少年と少女はめぐりあう   作:メガネコ

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やあ(´・ω・`)
久々に自宅に帰ったら、水底が似合だと言われたメガネコです。
どこのランク一位なんですかね…?


今回は嫌なシーン(暴力)があるので見る人は少し注意してください。
あとめぐりんが出てきません。
最近めぐりんの登場しなささにびっくりしてます。



ご指摘ご感想があればしていただけると幸いです。


相模南は後悔する

八幡side

 

 

めぐり家から自宅に帰ってきた。

 

カギを開けると同時に小町が俺の所にダイブしてきた。

それからは大変だった。

小町をなだめ続けて、何があったかをしっかりと報告した。

陽乃さんの家にいっていなく、代わりにめぐりさんの家に行っていたということも教えた。

そして、結衣と雪乃とより仲良くなったことを伝えた。

めぐりさんの存在を伝えると、新しいお姉ちゃん候補!?と驚き、結衣と雪乃のことは、

修羅場…といい喜びながらも微妙な顔をしていた。

 

なんでなのん?修羅場になりようがないと思うんだが…。

仲いい三人組じゃないのん?

 

 

めぐりさんについて根ほり葉ほり聞かれた。

まあさすがに裸を見ただの、キスされただの、告白されただのは言えなかったが…。

それからめぐりさんと寝る前に電話をしてその日は眠りについた。

 

 

うれしいことに、週明けから数日たっても俺に対する嫌がらせをするような奴は現れなかった。

めぐりん印のお弁当を食べながら俺はそう思った。

ちなみに最近朝はめぐりさんと一緒に登校している。

お弁当も毎日作ってきてもらっているので、少し申し訳ない気持ちになる。

 

このまま穏やかに過ぎていけばいいのに…。

 

 

ただ、そうはいかないようだ。

数日の間、相模にはいろいろあったようだ。

まずあいつの周りにいた取り巻きがいなくなっている。

正確には、あいつをのけ者にしているということだ。

 

 

クラスの中でも他のクラスの文実から聞いたのか、働いていなかったことが徐々に広まっていく。

そして、俺についての悪評を広めたことが噂になっている。

 

 

正直相模についてどう思っているかと言われると微妙だ。

確かに俺に対し悪評をばらまいたのは事実だ。

それで被害をこうむるのは自業自得としか言えない。

 

 

だが別段恨みがあるのかと言えばそうでもない…。

複雑だが、あの手段を取ったとしての結果なんてのは一応予測はしていた。

まあ予測を超えて悪くなったが…。

 

 

それに相模は雪乃のように強くはない。

どちらかと言えば弱い人間だ。

見た目ではなく、心がだ。

だから、あの手段を取った。

弱いあいつだからこそ、通じやすい手段を。

 

 

雪乃クラスの精神の強さがあるやつがたくさんいればそれはそれで怖いのだが…。

いや彼女は精神が強いというよりは、意志がつよいだろうか?

だからなんだかんだ言って俺は相模のことが嫌いと言うわけではなかった。

一番人間らしい奴だと思っている。

 

 

 

ただ俺がむかつくのは、周りの人間は別にストレスを発散する場所は誰でもいいかのように考えていることだ。

俺が悪く言われているときは俺を。

俺がいじめられたという事実を知りながら無視してきたくせに、被害者の立場に変わった途端に「かわいそう」「つらかったよね」「相模マジゆるせねえ」だの。

直接俺には言ってこず、遠巻きにいってくる。

まるで自分はいい人みたいに。

驚きの手のひら返しだ。

お前らの関節はガン○ラかなんかか?

思わずそう言いたくなる。

 

そして今度は相模が悪く言われているから相模を。

 

 

俺はそんな奴らの方に怒りを持っている。

自分が悪く言われてそいつに怒りを持つのは分かる。

だが自分に全く関係のない奴らが、他人に気まぐれに怒りをぶつける。

そんな奴らが俺は大嫌いだ。

 

 

そんなことを考えていると、川崎が俺の肩をたたいてきた。

 

「あんた怖い顔してるよ。」

 

「あ、あぁ、悪い。ちょっと考え事してた。」

 

「相模の事?」

 

「いや、あいつと言うよりは、周りがな…。」

 

「ん、分かった。でも、あんたが動くんじゃないよ?今あんたが相模を守るような事すれば、よりめんどくさいことになるからさ。」

 

「分かってるが、でも…。」

 

「あんたは優しいよね、このお人よし…。」

そう良いデコピンをしてくる。

 

痛いようで、痛くない…

というか、こいつめっちゃいい匂いするな…。

 

「まあ、あたしの方で何とかしてみるさ。」

 

「いいのか?川崎」

なんとなく申し訳なく感じている俺がいる。

「言ったでしょ、あんたには借りがあるって。それにあんたは…。まあいいや。」

 

「おい、そりゃないぜサキサキ…!気になるんだが。」

 

「だから、サキサキいうな。あたしは沙希っていうの。」

 

「いや、知ってるけど…?」

 

「名前で呼んでよ。彩加だって名前で呼んでるんだからさ…。」

そう言えば、川崎と戸塚は仲がよかったよな。

時々話しているのも見るし…。

もしや、こいつ戸塚を…!?

お父さんは許しませんからね!!!

 

「聞いてんの?おーい」

顔の前で手をひらひら振っている。

 

「聞いてるよ、それじゃあ…沙希よろしく頼む。」

 

「任されたよ、八幡。じゃあ」

そう言って俺の肩を軽くたたき、自分の席へ戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

しばらくして、めぐりさんに奉仕部に行くように言われた。

 

体育祭が近づくにつれ少しづつ事態は動き始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

相模side

 

 

 

 

うちは、今クラスで微妙な雰囲気に立たされている。

休日が開けてしばらくたった後、うちに対するみんなの視線が怖くなった。

 

「あいつのせいで、山岡は退学になったんだって…」

「え、マジ?あの使えない文実の委員長そんなクズだったのかよ!?」

「チョーうけるw!」

「ほら今も一人で寝てるしw」

「みじめすぎワロス」

 

 

 

朝からずっとこの調子…。

自分の席で寝たふりをしながら小さくため息をつく。

うちだって、自分が悪いことをしたのは分かってる。

でも、あいつのなんでも分かっているみたいな態度にむかついて、いらだって…そしてあいつのうわさを流した。

 

文実の時にさんざんひどいことを言われたと。

泣いていたのはあいつのせいだと。

 

 

だけど、噂は広がりすぎうちの収集がつかないところまで行ってしまった。

あいつが一切仕事をしてないだの。

他にもひどいことを裏ではやっていただの。

煙草をすっているのを見た

もはや言っていない事すらも、どんどん広がっていった。

 

 

うちがそんなことはないと言って止めれればよかった。

早い段階にそこまでしていない、うちも悪かった。

たぶんそういっていればよかったんだろう。

でも、うちは言えなかった。

自分が悪いということに薄々気付きながら、何もせずただ見ていた。

うちには、もう止める力はなかった。

 

いや、止めるのが怖かっただけだ……。

 

 

だって悲劇のヒロインはみんなにちやほやされるから。

それは被害者だからもてはやされるだけであって、仮に被害者でなくなった時どうなるかなんて想像するのも怖かった。

違う、比企谷に向けられている悪意が自分に向けられるとなると本当に怖かった。

同じようにされたら……そう思うと

 

 

そんな自分勝手な理由で、ただうち一人だけを守るためにしたことがここまで大きくさせてしまった。

比企谷にも罪悪感はある。

でも今頃謝りに行ったって何様なんだ?そう言われるのがおちだ。

うちのせいで………。

 

 

そして今うちは独りぼっちになってしまった。

あんなに仲良さそうにしていたクラスの友人も周りの雰囲気をみて近寄りすらもしなくなった。

 

 

でも結局は自業自得だ。

 

 

うちは教室をでて、そのまま屋上に向かう。

今日は授業に出たくない。

と言うよりあの空気にいるのに耐えられなかった。

 

 

あいつはこれよりひどい中長い間耐えてきたんだ………。

そう思うとうちは、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

 

 

屋上にでて、うちは弱くて情けない自分を恨んだ。

ただひたすらに泣き続けた。

 

 

 

 

 

屋上でどのくらいの時間がたっただろうか、かなりの時間がたっているように思えた。

下に降りようとする。

 

 

すると上級生だろうか、髪色が明るく見るからに不良だ。

進学校でも不良はいるにはいる。

不良の数は少ないけれど。

 

 

「あ、あんた、今はぶられている奴じゃん」

目の前の金髪がいってくる。

獲物を見つけた肉食動物のように楽しそうに嗤いながら。

 

 

その通りだけど…

そう言いたい気持ちを押し込める。

相手の数は5人。

下手に言い返せば確実に負ける…。

足が震えてくる。

うちは元々喧嘩なんかしたことない。

運動だって平均並だ。

 

無言でそのまま帰ろうとする。

 

 

「っつ」

肩を思いっ切りつかまれる。

 

「何無視してんだよ」

今度は茶髪の長髪が、どすの利いた声で脅してくる。

 

「こいつ調子に乗ってるんじゃない?シメない?」

 

「いいねぇ、ほらこっちきな」

そう言い髪を思いっ切り引っ張られる。

 

「痛いっ…」

思わず目から涙がこぼれる。

でも自業自得だ。

今回は誰も助けてくれない。

比企谷も葉山君も、だってうちの味方なんてもういないんだから………。

 

 

髪を引っ張られ屋上の真ん中あたりまで連れていかれる。

 

「あんた前から気にくわなかったんだよね。」

 

「あたしも~」

 

「じゃあ、どこからする?」

 

 

「てか、こいつの服脱がせて写メ取るとかどう?」

 

「いいねぇ、それ面白そう。」

 

どうやらもう終わりみたいだ。

うちは抵抗する力が抜けていくのを感じた。

全部自業自得なんだから………

 

 

ペタンと座り込む。

 

「あら、抵抗しないんだ…つまんないの~」

 

「じゃあ、ささっと脱がしてさらそ?」

 

「「「賛成!」」」

 

一人がうちの制服に手をかけた。

 

その時

 

「何してんのあんたら?」

女性の声だがどこかで聞いたことのある声だ。

 

そちらの方を向くと、青みがかった髪をひとくくりにし長身の女の子がいた。

 

「川崎さん……?」

なんでこんなところにこの人がいるんだろう。

 

 

「よってたかってとは、情けないね。」

うちの周りの人たちに挑発をしている。

 

 

「あぁ?なんだお前は?」

 

「邪魔すんなら、お前からさらすぞ?」

金髪の取り巻きがドスを効かせながら喚き散らす。

 

「子犬じゃないんだから、そんな喚かなくても…。

うるさいし、やれるもんならやってみれば?」

あきれたように返事を返す。

 

 

 

周りの連中の怒りが完全に川崎さんに向く。

まずい。

川崎さんはなんにも関係ない。

いくら身長で勝っているとは言っても、数の差が圧倒的にある。

関係ない彼女を巻き込むわけには、いかない。

うちがひどいことになるのはいいけど、関係ない人まで巻き込みたくはない。

 

 

 

一人の取り巻きが、川崎さんの方に行こうとする。

うちは思いっきり足を引っ張る。

 

引っ張られた相手は勢いよくこける。

 

「いったぁ」

 

「ちっ、なめやがって。」

金髪がうちを立ち上がらせ、思いっきり顔をビンタする。

バチンという鈍い音がする。

鼻の奥があつくなる。きっと血が出ているのだろう。

 

 

「うちはいいけど、関係ない子まで巻き込むな!」

泣きながらそう叫び、思いっきりにらむ。

 

「くそが!調子にのんなっていってんだよ!」

そう言って手を振りかぶる。

今度は握りこぶしだ…。

さっきのよりももっと痛いんだろうな……。

うちは目をつむって歯を食いしばる。

 

 

 

しかし、しばらくたってもいまだ衝撃が来ない。

 

恐る恐る目を開けると、目の前に川崎さんがいた。

殴ってくる腕を途中でうけとめていた。

 

そして、こちらに振り向きながら「あんた意外と根性あるじゃん。」

そう言って微笑んでくる。

 

 

そして、相手の腕をひねりあげる。

 

「くっ、離せ、このクソガキ!」

暴れているが川崎さんは平然としながら、そのまま相手を取り巻きの方に押し出す。

押された相手はつんのめりながら、支えられる。

 

「てm

 

 

「あぁ?」

何かを言う前に川崎さんが、周りを威圧する。

さっきの連中の比じゃないくらいに。

 

「うせろ、くそが…」

ドスの利いた声で周りの連中に言う。

固まっている相手に

 

「やろうってなら、相手になるけどね。次は容赦しないよ…。」

 

 

そう言ってにらみつける。

 

「ちっ、覚えてろよ。ゴリラ女。」

 

 

 

捨て台詞を吐きながら、屋上から去っていった。

 

あいつらが去っていったので気が抜けたのか、へなへなと座り込む。

 

 

川崎さんが

「ん」

と言ってポケットティッシュを渡してくる。

「鼻血出てるから、これで止めな」

 

 

「あ、ありがと……。」

 

「じゃあ、あたしは帰るから。」

そう言ってさっさっと帰ろうとする。

 

 

 

早くお礼を伝えないといけないのに

「あ、あのさっきはなんで助けてくれたの………?」

思わず気になったことを聞いてしまう。

 

 

川崎さんはうちがどんなことをしてきたか知っているはずだ……それなのになぜ?

 

「別に、比企谷があんたの事気にしてるみたいだったから、助けただけ。」

 

 

その答えにうちは驚いた。

「ひ、比企谷が!?」

完全に恨まれていると思ったから…。

 

「あぁ、そんな気がしたってだけ。別にあんたを助けたいと思ったわけじゃないし。」

 

 

「川崎さんはうちが嫌いじゃないの?」

 

 

「まあ、比企谷のことで多少は嫌な奴と思ってたけどさ。

さっきの態度見てたら、あんたがそんなに悪い奴に見えないし。

昔のあんたは嫌いだったけど、今のあんたはあたしは好きだね。」

 

 

 

そう言われて、なぜだか温かい気持ちになってうちは泣いてしまった。

表向きの言葉じゃなくて、思ったことを素直に言ってくれてそれがすっと心にしみていく。

 

 

うちは座り込みながら、子供のようになきじゃくった。

それを川崎さんが抱きしめてくれる。

 

 

日がすでに傾き始めていた。

 

 




いかがでしたでしょうか?

今回相模視点2,3回書き直してます。
というか投稿遅れたのは、他の作品を考えてたからなんですが…。
八幡が殺し屋になっていたり、奉仕部でワンナイト人狼してたり、原始人のTRPGしてたり、
ガイルに出てくるキャラの性別を総入れ替えしたりと、まあ投稿はしないんでしょうがw


【挿絵表示】



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次回はめぐりんが出るといいなぁ…。

最後まで見てくださりありがとうございました(^o^)丿

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