「じゃあ帰ろうぜ」
「そうだな」
俺の言葉に達也が答える。
「光井ほのかです、さっきは失礼なことを言って申し訳ありませんでした」
と光井さんが達也と妹ちゃんに謝っていた。
「森崎君はああ言ってましたけど、大事に至らなかったのはお兄さんと迅さんのおかげです」
「いや別に問題ないが、お兄さんはやめてくれこれでも同い年だ」
「では何とお呼びすれば…」
「達也でいいから…」
「…分かりました…それで…あの…」
「んじゃあ光井さんも北山さんも一緒に帰ろうぜー」
俺が絶妙なタイミングで割り込んだ。
「レオも千葉さんも柴田さんも帰ろうぜー」
「そうだな皆で帰ろうか!」
レオがのって来た
「あんたは別でもいいわよ」
千葉さんが笑いながらレオを罵倒した
「なんでだよ!!」
「そういや迅はそっちのお二人さんとは知り合いだったのか?」
レオが聞いてきた
「あぁ入学式の日にな」
「そうなんですよ雫と一緒に空いてる席を探してたら1科生の真ん中で爆睡してたんですよ」
「それで迅の周りだけ席が空いてて座れたんだ」
光井さんと北山さんが呆れながら答えた。
「まぁ結局入学式の間ずーと寝てたんだわ。んで起きたら終わってて皆移動し始めてたんだけど、俺はなにがなんだか分からずとりあえず隣に座ってた二人に話しかけて、色々丁寧に教えてもらったわけだ」
「そっかそれで知り合いだったんだ」
エリカが納得していた。
なんだかんだで皆で帰ることになったんだが、達也が両手に華を体現していた。
「じゃあ深雪さんのCADを調整してるのは達也さんなんですか?」
「えぇ。お兄様にお任せするのが一番安心ですから」
達也を挟んでほのかと深雪が喋ってる。ってかこの兄妹仲良すぎだろ…
「スゲーな達也はCADいじれるのか!」
俺は驚きながら聞いた。
「まぁ深雪は処理能力が高いからな、少し手を加えるだけで手が掛からない」
「でもそれって、デバイスのOSを理解してないと出来ないですよね?」
達也の答えに美月が参戦してきた。
「あとはシステムにアクセスできるスキルもな」
レオが言う。
「じゃあ私のホウキも見てよ」
「無理!こんな特殊なCADは触れない」
「へーこれもCADなのかーいろんなのがあるんだなぁ!」
エリカと達也のやり取りをまたまた俺が割ってはいった。
「俺はCAD使えないからあんまりよくわかんねーや」
一同「「は?」」
「え?」
あれ?ああそうか説明してないもんね、そりゃみんなアホヅラするわ。
「現代魔法を使うのにCADは必要不可欠ですよね?」
「無しでも魔法は発動するけど時間が掛かりすぎる」
美月の疑問に達也が答える。
「あぁ俺体質なのかCADにサイオン通すとCAD壊れるんだよね」
一同「「は?」」
「一体どういうことですか?」
深雪が質問してきた
「なんか普通はサイオンて非物質粒子ってもので性質とかは介在しないらしいんだが、俺のサイオンって電気の性質を持ってるんだよね」
「つまり、俺は普通の魔法はほとんど使えないんだよね」
一同「「は?」」
「ではどうやってこの学校に入ったんですか?」
今度はほのかの質問。
「大きい機械だったら本当に少量なら流しても大丈夫らしくてな、あとは筆記試験をめっちゃ頑張ったんだよ」
「まぁ魔法師で言うと欠陥品だな」
俺のその言葉に達也はとても難しい顔をしていた。
「お兄様…」
深雪が達也を心配そうにみていた。
「どうした達也?」
「いや、大丈夫だ気にしないでくれ」
俺の問に達也はさっきまでの思い詰めた表情など全く消し普通に返してきた。
この後みんな駅で別れた。
司波家
「どうしましたお兄様?」
「いや、何でもないよ!」
「帰りの迅さんの言葉ですか?」
「はぁ、深雪には敵わないな」
「お兄様は欠陥品なんかじゃありません!!」
「落ち着け深雪」
「すみません…でも…」
「深雪もう寝なさい明日も学校だ」
「分かりました…おやすみなさい」
九重迅入試結果
実技 評価判定 SS~E
項目 魔法式の規模 判定 E
強度 判定 E
発動速度 判定 SS (歴代最速)
筆記試験 7教科合計674点
達也は秘密裏に入手した迅の入試結果を見ていた
「ハァ…どう考えても普通じゃないな…しかも入試結果は出てくるのに迅の個人情報は何一つ出てこない……お前は何者なんだ?」
「それにあの動き…師匠と似た動き…そして九重という名前…」
こうして司波家の夜は更けてゆく
九重家
「なぁ親父」
「なんだい迅君」
「起動式を見ただけで読み取るなんてできんのか?」
達也君のことかな?
「特殊な目とか解析が得意な人は出きるかもね」
「そうか、うらやましいなー」
「どうしてだい?」
「見たことのない魔法であっても起動式が読めればある程度理解できるじゃん!超便利じゃね?」
「まぁそうだね」
「あ!そう言えば、護衛の依頼を受けたんだけどその日ちょうど誰も空いてないから迅君行ってくれないかい?」
「良いけど親父は?」
「僕も用事があるんだよ」
「そうか、んで内容は?」
「七草家の護衛の任務だね」
七草?ナンバーズだったよな?なんか他で聞いたような…
「たしか七草家ってナンバーズだったよな?護衛に困るような家だっけ?」
「その日は当主とその双子の娘さんが関西の方で会合があるらしいんだけど、ちょうど十師族の会議と被ったらしくてね護衛を2つに割かなくちゃいけなくなったらしいんだ」
「十師族の会議の方は誰が出るんだ?」
「七草家の長女だよ」
「んじゃあ俺は長女のほうか」
「察しがいいね」
「当主のほうはうちが出るなら直属を多く引き連れていくでしょ?」
「さすが迅君!んで詳しい内容なんだけど、後日会って打ち合わせをしてきてほしいんだ」
「いつだ?」
「明後日の夕方6時に十師族御用達のホテルの一室だそうだ」
「あぁあそこね、わかった」
「その日になったらまた言うよ!」
「頼むわ!じゃあ俺はそろそろ寝るわ」
「おやすみ~」
迅君の体質にたいしてはあまり突っ込まないでください泣
カカシ先生の雷斬りみたいにバチバチしてたら格好いいかなと思ったんです
あと九重家はお偉いさんに護衛の派遣をしているという後付け設定が登場。
あと近いうちに迅君と九重家の設定みたいなの描きます