超次次元ゲイムネプテューヌRe:birth2~黒き魔女の転生記~   作:佐久間 優

6 / 9
第5話 覚醒

バーチャフォレスト・最深部

 

「この森の何処かにゲイムキャラが……」

 

「何処から探せば良いんでしょうか…」

 

「そうね…これだけ広いとね」

 

「まぁこういうのは奥深くに居るのがお決まりだろう……待て3人共!魔物の様子がおかしい」

 

目の前の花型の魔物を黒い障気が包み込み黒く染まり、凶暴化する……成る程

 

「汚染…か」

 

「えぇ…そうよ」

 

「あの…これは一体」

 

「モンスターはね、犯罪神の信仰の力をもろに受け易いの」

 

「見ての通り、あんな風に凶暴化する。場合によっては手も付けられん程にな」

 

まぁ、あの程度ならば問題ないがな

 

 

「私達はあれを汚染って呼んでます」

 

「強さも段違いだからね。気を付けt「ファイガ!」

 

アイエフの言葉が終わる前に豪炎を放つ。魔物を飲み込み焼き尽くす

 

「ふむ、こんなものか……どうした?」

 

唖然としたまま動かない3人に問い掛ける。

 

「汚染したモンスターさんを一撃で……」

 

「凄い……」

 

「あんた何者よ……」

 

三者三様の答えが返ってきた。これくらい普通では無いのか?

 

「別次元からの転生者だが?」

 

「そういう意味じゃないわよ……まぁ良いわ。先を急ぎましょ」

 

 

「そうだな……む?」

 

「ストレガさん、どうしました?」

 

「いや…人の気配がしてな」

「は?こんなところに誰が何の為に…まさか!」

 

「犯罪組織の人間…?」

 

「だとしたら大変です!」

 

「ストレガ!何処だか分かる!?」

 

「ふむ…奥の方から気配がする…こっちだ、付いて来い」

 

気配のする方へと駆け出す。間に合うと良いが…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「此の辺りの筈だが…」

 

「ねぇ、彼処に誰かいるわ!」

 

アイエフの言葉に振り向くと、鼠色のフードを被った少女が何かを壊しているように見えた

 

「貴様、何をしている!」

 

「ああ?誰だテメェら、邪魔すんじゃねぇよ!」

 

「それは此方の台詞です!ゲイムキャラさんをどうする気ですか!?」

 

「消すに決まってんだろ!こいつは我々マジェコンヌにとって邪魔らしいからなぁ!」

 

く…どうして私の勘は嫌な方にばかり働くのだろうか

 

「あんた…犯罪組織の一味なの?」

 

「へっ、教えてやる義理はねぇが……まぁ良い、教えてやるよ!」

 

そこで一旦、言葉を切り再び口を開く

 

「犯罪組織マジェコンヌが誇るマジパネェ構成員、リンダ様たぁ……」

 

「構成員?てことは……下っ端?」

 

「下っ端ですね」

 

「下っ端さんです」

 

「ふむ……下っ端だな」

 

「なっ……!?誰が下っ端だ!誰が!」

 

「貴様以外に誰がいる?大体、幹部クラスの人間がこんな辺境の森に居るわけ無かろう」

 

「そういうこと、ほらさっさと退きなさい。下っ端の癖に生意気よ」

 

「ぐ…貴様ら、下っ端下っ端連呼しやがって……もぅ我慢できねぇ!下っ端呼ばわりしたこと、後悔させてやらぁ!!」

 

手にしていた鉄パイプを振り上げ、目にも止まらぬ速さでネプギアに接近、気付いたときにはネプギアが吹っ飛んでいた

 

「きゃあぁぁぁ!?」

 

「ネプギア!?」

 

「おらぁ!余所見してんじゃねーよ!」

 

「がはっ…!?」

 

「あいちゃ…きゃあっ!?」

 

「最後はてめぇだ!」

 

「くっ…ぐぁっ!?」

 

鉄パイプをギリギリで受け止めるも、あり得ないほどの怪力で押し負け吹き飛ぶ。くっ…シェアの加護というのは厄介だな…!

 

「何だぁ?散々バカにした割りには随分、呆気ねーな。さて、そんじゃ一人ずつぶっ殺してやるか…まずは」

 

「ひっ……」

 

邪悪な瞳がネプギアを捉える。まずい、このままでは!

 

「いや…私、また何も出来ないで…」

 

「死ねぇ!」

 

”ゴスッ!“

 

「がはっ…!」

 

「ストレガさん…!?」

 

間一髪、ネプギアと下っ端の間に割り込み庇う。防御する暇など無く直撃を貰ってしまう

 

「何で…私なんか庇って…っ」

 

「お前は…この世界を救う希望の光だ…そんなお前を守るのは私の役目だ…」

 

「でも…私は…っ」

 

恐怖に震えるネプギア、そんな彼女を宥めるように頭を撫でる

 

「恐れるな…お前ならやれる。姉を…ネプテューヌを救うのだろう?こんなところで立ち止まってる場合では無いだろ?思い出せ…お前が力を欲したときに…強く想ったことを……」

 

「私の…想い…」

 

「おーい、茶番は終わりか?だったら纏めて死にやがれ…!?」

 

「…それは!皆を…世界を守ること!」

 

ネプギアが叫ぶと同時に彼女の体がシェアの(まばゆ)い光が包み込む。光が収まるとそこには強い意志を瞳に宿し、女神化したネプギアが居た

 

「なっ…!?てめぇ、女神だったのか!」

 

「覚悟して下さい…貴女は私が倒します!」

 

「ち…やれるもんならやってみやがれ!」

 

”ガキィン!“

 

「なっ…!?」

 

全力で降り下ろした鉄パイプを易々と受け止めるネプギア、それに動揺した下っ端に一瞬の隙が生じる

 

「私は負けません!ミラージュダンス!」

 

下っ端を弾き飛ばし、舞うように連続で斬撃を見舞う

 

「これで決めます!マルチプルビームランチャー!」

 

「ぎゃあー!?覚えてろぉー!!」

 

武器から放たれたビームに飲み込まれ、下っ端は吹っ飛んでいった……使い古された捨て台詞を吐きながら

 

「勝てた…私…やれた…そうだっ!ゲイムキャラは……あっ」

 

呆然とするネブギア。目線の先にはボロボロに壊されたゲイムキャラだった物があった……

 

「間に合わなかった……」

 

“大丈夫ですよ、女神候補生”

 

「えっ?誰……まさかっ!」

 

声と共に淡い紫の光が現れる。これは……

 

「お前は…ゲイムキャラか?」

 

「はい。眠りについている間に破壊されてしまうとは…不覚です」

 

「大丈夫なのか?壊されたのだろう?」

 

「大丈夫、とは言い難いですが…力の一部を逃がすことができました。この力を貴女に託します」

 

「これが…ゲイムキャラの力…」

 

「今、この時代で何が起きているのか、眠っていた私には分かりませんが、貴女ならこの力を正しく使ってくれると信じています」

 

そう言い残し、ゲイムキャラは消えていった…やれやれ

 

「良くやったな…ネプギア。上出来だ」

 

「ストレガさん!動いて大丈夫なんですか?」

 

「あぁ、あれくらいの打撃など何とも……っ!?」

 

“何ともない”そう続けようとしたが激痛が走る。振り向くと呆れた顔をしたアイエフが背中を突っついていた

 

「なに強がってんのよ、真っ赤に腫れてるじゃないの」

 

「ぬぅ…だからとて突っつくな」

 

「ありがと、ストレガ…ネプギアを守ってくれて」

 

「気にするな…それが私の役目だ」

 

「それと…疑ってごめんなさい。あんたを仲間として認めるわ…」

 

「ありがとう……改めてよろしくな、アイエフ」

 

「えぇ、こちらこそ」

 

差し出した手をアイエフは握り返し、微笑む

 

「アイエフさんとストレガさんが仲直りしたことですし、いーすんさんに報告に行きましょうか」

 

「仲直りって、別に仲違いしてた訳じゃ……まぁいっか、そうしましょ」

 

無事にゲイムキャラの協力を得ることが出来た。反撃への第一歩を踏み出したのだった……


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。