少年と少女はめぐりあう   作:メガネコ

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やあ(´・ω・`)
久しぶりの連続投稿です。

UAが10万行きました!
お気に入り登録も900超えてなんか不思議な気持ちです…。
今月中になんとか完結させたいです!

あと数話ですがお付き合いくださると幸いです。

今回はめぐりんがおこりんになります。


ご指摘ご感想があればしていただけると幸いです。



会議(2)

八幡side

 

 

まずいことになったなぁ…。

今会議は絶賛荒れ模様である。

 

 

種目決めで決まったのが

「棒倒し」…各チームの色の棒を倒したら終わりというものである。

「千葉戦」…騎馬戦のようなもので大将騎には鎧のコスチュームを着なければならない。

 

「男子総勢での綱引き」…そのまんまである。

 

「障害物競走」…ネットの中をくぐったり、小麦粉の中から飴玉を探したり定番といえば定番だ。

 

他にもあったが大体この四つになった。

だがここで問題が発生した。

 

やたらと反対意見が出るのだ。

 

やれ予算がどうのだ。

けがをしたらどうする。

部活の大会が近い。

 

 

通年このぐらいなのかと聞くとそうではないようだ。

 

 

やはり相模の件か…。

簡単に言うと皆リーダーが気に食わないというのがあるのだろう。

 

そう簡単に払しょく出来はしないだろうが、ここまでとは…。

 

 

相模や雪乃、めぐりさんが答えてはいるが、なかなかうまくいかない。

 

 

まあこの状態ではどうしようもないだろう。

 

あいつが嫌いだから。

 

これがおそらく批判している奴らの原動力だ

 

世の中にはそんな理由だけですべてを否定する人間なんてたくさんいる。

OO人だから、何となく気に食わないから。

そいつ自身が言っていることが正しいとか正しくないとかは関係ない。

はじめからそんなもので判断してないからだ。

 

 

 

「てか、第一なんでお前が実行委員長なんてやってんだよ。」

 

「そうよ。逃げてたくせに。」

 

「一回謝ったくらいで調子のんなよ。」

 

 

もう体育祭のことは関係なくなってしまった。

ただの相模をつるす会になっている。

 

相模自身も手が震えている。

実際に相手の言っていることが間違いではない。

逃げたのも事実だ。

間違いではないのだが…。

 

 

だがそれでもカチンとくる。

今回の意見のうち大半は相模が考えてきたものだ。

 

他の人間はほとんど何も考えてこなかったくせに、反論だけは一丁前にしてくる。

しかもその反論の理由がついには小学生レベルにまでなっている。

 

 

まずいな…俺がなんか言って気を引くしかないのか?

俺が行動を起こそうと動こうとした瞬間。

 

 

 

 

ばしんという音が響く。

誰かが机をたたいたのであろう。

 

 

 

「ここは競技について話す場なんだけど。」

 

 

めぐりさんだ。

珍しく怒気をはらんだ声でそういった。

 

 

「今相模さんがしてきたことがいったい体育祭と何の関係があるのかしら?」

めぐりさんが周囲を見渡す。

誰も先ほどのように野次を飛ばさなくなる。

 

 

めぐりさんの言っていることが正論だからだ。

何も間違っていない正論は立派な武器として役立つ。

 

「この中の競技の大半を考えてきたのは相模さんだし、彼女は今ちゃんと仕事をしている。

それなのに反対意見しか出さず、碌な理由もないのに提案者が気に食わないからという理由の人はいないよね?小学生じゃないんだから。」

 

 

ここまで言った後ゆっくりと息を吐き雪乃と相模に

 

「二人とも今日はもうお開きにしよう。このままじゃ時間の無駄だし。」

 

雪乃と相模もオズオズとだがうなずく。

 

「それでは今日は解散します。明日までに反対意見があるなら理由を考えてくること。

高校生らしい理由をね?」

 

 

そしてめぐりさんの手をたたく合図で全員が戸惑いながらも帰り支度をし始める。

そんな中いっさい話し声が聞こえない。

 

 

「すごいな…。めぐりさんは…。」

思わずそうつぶやいてしまう。

 

 

前年度の生徒会長があの陽乃さんだったことで、よくだめだめだと言っているがそんなことはないと思う。

十分集団の扱いが分かっている。

こういう時にちゃんと道を正せるというのはすごいことだ。

自分に火の粉が降りかかるかもしれないのに…。

 

 

奉仕部の面々とめぐりさん、そして相模だけが残っている。

 

 

「めぐりさんが怒るなんてびっくりした……。」

結衣が改めて驚いたようにそういう。

 

「怖かったかな…?」

めぐりさんが結衣に聞くと

 

 

「ちょっと…でも正しいことだったからそんなに怖くはなかったです!」

 

 

「ええ、めぐりさんがいなかったらあのままでしたでしょうしね。」

そういって雪乃も結衣と同意見のようだ。

 

「その…ありがとうございます…。めぐり先輩。」

相模がおずおずとお礼を言う。

 

 

「気にしなくていいよ~。だってむかつくんだもん!!」

ぷんぷんと明るい雰囲気を出しているが、立っている足は少し震えている。

 

 

雪乃はそれに気づいたのか

「結衣、南さんちょっと先に帰るわよ。」

そういって二人に帰宅準備を促す。

 

「うちは沙希が来るまd……ちょっと雪乃さん!?」

 

「どうしたの雪乃!?」

そういってカバンを持った二人の腕をつかみ教室の外に引っ張っていく。

 

 

雪乃が教室を出るときに、ちらっと俺に目配せをしてくる。

俺はしっかりとうなずき、それにこたえる

 

「八幡、めぐりさん、また明日ね!!」

 

「比企谷もめぐり先輩もさよなら!!」

結衣と相模が元気よく答えながら教室を出ていった。

 

 

 

「どうしたのかな?雪乃ちゃん。」

不思議そうにきょとんとしている。

 

「めぐりさん、足震えてますよ?」

俺は静かにそういう。

 

 

「あはは……。ばれちゃったか。実を言うと少し怖かったんだ………。」

ぽしょりと言うめぐりさんは、さっきまでの生徒会長ではなく普通の女子生徒になっていた。

 

「情けないよね…。ごめんね、こんな姿見せちゃって…。」

そう言いうつむく彼女を見て

 

 

やさしくめぐりさんの背中に手を回す。

俺との身長差ならちょうどめぐりさんの頭が胸の位置に来る。

ゆっくりと抱きしめる。

 

「え…ちょっと、八幡君…?」

突然の俺の行動に戸惑ったのか、めぐりさんが腕の中でもぞもぞ動いている。

 

「めぐりさん、俺がよく不安だったときとかにこうしてくれたでしょ?

そのお返しです。」

 

そういうとめぐりさんはもぞもぞ動くのをやめて、ゆっくりと俺の背中に腕を回してくる。

 

「それに情けないって言ってましたけどそんなことはないですよ。

頼りがいのある先輩です。」

 

 

「そっか…。」

安心したように俺の胸に頭を押し付けてくる。

 

そして

「………頭…なでて……。」

めぐりさんがそうねだってくる。

 

「今日私頑張ったから…そのご褒美ぐらいくれてもいいんじゃない?」

上目づかいでこちらを見てくる。

 

反則だよ…それは…。

そんなことされて断れる人はいないでしょ…。

 

片方の腕を背中から頭に回し、優しくなでる。

柔らかい髪をなでると甘いにおいがふんわりと香る。

しばらくそのままでいた。

 

 

 

咳払いの音が聞こえる。

驚いて二人でそちらのほうを見ると校長がそこにいた。

 

「いや、あのでしゅね……。」

めぐりさんも突然のことに動揺しているのか言葉がうまく出てこない。

 

「そういうことは家でしなさい。ここだと誰かに見られてしまうよ?私のように」

そういって快活に笑いながら教室を後にする。

 

 

「か、帰りましょうか…。めぐりさん」

そういう俺の提案に

 

「う、うん、帰ろっか。」

めぐりさんも賛成してくれる。

 

 

ゆっくりと日が沈む中、俺とめぐりさんは一緒に帰ることにした。

 

 

雪乃side

 

 

めぐりさんの足が震えているのを気付いたのは、おそらく私と比企谷君だけだろう。

だから八幡君にめぐりさんのことを任せたのだ。

めぐりさんは八幡のことが好きだから…。

 

 

自分だって八幡のことが好きだが、この問題を解決するまでは協力すると他の二人にも約束した。

ただ少しうらやましいと感じてしまうが…。

 

 

途中で川崎さんと出会い南さんとは別れて帰ろうとしたが、南さんと結衣がカフェに寄りたいといってきたので、四人で向かうこととなった。

 

なんだかんだ言ってコミュニケーション能力の塊みたいな結衣は南さんが八幡の前で謝ってくれて以来仲が良い。

少し結衣を取られているようで嫉妬してしまうが、そこは大人の対応をする。

そうなるとカフェまでの道のり川崎さんと話さなければならなくなる。

 

 

だが私はおそらく彼女に嫌われている。

スカラシップのことで相手の立場を考えず言ってしまったからだ。

それにお互い話すのが苦手な人間である。

自然と会話なんてものは発生しない。

前を歩く二人とは対照的に気まずい空気が漂っている。

 

 

「あのさ、雪ノ下…。スカラシップの件ありがと…。」

唐突にそういってくる。

 

「別に私が何かをしたわけではないのだけれど…。」

正直戸惑ってしまう。

いくら八幡たちと仲良くなったとはいえ、素直に褒められるのにはまだ慣れていない。

 

 

「それにあん時あんたに失礼なこと言ったじゃない…。それを謝っとこうと思って…。

ごめん。」

 

 

「別に気にしていないわ。こちらが先に言ってしまったのだから悪いのはこちらよ。

そのごめんなさい。」

 

そういって素直に彼女に謝ることが出来た。

昔の私ならこうはすんなりいかなかっただろう。

彼のおかげか…。

胸の内に一人の少年の顔が浮かぶ。

たったそれだけであったかい気持ちになるのだから私も単純になったものだ。

 

「あんたが謝ってくれるとは思わなかったよ…。」

少し驚いたようにそういう彼女に

 

「失礼ね…。私だって謝ることはあるのだけれど…。」

むかついたのでむすっとしたような表情になる。

 

 

「悪かったって…、そんな怒らないでよ。」

 

「怒ってないわ、もともとこんな顔よ。」

 

 

すまし顔でいうと川崎さんが笑いながら

 

「やっぱりあんた変わったよ。」

 

と言ってくる。

 

「ちょっと雪乃さん!うちの沙希を取らんといてくれる?」

そういって南さんが川崎さんの腕に抱き着く。

 

「だれがあんたのだ。」

そういってデコピンで南さんをあしらっている川崎さん。

 

あなたも十分変わったわよ…。

そう思わずにはいられなかった。

 

「ねえ、雪乃。私ってネーミングセンスないのかな…?」

結衣が腕に抱き着きながらそう聞いてくる。

 

「どうしたのかしら?急に」

 

「なんか南と話してたらさ、猫に名前なんてつける?って聞かれたから

エリザベス二世って答えたら笑われたの…。」

真剣な顔で聞いてくる内容が内容だったので思わずクスリと来てしまう。

 

「ああ、雪乃もあたしの事ネーミングセンスないと思ってる!!

サキサキ!頼れるのはサキサキだけだよ!!」

 

「ごめん由比ヶ浜、あたしもその名前はどうかと思う…。」

 

 

「えぇ……みんなひどいよ…!!」

 

 

 

結衣の悲鳴が夕焼けにこだまする。

 

 

 

 

 

「ちなみに南はなんてつけるの?」

 

「アンデルセン」

 

南さんもネーミングセンスがないことが今日判明した。

 




最近めぐりんのイチャイチャが少ないからね無理やりねじ込みました。


もうひと波乱ふた波乱くらい起こそうか真剣に悩んでます。
前回だしたモブ女たちとか、また出そうかな…。
ただこれ以上波を立たせても、ダレルだけのような気もしますしね。

今回のイラストはいずれ書きたいと思っていたオリキャラです。


【挿絵表示】



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でも書いてたらありきたりなのになるんですよね…(´・ω・`)

オリキャラで書いている人たちはすごいですよね。
どうやったら他にないネタとか思いつくのでしょうか?


最後まで見てくださりありがとうございました('ω')ノ








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