Fate/argento sister   作:金髪大好き野郎

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二個目投下。

今回で話がスババッと進みます。「ぶっちゃけめんどい。早く聖杯戦争したい」という気持ちが見るだけで垣間見れるほど展開が早いです。
シリアスとコメディが混じりに混ざってカオスな回。君は耐えられるか・・・!

余談ですが、日記形式は初めて書きました。
簡単だと思ったけど、意外に書きにくいもんだね。

追記
ガラハット→ギャラハットへと修正


第十二話・銀色日記

 ○月×日 晴れ

 

 

 久しぶりにマーリンと再会した。相変わらず糞ムカツク顔だった。

 しかもなんかキャメロットとかいう大きい城を作るので手伝ってほしいようだ。めんどくさいけど、アル達のために一肌脱ぐことにする。

 

 ……え、妖精郷に行く? ちょ、それ私大丈夫なの? って聞いてみたらマーリンは問題ないと言っていた。でも入ってみたら大量のエーテルのせいで腹を壊した。帰った時しばらく下痢が止まらなかった。

 あの腐れジジイ後でぶん殴る。

 

 まぁ、私が交渉したことで何とか妖精たちに城を作ってもらうことに成功した。

 マーリン? 女の子の妖精とにゃんにゃんしてました。死ねよあのインキュバスハーフ。結局殆ど私が交渉してんじゃねぇか。こいつまさか仕事全部押し付けるために私を連れてきたんじゃなかろうか……。

 

 あ、でもなんか私が妖精たちに気に入られたみたいで大量の幻想種の素材を入手できた。

 それに関してはラッキー。これで高性能の魔術礼装作成が捗る。

 

 でもやっぱりマーリンは殴る。

 

 心配顔で出迎えてくれたアルが一番の癒しでした、ごちそうさまです。

 

 

 

 

 ○月×日 晴れ

 

 

 翌日になってなんか城が完成してました。どう見ても一年以上かかるサイズなのに半日以内で仕上げるとは、妖精の技術力どうなってんだ。

 なんかよくわからないけど、マーリンが何か写真の様な物を妖精たちに渡したら男性の妖精が雄叫びを上げながら頑張ったらしい。一体何を貰ったのだろうか。

 そう言えば昨日沐浴していたとき何かの視線を感じたが……気のせいだよね。いや、気のせいだろう、きっと。

 

 というわけで早速完成した私たちの拠点、キャメロットの散策が行われた。

 ご丁寧に円卓付きだ。しかもアレ、なんかこの城の結界の起点になっている模様。魔術に通じている私だからその凄まじさはよくわかった。まさか霊的存在として城を固定するための柱とは。

 

 なんにせよ、晴れて私は宮廷料理人としての人生を歩み始めたのだ。

 初めて円卓以外の人たちに料理を振るまったら「貴方が神か」と言われた。なんでさ。

 

 

 

 ○月×日 曇り

 

 

 今日から私以外の料理人を育成することにした。やっぱり食文化の改善は最優先だ。というかこのままじゃ食事担当が毎日私だけになる。流石の私も毎日百人分以上の料理はきついんですよ。

 

 まずは食料供給ルートの確保だ。問題点としてはブリテンでは作物が育ちにくいというものだが、実を言うとかなり簡単に解決できる。

 二倍遅く育つなら二倍速く育つ作物を作ればいいじゃない。

 そんな暴論で私はかなりの種類の作物を品種改良しまくり、普通の作物と比べて二、三倍ほどの速度で育つように改良した。味は少しアレだったが、十分許容範囲内だったので直ぐに普及させることにする。

 

 これで何とか食糧問題が解決できるといいのだが。

 

 因みにこの城の中で私を除いて一番料理が得意な奴の料理は焦げた野菜肉炒めだった。

 味の酷さで改めてこの国の食文化に危機感を覚えた。

 

 

 

 ○月×日 晴れ

 

 

 色々忙しすぎて二ヶ月も日記を忘れてしまった。

 私が広めた作物が食糧問題を速攻で解決させてしまったせいで、二ヶ月もキャメロットを外出しなければならなかったのだ。具体的には料理を広めるという役割で。

 おかげで私は今や『謎の食神』として広まっている。名は名乗らなかったので個人こそ特定されていないが、とりあえず今ブリテンの食文化は大体解決させたといえよう。二ヶ月も技術を叩き込んだおかげで同行した宮廷料理人たちも十分なほどに腕を上げていた。僥倖僥倖。

 

 でも二ヶ月も離れてしまったせいでアルがご立腹であった。

 渾身の料理を食べさせてあげたら直ぐに機嫌が良くなったのだが。

 

 その時私たちを見ていた騎士たちの目が興奮気味だったのはなぜだろうか。考えてはいけない気がする。

 

 

 

 ○月×日 晴れ

 

 

 いつの間にか円卓の騎士が増えていた。名前はモードレッドと言うらしい。

 

 

 どう考えても反逆の騎士です本当にありがとうございました。

 

 

 まぁ今はまだ大人しいので特にとやかく言わないが、やっぱりというか他の騎士達からは『王の前で顔を見せないとは何と不敬な』とか『素性も知れぬ怪しい奴が円卓の座に座るなど』とかぼろくそ言われてた。そのせいか何かしょんぼりしてる。可愛い。

 その後夕飯を食べた時凄く驚いていた。大層気に入ったらしくアルと同じぐらいバクバク食べてた。可愛い。

 

 衝動的にモードレッドの部屋に突撃してしまった。後悔してる。

 でもそのおかげで素顔も見れたし一緒に添い寝もできた。やったぜ。

 

 顔はやっぱりアルと瓜二つでした。可愛かったです。これはモルガングッジョブとしか言えん。

 

 

 

 ○月×日 曇り

 

 

 私の仕事にもひと段落着いたので、久しぶりに円卓に顔を出した。

 相変わらず新しく現れたピクト人の物量に苦戦しているらしく、割と重々しい空気が流れていた。

 

 なんかもう面倒なので全員に稽古付けしてやった。具体的には日々のフラストレーション発散という名目で全員纏めてフルボッコ。あ、勿論アルは特別教室で優しくね。

 自分でもドン引きするぐらい叩き直したにもかかわらず全員笑顔だった。キモイ。

 

 そして数時間後には全員ピンピンしてた。こいつ等ホントに人間か。

 

 

 

 ○月×日 晴れ

 

 

 円卓全員昨日より強くなってた。何でも万に迫るピクト人を一方的に叩きのめしたらしい。昨日の稽古が効いたのかな。

 

 そんなことはともかく、今日は待機を食らっていたモードレッドと遊びに出かけた。とはいえそこまでめぼしい物も無いので近くの湖で釣りだ。釣りはいい。心を穏やかにしてくれる。

 数時間もしないうちにモードレッドが湖の主を釣り上げた。血は争えないというやつか。何で小物は釣れないのにでっかい物ばっかり釣るのだろうか。羨ましい。

 

 デカい主は今日の晩飯になりました。白身がめっちゃうまかった。

 

 

 

 ○月×日 晴れ

 

 

 ランスロットとアルの妻となっているギネヴィアの不倫現場を目撃した。

 いや、最初こそスルーしようとしたよ。でもアイツ等外で前後しようとするんだから反射的に声をかけてしまった。すっごくアレな空気だった。行為寸前で人に見つかるとか気まずいってレベルじゃねーよ。

 

 結果的に対話して、他言無用という事で落ち着いた。ていうか話せるかこんなん。

 

 やれやれ。やっぱり歴史は変えられなかったか。

 まぁ、あれでも一応友人のようなものだ。いつか使うかもしれない逃走手段として転移魔法陣を作ることにした。

 

 使う時が来ないといいのだが。

 

 

 

 ○月×日 晴れ

 

 

 初めて蛮族との戦闘に参加した。自主的な志願でだ。

 理由としては円卓がかなり疲弊し始めた事だ。どんな物量だよと突っ込みたくなり、ついつい悪乗りで戦場に出してもらったのだ。当然アルは反対したが、根負けさせた。

 

 で、その蛮族たちは――――――――

 

 

 

 

 人間津波だった。

 

 

 

 

 一万以上の人間が血眼になりながら押し寄せてくる光景は恐怖としか言えない。

 試しにアルが『約束された勝利の剣(エクスカリバー)』をぶっ放してみたが、一割しか吹き飛ばなかった。ふざけてんのか最強の対城宝具でこれとか。そりゃ円卓も疲弊するわ。

 

 というわけで私は自分の実力を確かめるために単身突撃してみた。

 

 

 

 

 一人で全滅させちゃった。どうしよう。

 

 蛇腹剣状態にした『吸血剣(ブラッドイーター)』振るいながら『偽造された黄金の剣(コールブラント・イマーシュ)』を敵が集まったところに叩き込んでいたら三十分もせずに全員死んでた。

 流石のアルもこれには引き攣った笑いしか浮かべていなかった。私もだよ。

 あとそのせいで私は兵士から『戦神』とか『戦乙女』とか変な二つ名を付けられた。私一応宮廷料理人なんですけど。

 

 

 

 ○月×日 曇り

 

 

 ランスロットがまた女絡みの厄介事を持ってきた。どうやらペレス王の娘のエレインをモルガンから助けて、その拍子で『落とした』ようであった。しかもペレス王認めちゃった。ふざけんなそれを私に持ってくるな。え? 他に相談できる奴がいない? と私はこのたらし魔コミュ障の恐ろしさを垣間見る。いや、下手に誰かに話せる内容でもないが。だからと言って私に持ってくるなよ。

 当然ギネヴィア一筋のアイツがその気持ちに応えられるわけなく、しかし公的には結婚もしていないのでどうしようもない状態。

 そんなドロッドロな状態に私を巻き込まないでほしいんだけど。

 仕方ないので私がエレインを説得し『一発だけならOK』というところまで落とし込めた。何が一発かって? 気にするな。高々一回程度で解決できるならいいじゃないか。

 

 その後私はギネヴィアに怒られた。人の旦那を他人に貸し出すなと言っていたが、アンタの旦那一応アルだよね。あとランスロットは罵詈雑言を浴びせられて自室に引きこもってしまった。ついでにメンタルケアも押し付けられた。マジふざけんな。

 

 まぁ、たっぷり説教された後、私とギネヴィアは何とか仲直りした。あといつの間にか友人って事にされた。何で?

 

 最近は偶にエレインとギネヴィアと一緒にお茶会開いてる。泣く程私の作るお菓子が美味しいのかな。

 

 

 

 ○月×日

 

 

 なんかエレインが妊娠したらしい。それを聞いてランスロットが首を吊りかねないほど落ち込んだ。

 

 三日かけてメンタルケアをすることでどうにか立ち直させた。二度としたくない。

 

 

 

 ○月×日 晴れ

 

 

 エレインが出産したらしい。まだ一ヶ月しか経ってないんですけど。

 原因を調べてみたら案の定マーリンが何か細工したようであった。何やってんだあのクソジジイ。

 

 しかし被害者のエレインが「早く生まれてよかった」と喜んでいたので怒るに怒れない。それでいいのか。喜んでいるなら別に良いのかもしれないが。あのマーリンだ。ただ早く生まれさせるだけで終わる筈がない。

 

 

 ボコって問い質してみたら見事に肉体改造施していやがった。

 

 

 

 ○月×日 雨

 

 

 モルガンのアホ、ついにモードレッドに何かを言ったのかケイ兄さんと一緒に政治関係やらで話している時にアルと一緒に居るモードレッドを見かけた。

 

 盗み聞きしてみると「あなたを私の息子とは認めないし、王位を渡すつもりもない」とか本人の目の前できっぱりと言っていた。馬鹿。何やってんのと思いながら頭をひっぱたいて、あの後ケイ兄さんがアルを自室に連れてがっつりと説教を一時間以上浴びせた。

 私の方はまたメンタルケアだ。いい加減にしてくれと嘆きながらも落ち込んだモードレッドを何とか励ました。

 

 その後からモードレッドが私に輝いた眼を向けながら付きまとってくるのはなんでだろう。

 可愛いからいいか。

 

 それと今夜はそんなデレデレ状態のモードレッドと一緒に寝た。上目遣いグッド! ベリーグッド! もう死んでもいいと思う。

 

 

 

 ○月×日 晴れ

 

 

 交渉の末になんとかクラレント獲得した。

 どうせ使う予定ないんだから頂戴って言ったら、すんなり渡してくれるんだからそれでいいのかって思ったよ。一応モードレッドにあげる予定だって話しても、アルは「姉さんの好きなようにしてください」と言うもんだし。

 たぶん、ケイ兄さんにがっつり絞られて意気消沈しているんだろう。見るからに凹んでるし。毒舌だらけの説教とか、確かに心折れるな。

 

 その後モードレッドにクラレントあげたらすっごい喜んでた。一生涯大切に使うらしい。うん、良い笑顔だ。鼻血出そうなほど。

 

 でもこれ一応戦力強化の意味合いも含んでるんだよ。

 べ、別にこの子の笑顔を見たかったという理由だけであげたんじゃないんだからね! 8:2の割合で違うからね!

 

 あ、勿論8のほうが笑顔です。

 

 

 

 ○月×日 嵐

 

 

 蛮族共が懲りずに二度目の大進行を始めた。

 それを聞いた私はもう面倒なので単身突撃して蹴散らした。五万人ぐらい居た気がするが、全部ひき肉に変えてやったのでどうでもいい。

 

 今回は一々ビーム叩き込むのも面倒なので『紅血啜りし破滅の魔剣(ダーインスレイヴ・オマージュ)』で残らず食い散らかした。おかげで割と呆気ない始終だった。

 

 仕事終えたご飯は今日もうまうま。

 

 

 

 ○月×日 曇り

 

 

 あの大進行からまだ数日しか経っていないのにもう立て直して進行再開とかあっちの物量どうなってんの。

 でも今回は暴れ足りない円卓の騎士の馬鹿共と共同作業で蹴散らしたので十五分ぐらいで全滅させられた。でもまた来るんだろうなぁ。嫌になる。

 

 そんなことを想いながら今日も私は蛮族を虐殺する。

 

 

 

 ○月×日 晴れ

 

 

 最近運動不足だと感じてきたので、久しぶりに特訓することにした。

 そだね、某NOUMINみたいに多次元屈折現象(キシュア・ゼルレッチ)が起こせるまで振り続けることにしよ。

 

 

 

 ○月×日 晴れ

 

 

 できちゃった。三日間無心で剣を振ってたらなんか斬撃二つになってた。何これ。

 まぁ、結果はまずまずだったのでそれからもブンブン振って、最終的に三つになりました。アレ、第二魔法ってこんな簡単に出来ちゃっていいの。

 

 とりあえず明日成果を確かめてみることにする。

 

 

 

 ○月×日 晴れ

 

 

 私が使役した白銀の竜、ハクと名付けた竜に乗ってブリテン周辺を飛び回っている魔獣どもを片っ端から燕返しもどきで落としていく。でも間合いが短すぎる。とか思って斬撃飛ばすイメージで試してみたら長射程の同時斬撃が飛んでいた竜を容赦なくバラバラにした。怖い。

 

 でも第二魔法到達したのは凄い。これからどんどん応用させていこう。

 具体的には、分身出来るくらいには。

 

 

 

 ○月×日 曇り

 

 

 蛮族大進行三回目。今回は不満を持って離反した兵士や領民たち含めて合計三万もの軍勢だ。

 アルを裏切った馬鹿共に掛ける情けなど欠片も持ち合わせていないので分身からの聖剣ぶっぱで即殺した。聖剣ビーム十回分が一斉に相手を飲む光景は圧巻としか言えない。

 

 あと円卓たちが私の技を教わりに来たので「同時斬撃できる様になったらね」といったら「無理です」と言われた。いや修行すればできるでしょう。

 って言ったら全員呆れていた。

 どうやら私が異常なだけらしい。NOUMINもできるのに……。

 

 

 

 ○月×日 雨

 

 

 最近魔力生成量に限界を感じ始めた。やっぱり竜の因子がないからか、生成できる魔力に限度が生じているようだった。それでも常人と比べればバケツとダムほどの差があるらしいが、これではだめだ。

 もっと、もっと強くなりたい。アルを、いや大切な家族を守るために。

 

 そこで私はマーリンに相談を持ち掛けてみた。

 

 

 話し合いの末に、私に死んだヴォーティガーンの小さく改造した心臓を埋め込むことになった。

 どうやら、マーリンが秘密裏に回収していたらしい。

 適合確率は20%。失敗すれば大量の魔力で体内から爆発。

 ふざけた賭け事だが――――受けてみることにした。

 

 

 

 ○月×に くも

 

 

 いたい

 

 

 

 ○月×日 晴れ

 

 

 死ぬかと思った。

 マーリンのやつ、心臓だけじゃなくて骨や筋肉にまで竜の因子を埋め込んでいた。おかげで確率が10%にまで激減し、危うく爆散して死ぬところだった。けど、賭けに勝った。おかげで前と比べて数十倍の魔力生成量と強靭な肉体が備わった。

 まだ完全に馴染んでいないせいで体が痺れて動けないが、数日すれば治るらしい。

 

 見舞いに来たアルとモードレッドにこっぴどく怒られた。反省しよう。

 

 

 

 ○月×日 晴れ

 

 

 遠距離攻撃手段が魔術だけと言うのが味気ないので、私はトリスタンから弓を分捕って解析して、似たような弓作ってみた。超楽しかった。主に分捕った時。愉悦。

 

 で、早速試してみたら弓がホーミングレーザーみたいな超機動で幻想種の頭を爆散させていった。なにこれ。弓じゃねぇよこんなの。

 でもポンポン竜を落とせるようになったのは助かった。

 一々第二魔法発動させるとかめんどいし。

 

 

 

 ○月×日 曇り

 

 

 気づいたら数年ぐらい日記すっぽかしてた。仕方ないじゃん、蛮族共が懲りずに攻めてくるんだから。

 

 でだ、ペレノアとギャラハッドが円卓に入った。ペレノアはともかくギャラハッド、アンタ生後十年も経ってないんだよねってツッコミすらどうでもよくなるほど強かった。特に盾振りまわして他の円卓バンバン倒しているのを見た時は「盾って鈍器だったっけ」と本気で頭を悩ませた。

 重要なのはランスロット、ギャラハッドが息子だと全然知らない。知らされていないから当然だが、まさか生まれて十年も経ってない息子が成人並みに成長して円卓入りしたのは想像できないだろう。ランスロット悪くないなコレ。

 

 ついでに書くと、最近繰り出す同時斬撃が四つになっていた。NOUMINを越えられたぜ。

 

 

 

 ○月×日 雨

 

 

 蛮族、物量ヤバい。マジヤバい。

 何なの。三万倒したのに数日後には五万になって攻めてきたんだけど。何アイツら、プラナリアなの? しかも今回やけにしぶとい。上半身と下半身がグッバイしたのに何で死んでないんだよ。こいつ等ホントはエイリアンじゃないのか。

 

 

 

 ○月×日 晴れ

 

 

 ようやく蛮族たちの勢いが弱まってきた。

 余裕でもできたので私は余った時間を使って伝記を残そうと思う。自分が見て聞いたことをそのまま書いてみると言うのは、中々楽しいものだ。

 しかし本が幻想種の素材をたんまり使ってるせいで魔導書みたいになってる。

 これ伝記なんだけど。

 

 とりあえず今は暇を見て対蛮族用の魔術を開発していこうと思う。

 

 

 

 ○月×日 大雨

 

 

 一週間試行錯誤を重ねて、対蛮族用の魔術が遂に完成した。

 空間中の魔力、要するに大源(マナ)をかき集めて利用する極めてシンプルな魔術だ。しかも魔法陣要らずだし、単純に指向性を与えるだけでも超威力の魔力砲と化し、しかも空間の魔力リソース消費ゼロ。とってもクリーンな魔術である。更に集めた魔力を利用して魔術も使用可能というとっても便利な術だ。

 

 マーリンが私の魔術を見て「君は神にでもなるつもりかい?」とか言ってた。単純に周囲の魔力を操作するだけなんだけど。あ、でもよく考えてみたら体外から無限に魔力が供給できるってことだよね。ああ、確かにヤバいわ。

 

 Aランク魔力砲超連射で蛮族を一帯ごと焼き尽した。

 これでも死に切らないとか、ちょっとこいつ等ホントに人間?

 

 

 

 ○月×日 曇り

 

 

 今回の蛮族の大進行でベディヴィエールが片腕を失い、ケイ兄さんが重傷を負った。治癒魔術で治してはみたが、ベディヴィエールの方は強力な呪いでも掛けられたのか腕を生やすことはできず、ケイ兄さんは内臓や神経系統にかなりの傷を負ったせいか、傷を治しても精神的な面から問題が生じたので前線から引かねばならないほどであった。

 

 怒りの大虐殺。身内と大切な仲間を傷つけられて私が激怒し、感情のまま十五万の蛮族を殺し尽した。

 正直やり過ぎたと思ってる。でもこちらの被害も馬鹿に出来ない。ランスロットとガウェイン、ギャラハッド、モードレッド以外の騎士は過労死寸前だ。

 

 このままじゃ本当に不味い。

 何とか対策を練らないと。

 

 

 

 

 ○月×日 雨

 

 

 最近どうも、相手方が不穏だ。攻めてくる蛮族たちの様子がおかしい。いや、最初からおかしい気がするけど。

 一人捕まえて調べてみたところ、食屍鬼だった。嫌な予感が全身を駆けまわる。

 

 明日、使い魔を敵の本拠地に向かわせてみることにする。

 

 

 

 ○月×日 曇り

 

 

 死徒の軍団がこちらの本陣を滅茶苦茶に荒らし回った。

 

 そして使い魔から送られてきた情報に我が目を疑う。

 

 

 

 

 ガイアの怪物(プライミッツ・マーダー)水星の大蜘蛛(ORT)が現れた。

 

 二十万もの真祖と死徒を引き連れて。

 

 悪夢かと、自分の頭を疑った。

 

 

 

 

 

 




最後の最後に投下された絶望。
さていよいよ最終決戦編。駆け足気味ですがしょうがないじゃない。これ分に書き下ろしたら5、6話分は軽く超えるよ?そんな日常ほのぼの話を何話も書けるかぁぁぁッ!

因みに作者は戦闘描写だけは濃密に書く癖に日常描写書くとスカスカのボロボロというおかしな格差が生まれます。なんでさ。

追記・指摘された箇所を修正。



・「報告」・

こちらの作品がほかの作品と展開が似通っていると聞き、確かめてみたところ昔ハマっていた「湖の求道者」そっくりだと気づきました。
ホーリー○ット!と吐き捨てながら考え込んだ、私の中にある妙案が思いつきました。




作者「白い奴とORT出そう」
白犬「ゑ?」
ORT「■?」





なぜこんな発想になったのかはわからない。けど私の中で何かが叫んだんだ。
月のアルテミット・ワンが出せないなら、水星のを持ってくればいいじゃない。と。なんでだ。

そういうわけで急遽ストックを修正、というか一から作り直す所存です。ほとんど確認せずぶちこんでいたのがあだになるとは・・・・数日遅れると思いますが、ご了承ください。
本当に、此度は私の不注意で皆様に迷惑をかけることになってしまい申し訳ありません。可能な限り早く作品をお届けしたいと思っております。


追記・指摘された箇所を修正しました。

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