ダンまちに転生したが、脇役でいいや   作:冬威

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ペース配分が…







出会い

 

 

「ふおおおおーー‼︎うおっ⁉︎こえー‼︎」

 

 

50階層からアイズは七郎治を背負いったまま、お構いなしに人一人を背負っているとは思えないスピードでモンスターの群れに飛び込み次々と殲滅させる。

 

アイズが敵の攻撃を屈んでかわすと七郎治の鼻先をギリギリかすめて通過する。

 

 

「いやああああ‼︎前髪切れた〜‼︎」

 

 

右へ左へ、上へ下へとGの衝撃が全身を襲う。

 

 

「うぷっ…。吐きそう…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー17階層ー

 

 

「まだまだ暴れ足んないよ〜」

 

「しつこいわよあんた。いい加減にしなさいよ」

 

 

遠征を断念し、二隊に分かれての帰還途中。各々が隊列を崩さない程度に小休憩をとる中ヒリュテ姉妹の会話が響く。

 

 

「もう、いやだべ…。いいかげんおろして〜」

 

「ダメ、だよ?…暴れないで」

 

いやだ、いやだとアイズの背中で子供のようにジタバタと駄々をこねるも、ゴスッ‼︎七郎治の脇腹にLv.5のアイズの肘が入る。うっ⁉︎と呻くと大人しくなる。アイズは何かに目を止めるとそちらへ近づいて行く。

 

 

「はぁ…」

 

「リーネ。手伝おうか?」

 

「えっ?だ、大丈夫です‼︎アイズさんに荷物を持たせるなんて‼︎これは私達サポーターの仕事です‼︎」

 

「でも…」

 

「止めろってのアイズ、雑魚に構うな。間違っても手を貸すんじゃねぇ、せいぜい見下してりゃ良いんだよ」

 

 

けっ!と言い捨てるとベートは隊の前方に行ってしまう。ティオナに見られていたようで、いつもの言い合いが始まる。ベートに言われてから何かを考え込むアイズ。事の成り行きを黙って聞いていた七郎治か徐に口を開く。

 

 

「なぁ、アイズ嬢。言い方は悪いかもしれんけど、ワシも手を貸さん方が良いと思うがや」

 

「えっ?」

 

 

七郎治がまさかそんな事を言うとは思わなかったアイズは、驚いた表情をする。普段無表情なアイズと余り変わらない気がするが

 

 

「ああ、勘違いせんで?強い弱い関係なく人には役割があるけんな、リーネ自身も言っとったろ?サポーターの仕事だって」

 

「…」

 

 

七郎治はアイズに頼んでサポーターの男連中のところまで行き声を掛ける。

 

 

「キャー‼︎やっだ〜‼︎屈強そうな良い男がいっぱい‼︎誰にしようかな〜」

 

 

普段は死んでいる目を輝かせて、声色を変え女言葉で話し掛ける。団員達はなんだ?と笑いながら声に耳を傾ける。

 

 

「リーネの荷物が他より少し多いと思うの〜。誰か手伝って〜」

 

 

なるほどと、男達は確かに他より多い荷物を背負っているリーネへと歩み寄る。分担して運んでくれるようだ。

 

 

「ファミリアなんじゃけー、アイズ嬢だけ手伝う必要はないんよ」

 

「…うん」

 

 

七郎治はスキル『見聞色の覇気』で主神曰くツンデレな毛玉が言いたかった事、アイズが今何を考えているかを感じとっていた。まぁ前世の知識もあるのだが…そこまで覚えていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

『『ブモオオオオーーー‼︎』』

 

 

「進行方向にミノタウロス…大群です‼︎」

 

大群か…。これアレやな、アイズ嬢も行くパターンやな…

 

これからあの恐怖がまた始まるのかと、1人憂鬱になっているとふと思い出す。

 

 

ん?遠征でミノタウロス…。ッ‼︎ヤバイ‼︎これベルがミノタウロスに襲われるときだべ‼︎

 

 

『ブモオオ〜〜』

 

 

そうこうしているうちにミノタウロスが逃げ始める。リヴェリアの指示もあり、団員達が慌てて追いかける。アイズの背中から、追い抜きざまに逆手に構えた刀で居合を放ちミノタウロスを斬り伏せる。

 

 

「アイズ嬢‼︎ダッシュ‼︎ダッシュ‼︎」

 

「うん」

 

 

ダンジョン5階層。残るは後一匹…

 

 

「ほああああー‼︎」

 

 

叫び声が聞こえる。七郎治ナビのもと、猛然と走り抜けるアイズ。

 

恐らく新米であろう白髪の少年がミノタウロスに追い込まれていた。

 

ミノタウロスが、少年を殴り殺そうとした瞬間。ミノタウロスに交差する線が入る。線に沿って崩れ堕ちた巨体は血飛沫を撒き散らし少年へと降りかかる。

 

白髪て赤目はまるでウサギを彷彿させる少年だ。

 

 

「あの、大丈夫、ですか?…」

 

 

返事がない、ただの屍のようだ。

 

 

「おーい、少年。ケガはねーか?」

 

「だ…」

 

「だ?」

 

「だああああああ‼︎」

 

 

ダンまちの原作の通り、兎のような少年。ベル・クラネルは脱兎の如く逃げて行った。

 

 

 

がんばれよ〜

 

 

 

いつの間にか追いつき、ギャハハハ‼︎と下品に笑うベートと、それに対してムスッとするアイズを無視して七郎治はこれから沢山の試練を与えられるベルに心の中で声援を送る。

 

 

 

 

 

 

 

 






なんか、話の進行ペースが遅い様な気がする…

もっとテンポよく進めた方が良いのだろうか?




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