら急いだ方がよい

私の背に乗っていくかい?」

とユニコーンが提案するが

 

「いえ、大丈夫なのです!教えて貰っただけではなく、乗せてもらうなんてできませんよ!」

と断った

ユニコーンは苦笑し

「わかった。気を付けてくれ、君の問題児君達にもよろしく」

黒ウサギは頷くと一気にトリトニス大河目指して駆け抜け、数瞬後には大河の岸辺に出た

 

「一体何処に・・・」

 

「ん?お前黒ウサギか?どうしたんだその髪の色」

 

「あら?黒ウサギ?おぉ綺麗な髪の色だな〜」

 

と背後から2人の声が聞こえた

2人とも無事らしい・・・が黒ウサギの胸中には怒りしかなく勢いよく振り返り

 

「もう、一体何処まで来ているんですか!」

と怒鳴った

 

『世界の果てまで来ているんですよ、ってそんな怒んなよ』

と笑いながら2人が声を揃えて言った

 

「しかし、黒ウサギって凄いな」

 

「ああ、遊んでいたとはいえこんな短時間で俺達に追いつくとはな」

 

「当然ですよ。黒ウサギは箱庭の貴族と呼ばれる優秀な貴族ですよ?その黒ウサギが・・・」

ここまで言って黒ウサギは疑問に思った

(黒ウサギが、半刻以上もの時間、追いつくことが出来なかった?)

黒ウサギは箱庭の世界、創始者の眷属である

その脚は疾風より速く、その力は生半可な修羅神仏では手が出せない程である

その黒ウサギに気づかれず姿を消すことも

追いつけ無かった事もよくよく考えればおかしな話である

 

「ま、まあともかく!御二方がご無事でなによりです水神にゲームを挑んだと聞いて、冷や冷やしました・・・」

と言っていると

 

「ん?水神?」

「あぁアレの事か?」

 

と言って十六夜が水面を指差す

すると

 

『まだだ・・・まだ試練は終わってないぞ、小僧共ォ!!』

と言って十六夜が指していたーーー身の丈30尺はある巨大な大蛇が姿を現した

 

「蛇神・・・!ってなんでこんなに怒っているのですか!?」

と黒ウサギが問いかけると

2人は笑いながら

 

「いや、なんかさ偉そうに試練を選べとか言ってきたからさ?」

と龍夜がいい

 

「俺達を試せるかどうか試させてもらったのさ!」

十六夜が締めた

 

『人間風情が付け上がるな!この程度で倒れるか!!』

と言った直後瞳を光らせ風を巻き起こし、水柱が立ち上った

あの水柱に巻き込まれたが最後容赦なく胴体が千切れ飛ぶだろう

 

「お二人共下がっ・・・」

黒ウサギが庇おうとするが

 

「いや、黒ウサギこそ下がってくれ」

と龍夜がいい

 

「そうだぜ、黒ウサギ。これは俺達が売って彼奴が買った喧嘩だ!」

と十六夜が言い放った

それを聞いた蛇神は

 

「その心意気は買ってやろう。それに免じ、この一撃を・・」

 

「凌いだら勝利ってか?甘いぜ?」

 

「決闘ってのは勝者が決まって終わるんじゃない。敗者を決めて終わるんだよ!」

 

2人は傲慢な物言いをし、黒ウサギと蛇神も呆れて閉口した。

 

『フン・・・それが貴様らの最期の言葉だ!』

蛇神の雄叫びに川の水が巻き上がり3本の水柱が出来上がる

それは、蛇神よりも遥かに高く巻き上げた水は何百トンにも及ぶ

これこそが時に嵐を呼び、生態系さえ崩す神格のギフトを持つもの力だった

 

「十六夜さん!龍夜さん!」

黒ウサギが叫び、水柱が2人を襲う・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

筈だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハッ・・・しゃらくせえ!!」

 

「この程度で・・・俺を止められると思うな!!」

 

と2人は正拳突きを繰り出し、その拳により巻き起こされた暴風で嵐を薙ぎ払った

 

「嘘!?」

「何だと!?」

驚愕する二つの声、蛇神は全霊の一撃を弾かれ放心した

その瞬間を2人は見逃さなかった

 

先に龍夜が近づき

「おらよ、くらいな!怒号犀(どごうさい)!」

 

と言ってショートアッパーを放ち、跳ね飛ばす

「ぐぅっ!?」

蛇神は空え舞い上がった

 

「クソ、出鱈目だ!」

と言いながら何かをしようとするが

 

「させるかよ・・・天の鎖(エルキドゥ)!」

と龍夜が叫ぶすると

 

「な、何!?」

蛇神の周りに黄金色の波紋が浮かび上がったと思うと

そこから鎖が飛び出てきて、蛇神を縛り付けた

 

「十六夜、今だ!」

と合図をする

 

「OK!任された!」

そう言って悠々と蛇神の頭上に飛び上がり

 

「ま、中々に楽しめたぜ、オマエ!」

と踵落としでたたき落とした

その衝撃で河川が氾濫し、森が水浸しになる。

全身を濡らした龍夜と十六夜は

 

「くそ、ずぶ濡れになっちまった。クリーニング代ぐらいは出るんだよな、黒ウサギ?」

 

「俺もよろしく頼むぜ?」

 

と冗談めかしながら黒ウサギに言った




いかがでしたでしょうか?
ココ最近やれ卒論だの、やれアルバイトだのと結構ハードな日常になっています・・・
更新速度は更に落ちる可能性がありますが・・・
それでも読んで下さると嬉しいです!
では次回、もしくは別作でお会いしましょう!

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