お父さんが鎮守府に着任しました。これより私たちのお世話を始めます!! 作:先詠む人
どうも、クリスマス何した?の疑問には一人で朝早くからライダーの映画見に行った。が答えの先詠む人です。
今回は、自分の鎮守府で一昨日やっと改二になったあの子の強化フラグが立ちます。
さて、皆さんにはサンタさんからのプレゼントは届きましたか?自分は届かなかったのでそのストレスをFGOのラスボスにぶつけてきました。
それではどうぞ。
あ、それと今回分は一応間に2回分(予定)ほどあります。
山風が文ちゃんと仲良かったりしますが、それは後々間分を書きますので許してください。
「ねぇお父さぁ~ん。」
「……お父さん」
食堂で近所の酪農家さんから大学の帰りにもらって帰ってきた物が入ったビニール袋の中身を捌いていると、文ちゃんが山風ちゃんを連れて俺の上着の裾を引っ張った。
「んー?どうかしたの?」
袋の中身を捌くのを一端止めて、振り返る。
「夕立ちゃんが出撃前にいってたんだけど~『帰ったらお腹いっぱいお肉が食べたいっぽい‼』だってさ~。」
「それと江風が『ささみ食べたいー‼』って部屋で暴れてたよ?どうするの?」
振り返って二人の目線に顔を合わせると二人は各々自分が言いたいことを言った。
「そうだなぁ…。夕立ちゃんのリクエストは答えれるんだけど、江風のはなぁ…あと二時間ほどしたらパーティーやる予定だし……」
そう言いながら食堂の奥で今焼かれているであろう塊のことを思い出す。
(………しゃあなしか。)
俺は内心そう呟きながらポケットのなかに入れていたお酒のつまみとしてスーパーで売られている鳥の燻製肉が入った袋を出し、山風に渡した。
「『後のお楽しみを食べないつもりなら食べてもいいよ』って言った上でこれを渡して。」
俺がそう言うと山風は少し不思議そうな顔をしたが、文ちゃんは何かに気づいたらしい。
目を輝かせながら
「みんなの分もあるよね‼ね‼」
と、跳び跳ねながら聞いてきた。
「ちゃんとあるよ。だから楽しみにしててな。」
「わ~い!!山風ちゃん行こぉ!!今夜はパーティーだぁ~~!!」
「え!?ちょっと!!文ちゃん!?」
俺の答えに満足したのか、文ちゃんは俺が渡した燻製肉の真空パックを手の中で転がしている山風ちゃんをいきなり引っ張って食堂から出て行った。
「かわいいぁ~。」
その様子を見て俺がそう呟くと、
「そうですねぇ。ところで、頼んでいたあれはきちんともらって帰ってきてくれましたか?」
「おぼぁ!?」
唐突に誰もいないはずの後ろから誰かに声をかけられ、驚きすぎて変な声が出てしまった。
一瞬だけ驚きすぎて体が浮いたが、すぐに後ろを振り返る。するとそこには
「……」
ニコニコしてこちらを見ている鳳翔さんの姿があった。
「はぁ……驚かせないでくださいよ鳳翔さん。」
「いえ、別に驚かせようと思ったのは少しだけあるんですけども、佑太さんがあそこまでほほを緩ませているのなんてかなり珍しいと思ったのでつい……。」
「少しはあったんですか……。というか、『つい』で人の心臓を変に刺激しないでくださいよ。今も変な動悸打ってますもん。」
実際驚きすぎて今も心臓がどきどきと早いペースで脈打っている。
「それはごめんなさいね。ところで頼んでいたものは…」
「あぁ~、すみません。ちゃんともらってきましたよ。日野村さん所の鶏卵と、長南さん所は量が量なので7時ごろにトラックで持ってきてくれるそうです。」
日野村さんは、鶏卵からわかるだろうが鳥を飼っている農家さん。
長南さんは、酪農家であると同時に食用の牛も飼っている。
「それなら安心ですね。」
「はい。あとは…………鳳翔さんちょっと失礼。」
鳳翔さんと話していると鳳翔さんの肩越しだったが、台所の中に影が見えた。だから俺は鳳翔さんに断りを入れてから
「何してんだ。
と声をかけた。するとその影がビクッと震え、
「………私は加賀じゃないわよ~。」
と言ってきた。というか、そのごまかし雑!!今龍田さんは天龍さんと一緒に
確かに声似てるけど!!
「よし、鳳翔さん今日のメイン焼鳥にしましょう。」
「え?だって今日は「ここは合わせてください。お願いします。」………そうですね。そうしましょうかね。」
そう鳳翔さんが言ったとたん
「………」
何も声は聞こえなかったが、影の主から濃い瘴気的なものがが流れてきた。
俺は無言で影のもとに向かって
「それが嫌ならつまみ食いしようとすんな。加賀。」
手をついて落ち込んでいるその腰に手を回して持ち上げようとし
「重たっ!?」コキュッ!
腰から一瞬嫌な音を鳴らしながらその場に倒れこんだ。
「やりました。」
腰を抑えながらその場にうずくまる俺の少し前の方から何かに勝ち誇ったかのような加賀の声が聞こえたが、その後すぐに
「加賀さん?」
「あ……あぁ……」
という、笑顔の鳳翔さんから言葉とともに放たれた濃密な殺気に腰を抜かしてその場にへなへなと座り込んでしまった。
「前にも言いましたと思いますが、あなたは準備中の食堂に赤城さんと共に出入り禁止になっているはずですが?」
そう言いながら目が笑っていないのに笑顔な鳳翔さんがこちらへ歩いてくる。それに対して加賀は
「ひぃっっ!?」
と、そのまま後ろへ下がって下がって、最終的にオーブンのすぐ横の壁まで追い詰められていた。
「とにかく、みんなが楽しみにしているご飯の準備の邪魔をするのはやめてください。つまみ食いなどはもってのほかです。」
そういうと、鳳翔さんは加賀の首根っこを掴んで
「はい、出て行ってください。」
と、食堂から追い出した。その時の加賀の様子はここからはよく見えなかったのだが、あとで聞いた話だと這うように逃げて行ったらしい。
「さて、佑太さん腰は大丈夫ですか?」
加賀を食堂から追い出した後、鳳翔さんはその場に未だにうずくまっている俺を心配して腰をさすってくれた。
「えぇ。とりあえずは…ただ、ぎっくりなってないことを祈るのみです。」
「あらあら…。そうですねぇ……そうだ。佑太さん。ここからのご飯の準備は私に任せて駆逐艦娘たちの所にいてあげてください。その方がきっとあの子たちも喜びますから。」
「え?でも「手が足りなくなったら間宮さんと伊良湖さんにお手伝いしてもらいますので大丈夫です。」……わかりました。」
と、俺の言葉を受けて鳳翔さんはそう言って半ば強引に俺を食堂から追い出した。
「……行くか。」
少しの間、食堂の入口の方で突っ立って考えていたが、結局俺は駆逐艦寮の方へ歩き出した。
「あ、お父さんだ!!」
「お父さんマリパしよ!!マリパ!!」
「いや、ここはスマブラでしょ!だって最大8人までできるんだもん!」
「………なんだこれは祭りなのか?あの男の人が来た途端祭みたいにみんな盛り上がってるが。」
「そうじゃなさそうだけど…?秋月ねぇ?」
「……おなかすきました…。前に佑太さんに食べさせてもらってからおなかがすくの早いなぁ……」
「「その話詳しく。」」
「ひぇ!?」
「お父さんボクと遊んでよぉ!!」
「あ、さっちゃんズルいっぽい!!最近大作戦に駆り出されていたんだから夕立にそれは譲るっぽい!!」
「こらこら、お父さんが困っちゃうだろう?」
「お父さんかけっこしよ!!」
「こら待ちなさい島風!!」
「……あぁもう一回落ち着けぇ!!!」
駆逐艦寮に入った途端にこれである。
みんなに人気なのはうれしいんだけど、聖徳太子じゃないから10人の声なんか聞き分けれないし、ましてや同時に対応することなんかできない。
「とりあえずみんなでできるスマブラするよ!!ルールはアイテムなしの勝ち残り制!!ストック2騎で時間は2分!それでやるぞ!!」
「「「「「「「「「「「「「「はーい!!」」」」」」」」」」」」」」」
俺が大きな声で言った言葉はきちんと全員に届いたようだ。
結局、俺が勝ち残りし続けてみんながキャーキャー騒いで楽しむ結果になった。勿論俺が使っていたのは
そうやってみんなで騒いでいると、武蔵さんが
「ご飯の用意ができたそうだぞ?」
と、銀縁のフレームをどういう理屈なのかはわからないが、光らせながらみんなが集まっている娯楽室に顔を出し、そのまま出て行ったことで一度お開きになった。
ご飯はターキー、ステーキ、ポテト、唐揚げ、サラダ、コーンスープと言った定番のものから焼鳥やローストビーフと言ったものまで各種取り揃えてかなりの量を提供した。だが、俺が最初にしていた危惧の通り
結果は……
「生身の人間に負けるなんて……そんなバカな……ゴフッ」
「一航戦の誇り…ここで失うわけには……」
「勝ったぞぉおおおお!!」
しゃもじで飛んでくる艦載機をすべてそらし、叩き落とし、そのまま甲板にたたきつけ、二人を行動不能にした血まみれの俺がそこにいた。
「父さん早く医務室に行かなきゃ!!」
「ボクが運ぶね!!菊月手伝って!」
「フム、父上のためだ。仕方あるまい。」
「お父さんあまり肩動かさないで!艦載機が直撃してたでしょ!」
「夕立頭に来たっぽい、さぁ!素敵なパーティーしましょ!」
「夕立落ち着いて!」
「姉さん落ち着いてください!!」
「ヤダヤダ、コレモアノ人ノ人望カラナノカネ?」
「秋雨!!」
「オット、失礼。」
そんな会話がなされている中、俺は文ちゃんに応急処置を施され、菊月ちゃんとさっちゃんに付き添われて「クリスマス?関係ないですね。」と強がっていた夕張さんたちがいる医務室へ向かった。
夜。川内が普段なら
と叫んで俺を含めた何人かが
「うるせぇんだよ!!!」
と半ギレで鎮守府内を駆けまわる事態が起きるのだが、今日は違って……
「はい、全員準備出来ましたか?」
「「うす。」」
「はい。」
「問題ないのじゃ。」
「いつでも行けるでー」
といった感じで、大人が
陣頭指揮を執るのは大淀さん。その補助に明石さんが入るらしい。
「それでは、オペレーションクリスマス。始めてください!」
その大淀さんの言葉とともに俺を含めたサンタやトナカイのコスプレをした大人たちが一気に駆逐艦寮に侵入。誰にも気づかれないように事前に集めておいた希望に沿ったプレゼントを部屋に置いていく。
俺が担当したのは睦月型の子たちの部屋だったわけだけど……
「いやいや、これは無理!無理だろ!!」
睦月ちゃんはパーカー、如月ちゃんは化粧品、弥生ちゃんは本、うーちゃんはいたずらグッズ……といった感じでプレゼントを渡していき、さっちゃん、文ちゃん、菊月ちゃん、長月ちゃんたちが欲しがっているプレゼントを見たときに俺はそういうしかなかった。
その理由は
・長月ちゃん→戦術書
・菊月ちゃん→ガシャコンマグナム(仮面ライダーエグゼイドに出てくるあるライダーの武器)
・文ちゃん→マイティブラザーズ
だったからそれまではよかったんだけど………さっちゃんの欲しいプレゼントが………ね。
[皐月 欲しいもの:強さ]
………そんな形のないものをどう準備すればいいの!?
結局、俺はさっちゃんのベッドの横でしばし考え込みながら気持ちよさそうにしているさっちゃんの頭をなでるだけで部屋を出て行った。
「………ごめんな。」
内心ただ一人だけ何も渡すことができない後悔にさいなまれながら。
………そのせいだろうか。俺が部屋を出てすぐにさっちゃんの姿に一瞬だけノイズみたいなのが走り、姿が変わっていたことに気持ちよさそうに眠っている本人を含めて誰も気づかなかった。
そのあとは順調にプレゼントを配っていき、十数分後に俺たちは集まり、解散した。
結局、その異変に気付いたのはその翌朝のさっちゃんの悲鳴が寮に鳴り響くまで誰もいなかった。
感想、評価を楽しみにしています。
あともう一つご報告を。
もしかしたら今回でこの作品の年内の投稿は最期になるかもしれないです。
ですので先行してご挨拶を。
それでは皆さん、よいお年を。
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