魔法少女リリカルなのは~俺は転生者じゃねえ!~ 作:サッカー好き
書けたので更新します!
楽しんでもらえたら嬉しいです!
よろしくお願いします!
アリサ・バニングスよ。
あいつが居なくなって少しは静かになると思っていたんだけど、実際はそんな事はなかった。
『ねえねえ!
『バニングスさん!橘君は昨日どっかと試合したの?』
『試合に出場出来てるの?』
『海外でも転生者扱いされてたりする?』
『お土産頼むの忘れてたから頼んどいてくれない?』
等など、私が
これでもまだ落ち着いてきた方よ。
最初の時なんて朝だけじゃなく、休み時間になれば誰かしらがやって来て質問されてたわ。
「ふう・・・」
「アリサちゃん。今日も大変だね」
「ごめんね、アリサちゃん。私も答えられたら良かったんだけど・・・」
朝の質問ラッシュが落ち着いて一息つく私の様子に苦笑するなのはと申し訳なさそうに謝るすずか。
なのははともかく、最初は私だけではなくすずかにも尋ねられていたが、あの子は人見知りで無理はさせたくないから基本私が対応している。
「大丈夫よ、すずか。これも全部
「ア、アリサ。流石の
私の冗談半分の言葉に不安げな表情で言ってくる金髪の女の子。
この子はフェイト・テスタロッサ。
私は転入前になのは経由で知り合って、ビデオレターを送り合っていたから仲は良いし学校では基本一緒にいるわ。
すずかのように物静かで大人しい子。
でも人当たりはいいからすぐクラスに馴染めることが出来るだろう。
転入初日はとても騒がれたわ。
可愛いから特に男子が大騒ぎ。
神崎なんて意味不明な『俺の嫁』発言をする始末。
そんな中で、男子が「聞きたいことがあったら何でも聞いてね」という言葉にフェイトはひとつの質問をした。
『えっと、橘
その言葉で男子達の熱が目に見えて冷めていくのが分かった。
質問が自分達以外の男子の事だとは思わないだろう。
当時の私もかなり驚いたわよ。
聞いてみたら一度海鳴へ来た時に
しかも、かなり仲良くなって再会の約束もしているらしい。
冷める所か凍り付いてしまった男子達の代わりに私が
フェイトは最初とても驚いていた。
そしてすぐに「そうなんだ・・・」と言いながら残念そうな、寂しそうな表情をする。
その姿は飼い主が居なくなって寂しそうにする子犬を連想してしまったわ。
そんな事を思っていたら我に返った男子達が怒りの炎を宿しながら騒ぎ出した。
『あの野郎!学校外でもフラグ建てるとかどこのラノベ主人公だ!』
『しかもこんな美少女にとか転生者とか本当なんじゃないかって思ってきたぞ!』
『そんな事はどうでもいい!奴が帰ってきたら制裁するぞ!』
とても盛り上がっていたが、私は私で
そんなこんなでフェイトよりも
比率的には悪い意味でかしらね。
自業自得ね。
この私にすら教えていなかったんだから。
なんか思い出したらイライラしてきたわ。
「とりあえず、
「えっ!?どうして!?」
「あ、私も良い?」
「すずか!?」
「私も私も!」
「なのはまで!?」
私の言葉に慌てふためくフェイト。
そんなフェイトの姿を見て悪ノリするすずかとなのはは流石ね。
午前中の授業が終わってお昼ご飯。
「みんなお待たせ!アリシアお姉さんの登場だよ!」
「アリシアちゃん、こんにちは」
「アリシア、今日も元気ね」
そのもう一人はフェイトにそっくりで、でも背は私達よりも低い女の子アリシア・テスタロッサだ。
最初会った時はフェイトの妹だと思ってたんだけど、2個上の5年生であると聞いて驚いてしまったわ。
「アリシア。クラスの人達とはもう馴染めた?大丈夫?」
「フェイト。それはどっちかというと私の台詞だと思うんだけど?」
確かにアリシアはフェイトとは正反対の性格ですぐに友達が出来るどころかクラスの人気者となっているそうだ。
そんなアリシアに心配は不要なんだけど優しい子だからもはや癖みたいなものなんだろう。
「
「うん。もらってるよ」
アリシアが言うように私達は
海外からの電話料金って高いんじゃないのかって
でも本当に一日一回しか電話してくれないのよね・・・
「やっぱり代表に選ばれる子は皆上手らしいね。毎回楽しそうに話してるよ」
「それに海外のチームはどこも強くて楽しいとも言ってたね」
「選任講師が面白いから勉強が捗っているって言ってたけど本当かな?」
悪い事ではないがなんかモヤモヤしてしまうのはどうしてだろう?
「アリサちゃん、どうしたの?なんか難しい顔してるけど・・・」
「え?いや、なんでもないわ」
「ホントー?どっかの誰かさんのこと考えてたんじゃないの?」
「べ、別に
「アリサちゃん、アリサちゃん。アリシアちゃんは別に
しまった・・・。
私の失態に苦笑するすずか、なのは、フェイト。
アリシアはニヤニヤとしている。
「な、なによ!」
「別にー?
「あ、愛ってなによ!?そんなんじゃないんだから!」
「そんなんってどんなんかなー?」
ニヤニヤした表情を崩さずに私をからかって来るアリシア。
同姓で年上だけど。もの凄く殴ってやりたいわ。
「うるさい!うるさい!うるさーい!!さっさとご飯食べるわよ!」
私は真っ赤になっているだろう顔を隠すように弁当に喰らい着いた。
こんなにからかわれるのもあの
帰ってきたらぶん殴ってやるから覚悟してなさい!
「・・・・・・」
どこかの雪が降り積もる管理外世界。
私、シグナムは闇の書を完成させる為、この世界に生息する魔法生命体から魔力を蒐集している。
闇の書の所有者である主はやてから蒐集行為は禁止されている。
人様に迷惑をかけたくないと主の優しさだった。
闇の書の完成を望まない主は初めてで我々は困惑したが、その命に従い穏やかな毎日を過ごしていた。
しかし、事態は急変する。
主はやての足の麻痺の原因が闇の書だと分かったのだ。
このままでは主はやてが死ぬと分かった私達は主の命に背き独断で蒐集を開始した。
その進捗は著しくない。
人ではなく魔法生命体をメインにしているからなのは分かっている。
しかし、下手に動けば時空管理局が黙っていない。
慎重に動かなければならないのだ。
「ヴィータ。どうした?」
蒐集が終わり視線を向けると手を眺めているヴィータ。
気になった私は声をかける。
「いや、暖かいなって・・・」
「
ヴィータが手に付けている赤い毛糸の手袋。
あれは主はやての友人橘
ヴィータや主はやてだけではなく、我々全員の分も用意してくれた。
主はやてとヴィータには手袋。
私とシャマルにはマフラー。
狼形態のザフィーラにはセーター。
全てが手編みだというのだから驚きだ。
シャマルが今度教えてもらうんだと喜んでいたな。
「シグナムは着けないのか?」
「ああ。マフラーだと戦闘の邪魔になるからな」
「そっか」
強大な魔力を持つ人物が家に近づいているのを感じ、敵と判断した我々は主に事情を説明して戦闘態勢に入った。
シャマルには家の敷地内に対象が入ったら封鎖結界を展開、ヴィータとザフィーラに主の護衛。
私は先手を取る為、玄関の扉に身を潜んだ。
対象は敷地内の一歩手前で停止。
勘付かれたか?
そう思った私は特攻するか悩んでいた時、リビングから主はやてが持つ携帯の着信音が聞こえてくる。
それから数秒後、主はやてが急いで玄関へとやってきたのだ。
『待って、シグナム!その敵かもしれない人、私の友達だと思う!』
主の言葉にその時の私はとてもじゃないが信じられなかった。
通常の魔導師の数十倍はあるんじゃないかという魔力を持つ人物が管理外世界に居るはずがない。
主の懸命の説得に折れた我々は敵であった場合、攻撃にすぐ対処出来る様、私とヴィータの同行を許可してもらい玄関の扉を開けた。
『おっ・・・はやて、その後ろの人たち誰?』
それが
「今思えば、
「本当だな。得体の知れないアタシ達がいるのに何度も遊びに来たり、ご飯を一緒に食べたりもしたし」
「ご飯といえば、シャマルの微妙な料理に美味いと
念の為、本人に確認を取ったが本当に美味しいと思ったそうだ。
だが、
何でも美味しいというから味音痴の可能性は否めない。
それほど、シャマルの料理は微妙なのだ。
「でもよ。あいつもはやて程じゃないけど料理上手いよな。この前、ホットケーキ作ってもらったけど美味かったぜ?それにアイスを乗せたらさらにギガウマだった!」
「そうか・・・ん?ヴィータ。お前、いつの間にホットケーキなど作ってもらったのだ?食材の使用は主はやての許可をもらわないとダメだった筈だが・・・」
「・・・・・・そんな事よりさ!シャマルは兎も角、ザフィーラやシグナムも
墓穴を掘ったヴィータは無理矢理話題を振ってきた。
こいつ、無許可で勝手に使用したな?
一週間おやつ抜きにしてやろう・・・。
シャマルは料理の一件で仲良くなった。
ザフィーラは主や
「そういうお前も急に仲良くなったではないか。確かサッカーというスポーツで勝負したのだったな?」
「あれは熱い勝負だったぜ?PKはまだ一度も勝てなかったけど、サッカーテニスやしりとりリフティングではアタシが勝ち越してるぜ!」
どういった内容かは分からないが楽しそうに笑うヴィータ。
こんな笑顔を見せるなど以前では考えられなかった。
今宵は主とその周りに恵まれているな。
「そういうシグナムは初対面の時から気になってたんじゃないか?」
「む・・・」
確かに気にはなった。
だが、それはどうしてあの時敷地内に入らずに主はやてに電話をしたのか気になったからだ。
押し殺した殺気に気づいたのかもしれない。
そう思った私は剣をやっているか聞いたら
その剣術が気になった私はとある日、
戦場に出ていない子供にしてはそこそこ動ける。
そのくらいの評価だった。
受けに徹していた私は見定めが終わったので攻めに転じたのだが、そこで面白いことが起きる。
私が攻めに転じても中々一本が取れないのだ。
本気ではないとはいえ、
それなのに
しかも、
その姿に心踊った私は少しずつ
そして私は思った。
攻めは真直ぐすぎるが、守りは柔軟に対処出来る剣士は珍しい。
そんな剣士と戦えたらどんなに楽しいのだろうと私は思った。
だから私は
正直、剣術の指南などは出来ないから今の道場に任すとして身体能力を鍛え上げようと決めた。
その事を
最初は泣き言ばかり言ってたが、しっかりついてきてくれる。
休憩中に相談を受けたりもして、いつの間にか仲良くなっていたな。
「
「まあ、私が一番嫌われているだろうとは思うがな」
「そうか?アタシはシグナムに一番懐いていると思うぜ?」
「・・・何故そう思う?」
私はヴィータの言葉に唖然としてしまう。
トレーニングを開始してからは厳しい言葉を沢山言った。
狼形態のザフィーラは兎も角、優しい言葉をかけるシャマルや友達のように接するヴィータに比べれば嫌われても当然だと思うのだが。
「
「そ、そうか・・・」
てっきり嫌われていると思っていたから妙な気持ちだぞ。
「おっ?顔が赤くなってるがどうしたんだ?」
「な、なっていない!なっていたとしても寒いからだ!」
「へぇー?」
ヴィータがニヤニヤしながら私の方を見てくる。
「さ、さあ!休憩は終わりだ!次に行くぞ!」
「へいへい」
平穏な日常を得る為に私とヴィータは蒐集を再開する。
この先、どんな障害があろうとも必ず闇の書を完成させ、主はやてを救ってみせる。
絶対に・・・。
蒐集中。
ヴィータが何度もニヤニヤした顔を見せてきたので、一週間おやつ抜き。
そして、
感謝しているのならなんの問題もあるまい。
ふふふ。
初めてのシグナム視点でした!
騎士君がいない合間にフラグが立つのはお約束ですね!
早目に更新出来るように頑張ります!
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