ヘタレな男とポンコツオペ子   作:人類種の天敵

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自衛隊AC導入ネタ。
今のところタンク30重二25中二10で決まりっすかねー。
どう見ても有澤のAC部隊みたいな編成ですがまあ……日本は有澤の国だから仕方ない。
まず街並みがごちゃごちゃしてるから四脚とか無理だもんね?活躍するとしたらタンクか二脚に海戦でフロートと逆脚だもんね?
あとAMIDA二千とか言った奴、そろそろ自重しなさいww

それはそうと、ようやく天敵のイメージが纏まったのでキャラの1人をアップします。

【挿絵表示】























騙して悪いがキャラの1人としか言ってないんでな。


ハヤブサと鴉

 

少し、昔の話を………しようか。

 

もう、今の俺は忘れてしまった、過去のぼくの話を。

 

今の卑屈で、弱虫で、ヘタレな俺とは反対の、陽気で、強気で、勇敢なぼく。

 

どデカイ鳥カゴの中で、世界を知らずにいた少女を救った勇者の話を。

 

…………………きっかけは、何時だって其処に存る。

 

親から盗み聞きした話を頼りに鳥カゴを彷徨い、やがて見つけた、囚われのお姫様。

 

一時は2人の少女と仲良く平和に暮らしていた勇者は、ふとした出来事をきっかけに、ぼくで存った頃の記憶に蓋をして、俺として閉じ篭もるようになる。

 

ぼくの記憶は、今も暗い夜に溶け込んでいて、今の俺は、ぼくの記憶に日が当たり、思い出すことを、恐れている。

 

だけど、たとえ俺が、ぼくのことを忘れたとしても。

 

彼女はぼくのことを忘れないと言う。

 

ぼくを忘れないよう、また逢う日までボクで存ろうと、彼女は誓う。

 

そんな君も、俺は今日も、忘れたまんま。

 

ごめんね××。

 

さよなら××。

 

また今日も、2人の笑顔が、影のようにチラついている。

 

それだけが、過去のぼくにとっては耐え難い苦痛だったり、今の俺にとっては見に覚えのない喪失感だったり………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぼくのことはもう忘れていいよ」

 

「キミのことをボクは忘れないさ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………?」

 

まるで、醒めるような目覚めだ。

スーッと静かに意識が覚醒されて、俺はただ瞼を開けるだけで目覚めた……ような。

 

「おはよう、アリーヤ」

 

「………?……なんだ、常盤先輩っすか」

 

日本人にしてはありえないほどに真っ白な髪の束は、それぞれが朝焼けの光を反射して白銀のようにキラキラと輝いている。

くっきりと、美しい線を描く眉、慈しむように伏せられた睫毛、常緑樹のように静寂を物語る暗緑色の瞳、ほんのり桜がかった唇。

俺の目の前に見えるこの人は、見紛うまでもなく、雨燕常盤、その人だ。

 

「ボクが途中まで飲んだコーヒーだけど眠け覚ましに一口飲むかい?」

 

やけにクリアーな視界の真ん中に、体を起こした俺と同じ目線……つまり、俺のベットに腰掛けた常盤先輩が片目を閉じて左手に握ったマグカップを差し向けたので、俺は上半身を動かして常盤先輩の持つマグカップの淵に唇を挟んだ。

 

「からふぁが、いふぁいっふ(体が痛いっす)」

 

「そりゃそうさ、昨日アリーヤは崩れ落ちるボクの玩具(開発品)から美穂を庇ったんだからね。それぐらいの怪我で済んでよかったよ」

 

なぜだろう、先輩がそう言っても、俺にはなんの心当たりもない。

気になった俺は、どうせならと、ダメ元で先輩に確認する。

 

「…………………ふぉふへひはっへ?(そうでしたっけ?)」

 

「ボクが言うんだ。間違いない」

 

だけど先輩はウンウンと頷いて俺の口からそっとマグカップを離して、ほんのり桜がかった唇へと押し付けた。

 

「………そういや、なんで先輩がいるんすか?」

 

「クスクス。アリーヤの体調管理はボクの役目だ。なにより、あの事故の要因は部室の管理者であるボクの不始末。ならば、アリーヤに怪我を負わせた責任と義務としてボクがご奉仕するのは当然の事さ」

 

そう言ってスクッと立ち上がる先輩の格好に、俺はブフォッ!?っと勢いよく咳き込んだ。

なぜなら、先輩は………。

 

「なんで、白シャツ以外………何も着てないんすか……」

 

「ん?パンツは履いてるよ」

 

「いやだから…なんでもないです」

 

ほら、と腰を浮かせてお尻を向ける先輩の行動に頭が痛くなる。

はぁ、と短く息を吐いて時計を見ると、既に時間はSHRを過ぎて1時間目に入っていry

 

「遅刻ーーーーーー!!?」

 

あたふたと制服に着替えようとベットから立ち上がるが、全身をくまなく鈍い痛みが走っていく。

 

「まったく、その体で授業を受けようだなんて、このボクが許さないよ、アリーヤ」

 

先輩が俺の体をベットに寝転がせてテーブルに置いてある資料の束を掴む。

先輩に聞くと、どうやら新型UNACの稼働状況や各技術者や技術提携している企業が提案する武器やノーマルACのプランが書かれているそうだ。

 

「つーか、先輩はなんでここにいるんすか?授業は?」

 

「ボクは別に授業は免除されてるから」

 

ISを学ぶ学園に置いて、唯一ISを学ぶ授業を免除されている女性。

これは、過去にも、そしてこれからも先輩以外に免除される生徒などいないだろう。

 

「それで……なんで、先輩がここに?」

 

「クスクス。言ったろう?アリーヤの体調管理はボクの責任と義務で、ご奉仕だと」

 

本当に掴み所のない先輩だ。

 

「まあ、ご飯を食べてもらったらアリーヤにはテストをして貰うよ」

 

「うっす」

 

「今日はバズーカとグレネードランチャーとグレネードキャノンだね。もちろん相手は打鉄だからよろしく頼むよ」

 

「………随分と重い武器に偏りますね」

 

さて、と……と、先輩は上→白シャツ、下→白パンティーの姿で台所に行き、エプロンをしてから俺のために朝食を作り始めた。

 

「………ん?」

 

テーブルに放置された資料、その中に1つ。

『クラス対抗戦に奴が動く際の……』

と書かれたものが一枚。

 

「なんだ、これ」

 

『奴は必ず無人機を動員させるだろう』

『ノーマルACなら無人機の一機二機、苦戦すら論外だ』

『問題は、織斑と、奴の妹』

『別にアレらがヘマをして死ぬのは良いが、アリーヤが被害を被るのは避けたい』

『シャミア・ラヴィラヴィは人格や態度に問題はあるが、某国企業が奪取したIS、アラクネと戦闘を行った経験と実力は目を見張るものがある』

『他にも戦闘技能を磨いたノーマルACの操縦者を集めた私直属のノーマルAC部隊の編成にが急務だろう』

 

「ノーマルACの……部隊?」

 

『彼らと、私がISの世界を壊す。それは多くの愚か者達に忌避されるだろう』

 

『しかし私は、この世界を救うためにノーマルACを作ったのではない』

 

『変えるためだ』

 

『私と彼と美穂が、世界を見るに、鳥カゴのような今は、窮屈で退屈で邪魔だ』

 

『誰かに褒められたいわけではない。称えられたいわけでもない。ただ、邪魔だから、壊す』

 

『その行動理念は、正しく悪だろう』

 

『だから私は、必要とあらば悪になろう。悪を名乗ろう。そもそも、彼に出逢わなければつまらない人生だったのだから』

 

『悪には相応しい名前を』

 

『バッドカンパニー。これが彼らの名前だ』

 

そこで文章は終わった。

中々に厨二的な文だったが、これを書いたのは誰だろう?

先輩?いや、彼女は自分を「ボク」と呼ぶ。

「私」という一人称ではなかったはずだ。

 

 

 

 

『ぼくのことはもう忘れて?』

 

『私は、キミを、忘れない。』

 

『常盤は、やっぱり優しいね』

 

『だから、私は、ボクになる』

 

 

 

 

「……………?」

 

頭が、なにやら呆けているようだ。

全身の痛みもあるし、それが原因だろう。

きっとそうだ。

 

「アリーヤ、ご飯が出来たよ」

 

「あざっす」

 

ボケてきた頭を振って意識を覚醒させる。

折角先輩が朝食を用意してくれたんだ、全部食わなきゃ失礼だろう。

先輩曰く朝動くのに必要な栄養を求めた朝食、やらを丁寧に食べ終えた俺は、先輩の指示通りにまた今日もテストモードをプレイする。

 

武器は有澤と刻印されたグレネードランチャーに背中のグレネードキャノン、そしてGAという企業のバズーカだ。

 

『ーーTest mode、開始します』

 

白く、真っさらな世界に極小のポリゴンが群れを成して世界を形作る。

無色透明のポリゴンはやがて色を帯び、建物へと、車へと、標識へと、木へと、道路へと、雲へと………その姿を自在に変えていく。

そして、そいつは、そこにいた。

 

『………』

 

肩にはどでかい盾を持ち、まるで武士のような出で立ちを帯びたISーー打鉄。

 

『ちなみに、打鉄のデータ上の操縦者はマキちゃんだ。あの子結構強いから、油断は禁物だよ』

 

先輩の話を聞いて軽く驚きと躊躇を覚え、まあ、データだから、と両手に握ったバズーカとグレネードランチャーを目の前へ構える。

 

打鉄齋藤さんが動き出す前にグレネードランチャーとバズーカの引き金を、同時に引いた。

ドガン、バズーカの砲弾を喰らった道路がごっそりと削り取られた。

ドーン、グレネードの爆撃が打鉄がいた半径6メートルほどを爆炎に包み込み、木も、標識も、全てを焼き尽くした。

 

『………』

 

しかし、打鉄はそこにはいない。

スラスターを動かしてブーストを使用し、俺の背後へ的確に回り込む打鉄へバズーカの先端を向ける。

引き金を引くーーー打鉄が近接ブレードでバズーカを叩き、銃口がそれたことで砲弾は地面に衝突。

軽い衝撃に伴う地面のき裂。

打鉄はそれを意に介さずブレードの切っ先をヘッドパーツへ狙い定める。

 

「こっ……のっ!!」

 

フロート脚部に変形して離脱。

そのままバズーカを向けて発砲。

 

「ッ!?うぉぅっアアアアアアあ!?」

 

バズーカ発砲の衝撃でスラスターのバーニアが角度を変え、推進力を制御できず転びそうになる。

ならば、とバズーカを後方へ撃った反動でしょう姿勢を戻す。

『………』

 

「しまっ、こいつーーーー!!」

 

バガン。

安定性のないフロート脚部の状態を利用して、打鉄は近接ブレードを掬い上げるように振り抜いた。

フロート脚部による推進力もあり、俺は仰け反る形で後ろへ吹っ飛ばされる。

 

「くっそ、戦い方やべえな!…………ん?」

 

拘束された………?

HUDのセンサーが地面とナイトフォーゲルの装甲を繋ぎ止めるワイヤーを捉える。

こいつ……データの癖にこんな器用なことをするのか……?齋藤さんの癖に?

 

『………』

 

ドガガガガガ。

打鉄の近接ブレードが連撃を打ち付ける。

頭を中心に叩きつけられている気がする。

何か意図があるのか?……もちろんあった。

アラームと同時にHUDの機能の一つ、マップ機能が停止した。

これ、壊れるのか……そう思ったら今度は武器弾薬の表示が霞んで消えた。

 

「ふ、ぃぎぃぃ!!」

 

動こうと足掻くが、ワイヤーに固定されて動けない。

打鉄はそれを見越した上で連撃を重ねる。

HUDが霞む、ノイズが画面中を走り、パチパチと停電と発光を繰り返す。

 

ーーもしかして、やばい……?

 

『………』

 

『アリーヤ、AP80%減少してるよ』

 

「うへぇ……打鉄は?」

 

『まだ、10%も、行ってないよ』

 

…………………。

 

「まず、ワイヤーから切らないと」

 

まだ20%はあるんだ……自爆覚悟でやるしかない。

 

『 ? グレネードランチャー?』

 

『………』

 

ドゴン。

グレネードランチャーを地面へ向けて砲撃し、APと共に機体を拘束していたワイヤーをまとめて吹き飛ばす。

記憶通りの場所にバズーカを撃つが、打鉄は既にそこから遠ざかっていた。

 

「戦い方……上手いねぇ……」

 

『………』

 

あれか、齋藤さんって、普段は脳筋で天然で能天気で陽気な何も考えてないタイプだけど戦闘じゃちげえのか、凄え。

 

『………』

 

打鉄が迫る。

左腕には近接ブレードを、右腕にはいつの間にか槍を出して穂先をこちらへ突き出していた。

 

「確かにランチャーもバズーカもリロードタイムは長い………けどさぁ……」

 

フロート脚部を解除、元の二脚に戻ると同時に片膝をついて右背に取り付けられた長い砲身を右手で掴む。

強引に下へ砲口をズラして軌道修正。

照準よし、姿勢よし、タイミング……

 

「こっちにゃグレネードキャノンもあるんだわ」

 

ドゴオオオオオンッッ

 

……………………タイミング、完璧。

 

『打鉄の絶対防御発動。しかも全身に展開したからSEがごっそりと削れたね』

 

「流石有澤………神か………」

 

肩に着けたインパクトミサイルを撃ちまくる。

グレネードキャノンに爆ぜ飛ばされてビルに衝突し、ピクリとも動かない打鉄に衝撃特化ミサイルが次々と撃ち込まれていく。

 

「第二射、発射ぁぁぁーー!」

 

ドゴオオオオオンッッ

 

打鉄がいるビルの一階から二階……いや、三階までもが丸ごと弾き飛んだ。

土台を失った三階から上が重力に引かれて打鉄のいる場所へと落ちていく。

 

「うっしゃあっ!」

 

これは勝ったな!……思わずガッツポーズした俺の耳に、アラームが鳴り響いた。

 

「っ………は?」

 

カカカン。

軽い音が鳴って、物凄いパワーで前方に引っ張られる。

なんだこれ、ワイヤー?嘘だろ?

抗えるはずのないパワーに引きずられてずっこけた。

煙から、打鉄が現れる。

データ上の齋藤さんが、笑っていた。

 

 

 

 

『 Test mode end 』

 

「強すぎる!」

 

「うん、だってマキちゃん。特技枠でIS学園に入ったわけだから。結構有名さ、ハヤブサ乙女って」

 

テストモードを終えてナイトフォーゲルをパージすると、ノートパソコンのキーボードを軽快に叩きながら先輩がニヤニヤと言う。

 

「………なんすか、それ」

 

「IS学園特別技能者入試枠……略して特技枠さ。勉学や適性に優れてなくても、整備、戦闘、オペレート、情報収集、etc……IS関連に尖った特別な技能を持つ生徒をIS学園に入れるための措置」

 

「……つまり、総合力じゃなくて、個々の技術でIS学園に入った生徒って訳っすか?」

 

「そうそう。マキちゃんは元とはいえ国家代表補欠程の実力を持つ教員を倒したからねー……勉学はからっきしだけど戦闘になると判断や技術、度胸は1年生とは思えないほど異常だね」

 

先輩が断言するほどだ、俺が勝てなくてフツー。

つーかマジやばい、連撃喰らいまくってフロート脚部で逃げたら逃げたでアッパー切り喰らって吹き飛ばされていつの間にかワイヤーで拘束されて頭滅多打ちされて機能停止し始めてetc。

齋藤さんの戦闘中の反応速度と判断力マジやばい、齋藤マジやばい。

 

「………というか、齋藤さん、そんな強さでなんでセシリアに絡まれなかったんすかね」

 

「そりゃあ、あくまでもたった一個尖った技能でIS学園に入学した訳だから、ほら、羨む生徒もいる訳さ」

 

「………一般入学者」

 

「正解。まあ、特技枠の方が試験ハードルは断然高いんだけど、それを抜きにしてもIS学園の一般入学枠は倍率高いから特技枠の整備項目で入った美穂もあまり良い目で見られなくてね」

 

「だから、特技枠同時の2人は仲が良い、と?」

 

「まあ、そんなところさ。あ、それと就職とかに強いのも特技枠の魅力」

 

なるほど、尖っているアピールポイントでIS学園に入学する訳だから早い内に整備関連でエンジニアに、戦闘関連で代表候補とかに引き抜かれるのか。

それは、確かに羨むわけだわ。

 

「よし、グレネードランチャー、バズーカ、グレネードキャノンのテストは終わりだね。少し休憩を挟んで次のテストをしよう」

 

「うっす………次も齋藤さんすか?」

 

「クスクス。他の特技枠の生徒のデータで行こうか。そうだね………ラファールの拡張領域にトラップ系や投擲銃の武装を豊富に詰め込み、幾重にも罠を重ねて敵を絡め取る策略を得意とする他に、IS学園の一般入試でもほぼ満点に近い点数を叩き出す程のI.Qから敵との心理戦、頭脳戦も軽々こなすマキちゃんとは反対の秀才タイプ。奇襲、不意打ち、裏取り、時に状況戦も駆使する戦術のスペシャリスト……だけど、イレギュラーには打たれ弱くて苛立ちからの熱くなっちゃう典型的なタイプで、その優秀な頭脳と性格が災いして別名はヤクビョウガミ、カラミティメイカーってね」

 

なるほど、想定外に弱い……か。

 

「次のテスト武装はなんっすか?」

 

「ああ……次はね」

 

使う武器によっては、イレギュラーな戦法が出来るかもしれない。

例えば………キサラギの火炎放射器とか?

 

「次はショットガンとガトリングに背中が三連ロケットと高速ミサイルだよ」

 

……………もろ強襲兵装やないですか(´Д` )

がっくりと項垂れる俺の耳に、二時限目開始のチャイムが鳴り響いた。

 




齋藤さんは、あくまでも脳筋です。
ただ、反応速度やら判断力やらが人外じみてるだけで……………
…………ハッ……もしかして、強化人間………Σ(゚д゚lll)
というか武装がキサラギの火炎放射器以外全部AC4系ry
誰か良い武器ないか?とっつきは持ってくんなよ(´Д` )

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