ハードボイルドって難しいよね
ふぅと息を吐く。
この世界には、モンスターを生み出す「大穴」が空いている。約千年前「大穴」から溢れ出すモンスターと人類は生存をかけて戦っていた。人間とは非力で愚かな生き物だ。モンスターに蹂躙され絶望に打ちひしがれていた。
そんな人類に救いの手を差し伸べたのは、暇を持て余した神々だ。人類は恩恵を受けモンスターの進行を止めた。
千年たった今では、ダンジョンに潜るのは人類の生存をかけてモンスターを止める為ではなく、一攫千金を狙う者、強さを手に入れたい者、名を上げ名誉を欲する者ばかりだ。人間の欲望に満ちている。
本当にバカな生き物だ。俺もその内の1人なのだろう…こんな夜には行きつけのバーで命の重さを考えながら
ハードボイルドな男ってのは「何してるのロージ‼︎サボらないの‼︎」
ふっ…ハードボイルドに生きるのは辛いぜ
「さっきから何してるの?」
「いや….ちょっとハードボイルドごっこを…」
「はあ?」
同期の
「ほら早くそれ運んで。あっこれもね」
「ハードボイルドな男は常に片手をあけているものだ…」
「早く持て‼︎」
怒られたので荷物を運ぶ。
「ねぇ、ロージはどうしてカドモスの泉に行かなかったの?」
「それは私も聞きたいな」
「副団長⁉︎」
いつの間にか後ろにリヴェリアが立っていた。
「えっ?だってワシ第一級冒険者じゃねーもん」
「それだったらレフィーヤもでしょ?」
「もともとレフィーヤは同行させるつもりだった。他にも理由があるのだろう?」
ん〜…というか言わないか悩む七郎治。
「…ダンジョンで出来たわだかまりは、遠征が終わる前に片付けた方がいいべや」
「?」
「49階層でレフィーヤはアイズ嬢の足を引っ張ったって思っちょる。ティオナ嬢達もいれば、口下手なアイズ嬢も思いを伝えられると思うから?かいな」
「…ロージ。お前は周りをみているな」
「ロージはそこまで考えてたんだね」
「…ハードボイルドな俺には似合わないな」
「はぁ〜」
「あ〜せっかく感心したのに…」
呆れたと言わんばかりにりリヴェリアがため息を。アキがじと目で見てくる。二人とも拠点の本部へ行ってしまった。
…別にそれだけじゃないんだよな〜
原作では、この遠征中にイレギュラーに見舞われる。51階層に向かったメンバーは各々で対処しきったが、拠点組は防戦一方だ。怪我人が何人も出ていた。
…もう自分はこの世界の住人。そして
当初は目立って原作を壊さない様にしようとしたが、どうしても体が動いて危機に飛び込んでしまう。それでも第一級冒険者達が凄すぎて、存在が霞んでいるからよしとしよう。
「敵襲ーー‼︎」
見張り番が声を上げ、敵の存在を仲間に伝える。リヴェリアが指示を飛ばし、団員達が迎撃の準備に入る。
来たな…。どこまでやれるか分からない。まるで真っ暗な闇の中を彷徨う様な不安に駆られる。それでもぶち当たって砕けようとも仕事後の一杯の
ハードボイルドな男ってのは背中で語るもんだ。仲間達に背を向けるのは別れの時じゃねえ。敵と戦う時だ。
さぁ、ちょっくら行ってくるか。
そして前に歩き出す。
「七郎治ーー‼︎早く戦闘につけーー‼︎‼︎」
リヴェリアに怒られた。ハードボイルドは辛いぜ…
ルビの使い方を覚えた今日この頃‼︎
今までの話もルビを入れて手直ししていこうかな