お父さんが鎮守府に着任しました。これより私たちのお世話を始めます!!   作:先詠む人

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これ更新したときは深夜なんで一応こんばんわ

ちょっと今回は気になったことがあるんで最後まで読んで、メッセージ機能か何かで意見を教えてください。


…………姉ちゃん。アイツ、俺たちの想像以上のことに巻き込まれているみたいだ………

 佑太が起きたのを確認してから医務室から出て、寮の姉さんたちと一緒の部屋へ向けて俺は歩く。

 

 頭の中はさっき聞いた話でいっぱいいっぱいだ。

 

「………あんなこと聞かせてどうしろっていうんだよ……。」

 

 俺は正直こんなに重たい事実なら知りたくなかったと思いつつ、月がきれいに光っている空を見上げていた。

 

「そういえばあの日もこんな風に月がきれいだったな…」

 

 正直あまり今とは関係ないのに、俺は現実逃避したかったのかあの日のことを思い出していた。

 

 

 

 ~数か月前~

 

「あ”あ”-!!!!むしゃくしゃするぅぅぅぅうう"う"う"!!!!!」

 

 俺は叫びながらその日、書類上は北上姉と。実際は姉妹全員で潜入任務を行うために着任したとある鎮守府の海岸沿いを歩いていた。

 

 むしゃくしゃする理由は簡単で

 

「姉さんたちのバカやろーーー!!」

 

 と叫んだ言葉に全部が詰まっていた。

 

 

 

 

 

 …………きっかけはその直前に部屋で今後のことを相談しているときのことだ。球磨姉がいきなり

 

「木曾はまだ小さいし、練度が低いんだからここは球磨たちに任せて自由にしてるクマ。」

 

 そう言いだしたのをきっかけに

 

「そうだニャ。」

 

「ま、のんきにほかの子たちと遊んでれば~?ここの子たち駆逐艦が多いみたいだから木曾には慣れた光景でしょ?」

 

「私は北上さんが言うならそうだと思います!!!」

 

 俺だけ姉さんたちについてくるなって全員から暗に言われたからだ。その上

 

「だから木曾は今から姉ちゃんたち出てくるけどちゃんとお留守番しとくんだクマ?わかったかクマ~?」

 

 なんて言って部屋から姉ちゃんたちは夜戦装備を身にまとって俺を置いていった。

 

 球磨姉に言われたことを理解できずに呆然としている間のことだったからふと気づけば部屋に一人だけ残されていた。

 

「あ……………」

 

 視界がじんわり濡れていく。

 

 この体での生を受けて初めての夜も『一緒に連れていくには心配だから』とこんな風に一人取り残されて、帰ってきたのはケガで意識がない球磨姉とそれを必死の形相で背負う多摩姉だった。

 

 二人が部屋に入ってきて俺が「おかえり~。」と何の気なしに言うとすぐに

 

「お姉ちゃんの様子を見ててね?お願い。」

 

 と、球磨姉を壁に寄りかからせるように座らせて、普段なら絶対言うはずのニャを言わずに部屋から駆け出して行った。

 

「球磨姉ちゃん?」

 

 その多摩姉の雰囲気に恐怖を覚えたその時の俺は、球磨姉にすがろうと揺すりながら声をかけた。そう、()()()()しまったんだ。

 

「ガハッ!!!」

 

 俺が軽く揺すった瞬間、球磨姉は畳が真っ赤に染まるほど吐血した。しかも、それと同時に服が赤く染まり始めた。

 

 その時の俺からしたらもうパニックだった。

 ただ、目の前で起きていることに対して泣き叫ぶことしかできない。なんせ俺の体は女子中学生程度のものだとはいえ、建造時の事故のせいで中身は小学生並みだったのだから。

 

 それで俺が泣きわめいているのに気付いた北上姉と大井姉(そのころは一緒の部屋じゃなかった)が慌てて駆けつけてくれたからどうにかなった。だけどその経験は俺の心に深く刻まれてしまったんだ。

 

 ふいに夜に目が覚めたりして一人だけの部屋だとその日のことを思い出す。

 血がしみて真っ赤になった畳のことや、鬼のような形相でこちらを見る大井姉のこと。

 そしてそのあとに陰で多摩姉が北上姉と大井姉に言っていた「あと少し入渠施設に放り込む(処置)が遅かったら死んでたかもしれない」ってことを。

 

 だからこそ、もう姉ちゃんたちに心配をかけさせないように。一緒に行動することで姉ちゃんたちに何が起きているのかきちんと知れるように。強くなろうって決めた。

 

 それからは大本営で暇していた大淀さんに勉強を教えてもらったり、鹿島さんと元帥に鍛えてもらったりした。

 

 

 

 学び、鍛える。

 

 それを繰り返すようになってから数年ほど経ったある日、姉ちゃんたちと一緒に行動するように元帥から指示された。

 

 俺はその指令を聞いて、”俺はこれで強くなれたんだ”と思っていた。これで姉ちゃんたちに心配をかけさせないで済む。

 

 ………そう、思っていたんだ。

 

「…………なのに、また置いて行かれた………チクショウ………。」

 

 叫んでから悲しくなって涙を流しながら体育座りでその場に座り込んでいると、

 

「木曾さん何かあったんですか?」

 

 急に左の方から声をかけられた。

 

 反射的にその声が聞こえた方を見ると、小鳥遊佑太(監視対象)が釣り具をもってこちらへと近づいてきていた。

 

「何でもない!!」

 

 俺は慌てて目じりにあった涙を服でぬぐい、

 

「それで、あんたはなんでこんな夜遅くにこんなとこに来てるんだ?」

 

 コイツ自身が監視対象であることを伏せなきゃいけないから、俺は日常会話の切り出しのようにそう尋ねた。

 

 

 

 

 俺と佑太が会ったこの夜。そのころのコイツは本人の知らないところである事件でのことを理由に、大本営から監視対象に指定されていた。

 

 その理由はコイツが今俺たちがいる鎮守府で唯一艦娘を建造できる人間だからと言うのが一点。

 それともう一つは、コイツが慕われている駆逐艦娘の子たちを指揮して反乱を起こさないのかという懸念から来たというのがもう一点。

 

 とはいっても、コイツの顔写真とかを見た限りそう言った大事をしそうな人物には見えない。

 それに元帥から聞いた話だとこいつはただ巻き込まれた一般人らしい。

 

 だから正直監視の任務を本気でやるつもりはなかった。もしこれが球磨姉に聞かれたらビンタどころじゃすまないんだろうけど。大井姉だと魚雷を頭にぶつけてくるかもしれないな。

 

 だけど、今みたいな深夜遅くに釣り道具をもって堤防にいるとか怪しすぎる。

 

 だからこそ俺は聞かなければいけなかった。こいつが何を考えているのかを。

 

「えっと……夜釣りってわかりますよね。あれしに来たんです。」

 

「なんでこんな夜遅くに?」

 

「それは…えっと………なんというか…その……」

 

 怪しい。そう思った俺は

 

「じゃあ、俺に釣果見せてくれよ。こんな時間にいるってことは今来たってわけじゃないんだろ?」

 

「あ!ちょっと!!」

 

 こいつが持っていたバケツをひったくって中を覗いた。

 

「え………。」

 

 バケツの中を覗いてからとても後悔した。その中には………

 

<どーも、木曾=さん。妖精=さんです。

 

<はい!

 

<うごくなよ~

 

 沢山の蟲と釣り針をもって戯れる妖精さんの姿があった。

 

「イヤァァァァァァーーーーーーーーーーー!!!!」

 

 俺は悲鳴を上げて倒れた。

 

 倒れたときに頭を強く打って星が満点の空に散った。そして

 

「だから止めたのに……」

 

 と、申し訳なさそうに言うこいつ(佑太)の声が聞こえるのと同時に意識がなくなった。

 

 

 

 

 

 

「………蟲いやぁぁぁぁ!!!ってあれ?」

 

 蟲がうようよ目の前で動き回る夢を見て、悲鳴を上げながら跳ね起きると月明かりが差し込むどこかの部屋だった。

 

 だけどこの部屋はとてつもなく状態が悪い。壁は一部ビニールシートでふさがれているし、天井は所々穴が開いている。その上窓らしき場所はガラスが割れているどころか入っておらず、床には畳ではなく段ボールが代わりに敷かれていた。しかも一番ないと思ったのは電灯がついていなかった。

 

「ここまでひどいのは艦娘寮では見たことがないレベルだぞ………」

 

 俺が本心を漏らしながらずれた眼帯を直していると

 

「あ、起きたんだ。」

 

 そう言いながら、立て付けの悪い扉を開けてランタンを持った佑太が入ってきた。

 

「止めたのに餌が入ってるバケツ見るからあんなことになるんですって。」

 

 部屋に入ってくるなり佑太はそう言って俺をたしなめた。

 

「女の子って疑似餌はともかく、蟲釣りは苦手っていう人は多いから言いづらかったんですよ。」

 

 ランタンを部屋の奥にあったちゃぶ台の上に置いてから佑太はその場に座った。

 

「………あれから何分経ってる?それでここはどこだ?お前は結局何がしたかったんだ?」

 

「あぁあぁあぁぁ!!もう落ち着いてください!!首絞められたら苦しいですって!!」

 

 どうやら俺は無意識のうちに詰め寄って首を絞めつけていたらしい。元帥を一撃で仕留めるためにと香取さんに教わっていたせいで無意識にやってしまっていた。

 

「悪い!………で、当然教えてくれるよな。」

 

 俺は慌てて首から手を外して再度尋ねた。

 

「ケホッケホッ……ええ。」

 

 佑太は少しせき込んでから

 

「あれからまだ十分もたってないです。そんでここは俺の部屋ですよ。あとは何がしたかったのかって言われてもさっき言った通り釣りをしに行っていたとしか…。なんかあの変態の逆鱗に触れたのか、俺昨日食堂に入室禁止喰らったんでそうでもしないと飯ありつけないから……」

 

「おい待て!待て!!今の話本当なのか!?」

 

「?………そうですけど?」

 

「聞いてた話と違うぞ北上姉……」

 

 俺は目の前の佑太に築かれないようにそう呟いた。

 実はこの日、食堂でほかの艦娘たちとどう接触しているのか確かめようとしたのだが肝心要の本人がいなかった。

 

 不審に思って北上姉が提督に聞いてみると艦娘寮の自室で今は病気に臥せっていると言っていた。

 

 しかし、実際にはこんな衛生環境も減ったくれもない部屋で自分の食事をとるために釣りをしようとしていた。

 

「なぁ、この部屋にはいつから住んでるんだ?」

 

 俺はある意味嫌な予感を感じながら尋ねた。すると

 

「一昨日位ですね。電ちゃんたちの部屋の片づけを手伝ってたら、いきなり変態の子飼いの憲兵に捕まえられてこの部屋に放り込まれましたから。」

 

「一昨日……」

 

 一昨日は元帥が大本営からと言って俺と北上姉の二人の異動届をこの鎮守府に送った日だ。

 となると、あの提督は俺たちとこいつを接触させたくなかった……のか?

 

「………それでこの時間の監視の人はあの変態の子飼いなのに結構良識がある人が立候補してやってくれてるんで俺が外に出れるんですよ。って聞いてますか?」

 

 話半分で聞きながら時系列を整理していることに気付いたのか、こいつはそう聞いてきた。

 

「ああ。聞いてる聞いてる。それでお前がこんな夜遅くに釣りをしていたのはそうせざるを得なかったから…と言うことだな。」

 

 だから話を聞いていたということをしっかりと伝えるのと同時に確認した。

 

「そうですね。もしそれ以外の時間帯にこの部屋…っていうかこのボロ家出ようとしたら銃突き付けられて逆戻りっすから。」

 

 ナハハと苦笑いしながらそう言うこいつに腹が立った。

 

「なんで、お前は腹を立てないんだ?」

 

 俺が静かにそういうと、

 

「俺が何かしたせいであの子たちに被害が及んだりしてほしくないからですね。あんな人として最低な変態でも提督と言う職業についている以上あの子たちに危害を及ぼそうとすればいくらでも手段はある。」

 

「例えば高難易度の海域に装備も持たせずに出撃させるとかそうやったらいくら解体の機械の制御権が俺にあるとしても止めることはできない………。だって、俺にはその資格が……ない………から。」

 

 急に言葉を詰まらせながらそう言いだしたコイツの様子を見て俺はあっけにとられた。

 

 コイツが俺たち艦娘のことをよく考えている奴だってことと、あの提督がコイツからどう思われているのかが何となくわかった瞬間だった。

 普通なら艦娘がどう扱われようと気にする奴は少ない。実際の話、元帥も本人は否定しているけどたまにそう言った行動をすることがある。

 

 だけど、こいつは………

 

「本当なら俺とかみたいな大人がやんなきゃいけないのに、力がないからあの子たちに押し付けてる。普通の子と一緒の生活をさせたくても、硝煙の臭いが渦巻くこの鎮守府から外に出させてあげれない。力も資格も……両方ないから……。」

 

 そんなことまで言いながら泣き始める始末だった。その様子を見て俺もつい

 

「俺も姉ちゃんたちにそんな風に言われておいて行かれることが多々あるんだよ。だからお前とは違うと思うけど相談には乗れると思うぜ?………な?」

 

 そう言ってしまった。

 

「………そっちはどうなんですか?」

 

 俺の言葉を聞いて急に顔を上げたコイツはそう聞いてきた。だから

 

「姉ちゃんたちを心配させないように強くなったはずなのに、今でも強くなかったころと同じ扱いを受けてる。」

 

 と、簡単に答えた。深いことを言うと機密にコイツが触れてしまう可能性もあったからそこまでしか言えなかった。だけど、それを聞いてこいつは

 

「それは多分……愛されてるんだと思いますよ。」

 

 微笑みながらそう言った。

 

「愛されてる…?」

 

「だって愛されてないなら心配なんかしないはずですし、それに多分木曾さんのお姉さんがたって結構厳しい出撃か何かしてるでしょ。だから()()()()()()()()()()()()()()こそ、突き放してるんだと思いますよ?」

 

「そう………なの…か?」

 

 俺はその言葉を信じられなかった。だけどそんな俺の様子を見てアイツは

 

「もし、俺の言葉が信じられないなら明日にでもお姉さんたち相手に演習で殴り合いでもしたらどうですか?まぁ、脳筋理論なんですけどね。」

 

 苦笑いしながらそう告げた。

 

()()()()…か…。そうだな。それもアリだな。ありがとよ。おかげで何かできそうだ。」

 

 その言葉は俺にとってどこからかの啓示のようなものに感じられた。だから、俺は感謝の言葉を告げてから立ちあがった。

 

「いえいえ、あ。それと早く帰らないと警備の担当が変わっちゃうと思うんで急いだほうがいいと思いますよ?」

 

「そうなのか?悪いなそこんところも教えてくれて。」

 

 俺はそのままボロ家を出て自室へと駆け込んだ。

 幸いにもアイツが言っていた警備の人員に接触することはなかったが、部屋に帰ったら……

 

「ただいま~っと。」

 

「………木曾。そこに正座。」

 

 目が座った球磨姉を先頭に輪形陣で姉ちゃんたちみんなが正座して座っていた。

 

「ぅえ?」

 

 俺が唐突な正座宣言に困惑していると

 

「正座。」

 

 多摩姉も静かな、だけど怒りを込めたような声でそう言った。

 

「え……なんで?」

 

「いいから正座しなさい。」

 

 困惑し続ける俺の様子を無視して今度は北上姉がそう言って

 

「いや、ちょっと……」

 

「北上さんの手を煩わせるんじゃないわよ!!」

 

「やめて大井姉!!」

 

 ……………最終的に大井姉がキレた。

 

 

 

 

 

 そしてそのまま数時間にも及ぶ説教タイムが始まった。

 

 

 

 

 

「~~っと。もう朝かクマ。これでいったん止めておいてやるクマ。」

 

「……………。」

 

「ぐっすり寝ちゃってるニャ。」

 

「もう仕方ないクマね。北上はお肌がどうとか言ってさっさと寝ちゃうし、大井はそれについて行っちゃうし、球磨の妹は自由すぎるクマ。」

 

「それを球磨姉が言えた義理はないニャ。」

 

「ぼぅ!!!」

 

「!!」

 

「……まぁ木曾のことが心配なのは心配なんだクマ。」

 

「一番下の妹だからかニャ?」

 

「それもあるけど……建造時の事故のせいで木曾は本来のスペックの十分の一も出せないだろうって医務官が言ってたクマ。だから本音を言えば木曾には一般人としていてほしいんだクマ。」

 

「………ぅ~姉ちゃん勝負だぁ~~~。」

 

「今の寝言かクマ?」

 

「たぶん寝言だニャ。それじゃあ、多摩も寝るニャ。お休みニャ。」

 

「お休みだクマ。」

 

「……寝たふりはいいクマよ?」

 

「………バレてたか…。」

 

「いつから起きてたクマ?」

 

「ついさっき。多分寝言がどうこう言ってたあたりだと思う。」

 

「そうかクマ。だったらいいクマよ。」

 

「で、球磨姉ちゃん。お願いがあるんだ。」

 

「なんだクマ?」

 

「俺と模擬戦してくれ。極力すぐに。」

 

「!?」

 

 …………その時の球磨姉の驚いた表情を俺は決して忘れるなんてできないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 結局、その次の日の夜遅くに球磨姉が大本営に帰るのに引っ付いて帰った。

 

 そしてその次の日、大本営の演習場で

 

「本気クマね?」

 

「ああ。俺は………本気だ!!!うぉぉぉぉぉおおおおお!!!!」

 

「その装備は何クマぁぁぁぁぁあああ!?!!?!?!?!」

 

 何がきっかけだったのかわからないが俺は世界で初めて改二へと至り、球磨姉に俺の強さを認めさせることに成功した……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な~にしてるクマか?」

 

「!!?……なんだ球磨姉か…。」

 

 月を見上げてからふとそのことを思い出していると、球磨姉が俺の肩をいきなりたたいてきた。

 

「ちょっと……ね。なぁ、球磨姉。」

 

「何だクマ?しょうもない話ならさっさと帰るクマ。球磨は暑いのが嫌いだクマ。」

 

「アイツいるじゃん。佑太。」

 

「そうクマね。はぁ、おかげで姉ちゃんの気苦労が増えるばかりクマよ。」

 

 球磨姉が苦笑いしながらそう言うのをしり目に俺は

 

「アイツのせいで発生する気苦労は少しおいておいて俺の話を聞いてくれ。アイツ、俺たちの想像以上の事態に巻き込まれてるみたいなんだ……」

 

 真剣な表情をしてそう告げた。すると

 

「………それはここで言える話か?」

 

 球磨姉は急にそれまでの笑顔を消して真面目な顔でそう尋ねてきた。

 

「いや、できれば部屋で姉さんたち全員と一緒に話したい。」

 

 その問いに対して俺はそう返した。すると

 

「………わかった。とりあえず急いで帰って人払いを多摩たちにさせておく。木曾はゆっくり帰るといいよ。」

 

 球磨姉はそう言って瞬きもしないうちに目の前から消えた。

 

「………相変わらず見えないな球磨姉の瞬歩。あの時俺に負けたのが悔しかったからってあそこまでチートキャラにならなくてもよかったのに。」

 

 俺はそんな負けず嫌いな姉に対して苦笑いしながら自室へと再び歩き出した。




感想、評価を楽しみにしてます。

って何時もいっていますが、最近ついた評価を見てたら自分が書いてる作品全部に一つけて回る人が一付けてました。

そこで思ったのが、この作品が劣化してきてつまらなくなったのか、それともその人たちからしたら俺が嫌い。あるいは俺の作風が嫌いなんじゃないかってことです。
個人的には後者であってほしいと思いますが、それなら一言欄になにか書いていてほしいと思ったりします。
無言で低評価とか喰らうと何が原因なのかわからなくてモチベに関わってくるんで。

もし、この作品の面白さが劣化してきてつまんねーわってなっているのなら今後の展開をまた考えるか、さっさとこの作品自体を締めるか決めようかなって考えてます。

それではおやすみなさい。

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