自分の好きなセリフをぶっこんでみました。
「着いたで、ここが黄昏の館や」
ロキに連れられて、【黄昏の館】に着いた私はあまりの大きさに唖然としてしまった。
縦に伸びたそれは子供だからか異様に大きく感じ、立ち入ることをためらってしまう。
つか、館ってか城やん!
心の中で、思わず突っ込みを入れてしまった。前世の知識で知ってはいたが…
某夢の国にある、灰かぶりの城を初めて見た時の気分だ。
「どないしたんや?ほら行くで」
「あっ、はい」
再び、ロキに手を引かれてホームに入る。途中ロキが何人かに声を掛けていた。
失礼と思いながら、あちこち観察しながら着いた先は中央の塔の最上階だ。
「ここがうちの部屋や」
酒瓶がところ狭しに転がっていた。酒に余り強くない私は匂いで酔ってしまいそうだったが、ポーカーフェイスを作ってやり過ごす事にした。
「もうすぐしたら来ると思うから、ちょっと待ってな」
「あっ、はい」
あれ?ここに来てから「あっ、はい」しか喋ってない。まずい、緊張しすぎて冷や汗が出てくる。
ロキはニヤニヤしながらこちらを見ている。ムカつく。
そうこうしているうちに、ドアがノックされた。
中に入って来たのは、背は余り高くないが筋骨隆々でいかにも屈強な戦士といったドワーフのおっさん。
次に入って来たのは、翡翠の髪に女神も嫉妬するほどの美貌。特徴的な尖った耳が示す種族、エルフ。しかも
そして最後に綺麗な金髪に整った顔立ち。幼い外見に似つかわしくない落ち着いた雰囲気を醸し出していた。
もう、今すぐ逃げ出したい…
御三方の存在感ハンパねーわ!
ビビって泣きそうっちゃけど!標準語ちゃんと喋れるかいな!
ロキ・ファミリアだからいつかは会えるだろうとは思っていたが、初日に会えるとは…
入団試験か?
「おっ!3人とも来たな!」
「なんじゃいきなり呼び出して」
「もうすぐ夕飯の時間なのに、珍しいな」
「ハハ。で、そこにいる子は入団希望者かい?」
ビビクッ⁉︎
いきなり3人にみられて、全身の水分を冷や汗で放出しながら、変な反応をしてしまった。
そんな私をみて、ロキとガレスは声にして笑い。リヴェリアとフィンは苦笑いを浮かべる。
…死にたい。
第一印象が大事なのに、初っ端からつまずいた!
ズーンと落ち込んでいると、ロキが笑いを堪えながら話しかけてきた。
「すまんすまん、なかなかオモロイ反応でつい笑ってしもうたわ」
「さて、今から入団試験を始めるで」
スッとロキの目の色が変わった。細まっていた目が僅かに開かれた。
また、ビクついてしまう。
「自分、名前はなんて言うんや?」
そういえば、自己紹介してなかった。他の3人もやれやれといった感じだ。
ここで、予め考えていた名前を言う。
「七郎治。名字はありません。」
「七郎治…か。」
ロキが私の顔をジッと見てくる。
「もうちょっと可愛い名前の方がええんちゃう?ナナリーとか」バキッ‼︎
ロキがリヴェリアに叩かれた。突っ込みにしては痛そうだ。さっきの真面目な雰囲気はどうした?
そんなロキを無視してガレスが続ける。
「お主はなにを求めて冒険者になる?」
考えてなかった。えぇっどうしよう。
ダンまちに転生したから?ダメだろ?
強くなりたいから?べつに…。
モンスターに怨みがあるから?あっ初対面です。
一攫千金?生活に困らなければ…
何も無い!ヤバイよヤバイよ!
どう言おうかうつむきながら考えていると、ふと腰の重みに意識がいく。神様に貰った特典は剣術だ。これを使おう。
最強の剣士?武を極める?…あるマンガの登場人物が流派に入門するときの言葉を思い出す。
「剣ってやつは楽しい。それだけさ。」
フムっとガレスは、目を細め自身の髭をなでる。
やっちゃった?ロキに、神には嘘がつけない。ばれたか?
でも、嘘では無い。その理由がしっくりきたから言ったんだ。
「お前は、仲間が危機に陥った時どうする?」
リヴェリアが問いかけてくる。ハッと思考を切り替える。
仲間の危機?絶対助ける?私に出来るのか?でも、状況は打開したいと思う。なんて言えば…よし神食いゲームのアニメ主人公の決めゼリフだ‼︎
「そんな状況…覆してやる」
リヴェリアは片目を伏せた。えっ、またやっちゃった?もう無理ー‼︎どげんしよー‼︎やっちまっただー‼︎ああぁ
「それじゃあ最後に…君は僕たちと、ファミリアの為に命をかける覚悟はあるかい?」
フィンの真剣な声に息を飲む。
命をかける?かけたことが無いから分からん!
じゃあ出来ないのか?それじゃあ、前世の時と同じだ家族の死を何もできずに近くで感じるだけだ…
大好きなマンガの、オカマウェイな言葉を送ろう。
「命を賭けて友達を迎えに行く。友達を…見捨てておめぇら明日食う飯がうめえかよ‼︎」
フィンがめを見開く。またまたやっちゃった?流石に意味わからんかったか?友達じゃなくて、家族とか仲間が良かったか?使いどころ間違った?リヴェリアの質問の答えに使えばよかったかなぁ?あっ敬語使ってないわ〜
しばしの沈黙のあと、全員いっせいに笑い始めた。
「「「「ぶっ!あははははー‼︎‼︎」」」」
恥ずかしくて死にそうだ。赤くなる顔を隠しながらうずくまる。私は貝になりたい。
「いやー、笑ってすまなかった。予想以上だったよ。」
「あっ、よく面白いねって言われます…」
涙目だ。
「ちゃうちゃう、七郎治お前は合格や‼︎」
「…えっ?うっそ⁉︎まじでか⁉︎」
「まじでや‼︎」
ロキがニッと笑う。
「僕は団長のフィン・ディナム。二つ名は【
さっきは君のロキ・ファミリアに入る覚悟を試したんだ」
フィンが、笑いかけながら私の頭を撫でる。
「私は副団長のリヴェリア・リヨス・アールヴだ。二つ名は【
リヴェリアが微笑みかける。惚れてまうやろー‼︎‼︎
「………」
ガレスは先程から何か考えているようで何も言わない。
儂は認めん‼︎とか、言われないだろうか。また、ビクビクしてしまう。
「?、ガレスどうしたんだい?」
フィンが問いかける。
「フム、この小僧っ子は儂が鍛えよう。儂はガレス・ランドロック。二つ名は【
ファッ⁉︎
うっそ⁉︎マジでか⁉︎え〜キツそう〜でも断れんよね〜
でも待てよ…しゃあない腹くくるか。ここは戦国の赤い槍兵風に
「ご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。親方様‼︎‼︎」
「ガハハハハー‼︎‼︎」
と盛大に笑うガレス。ここに新たな師弟が誕生した。
ふう〜
自分でもこのセリフの使い回しはおかしいと思うけど、オカマウェイ好きなんだよな〜
タグ増やさないといけんですね。