ダンまちに転生したが、脇役でいいや   作:冬威

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3話目です。

自分の好きなセリフをぶっこんでみました。




入団試験とリスペクト

「着いたで、ここが黄昏の館や」

 

ロキに連れられて、【黄昏の館】に着いた私はあまりの大きさに唖然としてしまった。

縦に伸びたそれは子供だからか異様に大きく感じ、立ち入ることをためらってしまう。

 

つか、館ってか城やん!

 

心の中で、思わず突っ込みを入れてしまった。前世の知識で知ってはいたが…

某夢の国にある、灰かぶりの城を初めて見た時の気分だ。

 

 

「どないしたんや?ほら行くで」

 

「あっ、はい」

 

 

再び、ロキに手を引かれてホームに入る。途中ロキが何人かに声を掛けていた。

失礼と思いながら、あちこち観察しながら着いた先は中央の塔の最上階だ。

 

 

「ここがうちの部屋や」

 

 

酒瓶がところ狭しに転がっていた。酒に余り強くない私は匂いで酔ってしまいそうだったが、ポーカーフェイスを作ってやり過ごす事にした。

 

 

「もうすぐしたら来ると思うから、ちょっと待ってな」

 

「あっ、はい」

 

 

あれ?ここに来てから「あっ、はい」しか喋ってない。まずい、緊張しすぎて冷や汗が出てくる。

ロキはニヤニヤしながらこちらを見ている。ムカつく。

 

そうこうしているうちに、ドアがノックされた。

中に入って来たのは、背は余り高くないが筋骨隆々でいかにも屈強な戦士といったドワーフのおっさん。

次に入って来たのは、翡翠の髪に女神も嫉妬するほどの美貌。特徴的な尖った耳が示す種族、エルフ。しかも王族(ハイエルフ)だ。

そして最後に綺麗な金髪に整った顔立ち。幼い外見に似つかわしくない落ち着いた雰囲気を醸し出していた。小人族(パルウム)だ。

 

 

 

もう、今すぐ逃げ出したい…

御三方の存在感ハンパねーわ!

ビビって泣きそうっちゃけど!標準語ちゃんと喋れるかいな!

ロキ・ファミリアだからいつかは会えるだろうとは思っていたが、初日に会えるとは…

入団試験か?

 

 

「おっ!3人とも来たな!」

 

「なんじゃいきなり呼び出して」

 

「もうすぐ夕飯の時間なのに、珍しいな」

 

「ハハ。で、そこにいる子は入団希望者かい?」

 

 

ビビクッ⁉︎

いきなり3人にみられて、全身の水分を冷や汗で放出しながら、変な反応をしてしまった。

そんな私をみて、ロキとガレスは声にして笑い。リヴェリアとフィンは苦笑いを浮かべる。

 

 

 

…死にたい。

第一印象が大事なのに、初っ端からつまずいた!

ズーンと落ち込んでいると、ロキが笑いを堪えながら話しかけてきた。

 

 

「すまんすまん、なかなかオモロイ反応でつい笑ってしもうたわ」

「さて、今から入団試験を始めるで」

 

 

スッとロキの目の色が変わった。細まっていた目が僅かに開かれた。

また、ビクついてしまう。

 

 

「自分、名前はなんて言うんや?」

 

 

そういえば、自己紹介してなかった。他の3人もやれやれといった感じだ。

ここで、予め考えていた名前を言う。

 

 

「七郎治。名字はありません。」

 

「七郎治…か。」

ロキが私の顔をジッと見てくる。

 

 

「もうちょっと可愛い名前の方がええんちゃう?ナナリーとか」バキッ‼︎

 

 

ロキがリヴェリアに叩かれた。突っ込みにしては痛そうだ。さっきの真面目な雰囲気はどうした?

そんなロキを無視してガレスが続ける。

 

 

「お主はなにを求めて冒険者になる?」

 

 

考えてなかった。えぇっどうしよう。

ダンまちに転生したから?ダメだろ?

強くなりたいから?べつに…。

モンスターに怨みがあるから?あっ初対面です。

一攫千金?生活に困らなければ…

何も無い!ヤバイよヤバイよ!

どう言おうかうつむきながら考えていると、ふと腰の重みに意識がいく。神様に貰った特典は剣術だ。これを使おう。

最強の剣士?武を極める?…あるマンガの登場人物が流派に入門するときの言葉を思い出す。

 

 

「剣ってやつは楽しい。それだけさ。」

 

 

フムっとガレスは、目を細め自身の髭をなでる。

 

やっちゃった?ロキに、神には嘘がつけない。ばれたか?

でも、嘘では無い。その理由がしっくりきたから言ったんだ。

 

 

「お前は、仲間が危機に陥った時どうする?」

 

 

リヴェリアが問いかけてくる。ハッと思考を切り替える。

仲間の危機?絶対助ける?私に出来るのか?でも、状況は打開したいと思う。なんて言えば…よし神食いゲームのアニメ主人公の決めゼリフだ‼︎

 

 

「そんな状況…覆してやる」

 

 

リヴェリアは片目を伏せた。えっ、またやっちゃった?もう無理ー‼︎どげんしよー‼︎やっちまっただー‼︎ああぁ

 

 

「それじゃあ最後に…君は僕たちと、ファミリアの為に命をかける覚悟はあるかい?」

 

 

フィンの真剣な声に息を飲む。

命をかける?かけたことが無いから分からん!

じゃあ出来ないのか?それじゃあ、前世の時と同じだ家族の死を何もできずに近くで感じるだけだ…

大好きなマンガの、オカマウェイな言葉を送ろう。

 

 

「命を賭けて友達を迎えに行く。友達を…見捨てておめぇら明日食う飯がうめえかよ‼︎」

 

 

フィンがめを見開く。またまたやっちゃった?流石に意味わからんかったか?友達じゃなくて、家族とか仲間が良かったか?使いどころ間違った?リヴェリアの質問の答えに使えばよかったかなぁ?あっ敬語使ってないわ〜

 

 

 

 

 

しばしの沈黙のあと、全員いっせいに笑い始めた。

 

 

 

「「「「ぶっ!あははははー‼︎‼︎」」」」

 

 

 

恥ずかしくて死にそうだ。赤くなる顔を隠しながらうずくまる。私は貝になりたい。

 

 

「いやー、笑ってすまなかった。予想以上だったよ。」

 

「あっ、よく面白いねって言われます…」

涙目だ。

 

 

「ちゃうちゃう、七郎治お前は合格や‼︎」

 

「…えっ?うっそ⁉︎まじでか⁉︎」

 

 

「まじでや‼︎」

ロキがニッと笑う。

 

 

「僕は団長のフィン・ディナム。二つ名は【勇者(ブレイバー)】。

さっきは君のロキ・ファミリアに入る覚悟を試したんだ」

フィンが、笑いかけながら私の頭を撫でる。

 

 

「私は副団長のリヴェリア・リヨス・アールヴだ。二つ名は【九魔姫(ナイン・ヘル)】。しかとその想い受け止めたぞ。」

リヴェリアが微笑みかける。惚れてまうやろー‼︎‼︎

 

 

「………」

ガレスは先程から何か考えているようで何も言わない。

儂は認めん‼︎とか、言われないだろうか。また、ビクビクしてしまう。

 

 

「?、ガレスどうしたんだい?」

フィンが問いかける。

 

 

「フム、この小僧っ子は儂が鍛えよう。儂はガレス・ランドロック。二つ名は【重傑(エルガルム)】じゃ」

 

 

ファッ⁉︎

うっそ⁉︎マジでか⁉︎え〜キツそう〜でも断れんよね〜

でも待てよ…しゃあない腹くくるか。ここは戦国の赤い槍兵風に

 

 

「ご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。親方様‼︎‼︎」

 

 

「ガハハハハー‼︎‼︎」

と盛大に笑うガレス。ここに新たな師弟が誕生した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ふう〜
自分でもこのセリフの使い回しはおかしいと思うけど、オカマウェイ好きなんだよな〜

タグ増やさないといけんですね。


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