ダンまちに転生したが、脇役でいいや   作:冬威

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タイトルが思いつかなくなってきた。





朝帰りとステイタス

 

ー黄昏の館ー

 

ロキ・ファミリア本拠地 正門。二人組の門番が立っていた。オラリオの最強派閥の一角であるファミリアであるため、第二級以下の団員が交代で行っている。もっとも、主神であるロキは「べつにせんでもええんやでー」と言っているので、これは団員達が自主的にやっているのだ。

 

 

「あれ?ロージさん」

 

「ほんとだ。朝帰りっすか?相手はだれですか?」

 

 

門番をしていた女性団員が七郎治に気づき、男性団員がニヤニヤしながら問い掛けてきた。

 

 

「野暮なこときくなや、コレじゃコレ」

 

「えっ⁉︎どっち⁉︎」

 

 

七郎治は門を通り過ぎながら、小指と親指を立てて見せた。後ろから「彼女?彼氏?」「まさか両刀…」等と聞こえてくるが、あえて無視して自室に向かう。

 

着ていた服を脱ぎ捨てながらベットの倒れこむ。ベット脇に置いてある机から一枚の紙を取り出し眺める。

 

 

 

ーーーーーーー

オウギ・七郎治

 

Skill Lv.5

力:I 0

耐久:I 0

器用:I 0

敏捷:I 0

魔力:I 0

剣豪:F

索敵:G

耐異常:H

 

 

魔法

【鬼千切】

・魔力を乗せた斬撃を飛ばす。

 

【付与魔法エンチャント】

・魔力を身体の一点に集める事で、身体能力を向上させる。魔力の放出も可能。

 

 

 

スキル

【仕事人】

・役割をキッチリ、ミスなくこなす事でステータスに+20%補正。また、フォローに回る事で、仲間のステータスに+15%。諦めた時点で補正効果終了。

 

【覇気】

見聞色の覇気

・相手の気配を感じ取り、視界に入らない敵の数、位置を知る事が出来る。また、敵が次の瞬間に何をするか先読みする事ができる。

 

武装色の覇気

・体の周囲に見えない鎧を纏うことが出来る覇気。攻撃にも転用可能。また、武器や防具にも纏うことが出来る。

 

 

【家族の加護】

・失った愛情を取り戻すたびに、ステータス向上。

 

???

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

遠征から帰って来た日に更新した自身のステイタスだ。やはり『武装色の覇気』が追加されていた。これで、転生する際に貰った特典の一つの習得が完了した。

 

 

それにしても【家族の加護】これはなんなん?発現してから未だに読めん部分もあるし…。

まぁ、いっか。考えても分からんし

 

 

それよりも…。

 

 

チラッと壁に立てかけた刀を見る。ヘファイストス・ファミリアで言われたことを思い出す。

 

ー ー

「七郎治…。お主、何を切った?」

 

「なんでも溶かす液体とその本体」

 

「…。この刀はもう治せんぞ」

 

「えっ⁉︎なして⁉︎」

 

「刃こぼれは直せるが、刀の芯がダメになっておる。このまま使い続けたらその内折れる。何度も鍛え直してきたが、限界じゃな」

 

「…」

 

言葉も出ないで惚けている七郎治に椿が声をかける。

 

「武器が今のお前の実力についてこれてないのだ。まぁ、何にせよ新しい刀を新調するなら要望は聞いてやる。不壊属性(デュランダル)でもつけるか?」

 

「え、あぁ、考えとく」

 

七郎治は刀を受け取り、ヘファイストス・ファミリアを後にした。

ー ー

 

 

どうすっかな…。

 

 

はぁとため息ふつき、目を閉じる。あの刀はLv.2に上がった際にガレスからお祝いに貰ったものだ。武器に頼りすぎないよう分不相応にならないように見合った物を見繕ってくれた。

 

本来ならもうとっくに使えなくなっていてもおかしくないのだが、何度も鍛え直し、手入れも欠かさず大切にこの「無銘刀」を扱ってきたのだ。

 

 

はぁともう一度溜息をつくと、モヤモヤする気持ちを、頭を振って、のそのそと着替えて街に出る支度をした。遠征前に頼んでおいた陣羽織と着流しが出来上がっているはずだ。今回の遠征で溶かされて予備もないので、取りに行かなくては…。

 

 

 

 

 

門を出ようとすると、後ろから声を掛けられた。ラウルとアキだ。

 

 

「ロージ君!帰ってきてたんすね」

 

「ん、また出かけるけん」

 

「あっ!待って。その、言いたいことがあって…」

 

「?」

 

「「昨日はホントにゴメン‼︎」」

 

「ロージ君が怒ってたのは分かったんすけど、原因が分からなくガレスさんに相談したんす」

 

「そしたら、例の駆け出しの冒険者を笑った事だろうって言われて…」

 

 

二人は言いにくそうに、昨日の事について謝ってきた。

 

 

「…ワシ等は助けた命を笑われた」

 

「うん、そうだよね…。ホントにゴメンね」

 

「もう、そんな事しないっす‼︎」

 

「おう」

 

 

二人の真剣な思いが伝わってくる。自分達を思ってくれている事、ベルに対して笑った事の反省の意。それが嬉しくて自ずと顔が綻んでしまう。

 

 

「じゃあ、ワシはもう行くけん」

 

「あっ‼︎昨日できなかったお祝い今夜するっす」

 

「ホームの食堂だけど、ちゃんと帰って来てね‼︎」

 

「おう!」

 

 

七郎治は少し晴れた気持ちで街にでる。夜が楽しみだ。

 

 

 

 

 

 






次は新装備!


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