騎士王がロキファミリアに入るらしいですよ   作:ポジティブ太郎

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更新遅れてしまいました。すみません(汗)





第六話 アイズとアルトリア

翌日、アルトリアは、ギルド前に佇んでいた。

 

「エイナのところへ行きましょうか。」

以前世話になった、ハーフエルフの受付嬢 エイナの元へ向かう。

 

「こんにちは。本日はどのようなご用件で...あ、アルトリアさん!」

言葉途中で自分のことに気づくエイナ。

 

「お久しぶりです。エイナ。」

とはいっても、まだ数日しか経っていないのだが......

 

「アルトリアさん。ファミリアの件ですが、入団可能なところが見つかり.....」

 

「エイナ。実は、私はもうファミリアに入っているのですが.....」

アルトリアが彼女の言わんとしていることに気が付き、先に事実を伝える。

 

「あ、そうなんですか!ちなみにどのファミリアに入ったのですか?」

エイナが微笑みながら興味あり気に聞く。

 

「【ロキ・ファミリア】です。」

 

「..........ん?」

瞬間、エイナの表情が固まる。

無理もない。まさか彼女の口から都市最大のファミリアの名が出る

とは思ってもいなかったからだ。

 

「も、もう一度言ってもらってもいいかな?」

現実を受けられず、アルトリアに言う。

 

 

アルトリアはロキから貰った団証の存在を思い出し、

それをエイナに見せながら再び答えた。

 

「【ロキ・ファミリア】です。」

 

 

「.....え、えええええーーーーー!!!!」

所属しているファミリアの団証(証拠)を見せつけられたエイナは驚倒する。

そして、その数瞬後、絶叫がギルド全体に響き渡った。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

その後、エイナに入団するまでの成り行きを説明し、

依然、動揺はしていたが納得してくれた。

そして、今ギルドの冒険者登録も無事に済まし、ホームへの帰路についているというわけだ。

 

「小腹も空きましたし、何か食べましょうか。」

アルトリアは、少し物寂しくなった自身の腹を抑えながら呟く。

腹が物寂しいのは、今に限ったことではないのだが.....

 

ここは北のメインストリートの商店街。人々の喧騒やたくさんの店があり

とても活気づいている。

なにか、美味しいものが売っていないか、探しながら歩いていると、

見覚えのある少女を見つけた。

 

金髪に金の瞳を持つ、女神にも見劣りしない美少女。

ロキと初めて、あった日に隣に立っていた少女、アイズだ。

 

「アイズ。何を買おうとしているのです?」

小さな屋台に並んでいるアイズに問いかける。

 

 

「じゃが丸くん、あずきクリーム味。」

感情が希薄な表情で、目だけを輝かせながら応えるアイズ。

 

私もお腹が減っているので食べてみましょうか、と考えるアルトリアだったが......

じゃが丸くんの実物を見た瞬間、即座に考えを改めた。

そう彼女は、ファストフードなどの大雑把な食事を嫌う、すなわちじゃが丸くんも

じゃがいもをただ揚げただけという簡易的な食べ物であると判断した。

また彼女は、腹ペコであり、また美食家(グルメ)あると前々から自他ともに

認められていた。ようは食に関しては厳しいということ....

 

だが、アイズがあまりに美味しそうにじゃが丸くんを食べるので

アルトリアは、少しだけ興味をそそられてきた。

 

「アイズ。そのじゃが丸くんは、そんなに美味しいのですか?

よろしければ一口だけ食べさせていただきたいのですが。」

 

「うん。いい、よ。」

アイズがじゃが丸くんを快く差し出す。

 

 

アルトリアが緊張した面持ちでじゃが丸くんを口にする。

 

「..................」

全身が石化したように固まる。

 

(ジャガイモとあずきクリームが絶望的にあっていません!

味の調和などは微塵もなく、後味は最悪。

こんなにマズい食べ物は久しぶりに食べました。

全くアイズはどのような味覚をしているのでしょうか?)

 

アルトリアは、じゃが丸くんの不味さに衝撃を受け、美味しそうにそれを頬張っている

アイズの味覚を疑う。

 

 

この一件は、彼女の食へのこだわりにさらなる拍車がかかる出来事であった。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

【ロキファミリア】ホーム ロキの私室にアルトリアはいた。

 

「アルトリアたん。冒険者登録終わったんか~?」

 

「はい。つい先程終わりました。」

ファミリア名を言ったら大騒ぎになりましたが、とアルトリア。

 

やっぱり、そうなったか~、と苦笑するロキ。

 

「アルトリアたん。 これでやっとダンジョンに行けるで。

よっしゃ。早速今から行ってみるかー?」

ただし、付き添いに誰か一人は絶対につけること、と付け加えた。

 

ちょうど、その時もう一人の人物が部屋に入ってきた。

先ほどの少女 アイズだ。

 

「ちょうど、ええとこに来たな。突然で悪いんやけどアイズ、

アルトリアのダンジョン探索に付き合ってくれへんか?」

 

「私からもお願いします。 アイズ。」

ロキとアルトリアが二人してアイズに懇願する。

 

「いい、よ」

アイズも新人団員のアルトリアをいつの間にか気に入ったらしく

珍しく付き添いを引き受けた。

 

(なんでだろう?この人、少し、気になる、かな....)

アイズはアルトリア対して、理由は分からないが、興味が尽きない。

そして、妙な胸騒ぎを感じているのであった。

 

 

そう、この後彼女は思い知ることになる。

アルトリアの真の姿、そして、自分の知らない遙かなる高みを........

 




祝30000UA突破!皆様いつも本作を読んでいただきありがとうございます。
引き続き本作をお楽しみいただければ幸いです。


さて次回から、ダンジョンに本格的に潜っていきます!
アルトリアの無双が始まる! 予定ですw




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