少年と少女はめぐりあう   作:メガネコ

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UA9800を超え、お気に入り登録も250を超え、うれしさのあまり見舞いに来てくれた友人に抱き着いたところを、おばちゃんに見られ、きまずくなったメガネコです。


前回めぐりの身になにがおこったのか…!


評価、ご指摘、ご感想大変励みになっております!
材木座の、「読んでもらえてうれしかった」という言葉に共感する日々です。

ご指摘、ご感想お待ちしてます!


城廻めぐりは、思い悩んでいる

八幡side

 

カーテンがしまったほの暗い部屋。

 

そんな中めぐり先輩がうつぶせに床に倒れていた。

 

 

急いで彼女に近寄る。

昨日俺が寝てた後、何かあったのだろうか?

めぐり先輩を抱き起し顔をこちらに向ける。

ほっぺたが赤くなっていて、軽く開いた唇から漏れる呼吸が辛そうだ。

 

 

「ふぇ、比企谷君起きてたんだ、ちょっと待ってて今起きるから。」

 

惚けた顔でそうつぶやく。

 

めぐり先輩は立ち上がろうとしたが、力が入らなかったのかふらふらとしている。

 

 

このままだとまた倒れる…。

 

そう思った俺はめぐり先輩を、お姫様抱っこをしベッドに運ぶ。

 

「にゃ…!?」

驚いたようなかわいらしい声がめぐりさんの口から出る。

 

 

「めぐりさん、今日はゆっくりしていてください。昨日お世話になりましたし、今日は俺があなたを助ける番です。」

 

そういって先輩のおでこに手を当てる。

 

大体38度ぐらいはありそうだ。

昨日の雨でぬれたからなのだろうか風邪をひいているようだ。

先輩から冷えピタや薬の場所をきき持ってくる。

 

 

冷えピタを先輩のおでこに張り付ける。

体温計で熱を測ると、38.2と出る。

 

高熱だ。

 

先輩のベッドとマットレスの間にクッションをいれ頭の位置が高くなるようにする。

後は薬を飲むために何か食べてももらわないと。

 

 

風邪の時は消化にもよいおかゆがいいだろう。

そう思い一階におり、おかゆを作ることにした。

小町が風邪の時、我が家では両親が共働きのため、俺がよく学校を休み親の代わりに面倒を見ていた。

その時に作っていたおかゆを作る。

 

まず昨日の残りのご飯を茶碗一杯分用意する。

それを鍋に入れ水500ml程と一緒に煮立たせていく。

初めは、沸騰するまで強火で煮ていく。

 

次に、沸騰したら弱火にして   

 

塩:小さじ一杯程度

粉末ダシ:小さじ一杯

生姜:すりおろし(チューブでも可)を少々

鰹節:一つまみ

お好みで具を入れる。

 

そして十五分とろ火で煮て、火を止め十五分ほど待つ。

 

これで、茶碗二杯分のおかゆの完成だ。

お好みでお漬物なり、梅干をのせてもいける!

城廻家の冷蔵庫には浅漬けもあったので、それを小皿に乗せて持っていこう。

 

 

おあがりよ!

こんな時だけれど一度言ってみたかった…。

 

 

おかゆを茶碗一杯分用意し、薬を飲むために水をコップにいれ、おぼんに乗せ持っていく。

 

 

ノックをした後、部屋に入る。

いったん机の上に食事を置きベッドに近寄る。

まだ少し呼吸が荒れている。

 

暑さのせいか、息苦しかったのか、自分でパジャマの胸元のボタンをはずしていた。

そのせいで、由比ヶ浜や平塚先生ほどではないが、やわらかそうな丘が呼吸とともに上下しているのが見える。

熱があるため、顔も朱に染まっている。

 

端的に言おう。

なんか、こうエロいです。

ぐっと来ます。

 

 

危うく理性が持っていかれるところだった…。

 

 

いかんいかん、相手は病人。

 

邪な感情を捨てるために、頭を振る。

 

めぐりさんの肩を軽くたたき、抱きおこす。

 

「あの休んでいるところすいません。おかゆ作ってきたんで軽く食べませんか?

薬も飲まないといけないですし…。」

そういうと

 

 

「あ…うん。ごめんね。迷惑かけて……。君の方が弱っているときに…。」

そう言いながら、泣きそうな表情になっている。

 

 

「そんなことないですよ。昨日さんざんお世話になりましたしね。」

 

それでも、なにか言いたそうにしているので無理やり話を切る。

 

「病人はおとなしくしててください。はい、おかゆです。」

 

おかゆと、レンゲを先輩に手渡す。

 

それでも、先輩がシュンとしているのでレンゲを取り、おかゆをすくって先輩の口元に持っていく。

 

きょとんとしてる先輩に

「めぐりさん、口を開けてください。ほら、あーん…。」

 

めぐり先輩も素直に口を開く。

桜色の柔らかそうな唇が、小さく開きおかゆを食べる。

食べた瞬間さっきまでのシュンとした方が、どこへやら。

 

はにかみながら、小さく

 

「おいしい。」とぽつりとつぶやいていた。

 

 

人に自分の作ったものをおいしいと言って食べてもらえるのは、とてもうれしいことだということを思い出した。

風邪の時の小町もこんな風においしいって言ってくれてたっけ…。

そんなことを思っていると、服の袖をクイクイと引っ張られる。

 

「もう一口、お願いしてもいい?」

 

耳まで真っ赤にしながら上目使いで見てくる。

それは反則でしょ……先輩。

 

「え、ええ、いいですよ。あーん。」

 

 

めぐりさんが、おかゆを咀嚼し飲み込む。

細く白いのどが小さく上下に動く。

 

熱のせいか首についてた一滴の汗が服がはだけている胸元に流れていく。

前かがみに、なっているため胸元深く見えてしまう。

 

思わず目がひきつけられる。

べ、別に変な目でみてたんじゃないんだからね!勘違いしないでよね!

 

 

まずい、本格的にまずい…。

一応男子高校生なんです………いろいろあるんです。

自分の顔なんて見なくても赤くなっているのが分かる。

幸いなのは、めぐり先輩はそのことに気付いていないということだけだ。

 

・・

・・・

 

結局もう一回が何度も続き、おかゆ一杯まるまる食べさせてしまった。

ある意味地獄だった…。

 

いろいろ抑えるのが、ね?わかるよね?

 

 

おかゆを食べ終わった先輩に薬を飲ませ、部屋でゆっくりするように伝え立ち上がろうとする。

また袖をつかまれる、振り向くとめぐり先輩が小さく

 

「ありがとね、八幡君」

とつぶやいていた。

 

 

「ひゃ、はい…。」

ここで噛むなよ俺……。

あれ、いま名前で呼ばなかった…?

 

 

 

 

めぐりside

 

 

 

頭がぼーっとしている。

体が思うように動かない。

これは、風邪ひいちゃったかな…。

 

 

八…比企谷君に、朝ごはん作ってあげたかったんだけどな~。

さっき部屋に彼がきて、私をベッドまでお姫様だっこで運んでくれた。

恥ずかしいけれど、うれしかった。

重くなかったかな…。

 

手際が良かったし…。

 

他の子たちにもこういうことしてるのかな……。

そんなことを思っているうちに、まぶたが重くなり徐々に私は意識を手放した。

 

 

 

 

肩を軽くたたかれる。

彼がおかゆを作ってくれたとのこと。

うれしさもあるが、情けなさを感じてしまう…。

昨日陽さんの前であんなこと言っといて、翌日このざまなんて…。

だからか、彼の言葉にも

 

 

「あ、うん。ごめんね。迷惑かけて……。君の方が弱っているときに…。」

こう返してしまった。

 

 

「そんなことないですよ。昨日さんざんお世話になりましたしね。」

優しい言葉をかけてくれる。

逆に申し訳ない気持ちになる。

 

 

「病人はおとなしくしててください。はい、おかゆです。」

彼がお茶碗とレンゲを渡してくる。

それでも自分のふがいないところが悔しくて、なかなかおかゆを口に出来なかった。

 

そんな自分をみかねたのか

 

「めぐりさん、口を開けてください。ほら、あーん…。」

 

私は思わず口を開け、食べてしまった。

鰹節の風味とダシと塩のしょっぱさが調度よく、すぐに一口食べてしまった。

おかゆは味がほとんどなく、あまりおいしいと言うイメージはなかった。

 

予想以上のおいしさに、顔がほころぶ。

 

「おいしい。」

 

そうつぶやいてしまった。

 

 

すると彼が考え事をしてるみたいで、固まっている。

朝から何も口にしていないせいで、お腹が物凄く減っている。

でもレンゲを彼が持っているので、食べたくても食べれない…。

仕方ない、私は彼の服の袖をつかみ、ちょんちょんと引っ張る。

 

 

「もう一口、お願いしてもいい?」

 

 

そう頼むと彼は、なぜか顔を赤くし、

「え、ええ、いいですよ。あーん。」

としてくれた。

 

 

彼にそうしてもらうのがうれしくて、つい何度ももう一回と頼んでしまった。 

 

・・

・・・

 

おかゆを食べ終わり彼が持ってきたお薬をのんで、彼が私に「しっかり休むように」と言い部屋を出ていこうとする。

 

彼が純粋に私を心配してくれたのが、うれしく部屋を出ようとする彼の背中に

「ありがとね、八幡君」

そう声をかけた。

その後の彼の返事が、変だったのに少し笑ってしまった。

 

 

 

 

 

お腹もいっぱいになり、さっきまでのことを思い出す。

八幡君にあーんしてもらったり、自分からそうするように頼んだこと………。

 

 

あれ、私結構大胆なことしてなかった…?

 

 

枕に顔をうずめる。

熱で頭がぼーっとしてたせいか、してほしいことを普通に頼んでしまっていた。

しかも何気に八幡君って言ってたじゃん…。

 

「あぅ~………。」

 

声にならないうめきが出た。

枕に顔をうずめてたから、彼に声は聞こえていないはず。

彼に私の気持ちが、ばれちゃったのかな…。

 

 

いや気づいたとしても八幡君の周りには、雪ノ下さんや、由比ヶ浜さんみたいな可愛い子たちがたくさんいるしなぁ……。

あんな子たちと一緒にいたら、私のことなんて眼中にないよね…。

雪ノ下さんは美人で何でもできるし。

由比ヶ浜さんは胸が大きくかわいい、優しくもある。

2人とも異性にしてみたら惚れないはずはない。

でもでも八幡君時々私のこと見て顔赤くしてたし全く脈がないわけでもないはず…?

 

 

なんか、こんな事考えてると自分が下心で彼を助けようとしてるみたいで、なんか嫌だな。

下心が全くないわけでもないけれど…。

 

はあ、私ってこんな人だったのかな………。

こんなこと考えてたら、八幡君に嫌われないかな。

 

彼に嫌われたら…。

そう考えると胸の奥がキューとなる。

 

 

「八幡君。」

 

 

切ない気持ちになり思わず、彼の名前を呼んでしまった。

 

胸が苦しくなったのは風邪のせいだけではない気がした。

 

 

 




二人の心情を表すのがやっぱり難しいですね…。
他の作者様方のように、なかなかうまくいきません…。
はやくうまく書けるようになりたいです!

感想、評価、見てくださった方
この作品を読んでいただきありがとうございました(^o^)丿

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