騎士王がロキファミリアに入るらしいですよ   作:ポジティブ太郎

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遅くなってすみません。
初詣に行ってお御籤を引いた結果・・・・【凶】
今年の運勢・・・ヤバい。


二十四話 戦いの幕開け

 少年ベルとの別れを済ませたアルトリアは、白亜の巨塔――バベルの近くで一人佇んでいた。

 時刻は昼下がり。同ファミリアの少女――【剣姫】ことアイズ・ヴァレンシュタインとの待ち合わせの為だ。

 午前中は主神ロキとの用があったため祭りを一緒に見れなかったため、午後から見るという事になっていた。

 

 

 祭りの盛り上がりも最高潮になり、熱を纏った大声が都市中に響き渡っていた。

 

 

「アイズ、遅いですね……」

 

 予定時刻を大幅に過ぎてもやって来ない少女を心配するアルトリア。

 これ以上待って来ないようなら、ホームに戻ってみようと考えていた時。

 彼女の元へ駆け足で近づいてくる人物が居た。

 

「はぁはぁ……ア、アルトリアさん!」

「エイナ!? どうしたんです?」

 

 事ある度に世話になっていたギルドの受付嬢エイナが大粒の汗を流しながら、切羽詰まった様子で話しかける。

 

「実は……祭りの催しで見せる筈の【調教テイム】されたモンスターが脱走してしまって……主神ロキとヴァレンシュタイン氏は何処にいるか分かりますか?」

「いえ……二人は今外出しているので分かりませんが」

「っ! そうですか……」

 

 脱走したモンスターの討伐を願おうとしたエイナは、アルトリアの返答に肩を落とす。

 エイナの鬼気迫った様子と状況の深刻さを理解したアルトリアは、エイナに。

 

「エイナ、モンスターの討伐は私に任せてくれませんか?」

「っ駄目です! アルトリアさん、あなたはまだ冒険者になって一ヶ月も経ってな」

「私はLv2です。大丈夫です信じてください」

「……分かりました。ですが、無茶はしないでくださいね。主神ロキとヴァレンシュタイン氏にも見つけ次第伝えておきます」

「はい、お願いします」

 

 再び駆け足で人混みの中へと姿を消すエイナ。

 アルトリアは、心中で少女アイズとの約束破ってしまった事に謝罪の念を抱きながら、モンスターの討伐のために走り出した。

 

 

******************

 

 

「これで三匹目、ですか」

 

 シュナイダーブレードを納刀しながら、呟くアルトリア。

 両断されたモンスターの体が灰へと変貌する。

 エイナに詳細な敵数を聞いてはいなかったが、彼女は正確にモンスターの居所を把握していた。

 彼女の直感と周囲の状況を鑑みた予測なしでは出来ない芸当だ。

 

「次は……この辺りの筈ですが……」

 

 アルトリアが向かった先は、『ダイダロス通り』。

 未だオラリオの地理に疎いアルトリアにとっては、ロキによる話からの知識としてしか知らぬ土地だ。

 迷路の様に入り組んだ複雑構造であるこの通りは、モンスターを探す上で厄介な障壁になる。

 ならばと、アルトリアは地面を蹴り飛ばし大跳躍。建物の屋根へと飛び移った。

 見晴らしの良い場所からの索敵に切り替える。

 これならば複雑構造による障害も意味を為さない。

 

 

 目視で確認しようと試みる。視界には、無機質な建物のみ。

 目で駄目なら耳で。最大限に研ぎ澄まされた聴力を遺憾なく発揮した。

 

『ヴォォォアアアア!!』

 

 前方からモンスターらしき叫び声が聞こえる。

 住民達が襲われている可能性を危惧するアルトリアは、急いで駆けつけようとしたが。

 

 

「止まれ…………」

 

 低く野太い声を投げかけられる。

 声の主のもとへ振り返った途端、瞠目する。

 2M以上はあるであろう巨躯。大木の様に太い腕。頭には獣の耳。

 武人を彷彿とさせる巨漢が立っていた。

 

「あなたは……?」

「助けに行くなら、手出しは無用だ……」

 

 男の言葉にアルトリアは柳眉を逆立てた。

 

「何故!? 住民達が襲われてるかもしれないのに何故助けてはいけない! あなたも冒険者なら助けるのが筋でしょうに!?」

「そうだ。冒険者だからだ」

 

 男は表情一つ変えずに話を続ける。

 

「男が『冒険』をしている。あの方の寵愛に答えるために…… そして、今俺がここにいるのは、貴様と剣を交える為だ」

「っ! 分かりました。貴方を退けて私はここを通ります」

「見せてみろ! お前の実力を! あの方に相応しいか見極めさせてもらうぞ」

 

 接近する両者。甲高い金属音とともに鍔迫り合いの状態で鬩せめぎあう両者。

 

 

 都市の片隅で熾烈な戦いの幕が切って落とされた。

 

 

 

 




またもや、新たな人物が。
一体何オッ○ルなんだ!?

ご読ありがとうございました!

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