超次次元ゲイムネプテューヌRe:birth2~黒き魔女の転生記~   作:佐久間 優

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第1話 似て非なる世界

「ん……此処は?」

 

目が覚めるとガラクタが積まれた廃墟とも墓場ともとれるような場所に居た

 

「此処に女神が捕らわれているのか……凄まじい悪意が漂っているな……気を抜いたら狂いそうだ…」

 

女神とはいえ、かなり消耗している筈だ…

 

「さっさと救ってやらねばな……だがその前に……っ!」

 

“ガキィン!”

 

「ち…気付かれた…!」

 

殺気を感じ、愛用の槍を後方に振るう。金属がぶつかり合う音がした後、何者かの舌打ちが聞こえた

 

「やれやれ…いきなり襲われるとはな…」

「コンパ、あいつの気を引くから先に行ってて!」

 

「はいです!あいちゃん、気を付けてくださいです!」

 

ん…?コンパ…あいちゃん?まさか

 

「ちょっと待て、お前達の名前はアイエフにコンパか?」

 

「何で犯罪組織マジェコンヌが私達の名前を知っているの?」

 

別次元での知り合いだと言っても信じないだろうな…というより犯罪組織が私の名前同じとは。何処へ行っても悪役か…まぁ良い、まずは誤解を解くのが先か

 

「そうか、お前達が……私は犯罪組織の者ではない。私は…そうだな”ストレガ“とでも名乗っておこう。お前達と女神を救出してくれとイストワールに依頼された」

 

自分の名前を偽るのは抵抗があったが、本名を名乗るとややこしくなるからな……

 

「協力者…ねぇ。こんな所に一人で?逆に怪しいわね」

 

「疑り深い奴だな…まぁ当たり前か。別に信じなくとも良い…私は勝手にやらせてもらうからな」

 

「ちょ、待ちなさいよ!まだ話は終わって…!」

 

「二人とも、今…声がしませんでしたか!?」

 

「え…?」

 

“う……”

 

耳を澄ますと微かに呻き声が聞こえる。捕らわれている女神だろうか

 

「此方か……待っていろネプテューヌ…」

 

「あ、ちょっと待ちなさいよ!」

 

声の方へと向かうと、そこにはコードが全身に巻き付き、力を奪われた女神達が居た

 

「く…(むご)い事を…はぁっ!」

 

 

女神達を戒めているコードを切り裂こうとするが、見た目以上に硬く刃が通らない

 

「くそっ…!」

 

「う…だ、れ……?」

 

「ネプテューヌ!待っていろ、今助けてやる…!」

 

「だ、め…逃げ、て……」

 

「何……っ!?」

 

悪寒が走り、後方へと飛び退く。巨大な戦斧が地面にめり込んでいた

 

「く…一体何だ…!?」

 

「フハハハ!獲物だ、久々の獲物だぁぁぁ!」

 

暗闇から漆黒の巨人が現れ、私を見つけると狂ったように笑い出す。

 

 

 

「な、なんなのコイツ!?」

 

追い付いてきた二人もその巨人に驚愕する

 

「番人、といった所だろう…お前達、女神を救う手はあるのだろう?」

 

「…有るわ。でもこの状況じゃあ」

 

「ならば此処は私が足止めをする。その隙に女神を救え!」

 

「分かったわ…行くわよ、コンパ!」

 

「はいです!」

 

「何をゴチャゴチャ言っている!さっさと掛かってこい!早く戦わせろぉぉ!!」

 

そう叫びながら、なりふり構わず、戦斧を振り回す。少々骨が折れそうだ…だがやるしかないだろう

 

「焦らずとも私が相手をしてやる」

 

「貴様が相手か!クハハハ!せいぜい俺を楽しませろおぉ!」

 

叫びながら戦斧を振り降ろす巨人。それを回避し槍を突き出し攻撃するも、思い切り弾かれ、後退する

 

「フハハハ!そんなもの痒いだけだぁ!」

 

「ち…見た目通り硬いな…ファイガ!」

 

右手に魔力を集中させ、巨大な炎をぶつける

 

「ぐおぉぉ!?」

 

直撃を受けよろめく巨人。よし効いて…!?

 

「クク…ヒャーッハッハッハッ!そうこなくてはなぁ!!」

 

ダメージを負っているにもかかわらず、笑い出す。く…少々まずいな

 

「く…あいつらはまだか!?」

 

アイエフ達に視線を向けると、漸く1人を助けた所だった

 

「戦いの最中に余所見をするなぁぁぁ!!」

 

“ドゴッ!”

 

「しまっ…がはぁっ!!」

 

怒りの声と共に迫ってくる戦斧をぎりぎりでガードするが、勢いを殺しきれず地面へと思い切り叩き付けられる

 

「終わりか?ならば…死ねぇぇ!!」

 

「させませんっ!」

 

突然、響いた声と共に白い影が私を抱え離脱する。

 

「大丈夫ですか?」

 

「すまない、助かったよ。お前は…ネプギアか?」

 

記憶が正しければネプテューヌの妹の筈だ。

 

「はい…えっと貴女は?」

 

「私はストレガ。お前達を救いに来たが、逆に助けられてしまったな」

 

 

「女神…貴様、逃がさんぞ…!」

 

「ふぅ、しつこい奴だ。病み上がりだがいけるか?」

 

 

「はい!私も一緒に戦います!」

 

強い意思の籠った瞳で巨人を睨み付ける。ふ…流石は妹だ。良く似ている

 

「良い返事だ……だがあやつの装甲はかなり硬い…どう突破する?」

 

「出し惜しみはしません、一気にいきます!マルチプルビームランチャー、オーバドライブ!」

 

 

そう宣言したネプギアはオーラを纏い、巨人へと突撃、それを迎え撃とうと戦斧を振り上げる。

「させるかっ…ブリザガ!」

 

「ぐおっ!?腕が…っ!」

 

「邪魔はさせん、やれネプギア!」

 

「はあぁぁぁ!!全力で斬り抜いて…!全力で撃ち抜きます!」

 

巨人の周りを高速で飛び回り斬撃を連続で浴びせ、距離を取り銃弾を浴びせる。

 

「これで…終わりですっ…いっけぇぇ!」

 

最大出力の極大のビームが巨人を飲み込み大爆発が起きる

 

「はぁ…はぁ…」

「…倒したですか?」

 

「これで倒せてなかったら…絶望的だな………!?」

 

「その程度か……本当にその程度なのかぁぁぁ!」

 

土煙が晴れると、そこにはほぼ無傷の巨人が怒りで荒れ狂っていた。く…本格的に不味いぞ

 

「全く効いてない……く、アイエフ!コンパ!他の女神達はまだなのか!?」

 

「今やってるわよ!だけど全然、目覚める気配が無いのよ!」

 

く…どうする、このままでは……!

 

「そんな…私、また負けちゃうの…?」

 

「気をしっかり保て!諦めるなっ…!」

 

とはいえ…手段など……そうだ!

 

「コンパ!そのクリスタルをネプギアに渡せ!」

 

「ふぇ!?はいです!」

 

「これは…シェアクリスタル…!この力を使えばっ!」

 

「死ねぇぇ!」

 

「お願い、間に合ってぇぇ!!」

 

ネプギアの叫びに呼応するようにクリスタルから眩い光が溢れ出し、辺り一帯を包み込む

 

「ぐあぁぁ!?何だ…この光は…っ。目が!目がぁぁぁ!!」

 

「はぁっ…はぁっ…う……っ」

 

力を使い果たし、女神化が解けネプギアはその場に倒れ込む……潮時だな

 

「コンパ、アイエフ……退くぞ。これ以上此処に留まるのは危険だ」

 

「……分かったわ」

 

一瞬、悔しそうな表情を見せ了承する。私とて悔しいさ…だがもう出来ることは何もない

 

「急げ!奴の動きが封じられているうちに!」

 

気を失ったネプギアを抱え走り出す。それに続いてコンパやアイエフも撤退する

 

 

「貴様等、許さんぞ!目が戻ったらぶっ潰してやる!」

 

 

巨人の叫び声を背に受けながら、その場から離脱した……

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうやら追ってくる様子は無いようね……」

 

「はぁ…ひぃ…もう動けないですぅ……」

 

「…救えたのはこの子だけか。それと」

 

「割れちゃいましたね、シェアクリスタル……」

 

ネプギアの手の中の割れたクリスタルを見てコンパが呟く。

 

「…戻りましょう。ネプギアを休ませなきゃ。それと…」

 

一端、言葉を切り、此方を向く。何を言いたいかはだいたい予想は付く

 

「分かった、私の事も話すとしよう……信じてもらえるか分からぬがな……」

 

「じゃあ戻りましょう。こんな陰気臭いところさっさと出ましょ」

 

アイエフの言葉に頷き私達は墓場を後にした……

 


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