ダンまちに転生したが、脇役でいいや   作:冬威

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今回はロキ、フィン、リヴェリア、ガレスの4人の視点です。




主神の1日、入団試験の裏側

 

 

ロキside

 

今日は天界切ってのトリックスターの勘が、うちの美少女センサーがビンビンしよる。

 

何処かに居るはずや。美少女が‼︎

 

ロキは持ち前の勘と変なセンサーを頼りに、朝から街中を何かに誘われるようにぶらついていた。

 

 

 

 

 

 

あかん、もう夕方や…

ほんまにどこおるん?

 

おっあれは…

 

 

公園のベンチで途方に暮れているであろう小さな背中を見つけた。ニヤける顔を抑えながら、声をかける。

 

 

「そこの可愛いお嬢さん。うちのファミリアに入ってくれへん?」

 

 

返事がないただの屍のようだ。

 

 

って‼︎ちゃうわー‼︎‼︎

あれ、無視された?気づいてへんのか?

もう一度や‼︎

 

 

「なあなあってば、無視せんといて〜。うち悲しいわ〜」

 

 

前に回り込んで声をかける。

 

よっしゃ‼︎センサーの通り、美少女や‼︎

黒髪の中性的やけど、将来が楽しみやー

 

いきなり現れたからビックリしとるんかな?固まってもうたわ…

 

ん?今一瞬視線が…

なんか失礼なことを言われた気がするんやけど…

まぁええわ。

 

 

「なぁ、可愛いお嬢さんうちのファミリアに入らへん?」

 

 

その時うちは思いもしなかった。

 

 

「僕、男です。」

 

 

うそやろ?問いただすも肯定のみ。

 

うちの美少女センサーが狂うなんて…そんなはずは‼︎

…確かにこの子は男の子や。

 

はっ‼︎男の…娘なのか⁉︎

 

いや、それよりもこの子訳ありやな。おもろい。

 

うちはこの子ファミリアに入れることにした。

 

【黄昏の館】に向かいながら感じるこの子の手のひらは、小さくてとても冷たかった。ふと握り返された感覚に目をやると、顔を背けていたが泣いてるのが分かった。出会ったばかりの子供を愛おしく思った。

 

 

ファミリアに着いて、団員の子に声をかけフィン達を呼んできてもらった。さぁ入団試験や。でもこの子は大丈夫や。ニヤけが止まらん。

 

 

 

ロキside,END

 

 

 

 

ガレスside

 

 

飯の前だというのにいきなりロキに呼ぼれた。

どうせくだらんことだと思うがの。

 

ファミリアの古参が集まっておった。

ロキの部屋に入ると無愛想な子供がおった。新しい入団希望者か?まぁロキが好きそうではあるな。

 

子供を見やると面白いくらい反応をした。

思わず笑ってしまった。無愛想かと思えば、そうでもないようじゃ。

 

さて、入団試験が始まった。

ロキがふざけて…いやあれは本気か?リヴェリアにしばかれたがとりあえず無視じゃ。

 

 

問おう

 

 

「お主はなにを求めて冒険者になる?」

 

「・・・・・」

 

 

えらく考えるのう。覚悟もなしか。

不合格にしようと思ったその時

 

 

「剣ってやつは楽しい。それだけさ。」

 

 

はっきりした口調で言い切った。

その瞳は先程とは違い迷いがなかった。

フム、こいつは鍛えがいがありそうだ。

 

 

ガレスside,END

 

 

 

 

 

リヴェリアside

 

 

珍しく夕飯前にロキに呼ばれた。食事はなるべくいる者全員でとることになっている。

どうやら呼ばれたのは私だけではないらしい。

2人とも呼ばれたれた理由を知らなかった。

フィンは勘づいているようだな。

 

ロキの部屋に入ると感情のない子供がいた。

なるほど、入団希望者か…

それにしても幼い。訳ありだろうか?

私達が見ると、怖がらせてしまったか怯えているように見えた。

 

入団試験が始まった。

いきなりロキがふざけたので、正してやった。

 

ガレスが試験を続ける。

 

 

私は問おう

 

 

「お前は、仲間が危機に陥った時どうする?」

 

「・・・・・」

 

 

子供は考え込む、はなから仲間を見捨てるやつをファミリアに入れることはできない。

 

 

「そんな状況…覆してやる」

 

 

仲間のために動けるようだな。その瞳には、確かな意思があった。

私はこの子を侮っていた。

 

 

リヴェリアside,END

 

 

 

 

 

 

フィンside

 

 

団員から言伝で、ロキの部屋に呼ばれた。

どうやら、呼ばれたのは僕だけではないようだ。

呼びにきた団員が、ロキが子供を連れたいたといっていた。入団希望者かな?

 

ロキの部屋に入ると無表情の子供がいた。

入ってきた僕らを見て怖がっているようだ。

主神の趣味は分かってはいるが、この子は大丈夫か?と思ってしまった。

 

入団試験が始まる。

ロキがふざけてリヴェリアに制裁をくらった。ガレスが何事もないように話を進める。

 

2人の問いに子供が答えるたびに、親指が疼く。

 

 

さぁ、僕の番だ。

 

 

「それじゃあ最後に…君は僕たちと、ファミリアの為に命をかける覚悟はあるかい?」

 

「・・・・・」

 

 

子供が考え込む。

覚悟のない者を、

ファミリアのために命をかけられない者を、

団長として認めることはできない。

子供の顔が悲痛に歪む。トラウマでも思い出したか?

訳ありかな?

 

 

子供が感情的に答える。

 

 

「命を賭けて友達を迎えに行く。友達を…見捨てておめぇら明日食う飯がうめえかよ‼︎」

 

 

親指がとても疼いた。この子は誰かのために何かをできる子だ。

合格だ‼︎

 

 

 

フィンside,END

 

 

 

 

 

 

 

 





難しかった〜

次回は七郎治に戻ります。


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