騎士王がロキファミリアに入るらしいですよ 作:ポジティブ太郎
忙しさも極まり、まさかの病気に掛かるというダブルショック……(泣)
調子を崩さない程度に更新は続けていきます。
一騒動起こった【怪物祭】も終わり、いつもの日常が訪れた。
――かに思われたが。
「な、なな、なんやこれーーーーーーー!!??」
朝食を食べ終えたアルトリアは、ロキの自室へと足を運んだ。
【ステイタス】を更新してもらうためだ。
普段同様、半裸の状態で寝台にうつ伏せになり、
アルトリア・ペンドラゴン LV.2
力:G 233
耐久:H 185
器用:G 221
敏捷:F 361
魔力:S 999
《魔法》
・無詠唱。
・風の鞘。
・自身の武器に纏うことで武器を透明化、
・風の
《スキル》
【魔力放出】
・任意発動(アクティブトリガー)
・魔力瞬発的放出により自身の身体能力を強化。
・魔力の消費量に応じて、効果増減。
・
【竜の因子】
・魔力限界値。
・魔力自動回復。
・回復量は稀に変化。
・
・一時的に自身と仲間の
・仲間への思いの丈により
――ありえん……!
ロキは、驚愕で顔を歪める。
Lv.2に達した事自体未だに信じられないのだが、この成長の早さ。
いや、それ以前に。
「……アルトリアたん。怪物祭の時、何かあったやろ……?」
ロキは、自身の細めを微かに開け問いただす。
普段見せることのない表情に、驚きながらもアルトリアは事の顛末を話した。
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「なるほどなぁ~、【猛者】が……」
アルトリアは、昨日の出来事を包み隠さずロキに告げた。
ロキは、昨日の
気になる子……と言っていた事もアルトリアの経歴を見れば間違いないだろう。
――フレイヤは、アルトリアを狙っている、と。
「あの色ボケ女神がぁ~、今度会ったらシバいたるわ」
青筋を立て、其の塔に居座っているであろう女神への復讐を誓うロキ。
と、同時にロキはアルトリアの方に向き直る。
「アルトリアたん。一つええか?」
「何ですか?」
「この事は、ウチ以外には話さんでもらえるか?」
「はい、心得ています」
ロキの真意をアルトリアは即座に察した。
以前言われたことだ。都市で目立ちすぎれば他の神々から注目が集まる。
結果、玩具として良いように扱われる。実際、Lv.2に昇格してからここ最近周りからの視線を感じる事が増えた。
【ステイタス】が書き込まれた羊皮紙を受け取り、寝台から降りる。
「アルトリアたん。今日はダンジョンに行くのはやめとき。昨日の疲れが残ってるやろ?」
「……そうですね。今日は休むことにします」
ロキの気遣いに感謝の意を示すアルトリア。
普段、不真面目なだけに少し不気味ではあったが主神の気持ちを蔑ろにすることはできない。
アルトリアはロキの部屋から出る。そして、そのまま自室へと歩みを進めた。
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ロキにホーム待機命令を出されてからというもの、やることも見つからず暇を持て余していた。
ダンジョンに潜らないこの機会に【ファミリア】の仲間達の手伝いをしようと試みたが。
洗濯をしている団員に声を掛ければ、どこか一歩引いたような態度で断られた。
さらに食堂の皿洗いを申し出た時には、コック達が青ざめた顔で断固として認めなかった。
――避けられている? 私、何かしましたっけ??
仲間の態度に少なからずショックを受けざるを得ない。
とにかく、原因があるはず……
ふらふらと【ホーム】の敷地内を歩き回わる。
と、その時。
目の前に男女の二人組が木製のベンチに腰を掛け、楽しそうに話していた。
「あの……少し、よろしいですか?」
『ッッッッッッッ!!??』
先程と同様の反応が返ってくる。
男女共々青白い顔になり、カタカタと震えていた。
多少のショックを受けながらも再び声を掛ける。
「大丈夫です。何もしません。ところで、何でそんなに私を恐れるのですか?」
緊張を解こうと出来る限り優しい口調で語りかける。
恐怖で顔を強張らせていた男女は、互いに顔を見合わせた。
恐る恐ると言った感じで男は静かに口を開いた。
「アルトリアさん……ですよね? あのベートさんを倒した……」
「ベート……?」
話を聞けば先日の酒場で私がベートに殴り掛かったその後、決闘を行いベートが瀕死の状態になって倒れていた。何者かが置き残した
そんな噂話を耳にしたらしい。
正直な話……殆ど覚えていなかった。
酒に酔っていたのか、記憶が曖昧な部分があったのだ。
「ベートとの件に関しては、事実ではないですね。酒に酔った彼にリヴェリアが制裁を加えたとか」
「えっ…………?」
リヴェリアへの強烈な後ろめたさを感じつつも、場を紛らわそと言葉を繋げる。
苦し紛れの嘘に内心焦りながらも、二人の様子を横目で伺う。
「はぁ~なんだ焦った~~~。確かにベートさん酒癖悪いから納得だわ!」
「話が大げさだと思った! もしかして~~って思ったけどアルトリアさんLv.2だよね? ベートさんを倒すのってどう考えても無理じゃん」
強張っていた顔の緊張も解れて、笑顔が浮かんでいた。
単なる噂話だったと安心している。
「私達もLv.2なの。これからはお互い頑張ろ!」
「ええ、冒険者として知らない事ばかりなので色々教えて頂けると助かります」
互いに握手を交わし、二人と別れる。
二人のお陰で事の原因は分かった。
その代わり新たな問題が出来てしまった。
――ベートに会うのが気まずいです……。
先の彼らの話が事実だとすれば、ベートを打ち負かしたのは事実。
だが、一切勝負の内容を覚えていない。
彼に会ったら、どう顔を合わせれば良いのか。
同じ【ファミリア】同士出来るだけ
相反する思いがせめぎ合い、四苦八苦してしまう。
重い足取りで【ホーム】の扉を開けようと………
「「…………あっ」」
声が重なる。
扉の向こう側には………
「テメェは…………!」
――件の
次回、ベートさんデレる。
ご読ありがとうございました!!