ダンまちに転生したが、脇役でいいや   作:冬威

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恩恵

 

 

森の中を歩いていた。

木々の隙間から木漏れ日がさす。

少し肌寒い空気が心地よかった。

ここは何処だろう?

 

ふと後ろを振り返れば、両親が手を振ってた。

 

思い出した。生前、家族でよく登山をした山だった。

 

手を振る両親に近づくと、顔がぼやけてよくわからない。

何かを言っているようだが、何も聞こえない。

 

辺りが真っ暗になる。

両親のことを思い出そうとしても、何も思い出せない。

涙がとめどなく溢れる。

 

私は…僕は…

 

 

 

ハッと目を覚ます。

 

 

「あっロージ君。起きたっすか?」

 

 

ラウルがいた。

 

はぁと溜息を吐いてしまった。

 

 

「えっ⁉︎自分何かをしたっすか⁉︎」

 

「うんにゃ、べつに」

 

 

どうやら夢を見ていたようだ。懐かしいような、寂しいような、変な夢だった。夢のことを考えているとラウルに話しかけられた。

 

「さぁ、朝食の時間すよ‼︎早く行くっす‼︎」

 

「あと50分」

 

 

ベットに潜り込む。

 

 

「ダメっすよ⁉︎それに普通はあと5分っす‼︎

ロージ君は、朝食の後に恩恵を刻んで、ギルドに登録をしにいくんでしょ⁉︎」

 

 

あぁ忘れてた。

 

 

 

 

朝食後、予定通りロキの部屋に向かった。

昨日は気づかなかったかけど、最上階だから結構キツイなロキは毎日上り下りしているのか?ハッ!だからあんなに胸筋付いて平らに⁉︎

 

などとバカなことを考えているとロキの部屋に着いた。

中に入る。

 

 

「失礼します。」

 

「おっ?来たなロージたん‼︎」

 

 

…ロージたん?

 

 

「ほれほれ〜そんなとこにおらんと、早く服脱いでベットにき?」

 

「全部ですか?」

 

 

知ってるけどなんか聞いてみた。

 

 

「ぐっ‼︎…う、上だけでええで」

 

 

ロキが苦しそうだ。

早速言われた通りにベットに仰向けで寝転がる。ロキが私の上に跨り、血を一滴たらす。私からは余り見えないが背中が光っている。どうなっているか超見たい!

 

ロキの手が止まる。

終わったのか?

しばらく動かない。呼んでみるか?あれ?なんて呼ぼう…。ロキ様?神様?そういえば片目の鍛治師は主神様と呼んでたな?

 

 

「あの…主神様?」

 

「・・・・・」

 

 

返事がない。ただの屍のようだ。

 

 

「…ハッ!すまんな。終わったで、今からステイタスを書き写すから、ちょっと待ってな〜」

 

その間に服をきた。ロキが少し残念そうだ。

…美少女と美女が好きだったよな?

 

 

「ほい、ロージたんのステイタスや」

 

 

七郎治

 

Level.1

 

力 :I 0

耐久:I 0

器用:I 0

敏捷:I 0

魔力:I 0

剣豪 I

 

魔法

 

スキル

 

 

 

これが私のステイタスだ。

 

 

 

うん、読まれんげな…

 

 

 

字が読めない。一通り真剣な顔でふむふむと眺めたあとロキに渡す。

 

 

「 ? 」

 

「字が読めんがな…(´・_・`) 」

 

 

ガクッ‼︎

ロキがこけた。

 

 

「じゃあ今の真剣な顔は何やったんや‼︎」

 

「いつだって真剣です。」

 

「ウソつけー‼︎うちら神にはウソがつけんのや‼︎」

 

「そんなことより、なんて書いてるんですか?」

 

「そんなことて…まぁええわ。基本のステイタスはまだ0や、けど珍しいアビリティが発現しとるな。アビリティ名は(剣豪)や。なんか心辺りはあるか?」

 

 

少し考える。

間違いなく特典だろうが、それは言えない。ではどうする?ロキが納得するか分からないが、前世の経験を言うか…

 

 

「亡き父に剣を習っていました。」

 

「ウソ…でわないなぁ」

 

 

本当のことだ。実質親の影響で高校まで剣道をやっていた。本当は卓球がしたかった。

 

 

「まぁええわ、これで終わりや。後はガレスに任せてあるから、正門にいき。待っとるはずや」

 

 

「分かりました。ありがとうございます!主神様‼︎」

 

「かたいな〜うちのことはロキたんでええで〜」

 

「絶対に嫌だ」

 

 

ロキが崩れ落ちた。思ったことが口に出てしまった。

とりあえずガレスを待てせてはいけないと理由をつけて逃げた。

 

 

 

ロキside

 

あぁロージたんが行ってもうた。

しかしこのステータスなんやねん。

 

 

七郎治

 

Level.1

 

力 :I 0

耐久:I 0

器用:I 0

敏捷:I 0

魔力:I 0

剣豪 I

 

魔法

 

スキル

【仕事人】

・役割をキッチリ、ミスなくこなす事でステータスに+10%補正。また、フォローに回る事で、仲間のステータスに+5%。また、諦めた時点で補正効果終了。

 

【家族の加護】

・失った愛情を取り戻すたびに、ステータス向上。

・???

 

 

 

スキルや魔法は本人の本質を表す。

 

なんや?仕事人て…自分のステータス上げて、仲間をフォローするかとで、仲間のステータスを上げる…

それに、家族の加護。読まれん部分もあるが、愛情を取り戻すたびにステータスが上がる。なにかあるとは思っとったが…

あんな小っこいのにどんな人生歩んでんねん。

 

こらしっかり守ってやらないかんな〜

 

 

ロキside,END

 

 

 


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