お父さんが鎮守府に着任しました。これより私たちのお世話を始めます!! 作:先詠む人
前に全7回ぐらいの予定のシリアスを書くと言っていた先詠む人です。
実は、使っていたPCが完全にイカれたのとこの作品はどうしても時間軸を現実に同期させたかったのもあって先にこっちを投稿することにしました。
なので、7回で書きたかった内容は回想という形でオムニバス形式で書けたらいいなと思っています。
実は、この前書きを書く間にも4回ブラウザが落ちたので時間がかかっています。
それでは本編をどうぞ。
………最近更新しなかったらお気に入りが増えて、更新したら減るのでどうしようかと考えていたりします。ホントどうしよ……何か対策打った方がいいんだろうか…
「ねぇ。準備できてる?」
「ばっちり!」
「那珂さんバックに入りまーす!!」
「………人多いよ……」
「山風ちゃんも準備して!」
「………うん。お父さん見てくれるかな…?」
「きっと大丈夫!見てくれるって!!」
2月3日。鎮守府では節分の日ということで無礼講の祭りを行うこととなり、神通さんが駆逐艦の子たちに豆をぶつけられてブチ切れたり、ネキが大本営の方から来たという那珂さん?を相手にドタバタしていた。そんな中俺は………
「……ッ!……ッ!!」
前日に妖精さんを含めて、たくさんの人員をかけて作られた中にステージがある講堂の裏でスマートフォンにヘッドフォンをつなぎ、耳にあて、ダンスの最終確認を行っていた。
舞台の方からは今からやるステージに出る関係の人たちが集められてその準備が行われている。
そんな中で俺は最期の方、というか、トリで出ることに12月のクリスマス前に行われた登録の結果なっていた。何故か俺は登録していないのにもかかわらずだ。
まぁ、後で聞いたら雪風ちゃんが俺がある曲のダンスの練習をしているのを偶然見かけて勝手に登録したのが原因だったが。
そんなわけで登録されたからには出ないというわけにも行かないと思い、俺はその曲の練習に励んでいた。
間に何度か意識不明になったりといろいろあったがそれを乗り越えて俺は今ここにいる。それはとても素晴らしいことだと思うし、俺は誇ってもいいと思う。特に1月の2週間ほど意識不明になっていた期間を乗り越えれたことは。
そう思いながら踊っていると背後に何か気配を感じる。
ヘッドフォンの横をなでてブルートゥ〇スによってつないでいるスマホの音楽アプリを操作する。音楽が停止したのを確認してから俺はヘッドフォンを外した。
「………?」
今来るなんて一体誰なんだろうと思いながら振り返ると
「………」
そこにいたのは文ちゃんだった。
「文ちゃんどした?」
物陰に隠れてこちらを見ている文ちゃんのもとまで歩み寄って腰を下ろし、目の位置を合わせて尋ねる。
「………あのねぇ~、那珂ちゃんさんの次に私たちの番だから見て欲しいのぉ~。」
こちらを期待するような目で俺の方を見る文ちゃんに対して俺は
「わかった。客席の方から見てるよ。」
と答えて頭をなでた。
「きゃぅ……えへへ~」
頭に手を置いたタイミングで少しビクッとしたものの文ちゃんはそのままとろけた目で撫でられ続けていた。そのまましばらく撫でていると
「………文月~?あっ!いた………ってズルいよ!!」
さっちゃんが文ちゃんを探してきたらしくそんな声が聞こえた。
「ほれ。さっちゃんが捜しに来たみたいだからそろそろ袖に行かないといけないんじゃないか?」
さっちゃんの声を聴いて俺は撫でていた手を放し、ポンと軽くたたいた。
「……うん。それじゃあ、お父さんちゃんと私たちのこと見ててねぇ~。」
俺が軽く文ちゃんの頭を叩くと文ちゃんは名残惜しそうにしながらこっちまで歩いてきたさっちゃんの元へそう言い残して歩いて行った。
「……あぁ。行くよ。」
俺はそう言ってから客席の方へ近くに置いていた少し大きめなカバンをもって移動を始めた。
客席の方へ移動すると数人の駆逐艦じゃない艦娘がいたのだけど、俺の姿を見てギョッとした様子一瞬艤装を展開しようとしたが、持っているカバンを見て俺と分かったのかそのまま離れて行った。
まぁ、仕方ないことだろう。さっきの人の反応は今の俺の姿を見慣れている人か、俺のことをお父さんと慕ってくれている人以外には絶対そう捉えられるせいでの当然の反応なのだから。
そんな憂鬱な気持になりつつ最前列の空いている席に座る。
そうやって座ってしばらくぼーっとしていると俺のすぐ横に見慣れた改造巫女服の影が座った。
「佑太さん。もう動いてもいいんですか?」
そうやってこれまで通りの態度で俺を心配してくれるのは、霧島さんだった。
「えぇ。まぁ、少し左手の指が動かしづらかったりしますけどとりあえずは大丈夫だと思います。踊れるぐらいには
「そうですか……。それにしても、まさか明石があんなこと思いつくとは思いませんでしたよ。」
俺の答えに対して霧島さんは一瞬言いよどんだが俺の笑っている様子を見て目線を上下に動かしながら少し困惑した様子でそう言った。
「それでもその結果こうやって助かってるんで文句は言えませんけどね。」
その霧島さんのボヤキに対して俺はそう言いながら肩をすくめることで答えた。
「………始まりますね。」
唐突に霧島さんが懐中時計を見てからそう言ったとたんにステージに光が集まり、幕が開いた。
「トップバッターは…………那珂さんですね。ホンっトあそこの姉妹は神通以外の相手をするのがつかれますね。」
ステージの真ん中に集められたスポットライト。そこにはうちの鎮守府にこの間所属したばかりの野分ちゃん、嵐ちゃん、舞風ちゃん、萩風ちゃんが真ん中の人を盛り立てるようなポーズをとっていて、その真ん中には…
「なーかちゃんだよぉー!!みんなー!!元気にしてるーー?」
アイドルみたいな恰好をしてマイクをもって叫ぶ神通さんの妹さん。川内型三番艦の那珂さんがいた。
「………結構元気ですね。」
そう俺が半分笑いながら言うと
「元気なのはいいんですけど元気すぎて疲れました……」
と、霧島さんはぼやいた。
そんな中で那珂さんのトークが終わり、
~♪カンッカンッカカカカンッ!カカカカカンカンカンカンカンッ!!カンッカンッカカカカンッ!カカカカカンカンカンカンカンッ!!カンッカンッカカカカンッ!カカカカカンカンカンカンカンッ!!♪~
カンッという甲高い音が鳴り響くたびに野分ちゃんたちがバックダンサーのように
曲とともに明るい色彩のライトがステージを照らし出す。
そして、曲は盛り上がり、終わる。
「みんな――!!ありがとーーーー!!!」
そんな那珂さんの叫びとともに大きな歓声が上がって那珂さんと舞風ちゃんたちは袖に入って行った。
「次か。」
俺がそう呟きながら部隊の方を見ていると会場にアナウンスが流れた。
<次の演目は”Lovers”で星野源の「恋」ですぅ!!それでは”Lovers”の皆さんお願いします!!>
そんなアナウンスとともに文ちゃんを先頭にみんなが出てくる。
出てきたのは文ちゃん、さっちゃん、夕立ちゃん、山風ちゃん、そして春雨ちゃんだった。
5人がステージに均等に立ち、ライトが消えて舞台が暗転する。
そして「恋」の
あの有名なドラマのEDに流れていて社会的現象にもなった「恋」ダンスを5人が前で踊っていた。
~♪~
歌詞に合わせて5人が息ぴったしに踊っている。
その様子はまるで……そう考えたところで
「ほんとに誰かに当てての踊りですね。早く体を治さないとですね。」
と、霧島さんが俺の方を見て茶化すかのように言った。
「……そうですね。」
俺はその霧島さんの声にそう答えるので精いっぱいだった。
その後、江風ちゃんと海風ちゃんの息のそろった楽器演奏だったり、霞ちゃんを含めた礼号組?が「霞ちゃんをたたえよ~」とか言いながら舞台でどんどこどんどこして霞ちゃんを赤面させたりなどいろいろな出し物があるのを見てから俺はカバンに手を伸ばし、腰を少しまげて立ち上がった。
「そろそろですか?」
後ろからそう声をかけられる。
「えぇ、行ってきます。」
その声にこたえてから俺は舞台袖の方へ移動する。
部隊袖につくとトリの一個前であるあの事件の後でうちの鎮守府に提督が連れてきた龍驤さんが上方落語の講演をしていた。その後ろの方、すなわち膜の裏側で俺はカバンの中から蛍光色が目立つ大きなバックルと紫色がベースのおもちゃのようなものを取りだした。
バックルを以前よりはかなり下になってしまった高さにある腰に当てる。
すると自動的にバックルのサイドからベルトが延び、腰に回った。
「さて、後は落語が終わるのを待ちますかね。」
そう呟きながら手元で
そうしている間に龍驤さんの落語が終わったらしく、拍手が聞こえた。そして……
<次は、我が鎮守府の誇るみんなから慕われるお父さん!ただし、姿は現在特殊な事情であんなことになってますがそれを気にしちゃだめだからね!!>
「……行くか。」
俺はもてあそんでいた
ピコーィ!!
<Mighty Action X!!>
「変身。」
そう言いながら俺は腰に当てたバックル…ゲーマドライバーに紫色のもの……プロトマイティアクションXを刺し込んだ。
<ガシャット!!……レッツゲーム!メッチャゲーム!ムッチャゲーム!ワッチャネーム!? アイム ア カメンライダー!>
音とともに幕の裏で俺は仮面ライダーゲンムアクションゲーマーレベル1になり、幕の頂点のあたりへ移動した。
「社長きらいだけど、文ちゃんにばれないようにするにはこれしかなかったんだよなぁ…」
舞台の様子を見ながらそうぼやきつつ、俺は青葉のアナウンスを待った。
<あ、もう大丈夫な感じですかね?それじゃあ、お父さんです。曲は「EXCITE」!!>
「フェーズ2」
<ガッシャーン!レベルアップ!!マイティジャンプ!マイティキック!マイティーアクショーーーンッッX!!!>
青葉のその声を聴いて俺がアクションゲーマーレベル2になりながら幕を飛び越えジャンプした瞬間…
~♪~
EXCITEのイントロが流れ出した。
膝を曲げてポーズを決めながら着地し、立ち上がりながら左手を上げる。
そして上げた左手を下ろしながらドライバーに入っているガシャットを抜き、ドライバーを右手で外す。
すると、ゲンムの格好からどんどん光の粒子が立ち上っていき、粒子が消えたところには白い帽子をソフト帽をかぶった俺が立っていた。
EXCITEのPVのように歌いながら踊る。
だが、その声は、その姿は……………
その時の舞台の上でおどっていた存在を見た中で、事情を知らない人たちは頭では歌ったり踊ったりしているのがお父さんとみんなから慕われている小鳥遊佑太だということは理解していた。
だが、こう思わざるを得なかった。
と。
なぜそうなったのか、その答えは正月からの今年最初の2週間の中にあった………。
感想、評価を楽しみにしています。
一応、一時的にレ級ボディの中に佑太の意識があるのでTSタグ付けた方がいいんですかね?
そのあたりの判断ラインに詳しい人教えてください。
執筆がどれくらい進んでいるかの進捗や、他のサイトでのアカウントの情報もぽろぽろ出してます。
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