他の方々が書かれるオリ主はみんな外見だけじゃなく中身もイケメンですね。
自分とこのオリ主は…。
けど、決めるときは決めますよ‼︎
新しい武器と装備を手に入れた七郎治はヒマを持て余していた。昨日のバカ騒ぎで外に出る気もなく、同じヒマを持て余していたラウルとアキ、リーネと麻雀をしていた。もう半日近くなる。
「はい、国士無双」
「ぎゃー‼︎それダメっす‼︎」
「ワハハ!有り金全部おいてきな」
「またラウル君のビリだね」
「七郎治さんマージャン強いですね…」
泣き叫ぶラウルと高笑いをする七郎治、二人の様子を見て笑うアキとリーネ。そこに突然の乱入者が。
「おっ⁉︎ヒマそうやな〜」
「嫌でーす」
「うち、まだ何も言うてへんやんけ⁉︎」
「どうしたんすか?ロキ」
いきなり現れたのは自分達の主神ロキだった。
「バッカ!ラウル面倒ごとに巻き込まれるべ‼︎」
「よーし、七郎治。お前は確定や」
「それで、ロキ様何かあったんですか?」
「ん?今日のガネーシャ主催の【神の宴】にエスコートして欲しいんや!ラウル、七郎治!よろしく頼むな‼︎アキとリーネは二人をおめかししてやってな!因みに拒否権はないで〜‼︎」
「あ、はは。了解っす」
「うぇ〜」
夕暮れ時、黄昏の館の前に立派な馬車が用意されていた。
「遅いっすね。ロキ」
馬車には、燕尾服にネクタイをしめ、普段はツンツンと逆立てた髪をオールバックにしたラウルと
「もう、行かんでよかろう?」
同じ燕尾服に蝶ネクタイを付け、左サイドをオールバックにして肩まである髪は後ろで一つ結びにした気だるそうな七郎治がいた。話を聞き付けた女性団員にオモチャのように着せ替えさせられたので、すでにくたびれていた。
「よっ!待たせたな」
いつも後ろで結ばれている髪は、丁寧にアップされ、髪と同じいろの鮮やかなドレスを着こなし、綺麗にドレスアップされたいつもと違う主神が現れた。
「おぉ!ロキきれいっす!」
「黙ってれば美人なんやね」
「ロ〜ジ〜。どういう意味やコラァ‼︎」
一悶着のすえ、如何にかガネーシャ・ファミリアの本拠地【
「うわぁ」
「あいかわらず、奇天烈やな〜。すまんけど、終わるまでここで待っとってな」
ロキは他の神々と同様に股間の中に入って行った。ドレスアップされた、美男美女な神々が楽しそうに股間に群がる姿はとってもシュールだった。
周りをみると他のファミリアも主神の従者として団員達が来ていた。友好関係のあるファミリアと世間話をしているようだが、ロキ・ファミリアともなれば、下手に反感を買いたくないのか少し避けられていた。
「ヒマやな〜。麻雀でも持って来れば良かった。イーピンしかない」
「ダメっすよ。てか、何でイーピン持ってるんすか?」
「ポケットに入っとった。あと、どんぐりと3ヴァリス」
「なんすか⁉︎そのわんぱく少年みたいなポケットの中身は⁉︎」
ー
「俺がガネーシャだ‼︎」
「「イエーイ‼︎」」
主催者であるガネーシャがいつも通り、自分の名前を叫び近々行われる【
「盛況やなっと」
「やぁ、ロキ。久しぶりじゃないか」
「おっ、デュオニソスやないか…。おぉう、デメテルもおったんか」
「ふふ、久しぶりねロキ。いつもご贔屓にして貰って助かるわ」
ロキに話しかけたのは、貴族のような豪華な衣装を着こなす、美男子の神。豊穣と葡萄酒の神デュオニソス。ロキにはない、巨乳をたわわに実らせた美女の神。穀物の豊穣の女神デメテルだった。
一通り、自分達のファミリアについて世間話を終えると、デュオニソスがさり気なく問いかけてきた。
「そういえば、ロキは行くのかい?
【
「そうやな〜。行こうとは思ってる」
「本当かい?なにか企みなしで?」
「おいコラ!どういう意味や!」
「いや、ほら。天界での君を知っているから、つい、ね?」
ロキは悪戯神と呼ばれ、暇潰しに神々に殺し合いをけしかけるほどの悪神であった。
「まあ、ええわ…。おっ?ドチビや!ウチはもう行くで」
ロキは掴んでいたデュオニソスの胸ぐらを離し、駆けて行った。
「何か企んでるのは貴方じゃないの?デュオニソス。悪い顔しているわよ?」
デュオニソスは、片手で顔を覆っているが不気味な笑みがこぼれていた。
「おーい!ファイたーん!フレイヤー!ドチビ‼︎」
ロキはピンヒールとは思えない速度で、美の女神フレイヤ、鍛治の女神ヘファイストス、竃の女神ヘスティアの三人の輪に突撃していった。
「あら?ロキ、久しぶりね」
「何しに来たんだよ君は⁉︎」
「なんや〜?今日は宴じゃー‼︎てノリやろ?マジで空気読めてへんよこのドチビ」
ロキと犬猿の中であるヘスティアは一気に怒りのボルテージが上がるが、自分の眷属の為に確認したいことがあったのでなんとか堪える。
「そうだロキ、君に聞きたいことがあるんだ」
「なんや〜ドチビがうちにか?明日は岩でも降るんかいな?アルマゲドン!ラグナロクー!て」
「…。聞くよ、剣姫に付き合っているような異性はいるのかい?」
「アホウ!アイズたんはウチのお気にや!近ずくヤツは八つ裂きにしたる‼︎」
「チッ!」
「まあ、全くおらんと言うわけでもないけどな。二人とも鈍いから気付いてへんのやろうな〜」
「それって抜刀斎のこと?」
「ん〜?どうやろな〜?」
「あっそうだ。僕の子供がお世話になったみたいなんだ。抜刀斎君にお礼を言っておいてくれないかい?」
「七郎治に?あいつの主神はウチやぞ?先にウチに言うのが礼儀とちゃうんか?」
「ぐ⁉︎ぼ、僕が感謝しているのは抜刀斎君であって君じゃない‼︎」
「なんやと!このロリ巨乳」
「やるのかい!ロキ無乳」
恒例のロリ巨乳VSロキ無乳の勝負が始まり、宴は盛り上がる。
ロキがヘスティアの頬っぺたを両サイドからひっぱり、ぶん回す。リーチの差で、全く届かない腕をバタつかせ動きに合わせてヘスティアの巨乳が縦横無尽に揺れまくる。
結果として、頬を抓られて真っ赤に腫らしているヘスティアが、ロキの精神にマダンテ並の大ダメージを与えて勝利した。
「お、覚えておけよ〜アホウ〜‼︎」
泣きながらロキが撤退した。
ー
「んー、【
「る、る…。【
「い〜。【
「た、た…」
「違うべ、マスターの"
「ズルイっす‼︎"
「じゃぁ、タで」
「じゃぁって…。んー【
七郎治とラウルが、「ありそうな二つ名しりとり」をしていたら、ガネーシャの股間から泣きながら勢いよく走ってくるロキの姿が見えた。
「うおおお‼︎帰るで‼︎帰ってヤケ酒や〜‼︎」
「ど、どうしたんすか⁉︎」
いきなりロキが泣きながら突進してきたので、ビックリするラウル。そんなラウルとは対照的に七郎治は落ち着いて抱きとめ、そっと手を差し出す。
「ほら…」
「うう…。ロージた〜ん」
七郎治は普段は目が死んでいるが今は優しげな笑顔を浮かべ、ロキの手をギュッと握る。
「泣くなよ…。ほら、どんぐりやるけん」
「いらんわー!!ちゅうか、何でお前は今どんぐり持っとんねん⁉︎」
ベシッ‼︎と七郎治に差し出されたどんぐりを地面に叩きつける。
「なんでやねん!ちゃんと慰めんかい!アホウ!」と暴れるロキをラウルが羽交い締めにし、八つ当たりをされまくっている。
仕方がないので泣き叫ぶロキを馬車に放り込み帰ることにした。しかし、黄昏の館に馬車を走らせる二人に待ち受けていたのは、ロキのヤケ酒から逃れることが出来ずにずっと付き合う地獄の試練だった。
泣いている女性を抱きしめ、そっとどんぐりを差し出す七郎治はイケメンだと思う。