お父さんが鎮守府に着任しました。これより私たちのお世話を始めます!! 作:先詠む人
日刊ランキングの下の方に載ったり載らなかったりを繰り返してるこの作品ですが、これからもよろしくお願いします。
「「「「最初はぐー!!じゃんけん……」」」」
とある夏の日に、俺は鎮守府の裏山の中腹にある一本松の下へ昼寝をしに向かっていた。
すると、裏山へと続く道から少し下がったところにあるグラウンドの方で島風ちゃんをはじめとした駆逐艦娘の子たちが集まって何か決めるためにかじゃんけんをしているのを見かけた。
「「「「ぽい!!!!」」」」
俺が立ち止まってその様子を見ている中で、駆逐艦娘の子たちは全員で合わせた掛け声の後にわずかな沈黙をはさんでから
「やった!私の勝ちね!!」「雪風は負けません!!」「なんでさぁ~。」「おぅ!!」「勝ったっぽい!」「一緒だね睦月ちゃん!!」「これで逃げれるにゃしぃ!!」「あぁ…負けちゃったのです…。」「大丈夫私がいるじゃない!!」「姉さん、勝ったよ。」「やったわね響!!それでこそ一人前のレディよ!!!」「負けてません……弥生は負けてません!!」「弥生ちゃんどう見てもその手はグーだとふみぃは思うんだ~。」「あ~だる…。」「髪を痛めたくないから早く始めましょ?」
各々勝手な声をあげた。
「………鬼ごっこかかくれんぼかするのかな?」
俺はそのみんなの声を聴いて、そう呟きながらみんなが集まっているグラウンドの横の方をポケットに手を突っ込んだまま歩き去ろうとしていると、
「あ、お父さんだ。」
という吹雪ちゃんの声をきっかけに
「お父さんこっちに来てー!!」
といった内容の呼び声をその場にいたみんなからかけられた。それに対して俺は昼寝と駆逐艦娘の子たちと一緒になって遊ぶのとを頭の中で天秤にかけて……………
「おぅ!今行く!!」
「お父さんktkr!!」
あの子たちと一緒に遊ぶことにした。
「で、何するの?」
「ケイドロ!!」
「あぁ、前に教えたやつか。」
「そうだよ~。前に鬼ごっこに飽きてその場にいた人数が多いときはこれしなさいってお父さんが言ってたんじゃん。」
「ん~。まぁ、確かに言った覚えがあるな。」
「でしょ?ねぇ、早く始めようよ~。」
「それで俺はどっちに入ればいい?」
「「「「あ………。」」」」
どうもみんな俺と遊べることにテンションが上がりすぎてその所を考えてなかったらしい。すると警察側と泥棒側の二組に分かれた塊の中で二つの影が動こうとしだしたから
「……………喧嘩はだめだぞ?」
俺はことが発展する前にこぶしを握りしめた夕立ちゃんと島風ちゃんの方を見て言った。すると、二人は
「「ウグッ(ぽい~)………」」
と言って黙り込んだ。
「でも、お父さんが入るグループどうしよう?」
と、吹雪ちゃんが頭を抱えて悩み始めたから
「人数はちょうどなんだよね。」
ととりあえず聞いてみたら
「そうよ。何か問題でもあるの?このくそ………くそ………」
「ぼのたん、素直になればいいのに~」
「うっさいわよ漣!!!」
「でも、ちょうど半々ですよ?」
「ちょっとこれは困ったね…。」
どうも人数はちょうど半々らしい。てか、半々か……あ、そうだ。それならちょうどいいもん持ってたわ。
「そんじゃあ、俺がどっちのグループに入るかはこれで決めようか。」
俺はそう言ってポケットの中に入れていた財布から黄色と赤の色に表裏で塗り分けられたコインを取り出した。
「お父さんそれなんですか~?何ですか~?」
「サッカーの審判が持ってるコイン。試合が始まる前にこれでいろいろときめるんだよ。」
「サッカー………また………やりたい……。」
「父上!!また今度あの技を見せてください!!」
「お、いいぞ。てか、別に今見せてもいいけどボールがないな…。ま、また今度ね。」
「菊月ちゃんあの技って~?」
「はいはい、話が進まないからこっから私が仕切るわ!!それでお父さんの所属をそれで決めるってどうやって決めるつもりなの?」
「先に警察側と泥棒側で表か裏を決めてもらって、俺がこのコインを投げて地面に落ちたときに向いてた方に入ろうかなって。」
「じゃあ、どっちにしようか…。」
「表にしとく?」
「いや、ここはあえての裏。」
「初雪ちゃん目が怖いよ~。」
「そうか?ただ、いつも以上に集中してるだけに見えるぜ?」
「はいはい!!それじゃ、両グループの代表でも何でもいいから一人ずつ決めてどっちか言って!!」
「警察側は表で!!!」
「じゃ、私ら泥棒側は裏ってことで。」
どうやら、どっちの面にするか決まったようだったから俺は
「それじゃあいくぞ~。」
と言って、拳の中へ入れる形で曲げていた右親指をその上に載っていたコインをはじくために勢いよく跳ねさせた。
キーンという甲高い音が周囲に鳴り響いて………
「…………黄色。ってことは表か。」
ポスンというどこか抜けた音を立てながら地面に落ちたコインの色で俺の所属は警察側に決まった。
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駆逐艦娘の子たちの中の内でひましていた子たちほぼ全員でやるケイドロ
フィールド:鎮守府内の危ないところを除いた全域(なお、海上に逃げるのは禁止)
制限時間:現在時刻
警察側
天津風、雪風、響、暁、夕立、叢雲、深雪、五月雨、涼風、卯月、如月、皐月、望月、菊月、朧、曙、綾波、初春、子日、満潮、霰、霞、黒潮、浜風、俺
泥棒側
島風、時津風、電、雷、白露、時雨、村雨、春雨、睦月、吹雪、長月、文月、弥生、白雪、磯波、漣、潮、敷浪、若葉、初霜、荒潮、大潮、陽炎、不知火
ルール
警察側が動き出すのは泥棒側が逃げ出してから10秒後。
もし警察側に捕まった子はその捕まえられた子と一緒に独房(という名目の円)まで黙ってついてきて仲間のだれかが助けに来るまでその中で待つこと。
仮に捕まっても仲間のだれかが独房までやってきて独房内にいる子に触ることができれば再度逃亡することが可能
捕まりたくないからと艤装を展開して砲撃するのは禁止。
相手を傷つける方法で捕まえるのは禁止。
大人の艦娘さんたちのお仕事の邪魔は禁止。
食堂に逃げ込んで間宮さんを食べるのは禁止っぽい?
司令棟に入るのはいいけれど提督さんに見つかってはだめ
艦娘寮の中と入渠施設には入ってはだめ。
工廠で明石さんが新装備の開発をやってるみたいだから絶対邪魔にならないようにすること
鎮守府内の設備その他もろもろを破壊してはだめ。
もし、これらのルールを破ったりした場合はお父さんと鳳翔さんの怖いお説教が待ってます。
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「ふぅ、ルールとしてはこんなものでいいかな。」
と、俺が紙にまとめたルールを見ながらみんなで一つ一つ確認し、全員が分かったところで
「それじゃあ、始めるよ!!」
との吹雪ちゃんの合図とともに泥棒側のみんながその場から駆け出した。
「い~ち!!」
「に~!!」
「さ~ん!!」
「よ~ん!!」
「ご~!!!」
「ろ~く!!」
「な~な!!」
「は~ち!!!!」
「きゅ~う!!!」
「「「「10!!!!!」」」」
そして、泥棒側が駆け出してから10秒後に俺たち警察側も鎮守府内のあちらこちらに散らばったであろう泥棒側の子たちを捕まえるためにグラウンドから飛び出した。
「もし、1時間以内に泥棒側の子を全員捕まえれたら間宮さん配るぞ~!!」
「ポイ!?俄然やる気が出てきたっぽい!!」
「てやんでぃ!!姉貴が本気出したぜぃ!!」
「間宮さんのためにも頑張んなきゃ……アイタッ!!」
「あ!五月雨ちゃんがころんじゃったッぴょん!!」
「大丈夫かい?」
「そんなかすり傷した程度ならほっときなさいよ!!」
「
「あ~、だり~。ま、アイスのためなら頑張りますか…。」
警察側の子たちのやる気は十分。
さて、泥棒側の子たちはいつまで逃げ切れるのかな?
感想、評価を楽しみにしています。
最近感想が少ないのでちょっと悲しかったりする先詠む人でした。
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