Fate/argento sister   作:金髪大好き野郎

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気づいたらもう四日も経ってたぜ・・・遅くなってゴメンネ(・ω・)

さて今回は聖杯問答の影で何が起こっていたのかという補足回です。あと次話で二日目は終わります(たぶん)。

そして明日は水着ガチャ最終日・・・・さぁ、決戦に向かおうか(諭吉片手に)。しかしその後に獅子上ピックアップがががが・・・・!!!教えてくれ、読者!私はあと何回ガチャればいい!?(血涙

追記
一部描写を修正しました。


第二十話・原初と錬鉄

 コツン、コツン。そんな足音が天然の鍾乳洞の中に木霊する。

 

 光も殆どささない暗闇の中、明りも無しにこんな真っ暗な空間を歩いている影が二つ。

 片方は闇と同じく漆黒の黒髪を揺らす青年。体格はしっかりしているがまだ顔つきが幼く、何処か中性的な風体だ。もう片方は真鍮色の髪をオールバックにまとめ上げた刃物の様に鋭い視線を周囲に振りまく男性。

 

 親子と呼ぶには少々年が近そうだし、親戚と呼ぶには余りにも外見的特徴の類似が皆無。

 そんな二人の関係と言えは、教師と生徒。そこまで親しい間柄でもない彼らが、どうして共に鍾乳洞になど来ているかと言えば少々説明が必要になる。

 

 聖杯戦争。優勝景品である聖杯――――アインツベルンが作り出した聖杯の器、『小聖杯』について少々語ろう。

 

 まず今回の聖杯戦争における『小聖杯』は無機物では無く、この聖杯戦争に参加している衛宮切嗣が妻、アイリスフィール・フォン・アインツベルンそのもの。そして、『小聖杯』は内包した魂を解放することで出来上がる孔――――『根源』へと繋がる極大の孔を創り上げ、それを暫く留める役割を持つ。

 そうすることで完成するのが冬木の聖杯戦争に置ける根源到達の儀式。七つのサーヴァントの魂を一気に解放することで根源へと至ろうとする大儀式の正体だ。

 

 誤解してならないのは小聖杯は飽くまで魂の保存と解放の役割を持つ小道具に過ぎないことだ。それ自体に願いを叶える機能が付属しているとはいえ、結局のところ小聖杯単体ではサーヴァントの召喚や令呪の配布は不可能だ。

 

 ではその不可能なシステムを実現している要素は何か。答えは、小聖杯の他にある聖杯戦争の基盤となる代物。円蔵山の内部に擁する大空洞『龍洞』に敷設された魔法陣で、冬木の土地を聖杯降霊に適した霊地に整えていく機能を持つ超級の魔術炉心――――『大聖杯』。

 

 冬木の霊脈を涸らさないように六十年という時間を掛けてマナを吸い上げ、七騎のサーヴァントを召喚するのに充分な魔力を蓄え、聖杯降霊の時期が近づくと『聖杯の意思』によってマスターに相応しい人物に令呪を授け、聖杯戦争という儀式を開始する、冬木の聖杯戦争にとって無くてはならない心臓部にして中核。

 これさえあれば例え小聖杯が破壊されようとも、何度でも聖杯戦争を行うことができると言えばその重要性が理解できるだろう。逆に言えば、これが無ければ聖杯戦争は二度と出来ないという事なのだから。

 

 そんな冬木の大聖杯だが――――この第四次聖杯戦争の一つ前の聖杯戦争、第三次聖杯戦争にて召喚されたエクストラクラスのサーヴァント、アヴェンジャー、『この世全ての悪(アンリマユ)』が溶け込んだことにより、聖杯そのものが汚染されているという非常事態にあった。

 

 人類悪の無意識部分による汚染。元々無色だった聖杯の魔力は瞬く間に黒く汚染され、今となってはどんな願いをも『悪い形』で叶えるという最高最悪の願望機となり果てている。

 

 今回二人がこの鍾乳洞、円蔵山の大空洞『龍洞』に居るのはその真偽を確かめるため。もしこれが真実ならば、否応なく聖杯戦争は中断せざるを得ない。どんな願いも人類を害する形で願われる願望機。そんな物が人の手に渡ればどうなるかなど、想像もしたくないだろう。

 故に『調査』。正直に言えば破壊する方が手っ取り早いが、証拠が無い以上下手に動くことはできない。一歩間違えれば御三家――――マキリはもう潰れているが――――に血眼で終われる可能性があるのだ。慎重に動かねばなるまい。

 

「――――そう言えば、ケイネス先生」

「何だね?」

 

 しかしずっと互いに無言の状態が続いていれば精神的にキツイ物がある。青年――――ヨシュアは暗視の魔術で周囲に障害物が無いか確認しながら、隣のケイネスに気分転換のつもりで話題を振りかけた。

 

「その、ソフィアリさんは元気か? この冬木に連れてきたらしいが」

「ソラウか。うむ、実に健康だ。やることが無いと愚痴を呟いてはいるがね。安全のために、幾重にも魔術障壁や罠を張った魔術工房の中で待機させている。これで私も安心して聖杯戦争に臨むことができるというわけだ」

「……そんなに大切に思うなら、どうして連れてきたんだ?」

「…………そうだな。生徒に過ぎんお前に言っても仕方のない事だが、よろしい。特別に教えよう」

 

 いつも通りの貴族的な態度のまま、少しだけ自慢気な顔を浮かばせたケイネスは機嫌よく説明を始めた。それが敵陣営に情報を漏らしていると知っているのか、それともわざとか。魔術師としては一流だが、戦士としては二流なケイネスなので仕方ないかもしれないが。

 

「私と共に冬木に到来したソラウは変則契約により、マスターで無いにも関わらずランサーへの魔力供給を可能としている。要するに私への負担を分割しているという事だな。故に今の私はサーヴァントへの魔力供給を極力気にせず、全力での魔術行使を可能としている。これは紛れも無くマスター同士での戦いにおける巨大なアドバンテージになるだろう」

「なるほど。だから安全圏に避難させて、重要な供給源を失わせない様にしてるって事か」

「その通りだ。……連れてきた理由は、それだけではないがな」

「は?」

 

 急に顔を赤らめるケイネスに、ヨシュアは顔を引きつらせながら疑問の声を上げた。

 一体どこに恥ずかしがる所があったのか――――そう思っていると、答えはケイネスの口から出でくる。

 

「――――ソラウに、私の『男らしさ』を見せてやりたくてな」

「…………は?」

「知っての通り、アーチボルト家当主である私とソフィアリ家の息女であるソラウが婚約すれば貴族派閥の団結はより強固になる。だからこそ(・・・・・)、ソラウは自分を道具としか見ていない。生まれた時から自身の兄の『予備』としてしか見られなかった彼女は、『人を愛する』という感情を失っていたのだ」

 

 悲しむような口調で、ケイネスは自身の中の葛藤を吐露する。

 

 婚約者から愛されないという悩み――――単純なようで複雑な問題のそれは、流石のロード・エルメロイでも簡単には解決できない。いくら魔術師でも、魔術を使わず人の心を動かすのは困難を極める。

 

 そこでケイネスが選んだのは『己を武勇を見せつけ、片思いの女性の心を動かす』という方法。魔術師らしからぬ考えだが、大規模な魔術儀式であり武勇を飾ることもできる此度の聖杯戦争を見つけた。魔術儀式であるなら魔術師として参加して当然。

 これを良い機会と思ったのだろうケイネスは、恋人片手に遥々極東の島国にまでやってきた。

 

 それを知ったヨシュアは、心の中で一言呟く。

 

(…………アンタ、不器用すぎだろ)

 

 勿論心の中での呟きなので、ケイネスにそれが伝わることは無かったとさ。

 

「だからこそ私はソラウに熱情を取り戻させる。魔術師では無い、人としての私を愛す『人』に戻す! きっとソラウも、この聖杯戦争で起こるであろう『エルメロイ伝説』を見れば胸を打たれ歓喜することだろう。そして聖杯片手に時計塔へと凱旋! これで我が栄光の未来は確約されたと言ってもいいだろう。実に完璧な布陣だとは思わんかね? ヨシュア君」

「あー、そうですねー……。まぁ、頑張ってください」

「無論だ。このエルメロイ、一度たりとも挑戦に手を抜いたことなど無い」

 

 エルメロイ伝説って何だよと内心突っ込みながら、ヨシュアは苦笑を浮かべて前へと振り向く。

 

 まず目に入ってきたのは天然とは思えないほど広大な空間。そしてその場に広がる深いクレーターだった。だがただのクレーターでは無い。明らかに、それよりもっと異質で歪な物だった。

 

「――――なんだ、アレは」

 

 ケイネスはそう呟きを漏らす。

 眼下に広がるは、黄金色の女性像の集合体。人間の様でいて、何かが確実に異なった彫像群がクレーターの中にこびりつく様に、生える様にそこに存在していた。ヨシュアもケイネスも、それが『魔術回路』であると気づくのに数十秒の時間を要してしまう。

 

 一般人からしてみれば気持ち悪い悪趣味な彫像に見えるだろう。だが魔術師から見れば、それは奇跡の産物に相違なかった。第三魔法を利用した超規模魔術礼装。人の手で『万能』を実現した人の手に余る聖なる杯の模倣品。

 これぞ『大聖杯』。御三家が誇る、紛れも無く現代で他の追随を許さないであろう至上の産物である。

 

「これが聖杯戦争の中核部分だと……? ハッ、アインツベルンも大した代物を作るではないか……! 柄にも無く魔術師としての腕が疼き出す!」

「……ケイネス先生、アンタは何か感じないか?」

「何だと? もし見た目がどうという感想なら特に浮かばなかったが――――」

「違う。違うんだよ。だっておかしいだろ? 前回の聖杯戦争でこの大聖杯とやらが『この世全ての悪(アンリマユ)』に汚染されているとしたら、多少なり違和感を感じるはず。なのにどうして――――俺たちは何も感じない(・・・・・・・・・・)?」

 

 それを言われて、ケイネスは顎に手を当て考え込む。

 本当に聖杯が汚染されている状態であれば少々の違和感を感じるはず。しかし目の前に広がる大聖杯を見ても自分たちは何も感じない。まさに『無色』という印象だ。つまり――――

 

「聖杯は、そもそも汚染されていないのではないか?」

「…………そうかも、しれないが」

「そもそも聖杯が汚染されているという情報は何処から仕入れたのだ? まさか確証も無しに動いたわけでは無いだろう。例えば、その情報源が虚偽であった可能性が――――」

「――――ケイネス先生。どうやら先客が居たようだ」

「……何?」

 

 そっと指先を大聖杯の縁に触れさせたヨシュアは、一気に顔色を青くしながらそう呟いた。

 まさか―――――ヨシュアはある推測を立て始める。しかしその推測が正しければ、実に不味い。不味いことになる。だからこそ無意識に声が震えていた。

 

「魔力の残滓が残っている。かなりの大規模な術式だ。……しかも、ごく最近に行われた痕がある」

「? 何ら可笑しいことでは無いだろう。御三家が大聖杯を調整しただけではないのか」

「……霊脈も大源(マナ)も用いらない、魔力源が儀式を行う本人の魔術回路限定の『大聖杯改造術式』だとしてもか?」

「何――――?」

 

 ヨシュアの言葉にケイネスが頬を引き攣らせる。

 今彼の発言を要約すれば、たった一人で霊脈含む何のバックアップも得てない状態で希代の魔術師でも生み出せるかどうかわからない超級の魔術礼装を改造した――――そう言っているのだ。勿論、ケイネスから言わせてもらえばそれは『あり得ない』と断言できた。何の助けも得ずにこんな代物を『改造』するなど、自信家であるケイネスでも首を横に振る案件なのだ。

 しかしヨシュアが冗談を言っている様子は見られない。それはつまり、自分たちより遥か格上の相手が存在しているという事であり――――

 

 

「――――第三者の手で、すでに聖杯は浄化されていた…………?」

 

 

 様々な情報を使い、ヨシュアはその結論に至る。そしてそれは、見事に的を射た答えであった。

 すでに聖杯は浄化されている。証拠に汚染された聖杯では召喚不可能なルーラーがこの冬木に参上しているのだ。ルーラーの存在をアルフェリアは「聖杯の誤作動」と勘違いしていたが、実際は大いに違う。聖杯は正常に稼働していた。

 

 だが聖杯が独りでに浄化されるなどあり得ない。必ず第三者の存在が必要となる。

 そしてその第三者は何者か――――そう推理し始めようとしたヨシュアだが、視界の端で黒く光るナニカを彼の目が捉えた。

 

 飛来してきたのは古びた黒い槍。

 博物館に出も飾られているような、さび付いた黒い槍だった。しかしその槍が纏っていたのは紛れも無く宝具級の神秘。ただの人間である以上、貫かれれば与えられるのは確定的な死。

 

 咄嗟に避けようとしたヨシュアだが、槍は異常なほど早い。音もなく襲来したのにもかかわらずその速度は音速に達している。身体強化を施すにももう遅い。

 

「しまっ――――」

 

 ヨシュアは到来するであろう激痛を予想し、反射的に目を瞑って――――

 

 

 

Fervor,mei Sanguis(沸き立て、我が血潮)――――Scalp()!!!」

 

 

 

 術式起動の呪言と攻撃指示の指令が紡がれる。

 繰り出されるは重金属たる水銀が高圧により高速駆動し、衝突の瞬間に鋭利な刃へと変化して放たれる一撃。鞭のように撓りながら、銀色の液体はヨシュアの眼前まで迫った黒槍を横から弾き飛ばす。

 

「ッ――――これは」

「『月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)』。私が作り出した魔術礼装の中でも切り札に近い代物だ。先程の一撃はダイアモンド程度ならば軽く切断できるほどの威力を誇っているのだが……おかしいことに『弾き飛ばした』だけに終わってしまった。これはどう言う事か――――説明していただこうじゃないか、そこでコソコソ隠れている鼠め」

 

 ケイネスが暗闇の広がる空間に視線を向けた。そこには何もないはずなのに、微かに空間が揺れて(・・・)いる。恐らく何らかの隠蔽魔術を使用した隠れ身の一種なのだろう。

 

 そして数秒後、揺れていた空間が少しずつ晴れていく。

 

 現れたのは白髪の大男。生気のない白髪を微風に揺らしながら、分厚い黒のロングコートに身を包んだ男は光の無い紅い双眸でヨシュアとケイネスを見つめる。

 見えたのは不気味なほどの虚無。感情という物がまるで感じられない瞳にヨシュアは危機感を覚え、己の武器を保管してある腰のポーチに無意識に内に手を伸ばした。にもかかわらずケイネスは『月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)』を元の形に戻しながら、浮かべた微笑を崩さない。

 

 一体どうしたら得体の知れない人物の前でそんな態度で居られるのだろうかと、ヨシュアは若干呆れ混じりの苦笑を浮かべる。何にせよ頼もしいことには違いない。

 

「見たところ魔術師の様だが、我が右手に存在する令呪が反応しない以上聖杯戦争の参加者ではないな。貴様、何者だ?」

「――――貴様に語る名は無い」

「ほう。それは私が時計塔の『君主(ロード)』だとしてもか?」

「私からすれば、皆同じだ。等しく価値はなく、等しく愚か。故に愚者よ、此処で果てるがいい」

「ハッ、他者の価値を理解出来ない愚か者風情が――――Automatoportum defensio:(自律防御:)Automatoportum quaerere:(自動索敵:)Dilectus incrisio(指定攻撃)―――往け!」

 

 ケイネスが低い声で唱えるごとに、彼の隣に存在する水銀の塊は応答するかの様にザワザワと表面を震わせた。それは初期設定。先程は緊急時であり命令だけで動かす形となってしまったが、この『月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)』の強みは自動で索敵と防御を行える事。これによりケイネスは拳銃弾程度なら容易に防げる壁を得たことになる。

 何より水銀は液体。それは言うなればいかなる形であろうとも真似ることができるという事であり――――ケイネスは先程槍を弾いた様に水銀へと命令を下した。

 

Scalp()!!」

 

 圧力により変形した水銀の刃が遠心力を乗せた一撃を白髪の男へと放つ。その薄さは極限まで薄くした剃刀の刃のように。水銀という高密度液体を武器へと応用し、繰り出す攻撃はレーザーを上回る超高圧水流カッターと同等。例え魔術で身体強化していようが、余程の腕を誇らない限り致命傷は避けられない。

 素手の状態で無防備な白髪の男に防げる術などあるわけも無く――――

 

 

「【命ずる、弾けよ】」

 

 

 だがその一撃は男のたった一言で爆散し、霧散した。

 何が起こったのかわからないと言った風な顔で、ケイネスは白髪の男を見つめる。そして自慢の一撃を軽々と弾き飛ばしたナニカに気付き、顔を引きつらせた。

 

「馬鹿なッ……!! 統一言語(・・・・)だと!!?」

「ッ――――神代の言語!?」

 

 そう。先程男が使ったのは『統一言語』と呼ばれる神代の言語。バビロニアの神話における『バベルの塔』において神によって『言葉を乱された』以前に使われていた言語

であり、万物に共通する万能言語。神代で使われていた言語故に、その言葉を使えば神代で使われていた魔術――――現代では魔法級の現象を実現させることもできる『言葉の王』とも言える代物だ。

 何よりこれは『世界に語り掛ける言語』。人では無く、世界そのものだ。そして発せられた言葉の否定は『世界そのもの』の否定につながるため、抗うことは不可能。

 

 だが、その本質は『全てのモノに通じる意思疎通』。簡単に言えば、『根源』の渦への門。つまり統一言語を操る魔術師とは、根源に最も近い魔術師という証であり証拠でもあった。

 故にケイネスはここまで狼狽し、普段の彼とは思えないほど脂汗を顔に浮かべている。理由は、彼の正体を推測し、真実であった場合の不味さ(・・・)に触れかけたが故。

 

 その正体とは――――

 

 

「貴様ッ…………魔法使い、なのか?」

「…………今更気づくか、魔術師(メイガス)よ」

 

 

 魔法。

 

 魔術とは異なる神秘であるそれは、魔術師達が目指す最終到達地点である『根源の渦』から引き出された力。その時代に置いて『絶対』に再現できない現象を引き起こす『異法』であり、魔術師たちにとっての最高の誉れにして大儀礼の禁忌。魔術では至れない『結果』を実現する奇跡。

 

 その発現者を魔術師たちは畏敬の念を込め『魔法使い』と呼び、現在確認された魔法は五つ。第一魔法、第二魔法、第三魔法、第四魔法、第五魔法。更に言えば現存している、または確認されている魔法の使い手は二人のみ。目の前の男が確かなら、合わせて凡そ三人程度。

 

 だからこそ『信じられない』。魔法使いとは都合よく目の前には現れない存在であり――――生ける災厄と言っても過言では無い存在なのだから。

 

「褒美だ。私の名を名乗ろう」

 

 絶句する二人など無視し、白髪の男は名を告げた。

 信じがたい名を。

 

 

 

「――――我が名はアダム。第一、『無の否定』の使い手。『第一の亡霊(スタンティア)』の名を持つ者だ」

 

 

 

 男は彼の『原初の人間』の名を口にした。

 それが単純な名前だとは、ヨシュアはとても思えなかった。その名はいわば『彼』を示すただ一つの名。唯一無二にして絶対の存在が名付けた楽園の守護者に相応しき称号。

 

「アダ、ム?」

「……まさか貴様、自身が『世界最古の人類』と名乗るわけではあるまいな……?」

「現代の人間にしては察しがいいようだな」

「馬鹿なッ! ありえないッ!」

 

 ごもっともだった。

 原初の人間といえば紀元前3000年前後に誕生したと推測されている。それが正しければ二人の目の前に存在する人間は――――単純計算で約5000年も生きている紛れもない怪物。

 しかし神代に最も近い時代に生きた最古の人間はその言葉に全く反応せず、ただただ虚ろな瞳で此処では無い何処かを見つめるだけであった。もう見飽きたリアクションだとでも言いたいのか。

 

「…………去れ。私は児戯で貴様らを相手にするほど暇では無い」

「児戯、と言ったな……? いいだろう、このアーチボルト家九代目当主、ケイネス・エルメロイがお相手仕ろう。原初の人間を語る魔法使いよ、いざ尋常に――――」

「――――諄い」

 

 挑発でもない挑発に乗ったケイネスは眉間をビクつかせながらそう名乗ろうとするが、白髪の男――――アダムがそんな茶番に応えるわけがなく、返答は地面から撃ちだされる大量の石棘になって返された。

 ケイネスは息を呑むが、即座に彼の魔術礼装『月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)』が術者を覆うように球状に展開された。勿論ヨシュアもちゃっかり範囲内に入れている。

 

 飛来してきた石棘は水銀の膜によって悉くが弾き返された。至近距離からの9㎜パラベラム弾掃射や対人地雷クレイモアの直撃を軽く防ぐ『月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)』の防御がただの石つぶて程度に貫かれるはずがない。相手の攻撃が一切通用しない光景を見て、ケイネスは己の作った魔術礼装の完成度にほれぼれとした表情を浮かべる。

 

 が、アダムもそこで終わらない。連射速度重視の攻撃が通用しないことを察し即座に攻撃方法を変更。そこら中に転がった石や鍾乳洞の岩盤を何かの魔術を使って剥がし、それを宙で一塊に固めていく。

 

 形成されたのは巨大な槍。圧縮されたことにより尋常では無い質量を保持した石の巨槍はその先端を魔力で禍々しく光らせながら二人の方向を向く。アレでは流石の水銀膜も容易く貫かれてしまうだろう。防御は恐らく不可能。時間をかけて作った以上『貫ける』という自信があると見て間違いない。軽く舌打ちしてケイネスは防御を捨て、『迎撃』のための術式を練り始めた。

 

「――――Fervor,mei Sanguis(射貫け、我が血潮)!!」

「――――Caedes,mea Intentio(殺せ、我が意思)

 

 ケイネスが繰り出したのは水銀の槍。不定形の水銀を変形させ、相手の攻撃を撃ち落すための槍として『月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)』を撃ちだした。ほぼ同時に、アダムの石の巨槍も撃ちだされる。

 

 両者の巨槍は一秒足らずで衝突した。何かが砕けた様な轟音が大空洞の中に鳴り響き、衝撃により粉塵が舞い上がる。パラパラと砕け散った石つぶてが頭に降ってきたのを見ると、どうやらアダムの巨槍は砕け散ったらしい。ケイネスの表情もよろしくないことから、水銀の方も四散してしまったらしいが。

 

「貴様ァッ……どうしてあの言語を使わん! 私を侮辱しているのか!」

「……使わねばならぬ理由などあるまい」

「何だと?」

「私とて現代で何度もアレを使うのは、少々堪えるのでな。そして、貴様が私にとって本気を出すに値しない奴だった。それだけの話だ」

「ッ――――Scalp()!!」

 

 怒りのままに指令を下すケイネス。『月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)』もそれに応え、アダムの死角から水銀の一撃を繰り出した。侮っているのならば、その予想以上を上回ってやろうと躍起になって放たれた攻撃は――――いつの間にかアダムが握っていた黒い槍によって容易く切り裂かれた。

 

「――――侮っているのは貴様の方だ、エルメロイの小僧」

「なッ――――!?」

 

 予想を上回ろうとして、更に上回れたケイネスは唖然とした顔でそれを見た。

 魔術師が武術を使っている。余りにも魔術師からしかなるその光景を見て呆気にとられたのだろう。いくら実戦経験が少ないとはいえ、それは今この瞬間にとって致命的ともいえる隙を生じさせてしまった。

 

 アダムが槍を振りかぶる。

 腕には肉眼で見えるほどの高濃度魔力。全身ではなく腕部限定の一極強化。魔力の量と質から見て確実にサーヴァント級、否、それ以上の筋力を獲得している。そしてついに、強化された腕力による一投が放たれた。

 

 

 

「『全ての武器は是より始まる(トバルカイン)』」

 

 

 

 例えるならばソレは黒い砲弾。風を切り、音を裂き、触れたもの全てを貫き砕く漆黒の一撃は何の防御策も無いケイネスへと真っ直ぐ飛んでいく。『月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)』はアダムの後方に存在している以上防御策は皆無。例え身体を魔力で補強しようがアレの前ではそんな物紙に等しい以上無意味。

 何が起こっているのか理解出来てないような顔のケイネスは、自身に飛んでくる黒い影を茫然と見続け――――

 

 

「ッォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォオオオオオッッ!!!!」

 

 

 金属の巨腕を右腕に装着したヨシュアがソレを弾き飛ばす鮮烈な様を見て、ようやく我を取り戻したのであった。

 

 爆散する金属の破片。この世の物とは思えないけたたましい音が大空洞の中に響き渉、弾き飛ばされた黒い槍が二人の遥か後方で着弾し更なる爆発音が荒々しく反響する。

 

 乱れに乱れた乱気流の中、ヨシュアは肩で息をしながら反動で脱臼した右肩を抑えてアダムから距離を取る。よく見れば右手も所々骨折しており、血も滴っている。かなりの激痛ものだ。しかしヨシュアは悲鳴一つ上げず、静かに鋭く目の前の男を睨みつける。痛みなど忘れたように。

 

「……金属操作か。珍しい魔術を使う」

「ッ……ケイネス先生、早く逃げる準備を!」

「だ、だがッ!」

「早く! 今の俺たちじゃこいつに勝てない…………!!」

 

 その選択は正しかった。目の前の『異物』相手に自分たちは勝てない。今までの攻撃は一切通用しなかったことから、撤退する以外助かる方法は無い。

 しかし欠点があるとすれば――――選択がいささか遅すぎたことか。

 

「逃がすと思うか? 小僧」

 

 岩盤が揺れ、変形し、やがて無数の武器を模る。その切っ先は全てこちらに向いており、間違いなく二人を生きて返す気が無いとわかる。そして披露しているヨシュアとケイネスには、もうアレを防ぐ気力は無い。例え。『月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)』による防御で防ごうとも、あの黒い槍の一撃で貫かれるのが落ちだ。

 

 要するに、詰み。

 

 どうあがこうが行き着く先は死亡(DEAD END)。救いなど、存在しない。

 

 

 ――――第三者の介入が無ければの話だが。

 

 

 ザッ、と誰の者でもない足音が鳴る。ヨシュアは咄嗟に後ろを振り向き、『彼』の姿を見た。

 

 突然の来訪者の姿は、背の高い白髪の男性だった。肌は褐色だったが、その顔付きは何処となく日本人を思わせる。身体つきは筋肉質、だが無駄と言う物が全てそぎ落とされたような洗礼された肉体。目は鷹の様に鋭く冷徹。

 そして何より目についたのが赤い外套。何かの概念武装の類なのだろうか、かなり上質の神秘が込められた外套に体のラインを浮き出させるボディーアーマー。下半身はジーンズに幾つものベルトを固定しているというよくわからない外見だが――――全体的には『ただ者では無い』と一発で見抜ける風体であったことは間違いない。

 

 男は無感情な表情のままに歩を進めていく。その視線の先は、アダム。獲物を狙う狩人の様に視線を投げ乍ら、彼はヨシュアとケイネスの二人を庇うような態勢で立ち止まった。

 お前は誰だ? そう口を開けようとしたが、アダムが先に話を始めたことで不発に終わる。

 

「抑止の守護者か」

「――――それが分かるという事は、私がここに居る理由も理解しているだろう?」

「当然だ。貴様らの介入を想定して居ないわけなかろうに」

「そうか。では……おい、お前たち。死にたくなければ早々に立ち去れ」

「へ…………?」

 

 男の視線がこちらを向いた。台詞からして『逃げろ』と言っているのはわかるが、だからこそ不可解だった。

 あって間もない自分たちを助ける男の行為が。

 

「どうして、俺たちを助ける?」

「……どうして、か。強いて言うなら――――私は、正義の味方(・・・・・)だからな」

「は?」

「フッ……冗談だ。さっさと行け。此処に居られては、足手纏いなのだよ」

 

 その台詞を境に、男の纏う気配が一層重くなった。戦闘態勢に入った証拠だ。全身から吹き上がる魔力は間違いなくサーヴァント級。成程、確かに此処に居ては巻き込まれて死ぬだけだ。

 固唾を呑み、ヨシュアは決意を決めたように踵を返す。

 

「……恩に着る。逃げるぞ、ケイネス先生!」

「わかっている……ッ。礼は言わんぞ、名も知らぬ英霊よ!」

 

 命あっての物種。助けてくれた者の足手まといになると知った二人は迅速にこの大空洞から立ち去る。ケイネスは渋々といった様子だったが、彼とて彼我の実力差を理解して居ないわけでは無い。故にケイネスは胸の中で再戦の炎を燃やしながら『月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)』を板状にして乗り込み、ヨシュアをひっつかんで、共にここから逃げ去った。

 

 去り際にヨシュアが悲鳴を上げていたような気がするが、細かい事だろう。

 

 

 

 

 

 残った二人は無言で互いを睨み合う。交わす言葉など最初からない。彼らの関係はとっくの昔から『殺し合う』モノに固定されているのだから。だからこそ抑止の守護者――――錬鉄の英霊、エミヤは両手に己が人生の中で最も深くなじみのある白黒の夫婦剣を投影(・・)し、構えた。

 

 アダムもまた投擲した黒槍を手に呼び戻し、構える。

 纏う威圧は共に一級。冷たい微風が乱れ舞い――――無音の合図が下される。

 

「――――鶴翼、欠落ヲ不ラズ(しんぎむけつにしてばんじゃく)

 

 夫婦剣を構えたエミヤは両手に握る剣を即座に投擲。白と黒の短剣は交差しながら、槍を構えているアダムへと向かう。たが所詮はただの投擲。アダムは手に持つ黒槍を振るい、それらをいとも簡単に明後日の方向へと弾き飛ばした。

 

 得物が手元から消えたというのにエミヤは全く焦った様子が無い。当然だ。抑止力の補助を受けた今の彼に取って武器の一つや二つ程度無限に生成できる剣の中の一つでしかない。

 

 彼の象徴でもある魔術にして異端の極地。『投影魔法(グラデーション・エア)』。元々それはオリジナルの鏡像を、魔力で物質化させる魔術だ。だが非常に効率の悪い魔術で、投影でレプリカを作るならちゃんとした材料でレプリカを作った方がよほど手軽で実用に耐えると言われている。言ってしまえば、産廃だ。

 

 エミヤは起源と属性の関係上、この魔術しか使えない。他の魔術師からすればそれは『落ちこぼれ』同然だろうが、その代償に彼は誰も持ちえない才能を持つことになった。それは魔術の中でも最大の奥義、『固有結界(リアリティ・マーブル)』の一つ――――『無限の剣製(アンリミテッドブレイドワークス)』。無限に剣を内包する心象世界を創りだす大魔術。

 

 そして彼の投影とは、この心象世界から零れ落ちた代物。永久に消え去らない投影という、等価交換の法則を完全に無視した特異中の特異。故に、アダムのは遅れてしまう。

 

 彼の手の中に、宙に消えた先程の剣と全く同じ夫婦剣が握られていることに気付くのが。

 

「ッ――――何だと!?」

「――――心技、泰山ニ至リ(ちからやまをぬき)

 

 アダムへと急接近したエミヤは夫婦剣をX字に振るう。が、その程度ならば反応が遅れても対応可能。冷静に槍を振るって彼の握る二つの短剣を破壊しようとするアダムだったが――――あり得ない角度から襲い掛かる二つの剣を見て目を見開いた。

 

 それは先程投擲し、アダムに弾かれた夫婦剣。遥か後方に弾かれたにもかかわらず二つの短剣は物理法則を無視した軌道で完全な死角からアダムの不意を打った。

 

 四方向から同時に襲い掛かる斬撃の檻。歯噛みしながらアダムは強引な動きで槍を振るい、四つの内三つの剣を槍で叩き砕く。パラパラと剣の残骸が宙を舞い、壊し損ねた短剣で斬り裂かれたアダムの肌から噴き出す鮮血も同様に舞った。

 

「――――心技黄河ヲ渡ル(つるぎみずをわかつ)!」

「クッ…………!!」

 

 そして生まれる大きな隙。一撃を貰ったことにより体勢を崩したアダムを迎えるのは――――二振りの、翼の様な巨大な剣。

 

 三度目の投影。しかし今度はただの投影では無い。過剰魔力を投影した宝具『干将・莫邪』へと流し込み強引に実現させた強化形態(オーバーエッジ)。投影によりC-ランクほどに収まっていた夫婦剣を力技でAランクへと昇華し、かの大英雄の防御すら貫く強力な刃へと変貌させる。

 

 ――――唯名別天ニ納メ(せいめいりきゅうにとどき)

 

 地を強く踏みしめる音が響く。

 狙うは絶命。エミヤは容赦も慈悲もなく、ただ抑止の対象となった者の首を刈らんと刃を振るった。

 

 ――――両雄、共ニ命ヲ別ツ(われらともにてんをいだかず)……!

 

 完成するのは、様々な角度・タイミングから投擲と斬撃のコンビネーションを叩き込む絶技にして切り札の一つ――――『鶴翼三連(かくよくさんれん)』。エミヤが独自に編み出した回避・防御不可能の必殺である。例え優れた直感を持っていようが、この技から容易くは逃れられない。ましてや手傷を負った者ならば――――

 

 

 

「――――起きよ、『この世全ての悪(アンリマユ)』」

「ッ――――な!?」

 

 

 

 最後の二撃を叩き込もうとしたエミヤは目の前の光景に絶句した。

 アダムの傷口から溢れ出る黒い泥(・・・)に。

 

 結果最後の最後で止めは刺せず、エミヤは苦虫を噛み潰したような顔ですぐさま彼と距離を取った。何せ、あの泥の危険性は彼がよく知っているのだから。――――あの泥が起こした惨劇の被害者である彼が理解出来ないわけがない。

 

「そんな馬鹿な……どうしてその泥を体内に取り込めている!?」

「私がこれを身に宿しているのが、そんなに不思議か。だが、そこまで難しい話では無い」

 

 自身の傷口から溢れる『この世全ての悪』の象徴とも言える泥を手で掬いながら、アダムは虚構の広がる無表情のままエミヤへと返答する。

 

 

「――――私が『この世全ての悪(この感情)』を生み出した元凶(始まり)なのだ。それを受け止め切れんでどうする」

 

 

 原初の人間は、さも当り前のように言い放った。

 その返答にエミヤは絶句し、悪寒を感じて無意識に息を呑む。感じたのは、畏怖。人であるにもかかわらず、最も人らしくない故に感じた巨大な違和感。エミヤの全身から脂汗が滲み出し、不可視の重圧が彼を押し潰すように圧し掛かる。

 

 彼は、すぐさま強硬策を実行した。奥の手を凌がれた以上手加減できる要素は皆無。エミヤは可能な限り素早く黒い弓を投影。そして記憶の中から最も有効そうな一撃を叩き込める宝具を検索し、空っぽの手に生成した。

 

 生成したのはドリルのように捻じれた矢。既に矢と言っていいのかもわからない異形の矢であったが、少なくともエミヤの中で最も信頼できる一本であるのは間違いない。

 

 弓を番え、矢を引く。

 

「――――I am the bone of my sword.(我が骨子は捻じれ狂う)

 

 目標は一点。外す道理は皆無。

 捻じれた矢はついに脅威へ向けて放たれた。

 

 

「『偽・螺旋剣(カラドボルグⅡ)』ッ――――!!」

 

 

 強力な螺旋を描いて撃ちだされる一矢。空間を捻じり切りながら、一振りで丘を三つ両断したと言われる魔剣は直進する。直撃すれば確実に死に至るこの一撃。それを前にしてもアダムの無表情は揺るがない。

 その様子に嫌な物を感じ取ったエミヤは作戦を切り替えた。矢その物の直撃では無く――――爆発に巻き込む方向へと。

 

「【消え去――――」

「させるか―――――壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム)!」

 

 空間を裂いて飛ぶ矢に、エミヤの一言で罅が入る。僅から隙間から溢れるのは神秘の奔流。

 瞬く間に罅は矢全体に広がり――――魔剣が粉々に砕けた。内に詰まった膨大な魔力もそれに合わせて爆ぜ、エミヤの放った一矢は強力な爆弾としてこの場に破壊をもたらす。

 

 

「貴様、まさかッ――――」

 

 

 そんな呟きは直ぐに爆発に掻き消された。

 

 ほとんど密閉された空間での大爆発。大空洞を揺るがしてもあり余るエネルギーの解放は見事円蔵山を震撼させ、地盤を一気に不安定にさせる。空洞がある山なら尚更だ。

 

 結果――――爆発により円蔵山の一角が消滅。その轟音は冬木市に響き渡ることとなった。

 

 余談だが、やはりというかこの一件は『埋蔵されていた天然ガスの爆発』と誤魔化されたのは、もう言わずもがなだろう。

 

 煙が空へと昇っていく。

 

 始まりを伝える狼煙の様に。

 

 

 

 

 




改稿前に一回出てきていた敵ポジのオリジナルキャラ、アダムさん。割と凝った設定で、半ば無理矢理『第一魔法の使い手』にねじ込みました。後悔はしてない(キリッ

でも設定上『第一の亡霊(スタンティア)』という異名と噛み合っているのが何とも・・・ぶっちゃけ設定した後初めてこれに気付いた衝撃。偶然ってすごい(小並感)

今回判明した事実
・聖杯もう浄化されてた
・アダム登場(黒幕臭ぷんぷん)
・エミヤ登場(抑止力が瀕死状態でどうにか派遣)
・しかし円蔵山の一角大爆発(後に天然ガスの爆発だとこじつけ)
・ヨッシー&ケイネスの安否不明

因みにこのエミヤさんはUBWエンド後の「答えは得た」エミヤさんです。なのでちょっと丸いです。自分殺しとかも特に考えてません。・・・苦悩から救われた従業員をカオス極まってる現場に放り込む抑止力さんマジ外道。

そういや二次小説でオリ敵ってどういう反応なんでしょうね・・・?そこら辺の意見を貰えたら感謝です。
後アダムさんはちゃんと原作キャラの『協力』を受けてますので、ラスボスやるときはちゃんと原作キャラ付きです。誰かわかるのはまだまだ先なので、お楽しみに・・・。

※明言しますが、アルフェ&ヨッシーVSオリ敵という組み合わせは『来ません』。fateの皮を被ったナニカにはしない予定ですので、ご安心を。

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