アクセル・ワールド 闇の不死鳥(仮)   作:羽撃鬼

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やっぱ、ムズイ


第14話 師匠登場と太極

ヴィレムside

ドルフィンやメロウの案内通り向かった先には、貧相なネオン管を点滅させている店があった。

 

「ほう………、こんな所に《ショップ》があるとは。」

 

ロータスが独りごちていた。

 

「師匠、ハイタイ!」

 

すると店奥から、

 

「お~う、ハ~イタイ。」

 

男と思われる返事に対してドルフィンが訂正していた。ロータスは中を覗き込むように見ていたが、俺は入っていってNPCに対して、

 

「マスター、フェーダーヴァイサーはあるか?………あるのか。なら、それで頼むわ。」

 

俺の注文を聞き有ると頷いたうえで注文の品を出した。ただ、返事が何を言っていたのか聞き取れなかったが

 

「なっ、君も飲むのか?!」

 

ロータスが言ってきたことに対して、

 

「事情を聴くんだろう?相手が飲んでんだ。こっちも合わせて飲むべきだろう?」

 

先に飲んでいたアバターは伏せているところは変わらないが、

 

「お前さんも飲むのかい? マスター、古酒三百年物お代わり!」

「愚痴でも聞こうか?」

「えっへへへ、いいのかい? 実は………」

 

それから、彼から沖縄の現状について語られた。語る前に自己紹介した時、ロータスと一悶着あったがあまり気にならなかった。彼改め【クリムゾン・キングボルト】通称クリキンが言うには何者かにテイムされている神獣級エネミーによって対戦以外でポイント得られる狩りが出来ない状態になっているということだった。

 

 

ロータスside

クリキンの説明がなされたとき、外から何か大きい物の動く音が聞こえた。外に出てみると恐竜のようなものがいた。何者かと怪しんでいると、

 

「正式名称は、神獣級エネミー《ニーズホッグ》だよ。僕は《ニック》ってよんでるけどね。」

 

そんな声が聞こえ顔を上げてみると、巨大竜の背中にアバターが乗っているのが見えた。

 

「貴様、何者だ!」

 

竜の背中居るアバターは肩をすくめながら、

 

「必要なく名乗るべからずっていうのがうちの会則なんだけど、まあいい。あんたみたいな大物が相手なら名乗ろう。初めまして、黒の王にその他。僕の名前は《サルファ・ポット》………御見知り置きを。」

 

敵の名乗りが終わりクリキンが名乗ろうとするのを彼は拒否した。彼の挑発めいた言葉にクリキンが反論しようとした時、

 

「オラァ。」

 

赤黒い杭のような物が敵に向かって敵向かって飛んで行った。

 

「うわぁ、いきなりなんだよ。危ないじゃないか。」

「ハァ、敵の前でベラベラと語ってんじゃねぇ。串刺しにしてやらぁ。」

「くっ、避けろニック。」

 

ベイが杭を射出して、巨大竜がソレを避けるということを繰り返しているが杭は同時に複数射出されている。いくらか巨大竜に命中しているのもある。だが、敵は焦っている様子はなかった。まるで何かを待っているかのように。

 

 

ヴィレムside

「避けてんじゃねぇ、いい加減串刺しになろやぁー。」

 

その言葉に対して相手は嬉しそうに答えた。

 

「やっと、ニックの必殺技ゲージが溜まった。やれぇ、ニック! 《スコーチング・インフェルノ》」

 

敵の命令に対してニーズホッグは所謂《ドラゴン・ブレス》を口から吐いた。

 

「くっ、危ねぇ。形成(イエッツラー)―――暴風纏う破壊獣(リングヴィ・ヴァナルガンド)、ヒッヤッハァー。」

 

バイクを形成しニーズホッグの後ろへ超スピードで回り込んだ。そして杭を敵に向けて射出した。

 

「見ろよ、ニック。跡形も無く消え去ったぞ。………ぐはぁ。」

 

ダメージを与え追撃しようとすると、

「ベイ、下がれ! 今だ、クリキン。」

「おうよ、《メガマシーン・アウェイクニング》」

 

クリキンはいつの間にか集められていた屑鉄の上で叫び巨大な一本のネジに姿を変えた。屑鉄の中に沈み込むと、屑鉄の山が紅に輝いた。屑鉄の山から幾重にもパーツのようなものが現れ、それぞれが繋ぎ合わされた。そして完成し現れたのが巨大ロボットだった。

 

「おい、ベイ。早く下がるんだ。」

 

ロータスがなんか言っているが、敵の前で引けだと、この敵を取り逃がすだと、つまり本家の呪いが俺にもあるだと、

 

「フザケンジャネェ、こんな劣等共に戦いを奪われてたまるかぁ!」

「何を?!」

 

使う力を現すように本来ならば赤黒い《過剰光》ではなく、白銀のような《過剰光》が纏った。

 

「なっ、《心意》だとぉ、何をするつもりだ! ベイ。」

「うるせぇ、黙ってろ。………ああ、私は願う。どうか遠くへ、死神よ、どうか遠くへ行ってほしい。私はまだ老いていない、生に溢れているのだ。どうかお願い、触らないで。美しく繊細なものよ、恐れることはない手を伸ばせ。我は汝の友であり、奪うために来たのではないのだから。ああ、恐れるな怖がるな、誰も汝を傷つけない。我が腕の中で愛しい者よ、永劫安らかに眠るがいい。―――太・極。」

 

 

ロータスside

ベイが何かを詠唱している。敵もクリキンもその雰囲気に動くことも出来ず見ていた。

 

「―――太・極。」

 

その言葉を言った瞬間白銀の光に包まれ彼の姿が変わった。ニーズホッグもクリキンも上回る巨大な銀狼に姿を変えてしまったのだ。その銀狼は普通の狼の特徴からは外れており通常よりも大きく裂けた口をしており、片目からは血や汚物のようなものが絶え間なく流れている。その様子も見て銀狼以外の全てが内心顔を顰めただろう。銀狼はニーズホッグとクリキンが対峙している方向を向き、

 

「ウオオオオオォォォォォォ。」

 

咆哮し、突っ込んだ。

 

「くそぉ。ニック、やれぇ!」

「おおい、若しかして俺もかー。」

 

銀狼いや、ベイは完全に理性が無いようだった。それから巨大竜、巨大ロボット、そしてそれらを上回る大きさの銀狼の三つ巴の戦いが始まった。だが正確には三つ巴ではなく銀狼による蹂躙が行われたのだった。私やドルフィン、メロウは離れたところから見ていた。助けに来たと言い現れた恵のようなアバターも呆気にとられて眺めていた。そして、何か鬼のような怪物の頭みたいのを被っている『マスク・ド・オウガ』と名乗っている者も見ていた。何か恵?にしていたが、いつの間にかいなくなっていた。クリキンと敵が一度死んだことで銀狼はベイに戻った。変身中の記憶は所々しかないがすごく充足感に満ちているそうだ。クリキンは復活した時、師弟共々彼を怖がっていた。【サルファ・ポット】を拷問し遠隔操作の絡繰りを吐かせ、私は私用でダイブしたまま【サルファ・ポット】の使っていた強化外装を使いエネミーをテイムしてクロウのとこへ向かったが、他はバーストアウトした。ただ、驚いたことに用事を終え戻ると、恵の加速世界での記憶が復活していたのだ。理由は解らないがBrain burstも復活しており、メールで、

 

『彼に対するイタズラのようなものだ。気にしないでくれたまえ。 By M D O』

 

と書いてあったらしい。そして、ネガ・ネビュラスに新たなる仲間が増えたのだ。恵こと【オーキッド・オラクル】が。帰ったときハルユキ君達は驚いていた(ハルユキ君は気絶したが)。

 




FGOイベント進めなきゃなあ。第2部まだあんまりやってない。

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