少年と少女はめぐりあう   作:メガネコ

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やぁ(´・ω・`)
UAがそろそろ文字数に追いつきそうで焦っているメガネコです。
UA数なんかに絶対負けないんだからね!!


二話ぶりのめぐりん登場です。

後次女の絵が出来ました。

多くの方に見ていただき感謝です。

ご意見ご感想があれば幸いです。


忘れられない一日

めぐりside

 

 

 

私は今日ずっと八幡君のことを考えていた。 

クラスで何か言われてないかな?

校長の前で何か失敗したりしてないかな?

私のお弁当ちゃんと食べてくれたかな?

おいしかったかな?

 

 

そんなことを考えながら、わたしは奉仕部の前にいる。

奉仕部に来たのは、今後のことを雪ノ下さんや由比ヶ浜さんに話すためだ。

八幡君も校長との話が終わるころを見計らってここに来た。

 

すると中から男性と女性の声が聞こえてくる。

八幡君達がいることが分かって中に入ろうとすると

 

 

「わかったよ、結衣、雪乃」

 

 

八幡君の声が聞こえた。

 

今なんと言っていたのだろうか……?

名前で呼んでいたよね?

そ、そっか、そうだよね!

陽さんが連絡してくれてるよね…。

奉仕部のつながりが強くなれば今回の件に関して有利に働くことしかない。

八幡君が助かる可能性が上がるならばよいことのはずだ。

それを喜ぶのが当然のはずなのに……なんだろうこの感じは。

 

粘着質のような嫌な感情を持ってしまう。

 

 

「ならうちに来ない?せっかくだし三人で泊まってみない?」

雪ノ下さんがそんなことを言っている。

きっと三人で話でもあるのだろう……。

 

聞いていられなくなり、私は奉仕部の前を後にする。

中がよさそうな三人の声を聴き『あの中に自分は入れない』直感的にそう感じ取ってしまったから。

なるべく早く、声を聞かないように。

 

 

私は誰もいない生徒会室にいる。

部屋の電気もつけず、ほの暗い中私は椅子に座り落ち着こうとした。

 

 

奉仕部のみんなは私が八幡君とかかわるより多くの時間を一緒にしてきている。

それが今回を気に仲良くなった。

それだけのことのはずだ。

 

 

「なんで、こんな嫌な奴になっちゃったんだろう……。」

 

 

祝福しなければならないのに、素直に喜べない…。

なんで後から気づいたくせに……そう思っている自分に嫌気がさす。

 

 

「はぁ…」

思わずため息が漏れる。

 

でも、あの雪ノ下さんと由比ヶ浜さんが八幡君のことを助けようとするのなら、私はもうあの三人にとって邪魔なだけなのかもしれない。

 

 

嫌な考えを忘れるために首をプルプルとふる。

でも際限なくそんな考えがわいてくる。

 

 

 

私はwolk manをつけ、イヤホンを耳にさし机に突っ伏した。

曲はlink○n parkの not alone だ。

基本的にこの人たちは激しい歌を歌うが、この曲はハイチで震災があったときに支援ソングとして作られた曲だ。

この曲で得た利益はすべてハイチに寄付されている。

 

私がつらいことにあったときによく聞く曲だ。

どんなにつらいことがあっても、あなたは一人じゃない。

そういう意味の歌だ。

 

 

私はこの曲を聞きながら、まぶたを閉じる。

 

・・・

・・・・・

 

気付くと、もうとっくに下校時間を過ぎている。

夜の7時だ。

 

「しまった…。寝ちゃってた…。」

 

八幡君と一緒に帰ろうと約束してたのに…。

今から行っても間に合わないだろう。

待ち合わせの時間から一時間以上遅れている。

 

 

「いるはずないよね…。」

そうぽしょりと言葉がもれる。

そもそも奉仕部の二人とお泊りするみたいだし…。

 

 

暗い気持ちでゆっくりと帰宅のために、生徒会室にカギを閉め職員室によってカギを返す。

 

トボトボと校門をでて帰っていると後ろから肩をつつかれる。

私はこんな時に誰だと思い、少しいらだちながら後ろを向く。

 

 

「誰なんでs」

むにゅっと頬っぺたが押される。

 

 

「ひっかかりましたね、めぐりさん」

 

八幡君だった。

さっきまでの暗い気持ちが跡形もなく消えてしまう。

 

 

顔をほころばせながら

「八幡君だ!てっきりもう帰ってるものかと思ってたよ!」

と言うと

 

 

「俺は約束を破るような人じゃないですよ。それにめぐりさんと帰りたかったですし。」

穏やかに微笑みながらいってくる。

 

一時間も待ってくれていた。

しかも、わたしと一緒に帰りたいと言ってくれた…。

あの二人より自分を選んでくれたようで思わずうれしくなり、彼の腕に抱き着く。

 

 

「ちょっ、めぐりさん!?」

 

彼が驚いたように叫ぶが、私は聞く耳を持たない。

君のせいであんなに不安になったんだから、これぐらい許されるはずだ。

それに驚いてはいるが、振りほどこうとはしてこないし。

もう離したくない、そう思いギューッとくっつく。

わたしの家はそんなに遠くないし、送ってくれるというので喜んでその申し出を受ける。

 

 

 

家の前まで送ってもらった。

駐車場に車がないってことは、まだ両親たちは帰ってきていない。

それならもう少し一緒にいたい。

 

 

「お茶だすから、上がっていかない?」

ためらいがちに彼に聞いてみる。

 

 

「………少しなら構いませんよ。」

ポリポリと頭をかきながら、彼が言ってくれる。

 

 

二人で腕をくんだまま家に入る。

 

私のこの選択が波乱を生むことをこの時の私は気づいていなかった。

 

 

 

 

 

八幡side

 

 

俺たちはしばらく手を取り合っていた。

 

雪ノ下がもじもじと

「その…比企谷君名前で呼んでもいいかしら…?結衣もなまえでよんでいるし。」

 

すると由比ヶ浜も

「あたしも名前で呼んでいいかな?あたしのことも名前で呼んでよ!」

 

まあ二人とも仲良くなったし、別にそのぐらいかまわないだろう。

「わかったよ、結衣、雪乃」

 

結衣が元気よく

「あらためてよろしくだね!八幡」

 

 

雪乃も少し照れながら

「は、八幡…。」

と言っている。

 

 

そうしていると下校のチャイムが鳴る。

「あ、もうこんな時間か……まだ三人で一緒にいたかったな…。」

結衣が残念そうにぽしょりとつぶやく。

 

雪乃が「ならうちに来ない?せっかくだし三人で泊まってみない?」

と突拍子もないことを言う。

 

「いやいや、一人男混ざってるんだが…?なにかあったらどうする?」

 

すると雪乃は微笑み

「八幡はそんなことしないわ、だって優しいから。」

と言ってくる。

 

 

そう言われてもなぁ…。

というか、今日はめぐりさんと帰る約束をしているし、家に帰って小町にも会わなくてはいけない。

 

 

俺はそのことを二人に伝えた。

 

 

雪乃が驚いたように

「城廻先輩の所にいたのね……。でも、なんで姉さんの所にいるなんて嘘を…?」

 

 

それに結衣が

「たぶん心配かけないようにじゃないかな?あんまり城廻先輩と私たちかかわりがなかったからさ。」

 

 

雪乃はなにか少し考えているようだ。

陽乃さんと何かあったのだろうか?

 

しばらくして口を開き

「そうね、では今日はやめときましょう。

いつでもできるのだし、それに八幡がお世話になったのだからその人との約束を断ってまでするものではないでしょう。」

 

 

すると結衣が「じゃあ、今日は二人でお泊りだね!少し話したいことが出来たし…。」

と楽しそうに提案する。

 

うん?話したいこと?

まあ、いいか。

 

「俺がカギを返しに行って来るから、お前ら先帰ってていいぞ?」

 

 

そういうと

雪乃が「お言葉に甘えさせてもらうわね。また明日、八幡」

結衣も「じゃあね、八幡!」

といってきたので

 

「ああ、また明日な、雪乃、結衣」

そう言って俺は職員室に向かう。

 

 

 

 

カギを返すために職員室に行くと、平塚先生に声をかけられる。

 

「その…比企谷。良かったら今からラーメン食いに行かないか?その話したいこともあるしな。」

 

いつもの平塚先生のいきの良さが感じられなかった。

おそらく合コンが不作だったのだろう…誰かもらってあげて!!

 

「すいません、今日は約束があって、他の日なら構いませんよ。」

 

 

すると、先生がうなだれて「そ、そうか…。すまなかった。また今度誘うとするよ。」

 

俺何かしてしまったのだろうか?

 

 

 

 

校門の前でめぐりさんを待つことはや一時間。

めぐりさんは現れない。

何かあったんだろうか?

そう思い携帯に手を伸ばしたとき。

めぐりさんがうつむきながら校門から出ていくのが見えた。

 

「めぐりさん!」

と声をかけてみるが返事がない。動いているのだから屍ではないのだが。

 

 

そうだ、以前めぐりさんにやられたことをやり返そう。

 

 

そーっと後ろに近づき肩をつつく。

そしてつついた方の肩に指を置く。

 

 

ゆっくりとめぐりさんが話しながら振り向いてくる。

むにゅっと頬に指がしずむ。

柔らかいな…癖になりそう。

 

「八幡君だ!てっきりもう帰ってるものかと思ってたよ!」

と言ってきたので

 

「俺は約束を破るような人じゃないですよ。それにめぐりさんと帰りたかったですし。」

 

と言ってしまう。

なんだか最近思ったことをすぐ口に出してしまうようだ。

以前なら恥ずかしくて言えないどころか、言った後気持ち悪がられ絶交されるまである。

 

 

そんなことを考えていると、二つの肉まんを腕に感じる。

まだ秋なので服装は夏と同じで半そでとうすい。

その腕に確かに柔らかさを感じる。

めぐりさんが腕に抱き着いてきたからだ。

うん、ごちそうさまです!

 

 

 

そんなことをしながら城廻家につき、少しお茶をごちそうになっていると。

玄関の方で何やらガチャガチャと言う音がなっている。

 

めぐりさんの顔が固まり、あわあわしている。

しばらくすると、「「ただいま~」」という男女の声が聞こえてくる。

あら親御さんが帰ってきたのか…あれこれって大丈夫なのだろうか…?

 

 

リビングの扉があく。

 

めぐりさんのお母さんだろうか、目元がきりっとしていて秘書でもして良そうな真面目そうな美人な女性がいた。

お父さんの方は、ひょうひょうとした雰囲気のある渋い感じの男性だ。

二人ともの中間がめぐりさんと言うわけか…

 

 

めぐりさんのお母さんが「あらあら、それが噂の男の子ねぇ」とめぐりさんをからかうように言っている。

めぐりさんは顔を赤くしながら何も言えずに手を前でワタワタ振っている。

 

「はじめまして、めぐりさんにお世話になっています、比企谷というものです。」

と言い、頭を下げる。

 

すると「こちらこそ、めぐりがお世話になってます。母の恵美と言います。こっちは夫の」

 

にこやかに男性が口を開く

「僕は、春樹(はるき)というんだよろしくねぇ~」

 

 

性格はお父さんになのかな?

 

 

すると

「にしても、めぐりが男の子を連れてくるなんてねぇ~。

初めてじゃなかったかなぁ、恵美?」

 

ニヤニヤとお母さんが

「そうねぇ、ちょうど君と話してみたかったんだ。少しお話しない?」

 

 

さすがに年上の方にそう頼まれると断れず

「少しぐらいなら構いませんよ。」

 

 

 

このせいで俺は根ほり葉ほり二人に聞かれた。

俺が答えるたびにめぐりさんの顔色が変わり、それを二人とも楽しそうに眺めている。

そして時間がきて、めぐり家を後にするときにまた次来る約束を取り付けられた。

どうやら二人ともに気に入られたらしい。

 

 

 

玄関前でめぐりさんと二人になる。

 

めぐりさんが

「ごめんね、あの二人のせいで時間遅くなって…。」

 

とすまなそうに口を開く。

 

 

俺としてはいじられるめぐりさんと言う珍しいものも見れたので良かったのだが。

「いえいえ、俺も楽しかったですし。また来たいです。」

 

「そっか、それならよかった…。あ、あれなんだろ?」

そう言い俺の斜め後ろをみる。

 

つられて俺も見てみると

頬に柔らかい感触を感じる。

それがめぐりさんの唇だとわかるのに、そんなに時間はかからなかった。

おどろいたように俺がめぐりさんの方を向くと

 

 

「それじゃあ、また明日ね、八幡君!」

めぐりさんがとびきりの笑顔で答える。

 

 

俺もそれに

「はい、また明日です、めぐりさん。」

と言いめぐり家をあとにする。

 

 

 

今日のことは忘れそうにないなと心の中でつぶやく。

 

 

この後頬にキスをするところをちゃっかり両親に見られていためぐりが、さんざんいじられたのはまた別のお話し。

 




いかがでしたでしょうか?

今回はめぐりすねるという一文が一つの話になりました…。
いや、めぐりさんだってすねるし、嫉妬するよね!
と言う考えのもと膨らみ膨らみ出来ちゃっいました。


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次回あたり相模だしたいと思います。

最後まで見てくださりありがとうございました(^o^)丿

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