ACE COMBAT Skies Rewritten   作:遠い空

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お詫び

前回のあとがきで、次も傭兵サイドにすると言ってましたが、ストーリーの時系列的にクローバーサイドにした方がいいと判断し、今回はクローバーサイドにしました。
傭兵サイドを期待していた方には申し訳ありません。
流れ的には次回を傭兵サイドにしようと考えています。
今回はクローバーサイドをお楽しみください。


2-2.反撃作戦編
シーサーペント作戦『反撃』(クローバーサイドmission1)


[1995年4月1日0946時/サンダース空軍基地/作戦会議室]

 

 

 

 

 オーシア・ユークトバニア・ベルカ東方諸国の決議のもと、ついに反撃作戦が幕を開けた。

 突然の宣戦布告で混乱していた各国軍隊は落ち着きを戻し、万全の体制で戦闘に臨んだ。

 空陸共にベルカ軍に反撃をし、残念ながら全滅した部隊もいれば、占領地奪還に成功した部隊もいた。

 そして、オーシア首都オーレッド郊外のサンダース空軍基地に駐屯するクローバー隊も反撃作戦に参加ことになった。

 

 

「それでは、これからブリーフィングを始める。この作戦はベルカに対する反撃作戦であり、占領地奪還作戦でもある。よく話を聞き、作戦に臨んでほしい。」

 プロジェクターからブリーフィングマップ映し出された。ブリーフィングOSはオーシアの軍事企業サウスロップ・グランダー社が開発したものである。この企業はのちに南ベルカ国営兵器産業廠を買い取って、ノースオーシア・グランダーIGとなる。

「諸君の任務は、オーシア第3艦隊の援護及びベルカ艦隊の殲滅だ。このベルカ艦隊は占領地付近のオーレッド湾に停泊しており、艦対地攻撃により、オーシア地上部隊に影響が出ている。」

 オーレッド湾北西部が拡大され、ベルカ艦隊のアイコンが表示される。そこにオーシア第3艦隊のアイコンと護衛戦闘機のアイコンが表示される。

「第3艦隊も攻撃に参加する。この作戦が達成されたら、第3艦隊は味方地上部隊に援護を開始する。その任務も完了すれば、フトゥーロ運河に侵攻する。第3艦隊のフトゥーロ運河侵攻の流れは戦況にもよるから、そこに至るまで一ヶ月近くはかかると推測する。それまで、諸君には一ヶ月近く第3艦隊の援護に付き合ってもらう。」

 ベルカ艦隊にバツ印が付き、第3艦隊の援護エフェクトで地上部隊を支援し、占領地の赤色がオーシア領の青色になる。あらかた青色になったところで、第3艦隊はフトゥーロ運河に向かっていく。

「クローバー隊諸君は第3艦隊を援護し、ベルカ艦隊を殲滅せよ。作戦時刻は1100時だ。今回の任務はフトゥーロ運河侵攻作戦の第一段階だ。この作戦の成否で今後の作戦に大きな影響が出る。作戦名はシーサーペントだ、以上。」

 ブリーフィングが終わり、クローバー隊は作戦会議室を出て更衣室へ向かった。

 

 

 

 

[1995年4月1日0953時/サンダース空軍基地/更衣室]

 

 

 

 

「今日の任務は対空攻撃と対艦攻撃の両方だな。空に2機、海に2機でいく。俺は空で行くぞ。」

 クローバー隊隊長のハワード大尉はパイロットスーツに着替えながら指示を出した。

「俺は空で行くぜ!空戦は得意分野だ!」

 クローバー隊4番機、マナブ・ヒロセ大尉は名乗り出た。

「それじゃあ、俺は海で行くぜ!」

 クローバー隊2番機、シロウ・バーネット大尉は艦隊戦に名乗り出た。

「そうなっと、俺は自動的に海になっちまうな。まぁ、どっちでもかまわねぇ。」

 クローバー隊3番機、レオン・ヤマグチ大尉の任務は自動的に海になった。

「ベルカとの初の戦いだ。戦闘機の性能もパイロットの技量も上だ。しかも、ベルカ騎士団に感化されてる連中が多い。そう簡単には引かないだろう。もしケツを取られて、振り切れない、反撃が難しいと判断したらベイルアウトしろ。自分の命が優先だ。」

 ハワード大尉はベルカの戦闘機隊には敵わないと判断し、自分の命を優先するよう命令した。

「空戦に自信はあるぜ!ベルカ騎士団がなんだ、俺がやってやるぜ!」

 ヒロセ大尉はやる気満々である。

「ヒロセ大尉、ベルカ戦闘機隊を侮るなよ。死んだら元も子もないんだから。」

 ハワード大尉が注意する。

「まっ、手っ取り早く艦隊を壊滅させれば奴らも撤退するはずだ。味方艦隊や他の戦闘機隊も協力するからよ、損害が出ないうちに終わらせよう。」

 バーネット大尉はヤマグチ大尉に言った。

「そうだな。いくらベルカの艦隊とはいえ、対艦ミサイル積んだ戦闘機の攻撃にゃ無力だ。お互い楽するためにもちゃっちゃと片付けよう。」

 着替えが終わり、ヘルメットを持って4人は格納庫へ向かった。

 

 

 

 

[1995年4月1日1058時/オーレッド湾北西部5000ft上空]

 

 

 

 

 空にはクローバー隊のF-2Aの他に、3部隊ほどの戦闘機隊が参加していた。

 海にはオーシア第3艦隊が空母ケストレルを旗艦とし集結していた。駆逐艦が5隻、フリーゲート艦4隻、イージス艦フューチャーで編成されている。

 空母ケストレルは公試運転中であるが、戦力不足を補うため止むを得ず実戦投入した。実はまだ公式には就役してないのである。

《こちら空母ケストレル艦長のウィーカーだ。戦闘機隊諸君、航空支援をよろしく頼む。》

 ケストレル艦長、ダグラス・ウィーカー艦長の無線が入る。

《こちらイージス艦フューチャー艦長のウメタだ。航空支援に来てくれた戦闘機隊に先に感謝の意を述べる。艦隊の盾として、我々も奮戦する所存だ。全艦隊へ、戦闘機隊に負けず戦うぞ!》

 フューチャー艦長のコウジ・ウメタ艦長から士気を上げる無線が入る。

「やれやれ、海軍は好戦的だな。」

 ハワード大尉は半分呆れていた。

 

 

 

 

[1995年4月1日1101時/オーレッド湾北西部5000ft上空]

 

 

 

 

《こちら空中管制機ストラタス。レーダーにベルカ艦隊及び戦闘機隊を補足した。全機交戦を許可する。第3艦隊を援護しつつベルカ艦隊を壊滅せよ。》

 ヨネダ管制官の指示が流れる。

「了解した。作戦通り、俺とクローバー4は空に、クローバー2、3は海を頼む。特にクローバー4、自信満々だったが油断するなよ。クローバー1、交戦。」

「クローバー2了解。行くぞクローバー3。クローバー2、交戦。」

「クローバー3、交戦。対艦ミサイルをお見舞いしてやるぜ!」

「クローバー4、交戦。ベルカ騎士団とほざいてる奴らなんざ大したことねぇよ!空は任せな!」

 クローバー隊及び他の戦闘機隊が分散する。

 クローバー4の正面に対艦ミサイルを装備したベルカのSu-37が接近する。

 クローバー4はミサイルを撃つが、Su-37はひらりとかわし背後をとる。

「なんだよ!あの機動は!?」

 Su-37はミサイルを撃つが、クローバー4はフレアをばら撒きミサイルを回避し、急旋回をする。

 途中で兵装をQAAMに変更し背後をとろうとするも、機動性とパイロットセンスの差でなかなか背後を取れない。

「よし…一か八か…!」

 クローバー4はF-2Aを急減速させる。クローバー4はオーバーシュートを狙おうとしていた。

 しかし、Su-37のパイロットには動きを読まれていた。

「馬鹿な奴だな!動きがわかるんだよ!」

 Su-37はクルビットをし、オーバーシュートを回避する。

「ちくしょう!読まれてたか!」

 その時、背後からクローバー1が現れ、Su-37に向けミサイルを発射した。

「しまった!?奴に気を取られていた!クソッ、イジェクト!」

 間一髪、Su-37のパイロットはベイルアウトした。その後Su-37は木っ端微塵になる。

「助かったぜ、クローバー1!」

「無茶するなよクローバー4。たまたま俺が近くにいたから良かったが、助けがなければ死んでたぞ!ベルカの戦闘機隊を侮るなと言っただろう!」

「悪かったな、クローバー1。」

 クローバー4は少し不機嫌になる。

「ベルカの戦闘機隊の強さがわかっただろう。機体性能でもパイロットセンスでも敵わん。単機で相手はしないことだな。2機で1機を仕留めよう。」

「クローバー4、了解。」

 

 

 その頃、海ではすでにオーシア第3艦隊とベルカ艦隊の戦闘が始まっていた。

「クローバー2、対艦ミサイル発射!」

「クローバー3、対艦ミサイル発射!」

 2機のF-2Aから対艦ミサイルが発射される。対艦ミサイルは見事ベルカの駆逐艦とイージス艦に被弾した。

「空の方は苦戦してるようだが、艦隊は思ったより強くないな。海に恵まれない国だからか?」

「クローバー2よりクローバー3へ、確かにそうだな。だが、これは好機ととらせてもらおう。さっさと片付けて、空の方を楽にさせないとな。」

 クローバー2、3は再び対艦ミサイルを発射した。

 

 

 

 

[1995年4月1日1107時/オーレッド湾北西部/イージス艦フューチャー/CIC]

 

 

 

 

 一方、イージス艦フューチャーでもベルカ艦隊の強さに疑問を抱いていた。

「ウメタ艦長、私の思っていたよりベルカ艦隊が弱いです。あのまま上手くいけば壊滅は時間の問題かと思います。逆に護衛の戦闘機隊が無線で聞くところ、かなり苦戦しているようです。」

 マサヒロ・キクタニ三等海佐はウメタ艦長に現状を報告する。

「うむ、ならば戦闘機隊をシースパローで援護しよう。こちらからも恩返しをしないとな。」

 ウメタ艦長は戦闘機隊を援護するよう指示を出した。

 

 

 イージス艦フューチャーからシースパローが発射され、ベルカの護衛機F-15S/MTDを撃墜した。さらに他の船舶からも艦対空ミサイルが発射され、Su-37、F-16XL、MiG-1.44が撃墜された。

《クローバー1より全艦隊へ、ミサイルによる援護感謝する!》

 上空のクローバー1から無線が入る。

「なに、気にすることでない。航空支援のおかげでもう少しでベルカ艦隊は壊滅する。こちらこそ、援護に感謝する。」

 お互いお礼返しをした。

「SPYレーダーよりベルカ艦隊の全滅を確認。やりましたね、艦長。」

 やりとりしている内にベルカ艦隊は壊滅し、ベルカ戦闘機隊は撤退していった。

 史実通り、この作戦は成功した。

 

 

 史実ではシーサーペント作戦以後、4月12日のシードラゴン作戦、4月17日のシーホース作戦を挟み、4月24日にフトゥーロ運河に無事到着する。ちょうどこの時にオーシア・ユークトバニア・ベルカ東方諸国は『連合軍』と正式命名し、『戦域攻勢作戦計画4101号』を実行する。

 しかし、その間に損害は出てしまう。戦闘機隊はクローバー隊は全機健在だが、他の部隊の半数はやられてしまう。第3艦隊の被害はベルカの戦闘機隊の攻撃でイージス艦フューチャーがやられてしまう。

 

 

 果たして、第3艦隊の運命は史実通りに進むのか?

 

 

 それとも別の未来を辿るのか?

 

 

 戦争はまだ始まったばかりである。




最後まで読んいただき、ありがとうございます。
そろそろ1995年の人物がまとまってきたので、新しく用語集を作ろうと思います。
用語集の投稿はまだ書留をしてないので未定ですが、これからもよろしくお願いします。

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