少年と少女はめぐりあう   作:メガネコ

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やあ(´・ω・`)
お久しぶりの、メガネコです!
前回より時間が空き申し訳ない…。
FGOしてたわけではないです!本当です!!


それはともかく、今回から体育祭です。
中途半端に長くなったので前後編に分けてます。


ご指摘ご感想があればしていただけると幸いです。




体育祭  前編

 

めぐりside

 

 

 

いよいよ体育祭当日。

天気は快晴。

雲一つない秋晴れの空。

 

そんな天気なのに実行委員の表情は曇っている。

 

今グラウンドの方で何かあったという報告が来て、実行委員全員が向かっている。

 

聞いていた場所につく。

 

 

「うわっ……。」

結衣ちゃんがそう声を漏らす。

 

私も固まってしまう。

 

 

当日メイン種目やほかの種目で使われるはずだった入場門が壊れている。

 

正確に言うと倒れてしまっている。

おそらく倒れた時の衝撃で屋根の部分が折れてしまったのだろう。

この入場門は根元の部分は木材を使っているし、屋根の部分がいくら発砲スチロールといえど相当な風でも吹かない限り倒れないはずだ。

 

 

 

誰かが倒した。

 

 

 

これしか考えられない。

門を作るのを担当していた子たちは朝来ていた時には倒れていたと言っている。

一体誰が…?

 

 

 

「ど、どうしましょう……。」

入場門の製作の班長の子がアワアワしながら聞いてくる。

ご丁寧に紅組と青組それぞれの門が壊されている。

どの門も作るのには、かなりの時間がかかった。

 

 

「今から直せる………訳はないか…。」

ぽつりと言葉が出る。

 

 

今から直せるわけはない。

材料もこんなに大きく壊れてしまっていては、おそらく足りない。

 

かといって門がないというのも…。

 

 

「どうしたんですか?この騒ぎ。」

 

 

この子は確か…。葉山君か。

朝から運動部の子にはテントなどを立てるのを手伝ってもらう予定だった。

 

 

「葉山君か。入場門が壊れちゃってて…。朝誰か見てない?」

 

 

少し考えるそぶりをして

「いえ、誰も見てないです…。力になれずすいません。」

すまなそうにこちらに言ってくる。

 

 

 

「誰だよ、くそっ!」

「ふざけんなよ…。」

「せっかく作ったのに…。」

「やったやつ探そうぜ!」

 

 

徐々に騒ぎが大きくなる。

 

「みんな落ち着いてください!」

南ちゃんや雪乃ちゃんがそれぞれ押しとどめようとする。

 

 

「じゃあ、どうすんだよ。」

 

 

いろんなところからそういう声が広がり始める。

 

 

 

体育祭の開会式が始まるまで後一時間。

 

 

騒ぎがこれ以上大きくなる前に他の解決案を出さないと…。

 

 

 

 

八幡side

 

 

 

「まずいな……。」

思わずひとりごちる。

 

 

入場門が壊されている。

 

 

やった人間に関してはめぼしはついていない。

というか多くの人間が乗り気になっている状態のこのタイミングでこんなことをする意味は?

 

 

普通なら周囲にけんかを吹っ掛けるようなものだ。

 

 

それなのにした。

 

 

よりによって当日に。

 

 

 

となると今回の件で何か個人的な恨みがあるやつ。

 

 

俺か?

はたまた相模か?

 

 

 

まあ今考えても仕方ない。

入場開始まで一時間。

今のところめぐりさんをはじめとする実行委員が周囲を押しとどめているが時間の問題だ。

 

 

 

せっかくのめぐりさん最後の体育祭。

 

 

なんとか成功させたい。

 

 

 

そう考えて俺は門をもう一度見る。

屋根の部分はボロボロだが、柱部分は壊れていない。

柱だけなら使えるか?

 

 

 

よし。

 

 

 

俺は柱の製作をしていた班長の人に

「壊れた柱と屋根の部分の断面を塗るのだったらどれくらい時間がいりますか?」

そう聞いてみる。

 

 

戸惑いながらも

「え、えっと断面を塗るぐらいならすぐできるけど…。」

すぐに答えてくれる。

 

 

「ならお願いしても構いませんか?せっかくの作品ですし、このまま処分はもったいない。

使えるところは使いましょう。」

 

 

そう提案する。

 

 

「そうですね。わかりました!みんなにも伝えてきます。」

快く承諾してくれた。

班長さんが製作の人たちをまとめてくれる。

 

 

 

残りは今来たばかりの連中か。

 

 

「皆さん、後は実行委員の方で処理させていただきます。なので今は持ち場に戻ってください。」

俺は声を張り上げていう。

 

 

「でも…。」

「せっかく作ったのに…。」

 

 

まあ、そりゃそうだよな…。

俺は知名度が高いわけではないし、カリスマがあるわけでもない。

なかなかすぐに、はいそうですか、とは言ってくれないだろう。

 

 

「でも、今は彼らに任せてみないかい?ここで僕らが騒いでいてもほかの作業の子の邪魔になるし。」

 

 

そういって現れたのは葉山だった。

正直こいつのことはそんなに好きではないが、今は助かる。

 

 

「葉山君がそういうなら…。」

 

 

葉山が説得を重ねるにつれて、少しづつだがギャラリーが戻っていく。

 

そんな葉山にめぐりさんが

 

「ありがとう!葉山君助かったよ!」

 

 

嬉しそうにそうお礼を言っている。

 

 

それに笑顔で葉山が答えている。

 

 

 

なんか無性に悔しい。

こういうのを嫉妬というのだろうか?

なんだかもやもやする……。

 

 

 

 

 

だが実際葉山がいなかったらもっと手こずっていたのは確実だ。

 

 

仕方ない………礼ぐらいは言っておくか。

 

 

そう考え俺は葉山に近づく

 

 

「あんがとな…。お前のおかげで助かったよ。」

 

 

葉山が驚いたような顔でこちらを見てくる。

 

 

なんでそんなに驚くんだよ…。

 

 

「あれか?何か俺の顔についているのか?」

不機嫌そうな声が出る。

 

 

「いや、君からお礼を言われるとは思わなかっただけだよ。だから言われて少し驚いた。」

苦笑しながらそういってくる。

 

 

「おいおい、俺はそういうことはちゃんとするタイプだぞ?」

おどけながらそう返す。

 

 

「昔の君ならそういうことはしないさ。特に僕にはね。」

 

 

「それは否定しないがな…。」

まあそうだけど…。

 

 

俺は薄っぺらいこいつをあまり好きではない。

 

 

そんなやり取りをしていると

「そこの二人少し手伝って!」

そう呼ばれる。

門の修理に人手がいるみたいだ。

 

 

「「すぐ行きます!」」

俺たちは同時に返事を返す。

 

・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・

 

ついてないことに葉山の隣で作業をすることになった。

まあ二人同時に呼ばれたのだから当然といえば当然だ。

作業といっても屋根との断面のところにスプレーを吹きかけ、きれいに見せるだけなのだが。

 

しばらくの無言のあと

 

「君は変わったな…。文化祭の時からそんなに経っていないというのに。」

小さくそう葉山がつぶやく。

 

 

「いろいろあったんだよ。」

ぶっきらぼうに答える。

実際にめぐりさんにいろいろ助けられたしな。

 

 

「変わろうとしなかった君がそこまで変われたのか?」

真面目な表情でこちらにむいて言ってくる。

普段の穏やかだけれど、どこかうすい言葉ではなかった。

 

 

こいつもこいつで思うところでもあるのだろう。

 

 

いつもみんなの葉山隼人として演じているのだから。

 

 

案外今の自分を変えたいとか思っているんだろうか?

 

 

「文化祭の件で懲りたんだよ…。」

とぼけたようにそう返す。

 

 

「それだけではないんだろ?」

そんな俺に構わず真面目に聞いてくる。

 

 

こんなことを言うのは俺のキャラじゃないんだが…。

 

いつになく真面目なこいつに影響されたのか、素直に答えてしまう。

 

「一番の大きな理由は、『心の底から信じてもいい頼ってもいい』そう思える人に助けてもらえたことかな。」

 

 

葉山は小さくうなずき先を促す。

 

 

「そこでやっと心から人を信用したりできるようになった。

それに変わりたいと思ったんだ。」

 

 

自分で言っててとても恥ずかしい。

なんだろう後でもだえるくらいには恥ずかしい。

 

 

「………そうか。」

 

 

何か葉山は考えた後、こちらに手を差し出してくる。

 

 

「俺と友達になってくれないか?」

 

 

 

俺はその手を取らない。

 

 

「遠慮する。」

 

きっぱりとそう告げる。

うすっぺらい面をかぶっている今のこいつとは、そんな仲になれるはずがない。

 

 

「そうだよな…。そういうと思った。」

苦笑いしながらこちらを向いてくる。

そういうと思った、というように。

 

 

「今はな。」

 

 

「えっ……。」

葉山が驚いたように固まる。

 

 

「今のお前とはそんな関係になるつもりはない。

ただ少しでも変わったら考えないでもない………。」

 

 

本当にらしくない。

 

「変われると思うか、俺は?」

 

 

 

「俺でも変われたんだ。

お前の周りにも、ちゃんとお前を見てくれる奴はいるだろ?

後は変わろうと自分で思えるか。それだけだ。」

 

顔を背けながらそう答える。

 

 

「まさか、君にそんなことを言われる日が来るとはな…。

かなわないな…本当に…。素直に君に嫉妬するよ。」

 

そういって笑う葉山の顔はどこかすっきりとしている。

 

 

嫉妬か…。

普段よりはずいぶん人間臭いことを言うようになったな。

 

 

 

「そうかい。お前にそういうことを言えるぐらいには俺も変われたってことさ。」

 

 

おどけたように返す。

 

 

「まあ、いいさ。城廻先輩とのことを応援してるよ。」

そう笑いながら俺に向かって言い、塗り終わったのか立ち去っていく。

 

 

ん?

 

 

もしかしてバレた……。

畜生……なんか悔しい……。

 

してやったと思ったんだが、さすがリア充の王。

 

 

「あいつとだけは友達になりたかねえな…。」

苦笑いしながら思わずそうつぶやく。

 

 

 

校庭には海老名さんの「はやはち!」の声が響いていた。

 

 

 

あの人ほんと抜け目ないな…。

 

 




葉山が難しい…。
まあ葉山の意識を変えてやるというのもこの作品でしたかったことなのでやれてよかったという感じです!

FGOガチャ今回は課金しようかと真剣に悩みました…。
アルトリアさんと玉藻さんが来て宝2になったけれど、清姫とマルタのほうがホシカッタ。
期間限定か………。


次回は途中までできているのでこんなに遅くなりません!(予定)


最後まで見てくださりありがとうございました!

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