魔法少女リリカルなのは~俺は転生者じゃねえ!~ 作:サッカー好き
少し空いてしまいましたが無事投稿出来ました。
皆さんの感想を励みに頑張りました。
この話も楽しんで頂けたら幸いです!
「それで、試合結果2-2の引き分け。得失点差で2位トーナメントに進出するも
「おう!やっちまったぜ!」
「やっちまったぜ!、じゃないわ!アホ!」
はやてに怒鳴られる俺、
ちなみに病院は、はやてもお世話になっているいつものところだ。
・・・というか。
最近もすずかのときでお世話になってたな。
念のため3日間の入院となってしまったが、夏休みの間で何度も病院のお世話になるとか初体験だ。
「本当に驚いたんやで!?定期通院で病院に来たら、友達が車椅子乗ってたんやから!」
「だから、悪かったって!」
「心配したんやで・・・」
泣きそうな表情になるはやて。
出会い頭に大声で俺の名前を呼び、病院では出していけない車椅子捌きで詰め寄ってきたはやてには驚いた。
でも、友達がそんな状態になればそうなるのも無理はない。
「そうよ、
「シャマルさん・・・」
はやての隣で椅子に座る金髪ショートボブのお姉さん『シャマル』さんも心配そうな表情をしてしまっている。
この人は、はやての親戚の人らしい。
とても優しくて気が利く美人のお姉さんだ。
「スポーツに怪我は付き物だけど、怪我をしないようにするのも大事な事なんだから」
「はい。ごめんなさい・・・」
「ふふふ。素直でよろしい!ヴィータちゃんもこれくらい素直だと良いんだけど・・・」
怪我をしないようにするのも大事か・・・。
そうだよな。
スポーツ選手は大半が大怪我で引退するって聞くし、もっと真剣に考えるべきだな・・・。
「・・・
ジト目でそう訴えてくるはやて。
しかも、少し機嫌が悪そうだし、どうしたんだ?
「まあ、シャマルさんは年上だし、大人だし。はやてはちんちくりんだし」
「ちんちくりん!?私のどこがちんちくりんなのか教えてもらおうか!」
おっと。
はやての逆鱗に触れてしまった。
「それは―――」
「この胸かこの胸がいいんか!?」
「おい・・・」
はやては、隣にいるシャマルさんの胸に手を伸ばし触りだした。
なにやってんだが・・・。
「この!このこのこのこのっ!!」
「ちょっ!?やっ!はやてちゃん!や、やめっ!あん!」
病内では静かにしてください。
「それで看護婦さんに怒られて外出してるわけだ」
「くだんねえ・・・。なにやってんだよ、はやて、シャマル」
「あはは・・・つい・・・」
「私は何も悪くないと思うんだけど・・・」
俺と同じ年くらいの赤髪の女の子に怒られるはやてとシャマルさん。
なんかとてもシュールな光景である。
この女の子は『ヴィータ』。
はやての親戚らしい。
初めてあった時は睨まれて警戒されたけど、今では俺の車椅子を押してくれるほど仲良しになった。
「車椅子押してくれてサンキューなヴィータ」
「別にいいよ。でも、その状態じゃサッカー出来ないな。シュート受けてもらおうと思ったのに」
残念そうに言うヴィータ。
やっぱり仲良くなるのはサッカーが一番だよな。
最近はゲートボールにはまっているらしい。
「別に足が使えないだけでシュートは受けれるぞ?動けないけどシュートコントロールの練習と思えばいいんじゃね?」
俺も3週間サッカー出来ないのは痛すぎる。
せめて、ボールを触って感覚を鈍らせないようにしないといけない。
「マジか!それじゃあ、ボール持ってくるから早速やろうぜ!」
「よしきた!」
「ダメに決まっとるやろ!」
隣にいたはやてにハリセンで叩かれた。
痛くないけど、どこからハリセンなんて出した?
「えー・・・」
「えー、じゃない!ヴィータも自覚のない怪我人に変な事させない!」
「わ、分かったよ・・・」
自覚のないって、酷い言われようだ。
ヴィータも残念そうだが、はやてには逆らえない。
「まったく・・・
「か、勘弁してくれ。ただでさえ会えば、腕慣らしと試合という名の虐めが始まり、俺を叩きのめしては分かり難い大雑把な説教をしてくる脳筋シグナムさんだぞ。座禅なんてやらせたら1mmでも動いたら叩いて『動いた』と脳筋で意味不明な事を言ってくるに決まってる!」
俺が士郎さん達に剣術を学んでいなかったらもっと大変な事になってたぞ。
でも、逆に学んでいたからこういう事態になっているような気もする。
「ほう・・・。
「え?」
「あら、シグナムにザフィーラ。お買い物の帰り?」
車椅子に座っているせいで後ろを見ることが出来ないが声とシャマルさんの発言で理解した。
シグナムさんが俺の背後にいる。
それを理解した俺はぶわっと汗を掻き始める。
「ああ、シャマル。暑さに弱い物もあったのだが、聞きなれた声が聞こえたのでな。来てみれば酷い罵倒を浴びせられたが・・・」
「なあ、ヴィータ。アイス奢るから逃げるの手伝ってくれない?」
「悪いな、
そう言って、ヴィータは車椅子を動かして俺とシグナムさんの顔合わせが成された。
俺が言うのもあれだけど、珍しい桃色の髪にポニーテールをした女性『シグナム』さん。
俺は先制攻撃とばかりにすぐ話し出した。
「こ、こんにちは!シグナムさん!サッカーの試合でちょっとやらかしてしまいましたよ。は、ははは・・・」
「そうかそうか。それは災難だったな」
俺は引き攣っているだろう笑顔で挨拶をして怪我をアピール。
ヴィータが言ったRPGで言うならば『逃げる』を選択した感じだ。
「そうなんですよ!これじゃあ、サッカーどころか運動もままならないです!」
「なるほど。確かにサッカーは出来ないな」
俺は必死に
そして、シグナムさんは俺の前でしゃがみ込むと肩を掴んできた。
俺は掴まれた手に視線を向けた後、シグナムさんの方へと戻す。
シグナムさんは笑顔だった。
でもその笑顔は俺が望むものと違うものだとすぐに理解できた。
どうやら、『逃げる』は失敗した。
ヴィータが言う状況になっているのは間違いなかった。
「だが、上半身トレーニングは出来る。『脳筋』の私が教えてやろう。じっくりみっしりと、な」
「・・・ちなみに拒否権は?」
「ない」
「助けて、ザフィーラ!!」
「頑張れ」
「う、腕がヤバイ・・・」
「自業自得や」
「そうなんだけどさー。ん?そういえばシグナムさんに連れて行かれるときザフィーラ喋んなかった?」
「気のせいや」
こんにちは、八神はやてです。
あかん。
何故か緊張してきた・・・。
「はやて」
「は、はい!?」
「どうしたんだよ、黙り込んじゃって?それに何だよ、今の反応?マジウケる」
「なんやて!?酷くない!?」
色々台無しやん!
別に何か期待してた訳じゃないけど、その反応はあんまりやん!
またハリセンで叩いてやろうと顔を向けると
「そうそう。はやてはそんくらい元気じゃないと!俺は元気良く笑って喋るはやてが好きなんだから」
「ぐ・・・うううっ・・・」
屈託のない笑顔に私が抱いた怒りが吹き飛び、行き場をなくなったハリセンを床に落とす。
その笑顔をずっと見ていることができず、顔を背けて俯いてしまった。
なんやねん!
なんやねん、あのセリフ!
そして、いつもの無邪気な笑顔じゃなく、大人な感じの笑顔とか反則やん!
どこで、そんな高等技術覚えてきたんや!
「どうした?」
「な、なんでもあらへん!しゃ、シャマル遅いな~」
自分でも自覚してしまう下手な演技に泣いてしまう。
落ち着け、八神はやて!
相手は
空気が読めなくて、デリカシーがなくて、勉強嫌いで、サッカーバカで、落ち着きが全くないどこにでもいる同い年の男の子やん!
「おーい?」
それに、綺麗な銀髪で、目が宝石のように輝いているかのような赤と黄色のオッドアイで、そこらのモデルより格好いい顔をしてるだけやんか!
「はやてー?」
でも、優しいし、頼もしいし、シグナム達の事は何も追及しないでいてくれるし、困った時は強引だけど助けてくれるし・・・。
「おいってばー」
はっ!
なに考えてるんや私!
これじゃあ、私が
そんな事絶対に―――
「はやて!!」
「っ!?
「やっと戻ってきたか」
「え?あっ、顔、ちかっ!?」
私の様子がおかしかったからなのか
その結果、私の顔と
本当に近くて少し顔を近づけたらキス―――
「どうしたんだよ?悩み事でもあるのか?」
「いや、その、そういう訳じゃ・・・でもある意味悩みはあるっちゃあるような・・・」
「そうなのか?俺で力になれることなら遠慮せず言えよ!」
悩みは、この状況なんやけど。
「ええの?」
「当たり前じゃないか!俺とお前の仲だろ?」
本当に優しいな
「じゃあ、目、瞑ってくれる?」
「目?こうか?」
私のお願いに何の疑問も持たずに従ってくれる
ああ。目を瞑る
「そのまま・・・そのままで、な?」
「はやて?」
少ししかなかった私と
『ニャアアアアアア!』
―――0になる前に颯爽と現れた猫によって邪魔された。
『ニャア!ニャニャニャ!!』
「いてっ!痛い痛い痛い!?」
颯爽と現れた猫に飛びつかれた
一体何がなんだか・・・
「もう~!何やってんのよ、ミーちゃん!邪魔しちゃダメじゃない!」
「惜しかったですね~」
唖然としている私の耳にそんな声が聞こえてきた。
すぐに声がした方へと振り向くと、一人はトイレに行っていたはずのシャマル。
もう一人は少し前に挨拶した
「
「こんにちは、はやてちゃん。馬鹿息子の顔を見に来たら病室前でシャマルさんが部屋の中を覗き見てたのよ。どうしたのかと思ったら馬鹿息子とはやてちゃんが良い雰囲気じゃない。これは覗くしかないわよ」
「良い雰囲気・・・はっ!?」
その瞬間、全身が熱くなるのを感じた。
「それなのにミーちゃんが邪魔しちゃうんだから!」
「あの猫はペットなんですか?」
「うーん・・・。
「なるほど・・・」
猫『ミーちゃん』の事で盛り上がっているようだが、私にはその内容が頭に入らないほど動揺していた。
「これは、ちが、違うんです!?」
「あら?何が違うのかしら?」
「それは、その、あの!?」
ニヤニヤしながら言ってくる
「はやてちゃん」
「え・・・?」
頭の中が真っ白になっていく私に
『そのまま・・・そのままで、な?』
自分でも見た事がない表情。
なんといえばいいのか分からない。
だけど見られてはいけないものだって事は理解できた。
「い、イヤアアアアアアアアアアアアッ!!??」
この日、車椅子で自動車を抜く少女が見られたと噂されたが事実かどうかは定かではない。
byザフィーラ
正直、サッカーの話があんなに好評だとは思いませんでした!
そして、サッカー関係の話だけ前編後編で分けていることから自分も力を入れてしまっているんだなと改めて感じました。
サッカーはやっぱり偉大ですね!
本当はA’Sから騎士を参戦させようかと考えていましたが、間接を貫いていこうと思います!
色々ツッコミ所が満載になってしまうかもしれませんが、よろしくお願い致します!
それでは、また次回でお会いしましょう!