お父さんが鎮守府に着任しました。これより私たちのお世話を始めます!! 作:先詠む人
今回はかなり短いですが、幕間の名が差す通り佑太がいる鎮守府とは全く関係ないです。
その代わりある意味で物語の根幹にかかわってくる奴らの初出しでもあるんですが……
それではどうぞ。
………後で読み直して変かなって思ったりしたらそこは手直しします。
それとお気に入りが着実に減ってるのを見てから入れ忘れたことに気づいたので書き加えます。
今回出てきたキャラの何かがお父さん。すなわち佑太の元に後々やって来ます。
その何についてはわかる人にはわかるかもしれません。
佑太がレ級に襲われたり謎の減少に見舞われたりしたその日の夜。
日本各地からは大本営と呼ばれる横須賀鎮守府の、まったく光が差さない地下に作られた隠し部屋で3つの陰が円を描くように丸テーブルの周りに座っていた。
「これは本当か?」
丸テーブルの上に置かれたろうそくの拙い光に照らされて白衣を着たやせぎすの男がその頭でろうそくの明かりを反射しながら他の2人へ尋ねた。その手には数枚の何らかの文が書かれた紙が握られている。
「えぇ。もし梟から回ってきたこの情報が本当ならば最強の戦闘マシーンが作れることになるわ。」
そして、男のその問いに対してほかの2人の内の女性の方がそう答えた。
女性は男と同じように白衣を着ているが、その下にはボンテージ風の革でできた服を着ている。
「それならば早めに奪取するべきだな。」
男が頭をてからせながらそう唸ると
「それでは件の
先ほどまでしゃべっていた男とは反対に頭のお友達はたくさんいるが、今にもはち切れそうな腹をした男が女性に彼らが議題に揚げているモノの所在地を尋ねた。
「それは、最近いろんな意味で有名な例の鎮守府よ。」
「あそこか……。」
「別に問題はないでしょ。こちらには最強のカードにできる駒が5つあるんだから。」
禿げの男は考え込み、女性は余裕の表情を浮かべた。しかしそんな二人の様子を無視して太った男は
「あ、そうだ。ここに来たついでにまたヤっていいよね。」
唐突にそんなことを笑いながら言い出した。当然
「………変態。」
「……なんでこんな変態が我らの同志なのだか……」
他の2人は額に手を当てながら太った男の言動を思い思いの言葉で非難する。
「そんなことを言っても選んだのはお前らさ。それじゃあヤってくるよ。」
しかし、そんな非難をさらりと受け流して太った男は立ちあがり、穿いているズボンからベルトを引き抜きながら隣の部屋へと入って行った。
「………そろそろ殺した方がいいんじゃないかしらアイツ。」
「そういうな。まだ、アイツの担当しているプログラムが完成しておらん。それまでの信望じゃ。」
「そうね。でも、アイツもそれを分かった上で態と完成を遅らせている節があるのよねぇ…」
「そうじゃな。だが、アイツ以外にあのネットワークにウイルスを流し込めそうなものがおらんのも事実じゃ。世知辛いもんじゃのう……」
そう会話する男性と女性の耳には防音性が低いために隣の部屋から聞こえる湿ったような音と、
「おら!もっと喘げよ!!」
と怒鳴る太った男の声と
「ヲッ!ヲッ!!」
と言う誰かの喘ぎ声が届いていた。
テーブルの上に投げ出されたろうそくの明かりに照らされる先ほどまで禿げの男が読んでいた紙。
その紙には小鳥遊佑太の調査書の一部抜粋、始まりの5人のバイタルデータなどの情報、そして
……………『
ここは大本営。そして元帥と言う地位が持つ、権力と言う名の光が届かないほどの深い闇の中。
ここへたどり着くには数多くの障害を越える必要がある。
もし、沢山の障害と私兵を超えてここにたどり着くことができたのならば
あなたはそこに多くのホルマリンづけにされた深海棲艦と、檻に入れられた深海棲艦の姿を見るでしょう。
そしてテーブルがある部屋の奥の方に設置された隠し扉の先の近代的な施設の奥には………
そのころ鎮守府では
「ぶぇっくしょい!!」
「はわぁ!びっくりしたぁ~。お父さん大丈夫ぅ~?」
「うん。大丈夫大丈夫。風邪でも引いたのかなぁ……」
「むぅーーー。」
「文月ちゃんどうして引っ付くの?」
「前に~、風邪をひいたら温めなさいって鳳翔さんに教えてもらったのぉ~。」
「そっか…。ありがとね。」
栗毛の少女と、黒髪のウルフカットの青年によるこんな会話が繰り広げられていた。
感想、評価を楽しみにしています。
今回が暗めなだけで本編はそんな暗くないですからね?そこのところのご理解を頂けるとありがたいです。