お寺の息子   作:龍やん

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8話

「うわぁ…」

 

俺は今第一高校の部活勧誘を目の当たりにしているが想像以上に激しかった…

 

何て言うかタイムセールに全てをかけているオバチャンたちが魔法を使ってる感じ。

 

「ここまで来ると何が不正なのかわかんねーよ。」

 

なんて独り言を言っているそばから…

 

「きゃーーー!!」

 

頭上から悲鳴が聞こえた。

 

その方に目を向けるとスケートボードが飛んでいた。

 

正確にはスケートボードで飛んでいる人がいたのだが、なんか人みたいな物を抱えている

 

「助けてーー!!」

 

 

 

 

 

はい!人でしたね!しかも助けを求めていた。

 

追いかけようとしたら頭のてっぺんに何かが掠めた

 

何かと思い上を見上げると…

 

 

 

 

 

 

はい!スケートボードでした!しかも人抱えてました!

 

大丈夫かな禿げてないかな?いくら家が寺だからといってもおれは住職じゃねーから!ただのお寺の息子(養子)だから!

 

それより何?第一高校の部活勧誘ってスケートボード飛び交うの?

 

ってかあれ完全に拐ってるよね?しかもあれ北山さんと光井さんだよね?

 

部活勧誘に人拐いって無法地帯過ぎるでしょ…

 

「はぁ…追いかけよう…」

 

 

 

 

 

 

 

 

「やった!新入部員GET」

 

「止まれバカたれ」

 

「っっっっ!?」

 

スケートボードに乗る女子生徒はいきなり目の前に現れた()に突っ込んだが…

 

バフン

 

「え?」

 

突っ込まれた俺は消え。

 

「はい!被害者GET」

 

()()()()は被害者をGETした。

 

「え!?…えぇーーーーー!?」

 

めっちゃ驚いていた。

 

そこに二人目襲来。

 

「やば!!」

 

どっか逃げていった。

 

もう遅いけどな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとうございます」

 

「ありがとう」

 

「どういたしまして」

 

謎の飛来するボード二人組から、光井さんと北山さんを奪還し今お礼を言われていた。

 

「それよりもビックリしましたよ、いきなり飛んでいる目の前に現れたんですもん!」

 

「私は気付いたら抱えてる人が迅に変わってた」

 

光井さんと北山さんが興奮気味に言う。

 

「あれ分身だけどな」

 

「「え?」」

 

「正確には分身もどき!まぁ手品みたいなもんだな説明は面倒だからしないぞ、手品は種を知らない方が面白いしな」

 

詳しく説明すると分身もどきに突っ込んだ瞬間俺が光井さんをかっさらったって感じ

 

「北山さんの方は逃げられる寸前、相手が目を離した瞬間にさっと近寄ってその辺に落ちてた人形と交換しといた!まぁ変わり身みたいな感じ」

 

「あの一瞬でそんな事を…」

 

「まぁな、多分今頃…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フッフフーンフーン♪」

 

「ねぇあの人ダッチワイフ抱えながら飛んで、しかも鼻歌歌ってない?」

 

「新手の変態かよ」

 

「「「うわぁー…」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「って事になってると思うぞ」

 

「「人形ってダッチワイフかよ!」」

 

ってか誰だよそんなもん高校に持ち込んだやつは…

 

「まぁ何はともあれ助かりました!あと私の事はほのかでいいですよ!」

 

「私も雫でいい!」

 

「そうか!まぁ俺の事は好きに呼んでくれてかまわんぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

部活連本部…

 

「これは何だ九重?」

 

「はあ、生徒が拐われていたので奪還しましたあと危険物没収」

 

「でも捕まえられなかったので取り敢えず動画だけでもと」

 

早く帰りたいんだよ…

 

「動きが速すぎてあまりちゃんと写ってないわね」

 

「バイアスロン部OBのバカ二人だろ」

 

会長と渡辺先輩が映像を見ながら言う。

 

「ダッチワイフだけはやたらとキレイ写ってるな」

 

十文字会頭ダッチ見すぎ。

 

「気のせいですね」

 

「まぁそういう事にしておく」

 

流石渡辺先輩話がはやい!

 

「じゃあ用事あるので帰りますね」

 

「ああお疲れさん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

17時50分某ホテル前…

 

 

 

「約束の時間10分前完璧だな」

 

俺は今護衛依頼の打ち合わせをするホテルの前にいる。

 

服装はもちろん仕事の打ち合わせなのでスーツを着てしっかりネクタイも絞め、眼鏡を掛けている。

 

 

このホテルは何度か打ち合わせで使っているので勝手は知っている。

 

フロントのお姉さんに挨拶し要件を伝える

 

「503号室に仕事の方が来たと伝えてくれ」

 

「かしこまりました」

 

返事を聞き終わってからエレベーターに向かって歩いて行く。

 

フロントのお姉さんの笑顔が眩しかった…

 

エレベーターを開けて待ってくれていたお姉さんに一言お礼をし、エレベーターに乗り込み5階を押す

 

エレベーター前に立っていたお姉さんの笑顔が眩しかった…

 

ここのホテルお姉さん笑顔眩しすぎるでしょ

流石ホテルの名前が「ホテル太陽」なだけあるな…

 

なんてしょうもないことを考えている間にエレベーターは5階に到着。

 

部屋の前に執事服を着た老紳士が立っていた。

 

「お仕事の打ち合わせに来ました九重迅と申します」

 

「そうですかあなたが…お嬢様はこの中です少々お待ち下さい」

 

そう言い部屋に入って行った。

 

はてさてどんなお嬢様なんでしょうか。

 

「お待たせしました九重様お入り下さい」

 

「失礼致します」

 

俺はあまりちゃんと相手を見ず、入ると同時にお辞儀をした。

 

「今回の護衛を務めさせていただきます九重迅と申します」

 

顔をあげると、そこにはめっちゃ知った顔が驚いたように立っていた。

 

「え!?九重君?」

 

「は!?生徒会長さん?」

 

見事にハモった。

 

「では私は外にいますのでごゆっくり」

 

一瞬ニヤッとし老紳士は退出していった。

 

なんで意味ありげなんだよ。

 

「え!?九重君はなんで驚いてるの?」

 

「いや、生徒会長がここにいたからですよ」

 

「ちょっと待って九重君私の名前知らなかったの?」

 

「生徒会長?」

 

そういやこの人会長って事以外なんも知らねーや。

 

「それ名前じゃないわね」

 

「冗談ですよでも本当に知らなかったですね」

 

「入学式で挨拶したわよ!」

 

「始めから終わりまで寝てました!」

 

「あぁ…そう…」

 

凄い残念な物を見たかの如く額に手を当て会長が俯く。

 

「では逆に何故会長は驚かれていたんですか?」

 

確か資料は渡ってるっていってたよな?

 

「私は父から護衛の依頼を出したから今日ここで顔を合わせてこいとしか言われてなかったのよ」

 

「何て言うか世間は狭いですね…」

 

「そうね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

「まぁこんな世間話はさておき仕事の話をしましょう」

 

「そうね、まずその護衛の話なんだけど、現当主と私の妹たちが京都の方で会合があってこちらが少し手薄になってしまうため、私が出る十師族の会議の護衛を頼みたいの」

 

「具体的な日取りは?」

 

「来月の中頃ね」

 

「わりと先の話なんですね」

 

「ええ…」

 

煮え切らない感じだが。

 

恐らく身近な学校周りの問題や、今回の七草家が手薄になるなど他の十師族に聞かせたくない事もあり、取り敢えず早めにしっかりした護衛だけでも先に押さえておきたいといったとこだろう。

 

プルルル

 

会長の電話がなった。

 

「ちょっと失礼します」

 

会長が席を外した。

 

まさか護衛の対象が生徒会長とは…ちょっとやりにくいな。

 

なんて考えていると、会長が困惑した様子で帰って来た。

 

「九重君現当主、私の父が話したいそうなんだけど…」

 

「代わりましょう」

 

「もしもし」

 

『君が九重迅君かい?』

 

「はい、今回依頼を受けました九重寺、九重八雲の息子九重迅と申します」

 

『そこにいる私の娘にもわかるようにテレビ電話にしてくれ』

 

「わかりました」

 

『改めて七草家当主七草弘一と言う、君の話はよく聞くよ』

 

「大変恐縮です」

 

『まさかあの殺戮マシーンを生む実験の被験者が、まさか護衛任務に着いているとは思ってなかったが』

 

わざわざ会長に聞かすように言うとは…クサレ親父。

 

「ちょっとお父さん!!」

 

「今回の仕事、しっかり全うさせてもらいます。しかし七草当主殿ここには貴方と私の二人だけではございません。いくら七草家長女と言ってもまだ高校生の女の子です。レディの前でするような話ではないですね」

 

『おっと、気にさわったなら失礼、しかし流石は九重八雲の息子と言うところか』

 

とんだ狸やろうだね。

 

「こちらこそ失礼な物言い申し訳ございません、まだまだ未熟者ですが仕事はしっかりやらせていただきます」

 

『まぁ腕の方ははなから心配などしてない、少し頼みたいの事があってね』

 

『最近第一高校にちょっかいを出そうとしてる輩がいるみたいでね、聞けば君は第一高校に通ってるそうじゃないか』

 

そらきた、これは当主殿も折り込み済みってとこかな。

 

「ちょっと待ってそれは十師族が他の人に頼む話ではないわ!」

 

会長が焦り気味に言う。

 

『まぁ落ち着け、話はまだ終わってない』

 

「ボディガードですか?」

 

『そこまでする必要はないがそんなとこだな』

 

「あまり必要だとは思えないのですが?」

 

学年も違ければ1科2科の問題もあるしな。

あまり表だって動けない。

 

『君の家でも既に調べているだろう?なに少し気にかけてくれるだけでいい』

 

ブランシュか。

 

「それくらいであれば、知人なら自分の意思で守ろうと思っているのでご心配なく」

 

言われるまでもないな。

 

『そうかそれなら問題ない、失礼な事を言ったがしっかり()()()()()()()()よかったよ。では娘を頼んだぞ。

あぁ、あと会議のあとつまり私達が帰るまでの1日、2日七草家本邸で過ごしてくれ、では』

 

ブチプープー

 

七草家本邸って俺はいいが会長が…ほら赤くなってますよ。

それに育ってくれてか…なにを考えてるんだかな。

 

「ごめんなさい九重君…」

 

「気にしないで下さい、やっぱり娘が可愛いんですよ」

 

「いや、あなたの事を…」

 

あぁ、そっちね。

 

「確かにいい気分ではなかったですけど事実ですから会長が気にすることではないですよ」

 

「……」

 

気まずいな…

 

「今日はもう遅いです、そろそろお開きにしましょう

また会議が近くなったらその時また詳しく話しましょう」

 

「わかったわ、最後に私の名前は七草真由美よ生徒会長なんて名前じゃないからね!これからは真由美って読んでちょうだい迅くん」

 

「分かりました会長!」

 

「呼んでくれないの…?」

 

そんな目でみるなよ…

 

「はぁ…真由美さんでいいですか?」

 

「まあ今はそれでもいいかな」

 

なんだか悪い笑みを浮かべてる

後々呼ばせる気かよってかさっきのしおらしさどこいった…

 

 

 

 

 

 

 




長くなってしまった…

それに仕事忙しくて投稿遅れた…

取り敢えずこれからは2日か3日いないの投稿を目指します

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