お父さんが鎮守府に着任しました。これより私たちのお世話を始めます!!   作:先詠む人

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お久しぶりです。
昨日でテストが終わって、今日までに提出するレポートとかを昨日までに書き終えることができましたので今日明日かけたらその分を投稿しようと思っています。

さっき、情報欄を見て来たんですがお気に入り人数が更新停止中も毎日増えていて驚きました。
なんで驚いたのかと言うと、先詠む人がこれまで連載してきた作品で一時的にせよどちらにせよ更新を停止するとお気に入り人数が減りこそはすれ今回みたいにほぼ毎日増えたことは無かったからです。

前書きが長くなってしまってすいません。それでは本編をどうぞ。



「「私……?」」(by朝潮&???)

「イテテテテ……」

 

「もう、無茶ばっかりするんですから……。少しは自重してください。」

 

「ナハハ……善処します……。」

 

 ある日、俺の背中へ湿布を貼りながら夕張さんはそう言った。

 

「それにしても、工廠まであの子たちの分を一人で運んだんですよね?なんでそんなことをしようと思ったんですか?」

 

 夕張さんは現在進行形で医務室のベットの上で爆睡している子たちを見てそう言った。

 

「ん~?そう言われると恥ずかしいんですけど、お父さんとしてあの子たちの手伝いでもしようかなって思ったんで……。」

 

「それで背中の筋肉を傷めたら元も子もないじゃないですか。ってあら?この傷……」

 

 喋っている途中でいきなり夕張さんが俺の背中の方にある傷を見て詰まった。

 

「どうしました?」

 

「佑太さん。ひとつ聞いて良いですか?」

 

「はい。何ですか?」

 

 急に真剣な様子になった夕張さんが俺に

「この傷って()()()()()()()()()()?」

 

 そう尋ねて来た。

 

「………」

 

 俺は、その質問に対してただひたすらに黙っていた。

 

「黙っているなら、私のほうから言ってもいいですか?」

 

 そんな俺を見て夕張さんは再び話だした。

 

「最低でもこの傷はかなり昔。最初の深海棲艦が確認された時期よりも前のもののはずです。なのに…」

 

 俺は、夕張さんがこの傷を一目見ただけでなぜか俺が隠したい真実に気付いていることに気付いた。だから止めようとした

 

「それ以上はやめて「なのに、なんでイ級のものと思われる傷があなたの背中にあるんですか?」……わからないです。」

 

 

 ……が、止める前に言いきられてしまった。だから俺はわからないとしか言いようがなかった。

 

 だが、それは嘘だ。本当はある程度は覚えている。

 あの日見た地獄のような風景と真っ赤に染まる視界。そしてそんな地獄には不釣り合いじゃないかと幼いながらも思った銀色の髪の美少女の姿を……。

 

「………ひょっとして今辛いんですか?」

 

「え……?」

 

「あ、いや。何やらとてもつらそうな顔をしていたので……。」

 

「大丈夫です……多分。」

 

「……すいません。私ちょっとお茶取ってきますね。」

 

 夕張さんは俺の様子を見て何か覚悟を決めたかのようにすぐに席を立った。

 

「……なんか、根掘り葉掘り聞かれそうだな……。」

 

 そんな俺の言葉がフラグになったのか

 

「青葉ですぅ!!佑太さん居ますか!!」

 

 青葉(パパラッチ)が元気そうに医務室の扉を派手に音を立てて入って来た。

 

「ここに居るよ。んで?パパラッチがどうしたの?」

 

「ひどっ!!……そんな佑太さんに朗報ですぅ!!!ついに佑太さんをお兄さんと呼ぶ駆逐艦娘さんがでましたよ!!」

 

 青葉は俺のその言葉に一瞬解込んだ様子を見せたが、すぐに元気になって訳の分からないことを言いだした。

 

「……は?」

 

「ほら、入って入って!!」

 

 青葉に言われたことの意味が分からなくてアホ面をさらす俺を放っておいて青葉は廊下で待っていたであろう見覚えがあり過ぎる少女を部屋へと連れて来た。入ってきた少女は山吹色のワンピースを着ていて少しおどおどした様子だった。

 

「お兄ちゃん!!!」

 

 そしてその黒髪の少女は部屋に入ってきて俺の姿を見るなり勢いよく抱き着かんと飛び込んできたが、俺はそれを

 

「危ないからやめぇっていつも言ってるだろ!!」

 

 と家で何時もやっている感じで後ろにいなして床にやさしくたたきつけた。

 

「うきゅ!!」

 

「あわわわあわわわ!!これはスクープです!!あのお父さんがついに手を挙げたの青葉見ちゃいました!!!」

 

「ちげーっての……ったく。あ……」

 

「お父さん朝潮ちゃんに何してるのです?お父さんに絡んでいいのは電だけなのです。フフフフ…‥」

 

「怖!!響、どうしよう。電が壊れちゃったわ!!」

 

「姉さん落ち着いて。と…とりあえずここは戦術的撤退を…」

 

「も~、電も落ち着きなさい……ってオトウサンナニシテルノ?」

 

 どうも、俺がさっき騒いだときに同じ部屋のベッドで寝ていた彼女たちが起きてしまったらしい。というか、雷ちゃんも電ちゃんもちゃんと目に光を取り戻しなさい。せっかく可愛いんだからもったいないよ。

 

「……はぁ。これはだな……(根掘り葉掘りって言うか、この感じだと骨の髄まで聞かれそうだな……)」

 

 と言いながら床にやさしくたたきつけたからか、その分回復が早かった少女に首もとに抱き着かれてほっぺたをすりすりされるがままになっていると、

 

「お父さんがここに居るって聞いたんですけど………え?……………私?私がなんで見えるの?何で?あれ?あれ?」

 

 朝潮ちゃんがこの混沌極まっている医務室に扉を開けて入ってきて、俺に抱き着いている少女の姿を見て固まった。

 

「ん~?……私?っていうか、お兄ちゃんお父さんって何?」

 

「えっと………」

 

 扉が開く音を聞いて俺の首もとに抱き着いている少女が朝潮の姿を見ると同時にその言葉に気付いた。そして俺がその質問に対して躊躇した次の瞬間

 

 

「お兄ちゃんが好きなのは私よ!!」

 

「お父さんは私たちのお父さんなのです!!」

 

「ちょっと電落ち着いて!!」

 

「お父さんを甘やかしていいのは私だけよ!!」

 

「雷落ち着くんだ。それじゃあ相手を論破できない。」

 

「お……お父さんこれってどういうことなんですか!?」

 

 

 ………………少女が俺をつなぎとめるかのようにきつく抱きしめたのをきっかけとして一人の男性を6人(うち二人は止めに入ってるだけ)の少女が囲んでシュラバヤ海戦が勃発した。

 

「あーーーー!!!もうあとで説明するから今は静かにしてくれ!!」

 

 結局、俺からしたら珍しく大声を出してその場を鎮めることになった。

 

 

 

 

 

 

「で、これは一体どういうことなんですか?お父さん、いやこの場合は佑太さんと呼んだ方が良いでしょうか?」

 

 ところ変わって今俺たちがいるのは食堂。俺が大声でみんなを鎮めた後に、今度は全員がアイコンタクトして俺を引っ張り出して連れてこられたのがここだった。

 

 そして、丁度その時に食堂でお抹茶と一緒に水羊羹を食べていた霧島ネキがそれに気づいて全員を呼び止め、結果的に俺と問題の発端を作った少女は今、全員の前で正座している。

 

「霧島さん。まずはこの子が一体何者なのか知ることから始めるべきじゃないかな?」

 

「そうですね。では質問を変えます。あなたは一体どこの鎮守府の朝潮さんですか?この鎮守府に居る朝潮さんは今私の横に居ますからそんな言い訳は通じませんよ。」

 

「言わないわよ。聞きたかったらお兄ちゃんを痛めつけて聞き出せばいいんじゃないかしら?」

 

「とか言ってますが、どうですか?佑太さん。」

 

「えっと……俺の妹です。」

 

 俺はあっさり妹に売られたので特に隠し立てもせずにあっさりと吐いた。

 

「妹……ですか?」

 

 俺のその答えを聞いて怪訝そうにこちらを見てくる霧島さんに

 

「こいつは妹の詩歌で、今は……お前今小学何年生だっけ?」

 

「2年生よ!」

 

「だそうです。というか、この写真見せりゃあ早いか。」

 

 俺はそう言って自分の財布にいつも入れている今年の正月に取った家族写真を見せた。

 

「えっと、これは佑太さんですよね。となると、こちらのくたびれた表情をした男性は……」

 

「家の親父です。自分には掃除しかできないって豪語してます。」

 

「で、この佑太さんの横で笑っている青い振袖を着た少女が……」

 

「私ですよ。」

 

「はぁ、となるとこの女性は………って阿賀野さんそっくりですね。」

 

「それ家の母さんです。てか、俺もそれは初めて阿賀野さん見たときに思ったんですよね。だけど母さんがそんなこと言ってたことないですし、第一名前が阿賀野じゃないんで……。」

 

「そうですか…。となると、今回は佑太さんは無罪ですね。はい、解散しなさい。ここはご飯を食べる所であって本来騒ぐ所じゃないんですから。」

 

「「「「「えーーーー!!」」」」」

 

「……無罪になって良かった……あ、その写真返してください。」

 

 俺はとりあえず一安心してそう言いながら少々足がしびれてふらふらしつつも立ち上がり、霧島さんから写真を受け取ろうとした。そのときだった。

 

「一撃必中!肉薄するわ!!」

 

 そんなことを言いながら詩歌が俺にタックルをしてきてその結果……

 

「アガッ!!」

 

 しびれきった足にとてつもない衝撃を受けたせいでそんな間抜けな声をあげながら膝から力が抜けたことにより勢いよく俺は倒れ、

 

「あ……」

 

 そんな誰かの漏らした声をBGMにしながら金属が擦れあうような甲高い大きな音と同時に、大きな音を立てて食堂のテーブルが倒れた。

 

「………」

 

 そして、その倒れたテーブルの下敷きになった時に勢いよくテーブルの支柱に頭をぶつけていたため俺の意識はとんで行って真っ暗になった。

 

 そんな俺の様子を見て慌てて霧島さんが駆け寄ったがその時に手から写真を落としていたことに霧島さんは気付いていなかった。

 

 食堂の床に落ちた写真には、日本家屋の前で青色の菊の花の紋が入った振袖を纏った笑顔を浮かべている詩歌とどこでも売ってそうなジーパンにフードつきの黒いパーカーを着て少し不機嫌な様子の佑太。

 そして、黒色のコートを着て髪がぼさぼさなまま苦笑している長身の男性と、長い黒髪を揺らしながらその男性に抱き着いて幸せそうに笑っている茶色い上着の下に赤い服を着て本当に経産婦かと思われるスタイルの女性が映っていた。




感想、評価を楽しみにしています。

当座の目標の総合評価500pを超えたので次は1000pを目指して頑張ります。

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