超次次元ゲイムネプテューヌRe:birth2~黒き魔女の転生記~ 作:佐久間 優
今回はちょっと短めです、ではどうぞ!
「アイエフさん!コンパさん!ご無事ですか!?」
教会に着くなり、小さな妖精のような人物が飛んでくる。あれは此方の次元のイストワールか……少し大人びているような感じだな
「はい。でも結局救い出せたのはネプギアだけでした……」
「構いません。一人だけでも救えれば充分です……貴女も無事で何よりです、マジェコンヌ」
「イストワール様、今なんと…?」
「聞き間違えじゃなければ、マジェコンヌって聞こえたです」
アイエフとコンパ、それぞれが私に敵意と恐怖の視線を向ける。その様子を見てハッとなるイストワール。やれやれ…
「此方のお前もしっかりしているようで抜けているな」
「うう…すみません」
「まぁ、良いさ…こうなった以上、事実を話すとしよう。まず先程も言ったが私に敵意は無い」
「…信じて良いんでしょうね?」
未だに警戒したまま此方を睨み付けるアイエフ
「あぁ。もし裏切るような素振りを見せたら、何時でも切り伏せても構わん」
「…分かったわ。」
「あぁ…今はそれで良い、少々長くなるが…構わないか?」
「えぇ、構わないわ」
「では……先ず単刀直入に言おう。私はこの次元の人間ではない」
「それが事実だとして…どうして私達の事を知っていたの?」
「ふむ、私が居た次元もゲイムギョウ界だからだ。その次元にもお前達が存在していた……もっともその時は敵対していたがな」
「……」
「その時は、と言っただろうに。そんなに睨むな……まぁ良い、私は身に宿した力に蝕まれ、女神達を亡き者にし世界を滅ぼさんとしていた……そして女神に敗れ私は消滅する筈だった……」
「じゃあ、その時にこの次元に来たですか?」
首を傾げてコンパは尋ねる。相変わらずコイツが喋ると気が抜けるな…
「いや、そうではない。私は天寿を全うしてからこの次元に来た………話を戻そう。女神達は私が力に固執した理由を知り、全員が祈った…私が救われるようにとな」
「それって……言い出したのはねぷ子?」
「良く分かったな…その通りだ」
「やっぱり…あの子はこうと決めたら絶対に曲がらないもの」
呆れたようだが、どこか嬉しそうにアイエフは言う
「ねぷねぷは優しいですからねぇ…そんなねぷねぷの事をあいちゃんは大好…ムグムグっ!?」
「よ、余計なことは言わないで!ほら、さっさと続きを話して!」
慌ててコンパの口を塞ぎ、捲し立てるアイエフ。この場にネプテューヌが居たら間違いなく茶化していただろうな……そんな様子に苦笑しつつ、話を続ける
「そして祈りは通じて私は元の姿へ戻ることが出来た。命尽きるまで二度と私のように力に溺れる者が出ないよう…それとおこがましい事だが女神達が道を踏み外さないように見守る事を贖罪として生きることを誓ったのだ」
そこで一旦、言葉を切る。二人は真面目に話を聞いていた
「そして…私は寿命を迎え、眠りに付く所でそこに居るイストワールに呼ばれたと言うわけだ」
そう言うと二人はイストワールの方へと向く、彼女はただ頷くだけだった。だが二人は納得したのかそれ以上、追求はしなかった
「そう…まぁイストワール様が言うならそうなんでしょうね…一つ良いかしら?」
「あぁ…何だ?」
「あんたの使っていた魔法、見たことないんだけどあれはそっちの次元にしか無い魔法なの?」
「あぁ…そうではない。あれは私の次元の古い書物に記されていた、また異なる次元の魔法だ。何故私が使えるのか分からんが」
「…あんた、何者?」
「さぁな…まぁあちらでは魔女と呼ばれていたがな。さて他に聞きたいことはあるか?」
「…無いわ。一応信用するけど、完全に信用した訳じゃ無いからね」
「私は難しい事は分からないです…でもストレガさんが嘘を吐いてるようには見えないです。だから私は信じます。ぎあちゃんも助けてくれたです」
「ありがとう……」
「…皆さん、今日はもう解散しましょう。色々あってお疲れでしょうから」
「そうね…戻りましょコンパ」
「はいです。ストレガさん、また明日」
礼儀正しくお辞儀をして去っていくアイエフの後を追って出ていった
「マジェ……ストレガ、貴女はこれからどうします?」
「うむ…この国のギルドは何処だ?」
「ギルドですか?それならば教会を出て直ぐの場所にありますが……」
「そうか、ありがとう」
「何をする気ですか?」
「そんな疑うような目で見るな、クエストをこなしてシェアの回復ついでに体を慣らして来ようと思ってな」
転生して体が慣れていないのもあるのだろうが、上手く立ち回れなかった。先の戦闘で痛感した。相手が格上だったのもあるのだろうが…
「そうですか……でしたら一つ頼みたいことがあるのですが、良いですか?」
「構わないが…教祖直々とは余程の事なのか?」
そう聞き返すと声を潜めて話始める
「最近、バーチャフォレストでモンスターが異常発生しているんです。その調査を頼みたいのですが」
「ふむ……分かった。次いでにそのモンスターの駆逐もしてこよう」
「ありがとうございます……1体1体は弱いのですが、纏まって来ると厄介ですので、気を付けて下さいね」
「あぁ、ありがとう…では行ってくるよ(モンスターの異常発生か……まさかな)」
頭に1つの可能性が浮かんだが、あり得ないと結論付けて歩き出した。……後にこの可能性が当たっていた事を思い知らされることになる