修学旅行行きの飛行機の中で、
ヴィレムside
「俺、飛行機に乗るの初めてだぜ。」
っと、周りの男子が話しかけていた。
「ハーケンベルグは乗ったことあんだろう?」
「日本に来るときな。」
「そういや、お前のことあんまり知らねえよな。」
「ん?気になるのか?」
「まあ、少しな。暇だし。」
「そっちが本音だろ。まあいいか、俺も暇だし。暇つぶしに語ってやるよ。重いが気にすんなよ。」
「「は?」」
周りで聞いていたクラスメイトは俺の「重い」という一言に呆けていた。
「まず、俺の母は姉だった。」
そう切りはじめた。それから、現在の至る状況について話した。話し終わって、
「やっぱ、きつかったか?」
「「「十分重いわー。」」」
「はっはは、叫ぶな叫ぶな。周りの迷惑になるだろうが。」
「「「お前の話の方が周りを害してるだろうがー」」」
最後にはコントぽくなったがまあいい。まあ、その性か周りの反応が柔らかくなったが、
黒雪姫side
「あやつにあんな過去があったとは。」
ハーケンベルグの昔語りをちゃっかり聞いていたようだ。
「ん?何やら考え込んでいるな。」
話が終わり何やら考えている様子だった。そしていきなり顔をあげ、
「よし、試すか! 道連れも必要だな。」
「何を?」
【Here comes a new challenger】
「は?」
ヤツから対戦を仕掛けられたようだ。もちろん今は飛行機の中、お互いのアバターが現れたのも飛行機という建造物の中だった。私は剣を構え、
「何のつもりだ。」
っと言った。だが彼は私を無視し窓の方に行った。
「飛行機の中で加速すんとこうなるのか。そろそろ落下すんな!」
彼の言葉を聞いた瞬間、浮遊感を感じた。
「これは、墜落してるのか?」
「おっ?気づいたのか。俺の検証の道連れに選んだだけはあるな。まあ、候補者はお前だけなんだが。」
「何故こんなことを?」
「いや、飛行機内で加速したらどうなるのかという疑問の解消となんか聞き耳立てていた誰かさんへの嫌がらせだ。飛行機墜落なんか一生に一度も有ることじゃねぇから楽しんでいこうぜ。そろそろ地表に激突だな。」
「飛行機を壊してでも私は助かる。行くぞ、《デス・バイ・ピア………『させるかー』》何故邪魔を。」
ヒューー、ドゴン。キラン、ドッガァーーン
私たちは爆散した。お互いのHPは少しも残ることなかった。HPがゼロになる瞬間覚えていたのは爆風と迫りくる身を焦がす炎と「こんなもの戦争用の枷にすぎん!」と言っている女軍人の幻覚だけだった。
キツイ。