魔法少女リリカルなのは~俺は転生者じゃねえ!~   作:サッカー好き

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なんとか12話だけど、そろそろ連日更新はこれで最後かな。

仕事が忙しい泣

でも更新頑張ります!


第12話『物事は知らぬ間に進んでいく』

騎士(ナイト)!屋上に行くわよ!」

「待て、今俺は手が放せない状態なんだ!」

 

昼休みにいつも通り昼食へ誘いに来たアリサに俺、騎士(ナイト)はそう冷たく言い放つ。

アリサには悪いが俺は今、とてつもないピンチに陥っているんだ!

 

「手が放せないって、一体何やってんのよ?」

「次の授業の宿題!」

「今、やってんじゃないわよ!」

 

アリサにすぱーんっと頭を叩かれる。

 

「ま、待ってくれアリサ!この宿題が終わってないと今日居残りになってしまうんだ!?」

「自業自得よ!・・・と、いつもなら言うんだけど、今回は手伝って上げるわ」

「マジっすか!?」

 

どうしたんだ、今日のアリサは?

とてつもなく優しいぞ?明日は雪でも降るのか?

 

「なんかとてつもなく邪魔したくなってきたわ・・・」

「アリサ様!どうかお願い致します!」

 

俺は土下座して、宿題を手伝ってもらった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昼休み。

俺はアリサ、すずかと一緒に昼食タイム。

 

「で、俺の宿題を手伝ってくれる程に大事な話ってなんだ?宿題手伝ってもらった分の働きはするよ?」

「当然よ!それにあの程度の宿題でもたついてんじゃないわよ、まったく!」

「俺、算数ダメなんだよ・・・」

「まあまあ。えっとね、実はなのはちゃんから連絡があって次のお休みに戻ってくるんだって」

「おおっ!なのはが!」

 

なのはが休学してからもうどのくらい経ったのだろうか?

忘れちまったがかなり久しぶりな感じがするな。

 

「それで、私の家でなのはと遊ぼうと思うんだけど、騎士(ナイト)も来なさいよ!」

「ちなみに何時から?」

「午後からだよ!」

 

それなら大丈夫だ。

サッカーの練習は朝で終わるから問題なし!

 

「分かった。行くよ」

「よし!それじゃあ、サプライズでなのはが驚く凄い事をするわよ!」

「一体何をするんだ?」

「それを今から考えるんじゃない!」

騎士(ナイト)君ってそういう事考えるの得意だよね?」

 

すずか、それは俺が悪戯大好き少年だと言いたいのかい?え?違う?

 

「うーむ。古いが、ケーキにある火のついたロウソクをなのはが消すと同時にケーキを爆発させる。なんてどう?」

「誕生日でもないのに?それにそんな事したら危ないでしょうが!」

「サプライズでも喜んでくれるサプライズにしようよ」

 

喜んでくれるサプライズか・・・

 

「それじゃあ、無難にプレゼントで良いんじゃない?」

「そうね。どんなプレゼントにする?」

「箱を開けたら人形が飛び出てくるなんてどうだ?」

「普通にお人形だけで良いんじゃないかな?」

 

そんな感じの打ち合わせをしながらいつもの昼食タイムは終了した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・」

 

ここは、次元航行艦『アースラ』。

『ミッドチルダ』と呼ばれる世界が数多に存在する次元世界を管理を維持する機関『時空管理局』。

そこで提督を務める女性『リンディ・ハラオウン』。

彼女は席に座り、モニターを開いて何かを見ている。その顔は真剣な表情をしている。

 

「艦長。何をしているんですか?」

「クロノ」

 

リンディに話しかけたのは黒い髪で黒い服を着た少年『クロノ・ハラオウン』。

名前で分かるようにリンディと親子(よく姉弟と間違えられる)である。

 

「ちょっと気になる事があって」

「何がです?」

「この地球の異常発生というべきかしらね。なのはさんを始め、優秀な人材がいる事よ」

 

クロノはモニターを除くとそこにはなのはの画像がある。

今、なのははこのリンディ率いる部隊に地元協力者としてアースラに住み込みをしてジュエルシードの回収作業を手伝っている。もちろん、ユーノも一緒に。

 

「それに神崎君に皇君」

「確かに魔法文化レベル0の筈の世界でこんなに適合者が出るのは大変珍しいケースです。ですが・・・」

「ええ・・・」

 

リンディはモニターを操作すると騎士(ナイト)が写った画像が出てくる。

 

「橘騎士(ナイト)・・・この少年ははっきり言って危険です。いつ魔力暴走が起こるか分からない。いや、とっくの昔にしていてもおかしくない」

「それでも、なのはさんが言うには一度もそんな事は起きていないらしいわ。あ、でも・・・」

「なんです?」

「関係ないけど神崎君はこの子が怖いと言ってたわ」

「あの傍若無人で人の事をカス呼ばわりするあいつが?」

 

実は和也もなのはと同じように地元協力者としてアースラに同行している。

まだ少しの付き合いだが和也の評価が低いのはもう流石としか言えない。

 

「詳しくは聞けなかったけど、神崎君は一度彼を怒らせた時、もう二度と怒らせない様に決めたらしいわ」

「あいつは一体何をしたんだ・・・?」

 

呆れて溜息を吐くクロノ。

リンディは苦笑しながら再び画面に顔を戻した。

 

「どっちみち、この一件が終わったら彼と話をしてみようと思うのだけどどうかしら?」

「異論はありません」

「うん。じゃあ、その話を他のメンバーにも話を通しておいて」

「分かりました艦長。では失礼します」

 

一度敬礼してクロノはその場から離れて行くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・」

 

薄暗くて色んな機械設備が置いてある部屋に1人の女性が居た。

その女性の前には、ジュエルシードが浮かんでいる。

女性の名前は『プレシア・テスタロッサ』。

フェイトの母親で、フェイトにジュエルシードを回収するように指示している。

 

プレシアは少し前にフェイトからジュエルシード集めの報告を聞いていた。

結果は9個。

フェイトとアルフ。そして、フェイトが連れてきた皇拓真という少年。

この3人だけで集めたのならば上々である。

しかし、プレシアはフェイトを叱りつける。(鞭で叩こうともしたが、それは拓真に防がれている。)

 

そして、拓真と2人きりで話した時に彼は言った。

 

『俺にはアリシアを生き返らせる手段がある』

 

とてもじゃないが信じれない言葉だった。

まだ9歳という少年が死者を蘇らせるなどあり得ない。

しかし、そんな少年が知る筈がない『アリシア』の存在。そして、フェイトがクローンである事を知っていた。

 

「信用ならないけど可能性があるなら・・・」

 

プレシアには時間がない。自分の寿命も残り少ないのだ。

使えるものなら何でも使う。

例えそれが死神に魂を売ろうとも・・・。

 

「そして、一つだけ輝きが違うジュエルシード・・・」

 

プレシアの前に浮かぶ9個のジュエルシード。

その真ん中に浮かんでいる1個は白く輝いていた。

 

それ以外は蒼く輝いている。これが本来の輝き。

では、どうしてそんな輝きになっているのか。

拓真に聞いても分からないと言われ、フェイトに聞いたらある人物の名前が出てきた。

 

 

【橘騎士(ナイト)

 

 

フェイトの聞いた話では、その少年に受け取ったジュエルシードは既に白く輝いていた。

原因は騎士(ナイト)が触れたからであるのは間違いない。だが、その理由は不明。

 

調べれば分かるとは思うがそんな時間はない。

だが、分かったのは白く輝くジュエルシードは普通のジュエルシードよりも力が安定している事だった。

 

プレシアは騎士(ナイト)に興味を持った。

この白いジュエルシードならアルハザードへの道を開けるかもしれないと。

だから、騎士(ナイト)を連れてくるように言ったのだが―――

 

『ご、ごめんなさい母さん。それは出来ません。騎士(ナイト)を巻き込みたくない』

 

それは、まさかの拒否だった。

フェイトが生を受けてから初めてだった。

なんでも2つ返事でプレシアの命令を聞いてたフェイトがだ。

 

『えっと、騎士(ナイト)は魔法に関わってはいけないと思うんです。例え母さんのお願いだろうと・・・』

 

その顔は真剣で騎士(ナイト)という存在がとても大きいものだと理解する。

それとなく騎士(ナイト)の事をどう思っているのか聞いてみた。

 

騎士(ナイト)は・・・私を温かい気持ちにさせてくれる子・・・。話してると自然に元気にしてくれる大事な人』

 

知らぬ間にフェイトが青春を謳歌している。

そして、そんな話をしながら恥ずかしさで頬を赤くしながら俯いているフェイト。

そんなフェイトにプレシアは不覚にも可愛いと思ったのは内緒である。

 

そして、聞いてもいないのに、騎士(ナイト)との馴れ初めを話しだしたのでイラついて鞭で叩いてしまったプレシアは悪くないと思った。

 

「まあいいわ。質よりも量。あの子の提案は最後の手段。ジュエルシードをもっと集めさせなければ・・・」

 

ジュエルシードをしまい、プレシアはその部屋から出て行こうとするが一度振り向いて部屋の中心にあるポッド『生体維持装置』に目を向けた。

 

「アリシア。もうすぐだから、待っててね・・・」

 

その顔は母親のように優しい笑顔。フェイトには見せたことない笑顔。

 

「・・・でも、あの子のあんな笑顔初めてみたわね。橘騎士(ナイト)・・・その子とは一度お話をしてみたくなったわ。ふふふ・・・」

 

フェイトどころかアリシアにすら見せた事のない怖い表情でその場を後にした。

どれくらいかと言うと、プレシアに鞭打ちされて傷ついたフェイトを見て怒り、抗議しに行ったアルフがプレシアの顔を見て抗議を止め逃げ出した程である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へっくし!」

「うわっ!汚いわね!」

「だ、大丈夫?騎士(ナイト)?」

「あ、ああ大丈夫」

 

俺、騎士(ナイト)は鼻をすすりながらそう答える。

なんか急に寒気を感じたんだよな。もう感じないけど。

 

「もう!今なのはの為にケーキ作ってるんだから唾とか飛ばすんじゃないわよ?」

「分かってるって。それで次に何をすればいいんだ?」

「えっと次は卵を・・・」

 

俺とアリサとすずかは今、すずかの家のキッチンで料理中である。

ちなみに何を作っているかと言うと、もうすぐ帰ってくるなのはの為にケーキを作ってるんだ。

言っとくがもちろん普通のケーキだぞ?本当だよ?

 

「つか、なのはのお母さんにお願いしても良かったんじゃねえか?」

「そんな事言わない!こういう特別な日こそ、普段では味わえないケーキを作ってプレゼントするの!」

「なるほど」

 

アリサの言葉に俺は納得する。

まあ、高町のお母さんのケーキは食べようと思えばいつでも食えるしな。

 

「これはなのはの喜ぶ顔が目に浮かぶぜ!」

「そうだね。なのはちゃん、早く帰ってこないかなー」

「そうね・・・って騎士(ナイト)何やってんのよ?」

「な、なにも?」

「ほう?それじゃあ、その手に持っている赤い瓶は何かしら?」

 

俺は明後日の方向に首を向ける。

 

「べ、別にこれはタバスコなんかじゃないからね!勘違いしないでよね!あっ、これアリサの真似ね」

「わあ、とても似てたよ騎士(ナイト)君!」

「似てないわよ!そして、タバスコじゃないならなんなのよ!」

 

アリサに頭を叩かれながらそう聞かれた。

良いだろう!教えてあげよう!

 

「これは『キャロライナー・リーパー』だ!」

「きゃ、キャロライナー・リーパー?何よそれ?」

「ノエル知ってる?」

 

流石の2人も知らないものだったらしく、俺達3人じゃ危ないからと見守っているノエルに聞いた。

 

「『キャロライナー・リーパー』。トウガラシ種で世界一辛いとギネスに載るくらい辛い食材です」

「タバスコより性質が悪いわ!」

「へぶっ!?」

 

次はアリサに拳骨される。

最近、アリサの暴力が激しくなってきたような気がする。

 

「でも騎士(ナイト)君。よくその食材の事知ってたね。私達でも知らなかったのに」

「ノエルに聞いた」

「よし!あんたら正座!」

 

俺とノエルさんは仲良くアリサに説教されるのであった。

 

俺が全く知らぬ間に変な組織や怖い人に目を付けられているとは知らずに。




という訳で今まで出なかったアースラ陣とプレシア登場!

そして何故か騎士君に注目が集まる件。

これはもはや宿命!かもしれない。




という訳で、懲りずに報告会!


お気に入り1821件、感想71件、評価72人

アレ?目がおかしくなったのカナ?

お気に入りが一気に400人近く増えてる気がする。

きっと気のせいだな!

ついさっき見た今日(2016年7月1日)の日間ランキング7位に入ってたのも気のせいだ!

だから気にせず更新頑張ります!

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