騎士王がロキファミリアに入るらしいですよ   作:ポジティブ太郎

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今作が初作品ということで多少苦労はしましたが無事書き終えることができました!
ついにあの変態女神が登場します!




第一話 変態女神とアルトリア

「ここがギルドですか」

 

聞いた話によると、ここギルドでは、冒険者達は倒したモンスターから

得られる魔石を持って行くことで換金してもらうことができ、それが

彼らのダンジョンにおける稼ぎになるらしい。

しかし、私の目的は入団可能なファミリアを紹介してもらうことだ。

このまま無一文でいるわけにはいきませんので.....

 

 

「あのー、すみません。」

私は一人の受付嬢に声をかける。

 

「はい、本日はどのようなご用件でしょうか」

茶色の髪に、緑玉色(エメラルド)の瞳と眼鏡の女性。

少し耳が尖っていることからエルフの血を引いていことが伺える。

 

 

「どこか入団可能なファミリアがあれば紹介して欲しいのですが。」

と簡潔に用件を述べる。

 

 

「入団したいファミリアの種類は何ですか?」

 

ファミリアの中でも冒険者系が最も多く、

商業系、製作系、医療系などの数多くのファミリアが存在するという。

無論、私は冒険者系のファミリアに入団したい。

私の世界には存在していなかった、モンスターという未知の存在。

冒険者になって、是非手合わせしたいですね....

それにダンジョンに潜れば私がこの世界に来た理由が分かる気がする。

まぁ、直感ですが...

 

 

「冒険系のファミリアを希望します。」

期待に満ちた声で応えたのだが.......

 

「申し訳ありません、入団可能な冒険系のファミリアはございません」

 

彼女の期待は即座に裏切られた。

 

(まさか、どこのファミリアにも入れないなんて...)

絶望に打ちひしがれるアルトリアであったが、

 

「よ、よろしければ今後入団可能な冒険系のファミリアが見つかり次第

 ご紹介いたしましょうか?」

 

ガックリと気を落とした彼女を不憫に思ったのか、受付嬢が

助け舟を出した。

 

「はい、お願いします。」

 

 

「では、お名前をお聞かせ願えますか。」

 

 

「アルトリア・ペンドラゴンです。」

気を取り直し、名前を告げる。

 

「エイナ・チュールです。以後お見知り置きを。」

 

 

ギルドに来た当初の目的は果たせなかったが、アルトリアのギルドを

出て行く足取りは思いのほか重くはなかった。

 

 

(エイナや私にこの世界の情報を教えてくれた方々はみんな親切な人達ば

かりでした。お腹が減って死にそうですが、もう少しがんばってみましょうか!)

 

この世界の人々の優しさを思い返し、機嫌が良くなるアルトリア。

しかし、彼女はまだ知らない。この後、自分に降りかかる災難を。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

アルトリアは北のメインストリートにある商店街で道行く人々に入団可能な

ファミリアを知っているか尋ねるが依然として有力な手がかりは掴めずに

いた。

 

(あぅー、これ以上の空腹は本当にマズいです。空腹は敵といいますが

 強敵すぎやしませんか! 士郎、お腹が空きました。)

 

 

 

とてつもない空腹に見舞われる腹ペコ王。

その刹那、

 

 

「!?」

突如として自分に対して強い視線が向けられる。

視線が向けられた方向に振り返るとそこには.....

 

 

「金髪美少女マジ萌えーーーーー!!」と叫びながら、こちらに熱い視線を注いでくる

緋色の髪に、特徴的な糸目の女性がいた。

 

(な、何なんですかこの人!)

アルトリアは動揺を隠せない。

 

「動揺してる姿もマジ萌えーーー!!

 お持ち帰りしたいわぁーー」

などと続けざまに変態発言を繰り出す。

 

次第に、アルトリアの動揺は怒りへと変わっていく....

(騎士であり王たる私がここまで侮辱されたのは初めてです。

許されるのなら、【約束された勝利の剣】(エクスカリバー)で真っ二つなのですが!)

 

無論こんなところで『宝具』を使えるわけがない。彼女は侮辱された怒りと空腹のイライラを爆発させる。

 

 

「何なんですかあなた、変態ですか!」

アルトリア怒りの咆哮。

 

「変態か、傷つくわー。アイズたん、慰めてほしいわー」

アイズと呼ばれた少女は、金髮に金の瞳を持つ美少女だが、

女性の発言については一切無視である。

私は、彼女も大変な思いをしているのだろうと察する。

 

「悪かったわー、そんなに怒らんでや~、うちは【ロキ・ファミリア】の

主神ロキや。自分名前はなんていうん?」

 

先程まで変態発言しまっくていた女性が『神』であったことに衝撃を

受けるアルトリア。

 

(彼女が神?そんなバカな、私の知っている神はもっと神聖なもの

だったはず....)

私の知っている神という存在は跡形もなく消え去った。

否、 死んだ。

 

「.........アルトリア・ペンドラゴンです。」

渋々名前を告げる。

 

「アルトリアたんかー かわいい名前やなぁー。」

 

(たん、は余分です!)

アルトリアは心の中でロキにツッコむ。

 

「ところで、アルトリアたん。今からうちのファミリアの本拠(ホーム)に来んかー」

ロキの誘いに対して、アルトリアは.....

 

「いえ、結構です」

はっきりと断った。今は、入団可能なファミリアを探すことと、

空腹を何とかしなければならない。もう時刻は昼過ぎだ。

変態(ロキ)に付き合っている暇などありま....

 

「あー、残念やなー ホームに来ればメッチャ美味しいご馳走

 た~くさんあったんやけどなー」

とわざとらしく呟くロキ。

 

「行きましょうか!」

ご馳走という言葉に見事に釣られる腹ペコ王。

ファミリア探しなどそっちのけである.....

 

 

(アルトリアたん、お持ち帰り大成功やーーーー!!!)

ロキが心のなかで勝利の雄叫びを上げる。

 

 

こうして、ロキ、アイズ、アルトリアの3人は【ロキ・ファミリア】本拠(ホーム)

『黄昏の館』への帰路につくのであった。




次話の投稿が少し遅れるかもしれません。申し訳ない...
この調子で盛り上げていくのでよろしくお願いします!
そして、読者の方々、たくさんの感想ありがとうございます。

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