超次次元ゲイムネプテューヌRe:birth2~黒き魔女の転生記~ 作:佐久間 優
プロローグ
「綺麗な…空だな…」
「うん…そう…だね…っ」
隣で私を見守る少女は泣きそうになるのを隠そうとせず、涙目で答える
「お前には…感謝しているぞ…ネプテューヌ、こんな穏やかな最後を迎えられて……」
「やだ…っ、マジェコンヌ…死んじゃやだよっ!もっと一緒に居たいよ!まだまだ教えて欲しい事いっぱいある…っ!」
大粒の涙を拭うのも忘れ、少女…ネプテューヌは叫ぶ。全く…女神とあろうものが情けない
「ネプテューヌ…人はいずれ寿命を迎える…これは抗えぬ事だ…悲しむなとは言わん…こんな私のために悲しんでくれてありがとう……」
「マジェコンヌ……っ」
「ただ…泣き顔ではなく笑顔で送ってくれないか…私が好きなお前の笑顔でな……」
「…こう…かな…?」
涙を拭い、彼女は笑う。太陽のような…私の愛した笑顔で
「あぁ…やはりお前は笑顔が一番似合う。泣き顔よりずっとな……これから先、辛いことや悲しいことがあっても……その笑顔だけは忘れるな……約束出来るか?」
「うん…約束する…私、頑張るから…っ」
「それで…良い……さよならだ、ネプテューヌ……」
その言葉を告げ、私は永遠の眠りに就いた
「……筈なんだが、何処だ?ここは」
気が付くと真っ白な空間に佇んでいた。何故?というか死んだのに意識があるのも可笑しい
「それは…私が呼び寄せたからです」
「お前は……イストワール!?」
紛れもなくそこに居たのは私を支えてくれたイストワールだった…だがどことなく違和感がある
「本当に…イストワールなのか?」
「はい、私は間違いなくイストワールです。ですが貴女が知る私とは少し違います。別次元のイストワールとでも言っておきますね」
そう言ってイストワールは悪戯っぽく笑う。……どうみても私の世界のイストワールにしか見えんが…
「それはそうと…何故、私を呼んだ?何か理由があるのだろう?」
そう尋ねるとイストワールは真剣な表情をして語り始める
「はい…私達の世界を救う手伝いをして欲しいのです!」
「は……?」
「無責任な事を言っているのは承知しています。でも女神達が捕らえられた以上、こうする以外に手立てが無いのです。お願いします!」
「……事情は分かった、だがどうして私なんだ?私は…力に溺れて1度は世界を「滅ぼそうとした…ですよね?」…何故、知っている」
「
「そうなのか…意外と高性能なのだな」
「む…意外は余計です!…コホン、とにかくそんな貴女だからこそ適任だと思ったんです」
1つ咳払いをして彼女は続ける
「貴女なら闇に堕ちそうな人に手を差し伸べて救ってくれると思ったんです」
「…逆に引き込んでしまうかもしれないぞ?」
「それは有り得ません。だって貴女はとても優しい方ですから♪」
「はぁ…全く、お前には敵わんな……良いだろう。その願い引き受ける」
「ありがとうごさいます。そう言ってくれると思っていました」
心底嬉しそうに微笑むイストワール。やれやれ…こいつといい、ネプテューヌといい、もう少し人を疑えと言いたくなるな…まぁ、そこが良いところでもあるのだが
「さて…名残惜しいですが、そろそろ転送しますね?女神救出部隊を向かわせるので、合流して下さい」
「あぁ…分かった」
「では…また彼方の世界で会いましょう!」
そう言うのと同時に私は光に包まれ、意識が途切れた
1度、失った命、再び女神の為に使えるのならば喜んで差し出そう……