お父さんが鎮守府に着任しました。これより私たちのお世話を始めます!!   作:先詠む人

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どうも、こんばんわ。

前回の更新で、お気に入り登録が減って「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」と叫んだ先詠む人です。

仕方がなかったんです。今回出した彼女たちをスムーズに出すためにはあれ(前回参照)を書くしかなかったんです。

今回でまたお気に入りが減るかもしれませんが、この作品のコンセプトをもう一度言っておきます。

ほのぼのです。

大事なことなのでもう一度。

()()()()です!!!!

今回と次回。デブとクズの置き土産と言う名の爆弾が爆発してしまってますが、お気に入り登録を解除しないでいただきたいと思います。

この作品は、ほのぼのがコンセプトなので。


隠し子かい?

「ったく……今日も雨かー。」

 

 季節は移り替わって秋。そろそろ紅葉もきれいに色づくころ。そして台風がガンガンやってくるせいで雨の日が多くなる季節でもある。

 そんなある日俺は大学から鎮守府の方へ走る路線があるバス停の屋根の下でバスが来るのを待っていた。

 

 結局、夏休み中にレ級の襲われたとかそんなこともあったが、それ以外は別に何ともなく普通の学生生活を過ごしていた。

 

 ()()()()()()()()……だが。

 

「そうだね。今日も雨だから一緒に傘に入れるね。」

 

 そう俺のすぐ横で俺がつぶやいた独り言にこたえるのはなんでかお鍋を帽子のように被っている銀髪の少女。暁型2番艦の響ちゃんだった。

 

「別に大学の講義にまでついてこなくてもいいのにさ。つまらなかっただろ?」

 

 俺が鍋の上から響ちゃんの頭をぐりぐりしながらそういうと

 

「そうでもないさ。」

 

 響ちゃんは俺の手を軽くつかんで自分のもとに引き寄せながら

 

「実際暁たちと違って私は色んなことをお姉さんたちから教えてもらっているからね。お父さんは私がつまらなく思っていると感じたのかもしれなかったけど、私にとっては様々な情報を手に入れれるいい機会だったよ。」

 

 鍋の隙間から目を覗かせつつ照れているかのような笑顔を見せてそう言った。

 

「そっか。ならよかった。だけど、今日みたいに授業中にいきなり俺の膝の上に座り出すのは勘弁してくれ。周りの、特に女性からの目が痛かったからさ。」

 

Ладно(わかった)。考えておくよ。」

 

「考えておくんじゃなくてそうしてくれよ…」

 

「えー。だって、お父さんはお父さんなんだから親と娘の関係ってそんなものじゃないのかい?」

 

「ふつうはあんなこと家でしか見られない光景なんだがなぁ~。」

 

 俺はこの夏休みに実家に帰った時に見た詩歌と親父のいちゃこら?を思い出しながらそう呟いているとバスのヘッドライトが近づいてきた。

 

「ほら。バスに乗ろう。」

 

 そう言って俺は響ちゃんに手を伸ばし、その小さい手を掴んでバスのタラップに足をかけた。

 

「………Да.」

 

 響ちゃんは俺の伸ばした手をお鍋を左手で抑えてから掴もうとした……その時だった。

 

「「パパ。ミツケタ。」」

 

 急に横から現れた二つの響ちゃんのものではない手が俺を掴んだ。

 

「な……!?」

 

「え!?」

 

 俺の腕をつかんでいる二つの手の持ち主は両方白髪で着ているというかまとっているものはボロ布。しかし、髪の長さが背が低い方がショート、長い方がロングと違いがあった。

 

 そんな級に発生した固まった空気の中、タラップに足をかける俺を見つめる6つのまなざし。

 

 そして固まった場を壊したのは

 

「隠し子かい?」

 

「いや、覚えないからね!?」

 

 とジト目で俺を見ながらの響ちゃんの言葉だった。

 

 

 

 

 

 

 

「で、一応艦娘かもしれないから鎮守府に連れてきたってことですか?」

 

 半分呆れたようにそう言う明石さんの視線の先には工廠でメンテ中の大和の砲塔をじっと見つめるショートの少女と、瑞鳳がうっとりしながら頬ずりしている九九艦爆を見つめるロングの少女の姿があった。

 

「そうなんですよ。でも、あの子たちってよくよく考えたら艦娘ですかね?」

 

 その明石さんの言葉に答えた俺だったが、今更とはいえそんな事実に気付いてしまった。

 

「あ、やっぱり佑太さんもそう思いますか?実際髪の長い方の子は帽子っぽいあれをかぶってないとはいえヲ級みたいに見えますし、ショートの子もレ級に見えますからね……」

 

「……どないしよ…」

 

「佑太さん龍驤さんみたいになってますよ。あ、そう言えば前におっしゃられていた変な夢ってあれ以来見ていますか?」

 

「へ?ああ。あれは相談して以来見てませんね。でも、なんであんな夢見たんだか………」

 

「よりによって()()()()夢ですからね。佑太さんは男の人だからやる側の夢ならまだわかるんですけど。もしそうなら嫌悪しますけどね。」

 

 さっき話題に上がった変な夢の内容。それは太った男に俺が拘束された状態で○されるという内容の夢だった。

 

 その夢から目が覚めてすぐに俺はトイレに駆け込んで吐いた。それだけ気持ち悪い夢だった。

 

 今のところそんな夢はたった2回しか見てはいないが、両方相手は同じ太った男だったのに、犯されている側である自分の姿が全然違ったということだけは無駄に鮮明に覚えている。

 夢での自分の姿は、初めて見たときの姿は全身ボディースーツのようなものを着た長身の白髪の女性だった。2回目のときは恐らく少女の姿だった。

 

 ただ、その夢で目を開いたときはすでに太った男が覆いかぶさるように俺を犯していたから自分で姿を直接見れたのはほんの一瞬。

 

 初めてのときは偶然男が腰をそらしたことでその上にある鏡に自分の姿が映ったからわかった。

 

 2回目のときは、俺を犯しているさなかに男が

 

『小さい子を○すのはサイコー』

 

 と言って腰を叩き付けてきたから自分が小さい少女の姿なんだなと客観的に理解してしまったからわかった。

 

「そうなんですよね。……あ。」

 

 俺は明石さんと喋りながらロングの方の子を見ていると夢で見た女性と、どこかで見たような気がする冊子の写真を思い出した。そして頭の中である仮説が立った。

 

「どうかしましたか?」

 

「深海棲艦って人間と子供作れますか?あとちょっと思い出したことがありまして…見たいものがあるんですけど明石さんそれがどこにあるかわかりますか?」

 

「深海棲艦は……どうでしょう?艦娘と体のつくりが同じなら子供を作れるかもしれません。あと何を見たいんですか?それが何か、によっては見せれると思うんですが。」

 

俺は自分の中で建てた仮説を半ば確信しながら聞いた。

 

「現在確認されている深海棲艦の姿が分かる資料ってどこかわかりますか?」

 

 俺がそう言った瞬間明石さんの顔は苦々しいものになった。

 

「……何かまずかったですか?」

 

 俺がその明石さんの様子を見て心配になって尋ねると

 

「あ、いえ。こっちの事情なんです。実はあるにはあるんですが、それが保管されている場所が場所なもので…」

 

「?」

 

「地図を描いて渡しますんで、ご自身で行ってもらってもかまわないでしょうか?」

 

「あ、わかりました。」

 

 俺がその明石さんの言葉にうなずくと明石さんは近場にあった紙束を取り出してその裏を確認。

 何も書いてないことを確認してからその紙に地図を描き始めた。

 

「できましたよ。本部棟の中にあるここがその場所です。この部屋の中にある机の2番めの引き出しの中に佑太さんが言っていた資料はありますから。」

 

「ありがとうございます。それじゃあ行ってきますんであの子たちを一応お願いできますか?」

 

「わかりました。明石、佑太さんの依頼を受け持ちます!」

 

「ハハ。そんなに気張らなくてもいいと思いますよ。それじゃあ。」

 

 俺は明石さんの書いてくれた地図を片手に工廠のある建物から出て、地図に書かれている本部棟の部屋を目指して歩き出した。

 

 本部棟に行く途中で俺に絡んできた隼鷹(ヒャッハー)さんをお姉さんの飛鷹さんに託したりしつつ、俺は本部棟の中に入った。

 

 本部棟に入り、2階にある目的の部屋を目指す。

 その部屋は階段を上がって手前から4番目にある扉から中へと入れる部屋だった。

 

 扉を開けると、中から大量の埃が廊下側に出てきた。

 

「ゲホッ!?埃っぽいってレベルじゃねーぞこりゃ。」

 

 飛び去っていく埃を視界の端に置きながら部屋の様子を見てみる。どうもこの部屋はずいぶん使われていなかったらしく、窓があるあたりは何かでふさがれているのか真っ暗だった。

 

「よしっ。入るか。」

 

 あまり誇りがひどい部屋に入りたくはなかったが、この部屋に入らないと目的のものが見れないので俺は腹をくくって部屋の方へと一歩踏み出した。

 

「いてぇ!?」

 

 俺はまず最初に換気しないとと窓の方へと歩いたのだが、足元に何かあったのが暗さのせいで見えずに蹴飛ばしてしまった。その上、その瞬間背中に寒気が走った。

 

「何を蹴飛ばしたのかわかんないけど早く窓開けねえと……」

 

 足の痛みに耐えながら窓際まで歩き、きっちりと閉じられたカーテンを開く。カーテンの先には雨が上がり、夕日が沈む様子が見える港があった。

 

「なんかこの部屋気味悪いし、完全に暗くなる前に探しだして持って帰ろ……え?」

 

 窓の方を見てそう言いながら振り返ると、部屋の中央に俺が先ほど蹴飛ばしたのであろうモノが横たわっていた。

 

「なんで…」

 

 それは一言で言えば異形の物体。

 

「こんなところに…」

 

 その姿は鎮守府沿岸の海域でよくみられるらしくて、一度遠征に出た帰りに電ちゃんが

 

『飼いたいのです。』

 

 って言って連れて帰ったことがあるから知っていた。

 

()()がいるんだよ!?」

 

 俺がさっき蹴飛ばしたモノの正体は、目から光が消えたイ級(しかしかなり小さい)だった。

 

「だから明石さんは来るの嫌がってたのか?ちょっとそこのところも聞かなきゃいけないけどまずは目的のもの探さねえと。」

 

 と言いながら、俺は机の2番めの引き出しを開けた。

 

 

 幸いにも2番めの引き出しを開けるとその一番上に目的のものはあった。

 

『現時点で判明している深海棲艦録』

 

 その冊子は俺がこの鎮守府にやってくる数か月前に作られたものらしく、端がヨレたりしていなかった。

 

「これと、あのイ級持って工廠に戻ろう…。」

 

 俺は本を右わきに挟み、左のわきでイ級を抱えて工廠の方へと歩き出した。

 

 

 

「あ、おかえりなさい。佑太さん。目的のものは見つけられまs……なんでイ級を抱えているんですか?」

 

「明石さん。このイ級は明石さんに教えてもらった部屋で死んでました。だから聞きたいんですが、あの部屋で一体何があったんですか?」

 

 俺のその問いかけに

 

「………」

 

 明石さんは顔を真っ青にしながらうつむいた。

 

「教えてもらえないと俺もわからないですよ!だから教えてください。一体あの部屋で何があったんですか?」

 

 俺が明石さんの肩を掴んで尋ねると、明石さんはどこか観念した様子で

 

「……あの部屋はクソが使っていた部屋です。」

 

 と、絞り出すかのように教えてくれた。

 

「クソってことはあの?」

 

「……はい。あの男が自分の個人的欲求を満たすために使っていた部屋です。その個人的欲求を果たすための行動に私も無理やり絡まされていたんであの部屋はトラウマにしかならないんです。」

 

「………」

 

 明石さんがこぼした言葉の内容を聞いて俺は絶句するしかなかった。そんな俺の様子を無視して明石さんの独白は続いた。

 

「あの部屋の本棚の真ん中の本棚から本を一冊抜いたらあの部屋の真下にある部屋とその隣の部屋に作られた隠し部屋への通路に入れます。そ子を下った先の隠し部屋で私は……私は……」

 

 そこまで言葉を漏らしたところで明石さんは顔をいきなり上げた。そして

 

「あぁdぁふぁあふぁふぁあだあぁぁああぁぁddふふぁいふん;あいfhぁbbんぁ!!!!!!」

 

 獣のような悲鳴を上げながらその場に倒れこんだ。

 

「明石さん?明石さん!?だれか夕張さん呼んで!!かなり急いで!!」

 

 工廠に明石さんの急激な変化に焦り、夕張さんの助けを求める俺の声が響いた。




感想、評価を楽しみにしています。

置き土産は多分これで爆発するのは最後のはずです。

こっからは○○○ちゃん出るまではほのぼのしてるはずなんや・・・・

あ、それと途中で気持ち悪くて吐いた。と書いてますが、自分が居た中学校はどちらかと言うと治安が悪くてヤンキーな女子が何人かいました。
その女子が自慢げに処女を散らした時のことを教室で語っていて、近くで本を読んでいた自分が何となく聞き耳を立てていたらそう言っているのが聞こえたからです。
実際はどうなのかは知りませんが、この作品で佑太は吐くほど気持ち悪いと思ったと考えてください。

お気に入り登録が減らないことを祈ってます。

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