LIAR LIAR見ました。面白くそれでいて何か気持ちがあったかくなる面白い映画でした!!
紹介してくださった方ありがとうございます!
他にも、こんなのあるよと言う方がいれば教えてくださるとありがたいです!
今後のネタに使いたいですし!
今回はいかつい人が出てきます!
あと感想が50を超えたときに出そうと思っていたサキサキのイラストをあとがきに載せときます。
よければ、どうぞ。
ご指摘ご感想があればしていただけると幸いです。
八幡side
昨晩はお楽しみでしたね………。
そう言われそうな状況だったなか、俺は自身の持っている理性を最大限に発揮し、(めぐりさんの)貞操を死守した。
本当に死守した。
もう一度言う死守した。
もう一d
いよいよ今日は学校への登校だ。
先ほど、めぐり印の朝ごはんを食べ、今は制服を着て、学校に行く準備をしている。
陽乃さんが小町には、陽乃さんの家にお邪魔しているということにしたらしいし、小町からの連絡が、陽乃さんにまで行っているとすると、確実に由比ヶ浜や、雪ノ下にも伝わっているだろう。
あいつらには、心配をかけたくはないんだが…。
まあ、何とかごまかすか。
めぐりさんが、今日校長と話すことになるだろうと言っていた。
話したことない人とまともに会話できるのだろうか………。
しかも、学校側なんてのは、こういうことを隠蔽させようとするのが常だ。
そのトップとなると………平塚先生ならまだしも、この手のことに優しく対応するような人なんて学校側にいるのか?
こういう風に嫌なことを考えていると、めぐりさんが手をそっと握ってくる。
「八幡君、手震えてるよ。大丈夫……?行くのやめとく?」
そう言いながら、心配そうに俺を見つめてくる。
正直に言うと、行きたくない。
でも、行かなかったところで状況は好転しない。
それに、めぐりさんがいる。
もう俺は一人じゃない。
信じられて、頼りになる人がいる。
だったら
「めぐりさんが俺の味方でいるんでしょ?なら大丈夫ですよ。
だって、あなたは俺が一番頼りにしてる人なんですから。」
心から思っていることを、彼女に伝える。
そうすると、彼女はにっこりと笑い。
小さくはない胸を張って
「任せて!これでも、頼りになるお姉さんだからね!私の八幡君には指一本触れさせないよ!」
エッヘンと言う感じで。
そして、俺の手を引き玄関に向かう。
二人して靴を履き、扉を開け外に出る。
二人そろって「「いってきます!」」
そう言った後、俺は「三日間お世話になりました。」とめぐりさんに聞こえない声でつぶやいた。
天気は、からりと晴れていた。
・
・・・
・・・・・
めぐりさんとの登校の後、俺は遅刻ギリギリで教室に入った。
周りの奴らが、まるで腫物をさわるかのように、ちらりちらりと見てくる。
普段なら、ところどころで俺に対する悪口なりなんなりが聞こえてくるのだが…。
そう疑問に思っていると、目の前に天使が現れた。
そう戸塚だ。
「おはよう、八幡………何かあったみたいだね………。ごめんね、力になれなくて…。」
涙目になりながらこちらに謝ってくる。
戸塚は、毎日朝練や昼休み、部活と必死にテニスをしているし、そもそも俺があまりにもひどいところは隠してきた。
だから、戸塚に謝られる理由はないんだが…。
「こっちこそ悪い。彩加を…友達を頼ろうと信じようとしなかったわけだしな…。
これから、頼らせてもらってもいいか……良ければなんだが…。」
そう言い片手を差し出す。
本音を言うのは、照れくさくまた拒否されるのが少し怖かったが、そう伝えれて、少しづつ
変わっていく自分にうれしさを感じた。
彩香は嬉しそうに笑いながら、俺の手を握り。
「ありがとう、八幡。僕は頼りないかもしれないけど、全力で力になるから!」
そう言って俺の手を力強く握ってくる。
そんな場面の中、小さく「さいはち!」と言い鼻血を出す海老名さんが俺の視界に入った。
今いいところなんですがね……………。
戸塚が席に戻った後、後ろから、誰かに背中をつつかれる。
振り向くと、川崎だった。
「どうした、川崎?」
「いや、あんたなんかあったんでしょ?小町が慌てて大志に連絡してくるぐらいだし。
なんか、やばくなったらいつでも頼んな。あんたには借りがあるし……。
それに………」
そういい川崎は言いよどむ。
徐々に顔が赤くなる。今日そんな暑いか?
まあきっとこいつなりに何かしようと考えているのだろう。
「ありがとな、サキサキ!少し頼ることになるかもしれないが、そん時はよろしくな。」
そう笑顔で伝えた。
「サキサキ言うな……。あんた変わったよね、いい方に…。昔のあんたより今のあんたの方が私は好きだよ。困ったらいつでも、頼んな。」
そう笑いながら自分の席に歩いていく。
なんだよ、あんなふうにあいつは笑うのか。普段からあの顔だったらボッチにはならないだろうに…。
でも俺は本当に恵まれているな…。
二人のおかげで、少し気持ちが落ち着き楽になった。
そうして授業開始のチャイムが鳴る。
・
・・・
・・・・・
俺に対する悪口がささやかれることがなく。
なんだか、不思議な気分ではある。
あっという間に昼になり、いつものベストプレイスでめぐりん印のお弁当で英気を養う。
その後の午後の授業も、何事もなく進み今現在奉仕部の前にいる。
話し声が聞こえてこないことから、誰もいないか雪ノ下だけなのであろう。
俺は扉を開け中に入り、部室にいた人物に声をかける。
「よう、雪ノ下。」
「その……こんにちは、比企谷君。休日は姉さんの所にいたようだけど……。」
こいつにしては珍しく歯切れが悪い。
「まあ、いろいろあって取り乱してな…。心配をかけたなら、謝る。」
すると雪ノ下はすました顔で、
「べ、別に、あなたの事なんて心配していないけれど…。でも、何かあったなら、その…話してくれて、構わないわ。」
心配していないか………まあ、そうだろな。
雪ノ下は、俺と大して仲のいいわけではないからな………。
それでも、そう言われると少し傷ついている自分がいる。
「安心してくれ、お前に言うほどでもない。どうにかするさ」
苦笑しながら俺は言った。
雪ノ下が、驚いたように
「あなたが、突然いなk
そこまで言ったときに、扉が開いた。
と同時に由比ヶ浜が、入ってくる。
「ヒッキー………その……あのね…
何か由比ヶ浜が言う前に、扉がノックされる。
俺と由比ヶ浜が固まっている内に、雪ノ下がどうぞと答える。
入ってきた人は、顔の彫が深く、いかにもその業界の人と言われれば納得のいく姿をしていた。
「校長の熊田成平という。比企谷君だね。少し校長室で話がある。一緒に来てくれないか。」
低くしかし不思議な安心感のある声でこう言ってきた。
「はい…。分かりました。」
俺もたどたどしいがそれに答え、校長の後ろについていく。
奉仕部の二人は何が起きたか把握できず固まっていた。
熊田成平(校長)side
時刻は午前十時半
私は、現在総武高校で校長をしている。
今現在、一つの無視することのできない問題が起きている。
いじめと言うものだ。
実際に起きていることを知ったのは、数日前だ。
元教え子の陽乃くんから聞いたことで起きていることが判明した。
元生徒に教えられることでしか気づくことが出来なかった自分にいらだちを感じる。
しかも、器物損壊という犯罪行為にまで手を染めたものまでいた。
思わずため息が出る。
校長室にある椅子に深く腰掛ける。
懐からスモーキ○ジョーのフルフレーバーを取り出し火をつける。
口にくわえ、軽く煙を吸い込み、吐き出す。
禁煙していたというのに、案件が案件だから仕方がないと言えばそうなのだが。
犯罪行為をした生徒には退学処分を言い渡すつもりだ。
何人かの教員は反対する者もいたが、私や平塚先生がなんとか説得することが出来た。
だが、その前に私はその少年のことが気になった。
いじめられるというのには、理由が伴う場合が存在する。
その子がなにか悪いことをしていたとか。
平塚先生がそんな子ではないとは言っていたが、私は自分で彼の人柄を判断したかった。
それに、いじめられる側も変わらなければ、いじめはまた起こる。
いじめをしてくる相手が変わるだけで。
だからこそ、私は彼と直接話したい。
その前に、陽乃君が今の生徒会長の城廻君に会ってほしいと言っていたな。
確か彼を助けてくれたとか。
彼女に聞きに行くために、私は煙草の火を消し校長室を出る。
今の時期うちの高校では三年生の大半の授業が終わっており、今は入試の問題を練習するようになっている。
彼女のクラスにノックをしてはいる。
クラスメイトが何事かと見てくる。
そんななか私は
「城廻君、生徒会のことで話がある。少し校長室に来てくれないか?」
授業担任には連絡してあるし、彼女にも陽乃君から連絡がいっている。
そのため城廻君も
「はい、わかりました。」
と戸惑いも見せずに返事をし、私の後ろについてくる。
校長室に入り、来客用のソファーに座るように促す。
彼女はどこかぎこちない動きで座る。
緊張しているのであろうか、背筋が伸びきっている。
なるべく優しい声で
「肩の力を抜きなさい。別に彼に対してなにか悪いことをするわけではないから。
お茶は緑茶でいいかな?」
そう言いながら私は、ポットから急須にお湯をいれしばらく蒸らす。
「私は、君の事を信頼している。
現生徒会長である君の事は、いろんなところでよく聞くからね。」
「そう言っていただけると、ありがたいのですが…。
まだ前会長の陽乃さんには遠く及びません。」
こわばった表情で、そう返事をする。
「確かに、前会長の陽乃君はすごかった。
だが君は、それとは違う方向ですごいと私は思うよ。
細かなところに気が付き、丁寧に物事を解決していく。
人を正当に評価することのできる人だと私は思っているんだ。」
そういって、急須からお茶を湯飲みに入れ彼女の前に出す。
私も自分の物を用意し、一口口に含んだ。
それを見て彼女もゆっくりとお茶を飲んでいく。
そのことで肩の力が抜けたことを確認し、私は本題に切り出した。
「君からみて比企谷君とは、どのような人間かな?」
彼女は少し考え
「私は、ひねくれていてそれでも、周りのことを考え自分が犠牲になったとしてもそれが求められていることなら、こなしてしまうある意味では強い人だと思います。」
平塚先生の言っていた印象とほとんど大差はない。
「ですが、自分の価値をよくわかっていないのではないかと感じてしまいます。」
「自己犠牲がすぎるということかね?」
「はい、今回の件でも、相模さんに対してそれを行ったことが、ここまでいじめが悪化した原因なのでは?と私は考えています。」
これが、いじめられた原因と言うわけか………。
彼のことを良く見ている人間ならそのことに気付くのであろうが、普通人をそこまで考えてみる人間は少ない。
まして、彼に友人と言えるものがあまりいないということを聞いている。
「ただ、そうだとしてもここまでひどいことをされる理由にはなりません……。」
彼女は必死に唇を噛み、涙をこらえている。
私は、そっとハンカチを差し出す。
私は、微笑みながら
「これを、使いなさい。君からみた彼については分かった。
君からの意見をもとにして、私は彼のことを判断しよう。
悪いようには絶対にしない。」
しっかりと彼女の顔を見てそういった。
「……よろしくお願いします…。」
やっと心からほっとできたのだろう。
安堵したように、顔のこわばりが消えていく。
「こんな子にここまで思われているなんて、彼は幸せ者だ。」
「そうだったらうれしいです…。」
さっきまでの、悲しそうな顔がぱっと変わり、照れたように微笑んだ。
「君は、彼のことが好きなのかな?」
何となく気になりそう聞いてしまった。
顔を赤くしたまま固まっている彼女は口で言うよりも明白に気持ちを表していた。
「そこまで、顔に出ていると答えが分かってしまうよ?」
とおどけたように言う。
「校長は、見た目と違って、その優しい方なんですね。もっと怖い方かと思っていました。」
戸惑いながらそう言ってきたその言葉に思わず苦笑してしまう。
「見た目は彫が深くてな、よく危ない人間と思われる。孫たちにも怖がられてしまうことがあってね。まあ、今ではなついてくれているんだが。」
「いや、そんな怖いだなんて!」
慌てて言う彼女に
「気にしないでくれ。さあ、もう時間だ。教室に戻りなさい。
今日はわざわざありがとう。また何かあったら連絡すると思う。」
そう穏やかに言い。彼女に退室するように促す。
部屋を出る前に、彼女は
「八幡君の事よろしくお願いします。」
丁寧に頭を下げてきた。
私はその気持ちに答えるべく。
「任せなさい。」
一言だけ返事をした。
部屋をでた彼女をみて、煙草を取り出しゆっくりとした動作で火をつけ口にくわえる。
煙を吐きながら、陽乃君や城廻君がここまで言う相手に対して純粋に興味がわいてきた。
午後からは、彼との面談だ。
授業中に呼び出しては、目立ちすぎるし、今の彼にとって下手に目立つのは避けたいことだろう。
煙草の煙がゆらゆらと上り空気に混じっていった。