少年と少女はめぐりあう   作:メガネコ

25 / 29
やあ(´・ω・`)
シン・ゴジラのBGMを聞きながら書いているメガネコです。

最近一話からちょくちょく修正してます。
いらないところを削っているはずなのに文章量は増える。
なんだかんだと付け足しちゃっているからなんですけどね…。


今回で会議最終回です。


ご指摘ご感想あればしていただけると幸いです。


会議(3)

めぐりside

 

 

お昼休みにお弁当を食べながらの対策会議である。

今ここにいるのは私と奉仕部の三人と南ちゃんだ。

 

「でも結局どうすればいいんだろうね…?」

雪乃ちゃんが出してきた紅茶を飲みながら、結衣ちゃんが話を切り出す。

 

「もとはといえばうちのせいだし…。うちがみんなの前でもう一度謝るとか?」

南さんがサンドイッチを食べながらそういってくる。

 

 

「あまり意味はないと思うけれど…。それに前回すでに謝罪したことをもう一度言ってもね。」

雪乃ちゃんが悩ましげに言う。

 

「できることは全部やっているっていうアピールが必要だから、対策とかをちゃんとすることぐらいかな…。」

私が言うと

 

「実際そのぐらいなんですよね…。」

八幡君が唐揚げを食べながらそう言ってくる。

 

 

「救護班を作るとか?」

 

はいはいと元気よく結衣ちゃんが考えを出す。

 

「あとはルールをしっかり作って監視員をつけるとかも?」

南ちゃんも意見を出す。

 

「あとは地元の消防とかに協力してもらうとか?」

八幡君の言葉だ。

 

「それは学校側からお願いするしかないかな。できるかはわからないけど…。」

体育祭で消防が動いてくれるのかという問題は残っているが、やれることはやっていこう。

 

「あとはルールをより多くの人に知ってもらうとか、でしょうか?」

雪乃ちゃんも意見を出す。

 

 

「これぐらいだよね…。」

南ちゃんも困りながら言ってくる。

 

「千葉戦の衣装とかはどうしようか?」

と結衣ちゃんが卵焼きを頬張りながら聞いてみる。

 

確かに衣装の件について何も聞いていない。

 

 

「それは沙希がやってくれるみたいだぞ?海老名さんとかと協力して。」

と八幡君

 

「道理で沙希が楽しそうにしてたわけだ…。」

と南ちゃん

 

この会話からやっぱりライバルが増えたことを確認してしまう私。

雪乃ちゃんも少しジト目で彼を見ている。

そんなことに彼が気付くわけはないが………鋭いのか…鈍感なのか。

 

 

「サキサキなら大丈夫だね!姫奈もいるし!」

おにぎりを頬張っている結衣ちゃん。

ほっぺたを膨らませてハムスターみたいだ。

 

「結衣、ご飯粒。」

雪乃ちゃんがほっぺについたのを取っている。

ここは親子かな?

ほほえましいなぁ…。

妹とかいたらこんな感じなのかな?

 

「衣装のデザインは海老名さんがしてくれるみたいだし、明日にはどうにかなるだろ?

日にちだってそれなりに残っているし。」

八幡君がそういう。

 

「まあ今日も頑張ろうか!」

私がそういうと、みんなしっかりとうなずいてくれる。

 

・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

会議は三日目に突入する。

 

 

前回の私の注意を聞いてくれたのか、それなりの人間が自分なりに案だったりを考えてきてくれている。

その数は全体の半分近く。

 

 

『パン食い競争』……文字通りパンを食べる。

 

『借り物競争』……実行委員が適当に持ってくるものを書き、それを選手に取ってきてもらう。

 

『部活動対抗リレー』……部活動ごとの特色を生かしながら行うリレー。サッカーならドリブル。テニスならラケットで球をつきながら。 

 

 

前回の物に加えてこれだけの意見が出た。

少しずつだがいい方向に流れを持ってきている。

 

 

「では、この中からメインとなる種目を二つ決めます。皆さんがいいと思うものに二回手を挙げてください。」

 

南ちゃんが仕切る。

なんだかんだで三回目なので緊張せずにしっかり言えている。

 

 

 

 

集計した結果は

 

 

『千葉戦』……男子と女子で分かれてする。

 

当初女子限定だった『千葉戦』に男子もやってみたいというのが入った。

そのため千葉戦は男子、女子の二回行われるということで決定した。

 

 

     

大将騎を三騎用意し、ほかの人たちはそれを守るというもの。

一試合五分で二試合する。

大将騎を一人打ち倒すごとに10点入る。

 

この際に紅組の総大将は葉山君に。

青組の総大将は戸塚君にお願いすることになった。

2人とも快く引き受けてくれた。

 

そしてその二人以外の四人は、紅組からは戸部君と大和君が、青組からは八幡君とバスケ部の部長の桜木君が出ることになった。

八幡君ははじめ出たがっていなかったけれど戸塚君が説得することで出てくれるようになった。

 

女子の青組総大将は私、紅組総大将は三浦さんという子がしてくれる。

他のメンバーは青組は結衣ちゃんと雪乃ちゃん。

紅組からは海老名さんと沙希ちゃん。

に決定した。

 

 

そこで千葉戦をするとなるとケガが気になるという人たちが多くいる。

大半はやっぱり秋にある大会だったりコンクールだったりのことを気にしているようだ。体育祭は楽しみたいがもちろん部活だって大事だ。

 

 

そういう子たちのためにしっかりと説明する。

 

 

まずルールを厳格に決めること。

暴力行為などの禁止。

この競技を行う人にはルールをちゃんと知ってもらうこと。

 

競技を行う際の監視員の目を増やすこと。

 

救護班を保健の先生のもと保健委員を中心に作ること。

万一大けがをしても対応できるように消防にはあらかじめ協力を仰いでいること。

 

以上のことを報告する。

多くの生徒はそれで納得したようだが…。

 

少数の人達はいまだ不満そうな表情をしている。

しかし声に出して不満を言ってこない。

 

今は多くの人たちが体育祭に乗り気だからだ。

でも何か対策たてないとな…。

 

 

「千葉戦なんですけど、男子と女子の衣装を変えてみるのはどうです?」

そんな中、一人の生徒から案が上がる。

 

「例えば男子は西洋風、女子は和風のような感じで」

おおと周りから声が出る。

 

 

提案してくれたのは手芸部の部長をしている私の友人の佐藤千尋(さとうちひろ)だ。

 

 

【挿絵表示】

 

 

こちらにウインクしてくる。

空気を読んで提案してくれたのだろう。

小さく手を合わせ感謝した。

 

 

「じゃあ、衣装案が出来たらそちらにお願いしてもいいですか?」

南ちゃんがそう頼むと快く引き受けてくれた。

 

「入場門とかかっこよくしたいです!」

 

「音楽とかどうします?」

 

「いやさすがにそれは……。」

 

「それある!」

 

 

 

徐々ににぎやかになっていく。

まるで去年の活気が戻ってきたかのように。

 

なんとなくうれしい。

自分の代でそういう風景が戻ってきて。

 

 

着々と割り振りが決まっていく。

救護班は保健委員の子たちが中心になり決め始め。

運動部は種目の道具などを作る人たちを集め。

文化部は手芸部を中心として衣装がきた時ように人数を割り振る。

 

皆が生き生きしている。

 

この日の会議はそれで幕を閉じた。

 

 

 

翌日から本格的に道具作りが始まった。

 

衣装のデザインは海老名さんという子と沙希ちゃんがしてくれたらしい。

 

男子の甲冑のデザインと女子のデザインはやはり派手だと思う。

 

総大将は他よりも目立っていて、

葉山君用、戸塚君用の二つが特別に用意されている。

 

葉山君のはいかついデザインでいかにも強そうな感じ。

 

 

【挿絵表示】

 

 

戸塚君のは見習い剣士のような感じで、装甲も全体的に丸みがあるものが多い。

 

 

【挿絵表示】

 

 

八幡君たちの物はいかにも王様を守る騎士という感じでシンプルなデザインになっている。

 

 

【挿絵表示】

 

 

入場門は日本の城の入り口を元にデザインしてくれたらしい。

 

 

【挿絵表示】

 

 

材料は根元のほうに木の廃材を用い重くし、基本は発砲スチロールや厚紙などで装飾するらしい。

入場する際の大将騎は男子は西洋風の剣、女子はなぎなたをモチーフにした物を持ちながら入場する。

これはもちろん偽物だ。

その辺のおもちゃ屋で販売している模造刀でどうにかなる。

女子のも壊れている箒の柄の部分の先に発砲スチロールでそれっぽい刃を作ることで決まった。

 

意外と本格的だが、準備期間がそれなりにあるためうまくいくだろう。

 

 

 

沙希ちゃんが

「八幡サイズ測るからこっち来て。」

クイクイと手招きしている。

 

葉山君は海老名さんが、戸塚君は千尋がサイズを測っている。

 

海老名さんと千尋は趣味が合うらしく和気あいあいとした感じで話している。

 

「戸塚君は受けだよね、やっぱり。」

 

「いえいえ千尋先輩、案外攻めかもしれませんよ?」

 

「強気な王様に対して見習い剣士がこうグイッと行く感じね…。」

 

「そうそう一見ひ弱そうに見えて結構強気な感じで。」

 

「いいねぇ…。君とはいい友人になれそうだよ。」

 

「こちらこそです!先輩」

 

 

何やら受けだの攻めだの専門用語のようなものを使っている。

まあ楽しそうだし別にいっか!

 

にしても戸塚君かわいなぁ…。

あれで男の子なんだもんね。

手芸部の子たちのテンションが上がるのもわかる。

 

 

今は南ちゃんと雪乃ちゃんは保健委員の子たちと話し合っている。

結衣ちゃんも海老名さんと千尋のほうで話している。

 

絶賛暇な私はどうしようか?

 

八幡君のところにいこうかな?

そう思い周りを見渡すと、沙希ちゃんが八幡君とお話ししている。

 

「あんた意外と鍛えてるんだね…。」

そういってペタペタとさわっている。

少しだけ…ほんの少しだけうらやましい。

 

「そうか?大志だって運動しているからこれぐらいあるだろ?」

 

「いや、まだまだだよ。あんたこそ運動部でもないのになんで?なんかしてるの?」

 

「まあもともとボッチだったし、一人で何でもしなくちゃいけなかったからな。」

 

 

「今は違うみたいだしね。」

沙希ちゃんが、からかうようにそういっている。

 

「お前や彩加とかたくさん大事なのができたからな……。」

照れくさそうにしながら沙希ちゃんのほうに向かって伝えている。

 

「そ、そうだね…。」

顔を赤く染めた沙希ちゃんがいる。

 

その後も二人は家族の話などで盛り上がっている。

 

 

何だろう。

彼のことをよく知っていると思っていたのに…。

 

 

2人が仲良く楽しそうに話しているのを見るのは少しつらい。

 

彼はつらいことがたくさんあったんだ。

だから、お友達と楽しそうに話すのは喜ばなきゃいけないのに。

 

 

それなのに………

 

 

 

 

 

もっと私のほうを見てほしいな

 

 

 

 

 

そんな子供のわがままなような感情がわいてくる。

………嫌な女だな私。

 

 

頭からその考えをなくすように頭をプルプルと振る。

 

そんな時ちょうど南ちゃんが声をかけてくる。

 

「めぐりさん、消防の件で保健の先生がお話があるそうです。」

 

 

「うん、わかった。すぐ行くね。」

さっきまでの感情をなかったことにして、私は二人の待つところに向かった。

 

 

 

 

 

準備は滞りなく進み、ついに体育祭当日になる。

そこで一つの問題が起こる。

 

 




いかがでしたでしょうか?

夏に終わらせるために週3、4投稿しないと間に合わないことに気付いて焦っています…。
秋になったらソロキャンにいきたいなぁ…。

今回の鎧は女子用のがないのは、原作に出ているからです!
決して思いつかなかったとかじゃないです…。

後次回以降もう出てこないであろうオリキャラを出しました。


次回は体育祭本番です。
さすがに準備を伸ばしてもダレルだけだしね…。

最後まで見てくださりありがとうございました!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。