新次元ゲイムネプテューヌ 反響のリグレット【完結】 作:ジマリス
それに伴い、いままでの作品のざっくりとしたあらすじとキャラ設定を投稿しています。
よければそちらもどうぞ。
「待て!」
空間に、楕円状に開けられた穴を通り、身の丈ほどの大剣を振るうが空を斬るだけで手ごたえはなかった。
「くそっ、どこ行きやがった」
いつの間にか、荒廃した世界とはかけ離れた場所に来ていた。
どうやらあの黒スーツの少女も次元移動の能力をもっているらしい。
街はどこも壊れていないし、モンスターがはびこっているわけでもない。
見渡すと、ここは街の中心部のようだ。
公園に、おしゃれな店、そして行き交うたくさんの人。
全てが目の届くところにある。
特に俺の目を引いたのは、遠くに見える塔だ。
美しい白と薄い紫の、100メートルはゆうに超えるそれはプラネタワーだ。
ということは、ここはプラネテューヌか。
問題は、
「わたし、超次元にとうちゃーっく!」
突然、背後から高い声が響いた。
先ほどの戦いから醒めずに、警戒状態だった俺は反射的に剣の先をそちらに向けた。
「ってうわあ!ちょ、ちょちょちょストップ!ストーップ!!帰ってきてそうそう真っ二つなんてごめんだよ!」
その少女には見覚えがある。
特徴的なパーカーワンピを着たその少女の名前は……
「ネプテューヌか?」
「あれ、ユウ?」
ネプテューヌは手を挙げたまま、目を丸くしてこちらを見た。
俺の名前を知っているということは、この次元は今まで巡ってきた中のどこかというわけだ。
「ってことは、ここは超次元か」
「わー、久しぶりだね!前のときもネプギアたちと喋ってて、あまり喋れなかったから……ってあーーー!!」
今のネプテューヌの言葉で、ここがどこかわかった。
超次元だ。
俺、滝空ユウが次元の旅をする前、この次元は犯罪組織と犯罪神の存在によって混沌と化していた。
そこで偶然ネプギアと出会い、捕らわれた女神の救出と犯罪組織の打倒を目指して共に旅をした。
細かいところはともかく、結果として、俺は犯罪神の力を手に入れ、その膨大な力を利用して次元に穴を開けることが可能になった。
まあ複雑な事情が絡んでいるからここでは割愛させてもらうが。
『前のとき』というのは、何年か前に俺が帰ってきたときのことを言っているのだろう。
たしか、神次元という別次元との間に起きた事件のクライマックスのときだ。
解決した後は少し女神候補生と話をしただけですぐ去ったから、姉である女神からすれば余計に久しぶりに見えるだろう。
「なんだ」
「こんな話してる場合じゃないよ!ネプギアが!うずめが!イヴが!」
「うずめ?イヴ?」
今度は聞き覚えのない名前だ。
それが本名にしても愛称にしても、俺の知る人間ではないことは間違いない。
そのことはいったん置いておいて、俺は尋常じゃなく焦っているネプテューヌに注目を戻した。
「あのさ、ユウ。確か次元移動できるんだったよね?」
「ん、ああ、移動先の次元座標さえわかれば、特定の次元に行くことはできるが……」
「次元座標……は私知らないなぁ。あ、でも確かいーすんがネプギアに指示してたから、いーすんなら知ってるはず!」
ハッとしたネプテューヌはいきなり俺の手を掴むやいなや、引っ張って走り始めた。
「あ、おい!どうなってるんだ!」
「あとで説明するから、はやくはやく!」
俺のほうにも気がかりなこともあるが、当面はこちらのほうが急務のようだ。
聞きたいことは山ほどあるが、この調子じゃ聞けそうにもない。
事情を知るためにも、俺は仕方なくついていった。
「いーすん、いーすん!」
教会の扉を開けるやいなやイストワールを呼んだ。しかし緊急事態だというのに返事は返ってこない。
「……ってあれ?おかしいなぁ。いつもなら、開口一番に形式上のお帰りなさいとお説教のコンボが飛んでくるはずなんだけど……」
「まだ説教喰らってるのか、お前は……」
犯罪神との戦い、いや神次元の事件が起きてから何年も経っているはずだが、ネプテューヌは相変わらずのようだ。
胃痛で吐血したのも見たことがあるが、ギリギリのところで踏ん張っていた。
だから、教会中を探し回ったあげく、ゲーム部屋で倒れているイストワールを見つけた時にはただ事ではないと焦った。
「イストワール!」
「いーすん大丈夫!?」
いつも浮いているはずの本ごと地面に倒れ、息も荒々しい。
腕で抱えることができるほどの小さい身体は明らかな異常があった。
「身体が尋常じゃなく熱いぞ。なんかされたか?」
「……あ、ネ、プテューヌ……さん。おかえり、なさい。ユウさんも……お久し、ぶりです……」
「挨拶はいい。どうしたんだ、イストワール」
こんな状態のイストワールにできるだけ話させたくはなかったが、状況がまったくの不明だ。
それに、イストワールが倒れこむなんて、本人からなにか訊かないと対処法もわからない。
「お恥ずかし、ながら……少々、スペック以上のことを……頑張ってしまい……」
そこまで話すと、イストワールの身体からがくりと力が抜けた。
「おい、イストワール。イストワール!」
「ちょ!?まさか、いーすんがショートして故障!?あわわわわっ、どうしよう!?」
なにがどうなっているのかはわからないが、どうやら予想以上にやばいらしい。
スペック以上のことを……か。
とりあえずそっと近くのベッドにイストワールを寝かせ、布団をかぶせる。
うなされているが、生きてはいる。
だがそれも、『いまは』だ。
様々な経験があるが、こんなことは初めてだ。
俺が歯ぎしりをしていると、教会の扉が開いた。
「ちょっとネプ子、なに帰ってくるなり騒いでるのよ……って、ユウ!?」
現れたのは、緑の双葉リボンを着けた茶髪の少女アイエフだ。
仕事から戻ってきたのか、今の事情は知らないみたいで、俺を見るなり固まってしまった。
「よう」
「よう、じゃないわよ!あんた何年ぶりだと思ってるのよ!イストワール様から話は聞いてたけど、ちょっとくらい顔見せてくれたって……」
アイエフは俺に詰め寄った。
ずんずんと近づいてくるアイエフだったが、俺は勢いに負けじと待ったをかけた。
非難を受けるのはまんざらでもないが、それはいまじゃない。
「悪かった悪かった。それはそうと、力を貸してほしい」
「それはそうとって……私がどれだけ心配したか……ってイストワール様!?」
俺がベッドを示すと、アイエフも異常を察した。
不必要に声をあげることはせずに、俺たちを待つ。
「ネプテューヌ、説明よろしく」
「ええぇ、この状況を丸投げするの?」
「いや、俺だってこっちに来たばっかだぞ。しかもなりゆきで」
「あ、そっか。ええと……」
ネプテューヌは事の発端から話し始めた。
見たことのないゲーム機を拾い、電源をつけた瞬間に空間に穴ができて、次元を越えてしまったそうだ。
こことは違う、荒廃した別の次元にいた女神である天王星うずめ、そしてイヴ。
『零次元』と呼ばれるそこで起きた出会いと戦いを一通り聞いたあと、俺はため息をついた。
「ずいぶんと大事件に巻き込まれたみたいだな。どうりでネプギアがいないわけだ」
ネプギアはいまだ零次元に残されたままだ。
マジェコンヌだけでなく、モンスターにダークメガミ。
シェアも充分に得られない別次元じゃ、苦戦は必至だろう。
「うん、だからはやく零次元に戻りたいんだけど……」
「といっても、イストワールがこの状況だと次元座標はわからずじまいだし、なによりイストワールを放ってはおけんしなぁ」
ピンチなのはあっちもこっちも同じってわけだ。
イストワールから零次元の座標を聞きだせば、すぐにでも次元を越えて助けに行けるが、当のイストワールは伏している。
「とりあえずイストワールを治せば全部解決だ。が、問題はその治し方なんだが……」
「コンパを呼んだけど……。はたしてイストワール様に私たちと同じ治療が効くかどうかね」
部屋の扉がこんこんと鳴った。
続いて扉を開いて入ってきたのは、噂をしていたコンパだ。
ゆるゆるとした独特の雰囲気は変わらずに、俺が覚えているよりも少し大人っぽくなっている。
「おまたせです、あいちゃん。そして、ねぷねぷ、ユウさん、お帰りなさいです」
「こんぱ久しぶり!って、あれ?もしかしてあんまり私のこと心配してない?」
「俺に対してもわりとあっさりめだな」
「ねぷねぷが黙ってどこかに行くのは今に始まったことじゃないですから、どうせ今回もひょっこり帰ってくると思ってたです。ユウさんも一人でいろいろ行くことが多かったですから、特に心配はしてなかったです」
笑顔でそう言うコンパをしり目に、俺とネプテューヌは顔を合わせた。
「あー……うん、なんだろう……」
「なんだろうな。この釈然としない扱われ方は」
理解はしてもらえているんだろうが……なんだろうか、このもやもやとした感覚は。
「急に呼び出して悪かったわね」
「あいちゃんの頼みならこのくらいお安い御用です」
「さっそくだけど、イストワール様を診てくれるかしら。状態はさっきメールで伝えた時と変わってないわ」
「任せるです。……と言いたいところですが、たぶん、普通の治療方法じゃ無理だと思うです」
「だろうな。いままで別のイストワールを見たことがあるが、割と特殊な存在みたいだし。人工生命体なんだろ?」
昔の女神が創った生命体と言うのは聞いたことがあるが、ネプテューヌやネプギアでさえ詳しいことは知らないらしく、当然こうなってしまった場合の治療法も不明なのが現状だ。
冷やせば解決ってわけにもいかないだろうし。
「なら、いーすんさんの取扱説明書とかないですか?」
「取扱説明書って……さすがに、そんなものはないんじゃないかしら……」
「あるよ!」
ネプテューヌがバッと取り出したのは、辞書ほどの厚さの本だった。
やたら古くさく、表紙には何も書いてないものだったが、中はびっしりと文字で埋め尽くされている。
「あるのかよ!」
「うん、前にいーすんが取扱説明書がどうこうって言ってて、ネプギアがしまってたんだ」
ネプテューヌは説明書を床に置いてぱらぱらとめくっていく。
のぞき込むが、どの項目もやたらと説明やらが多く、今の症状に対する治し方を見つけるには骨が折れそうだ。
「『故障かな?と思ったら』のコーナーが多すぎて探すのに時間がかかりそうです」
「ほんとに家電みたいだな」
巻末近くにある『故障かな?と思ったら』だけでも軽く数十ページはあり、しかもそれぞれ対処法が細かく異なっていた。
しかも治療法の中には明らかに危険なものもあり、とりあえずで試してみるわけにもいかない。
「ならさ、この簡単診断シートやってみようよ」
ネプテューヌが目をつけたのは、当てはまる症状にYESかNOで答えて進めていくシートだった。
こちらは数ページだけの簡易的なものだったが、ひとつひとつ探すよりかは早く見つかるかもしれない。
「じゃ、いくよ。『意識がない』」
「YESです」
「次は、『身体が冷たくなっている』」
「むしろ熱くなってるからNOだな」
「次、『自動で再起動を何度も繰り返している』」
「これもNOね」
「次は、『スペック以上のことを行った』……な、なんだろう、このピンポイントな質問……」
「気を失うときに言ってたな。『スペック以上のことを頑張った』って」
「さすが、いーすんさんです。ダイイングメッセージとして手がかりを残してくれているです」
「死んでねーよ。で、結果は?」
ネプテューヌは結果が示してある次のページをめくった。
「ええと、『ショートしてます。サンシローの入魂パッチを当てましょう。気合で復活します』だって」
「気合で復活しますって……ずいぶんいい加減な修理方法ね」
「ガッツ不足ってことか……その入魂パッチとやらでどうにかなるもんなのか?」
スペック以上……まあ、無茶をしたってことだから気合で復活ってのはわからんでもないが、その治し方もわりと無茶なような気がする。
ブラック企業かな?
「けど、これしか頼れるものがないなら、これを見つけるしか手がないです」
「そうね。そういうわけだから、ネプ子。帰ってきてそうそう悪いけど、探しに行ってきてちょうだい」
「おっけー!……って、あれ?その言い方だと、もしかして、あいちゃんは来てくれない感じ?」
ネプテューヌは首をかしげた。
なんだかんだついてきてくれることが大半だったから、これに対しては俺も疑問を持った。
「ついていってあげたいのは山々なんだけど、さすがに、教会を空けることはできないわ。ただでさえ、女神の転換期で物騒な空気してるし、何かあってからじゃ問題だわ」
「なら、私が協会に残るからあいちゃんが行ってくるってのはどう?もの探しなら、あいちゃんのほうが得意だよね」
「そうなんだけど、教会や国内で大きなトラブルがあったときはどうするのよ。今まではイストワール様が何とかしてくれてたものの、あんたにその代役できるの?」
「うっ、それは……」
詰まるネプテューヌを、俺はジト目で見た。
普通はそういうの、女神がやるはずなんだけどな……相変わらずみたいで安心したような、がっかりしたような……。
イストワールがこうなるのも無理はないと思えてきたぞ。
「とはいえ、イストワールになにかあったら、そばに人が要るからな、それはコンパに任せないと……だから」
「ユウぅ……」
ネプテューヌはうるうるとした目で俺を見上げた。
一人では心細いというのもあるのだろうが……一刻も早くネプギア達を救いたいという気持ちもあるのだろう。
俺のほうも、追っていた黒スーツの少女は見失ったことだし、奴が超次元でなにかやらかす可能性だってある。
しばらくはこっちで目を光らせておく必要があるだろう。
それに、ネプギアが危ないなら俺だって黙ってるわけにはいかない。
「わかった。手伝うよ」
「……とは言うものの、どこから探せばいいのやら」
意気込んで教会を出たものの、俺たちは早速手詰まりを感じていた。
「『サンシローの入魂パッチ』だなんて聞いたことがないな。そもそもイストワールがあんな状態になるのだって初めて見た」
「いーすんが無事だったなら、すぐにでもネプギアを助けに行くことができるんだけどなぁ……でも、探しものって苦手なんだよね」
「なんにせよ、見たことのないものを探すのに二人だけでってのは無茶だな」
「だったら、少しくらい私たちを頼ってくれてもいいんじゃないの?」
俺たちの会話に、これまた知った声が割り込んできた。
凛としたその声のほうを向くと、黒いドレスに身を包んだ少女が二人。
ラステイションの女神ノワールとその妹ユニだ。
腕を組んで佇む姿は昔のまま、隠そうともしない変わりない自信も昔のままだ。
「おかえり、ネプテューヌ。それにユウもね」
「ノワール!ユニも一緒か」
「帰ってきたなら帰ってきたって言いなさいよね、まったく」
他と同じような呆れた反応をして、ユニは手を差し伸べてきた。
俺は再会の握手に応じ、思わず頬を緩ませた。
「まあまあ、いま帰ってきてトラブルに巻き込まれたとこなんだ」
「二人ともどうしてここに!?」
「イストワールが倒れたから力を貸してくれって、アイエフから連絡があったのよ」
ネプテューヌの疑問に答えたのはノワールだ。
普段はシェア争いをしているが、困ったときにすぐさま現れてくれるのはこの次元の強みである。
「おーっ、さすがあいちゃん。気が利くー」
「にしても早くないか?連絡は今さっきしたとこだろ。まるで待ち伏せでもしてたみたいな……」
登場があまりにも早すぎる。ラステイションとここは、俺でさえ相当かかるほどの距離だったはずだが……。
「……べ、別に今はそんな細かいことはどうだっていいでしょ。重要なのはイストワールのことで……」
「わかった!きっとノワールのことだから、私に会いたくてマッハで飛んできたんでしょ!」
「だ、誰があなたに会いたくて飛んでくるものですか!わ、私はただ同じ女神として、あなたに協力してあげようと思って……」
「またまたー。ノワールは素直じゃないんだからー」
ノワールはぷいと顔をそらしたが、ネプテューヌはここぞとばかりに追撃する。
「さすがネプテューヌさん。お姉ちゃんの図星をついてる……」
「てことは、飛んできたんだな」
俺とユニはこっそりと顔を合わせて声をひそめた。
「とーっても速くね。ついていくのも一苦労だったわ。それにしても、ネプギアは戻ってきてないのね」
「零次元ってとこにいるらしいな。助けに行きたいのはやまやまだが、座標がわからんことにはどうしようもない」
俺は眉を顰めて足元を見た。
いまのところ、ネプギアは向こうに取り残されたまま、帰る方法を失っている。
それに十分な力が得られないとなれば、平気でいられているかもわからない。
危なっかしいところもあるから、どうしても心配になってしまう。
それはユニも同じようで、彼女も気難しい顔をしていた。
「心配か?」
「……そうね、いきなりいなくなるんだもの。あんたもいつの間にかいなくなるし」
ユニが俺を睨んだ。
「帰って来たいとは思ったがな、どこもかしこも事件だらけだ」
「放っておけない?」
「おけんな」
「そうだと思ったわ。だけどもちょっとくらい顔を見せてくれても……」
「それよりもイストワールだ。ネプテューヌ!」
ユニから逃げるようにして、俺はノワールをいじるネプテューヌを呼んだ。
神次元の事件のとき、イストワールに用があって
愚痴を受けるのは構わんが、いまは一刻を争う事態だ。
「そうだったそうだった。サンシローの入魂パッチってのを見つけなきゃいけないんだけど、ノワールは何処にあるか知らない?」
「……サンシローの入魂パッチ、ねえ。アイテム自体は聞いたことないけど、サンシローってのはプラネテューヌの偉人よね?」
「プラネテューヌのどこかにある可能性が高いってことか……だけど……」
「プラネテューヌだけでも広大だからねー。やっぱり何か手掛かりがないと……」
「じゃあ、手分けして探しましょ」
二時間後に合流することを決め、俺とネプテューヌ、ユニとノワールに分かれた。
久しぶりに会ってすぐ離れることに寂しさを覚えたが、抑えてやるべきことを考える。
この事件が落ち着けば、時間はいくらでも作れる。
いまは感情よりも優先するべきことがあるはずだ。
「口ではなんだかんだ言ってても手伝ってくれるなんて、まさにザ・ツンデレって感じだね」
「変わってないようで安心したよ。どこに次元でもノワールはノワールだな」
俺は苦笑した。
いくつかの次元を渡って、何人かのノワールと出会った。
強気で強くてツンデレだからこそのノワール。
「他の次元でもおんなじなんだ?」
「ほとんどな。ノワールは主人公だったりしたこともあるが、おおよそのところは変わらん。他のみんなもな」
「へぇ~」
一息おいて、俺は歩き出した。
「お前がそんななのも変わらずだよ」
「他の私もこんななんだ……って『そんな』ってどういう意味!?」