お寺の息子   作:龍やん

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3話

次の日

 

「あれ?親父飯いらねーの?」

 

「うんさっき弟子の妹さんからサンドイッチ貰ったんだよ」

 

「あーだから鼻の下伸びちゃってんのね」

 

「yes!」

 

「肯定すんなよ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学校でーす。

 

「俺の席はー…あれか!」

 

まだ2科生の知り合いがいない俺は教室に入って、とりあえず自分の席を探した。

 

男子生徒二人と女子生徒二人が喋ってる間に自分の席を見つけた、めっちゃ入りづらいがそこは気にしない。

 

「あんたがこの席か?」

 

ハーフっぽいガタイの良い男子が話しかけてきた。

 

「そうだ、悪いな会話してる間で」

 

「いや、むしろ入りづらかったろ?」

 

そんな事ないんだがなぁ。

 

「まぁ自分の席だからな。あまり気にはしなかったな」

 

「そうかそれならよかったわ、とりあえず自己紹介! 俺は西城レオンハルトだ。レオって呼んでくれ!席も隣だしよろしくな!」

 

レオか、呼びやすくていいな!

 

「こいつは達也だ」

 

「司波達也だ、悪いな騒がしくて」

 

なんだか頭良さそう。でもどこかシスコンっぽいな。

 

「むしろ自分から話しかけなくてすんだからよかったよ」

 

「私は千葉エリカよろしくねー!こっちの子が柴田美月」

 

元気なヤツだなぁ。

 

「柴田美月ですよろしくお願いします」

 

眼鏡女子なんて珍しいな。

 

「よろしく!あぁ、俺がまだ名乗ってなかったな、俺は九重迅だまぁ好きに呼んでくれ」

 

司波がなにやら訝しげな目でみているがあまり気にはしなかった。

 

自己紹介が終わりちょうどよく予鈴がなってこれからの指示が前のスクリーンに写し出される 。

 

少しして本鈴と同時に一人の女性が入ってきた。

 

「欠席者はいないみたいですね、それでは皆さん入学おめでとうございます!」

 

メチャクチャ知ってる人だった。

 

「初めまして私はここで総合カウンセラーをしている小野遥です!」

 

そういやカウンセラーやってるとか言ってたっけ。

 

こちらを見てニコッとしてきたのでとりあえず目線で返した。

 

小野遥と俺は顔見知りである、親父の弟子である小野遥とはなんどか手合わせしたことがあるが、度肝を抜かれた。女性のわりに大胆で多彩な攻め、そして揺れるおっぱ…ゲフンゲフン、まぁ筋は驚くほどによくなかなか楽しかった覚えがある。

 

何より彼女の隠行はなかなかのものだった!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのあと色々説明があり履修登録をする。

 

俺は色んな魔法を見たいのでとりあえず広く満遍なく実技が多い授業を取った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「さてそろそろ帰りますか!」

 

俺は色んな魔法が見たかったから皆とは別行動し、終わりギリギリまで見学していた、そのため教室は既にまばらで下校してる人達も多かった。

 

「上級生になると結構本格的なんだなー」

 

なんて考えながら校門に向かってると。

 

「いい加減に諦めたらどうなんですか」

 

なんだ?

 

前を見ると見知った顔の生徒と、知らない生徒がなにやら揉めていた。

 

なんか面倒臭そうだな…でもそこを通らないと帰れないんですよね…

 

それに見知った顔の中に、1科生の一番最初に仲良くなった光井さんと北山さんがいた。

 

「こりゃさすがに知らぬ存ぜぬじゃ通せないな。恩もあるし」

 

まぁなるようになるさ。

 

「なんか穏やかじゃないな、校門の前じゃ邪魔だぞ?」

 

視線が一気に集まる。

 

「迅か!」

 

達也が答えた。

 

「うるさいウィードは黙ってろ」

 

名前の知らないモブ崎が叫ぶ。

 

「おいおい随分辛辣だな、ところでなんでこんなんなってんだ?」

 

「妹が…」

 

「あぁ察したわ…」

 

食いぎみに答えた、達也の妹の事は昼前に聞いてたので知ってた。入学式寝てた俺は実物を見るのが初めてだったが、達也の隣に立ってる困った顔をした女の子を見て察した。

 

「つまり達也の妹ちゃんと帰りたい1科生。達也と帰りたい妹ちゃんてとこか?」

 

「そんなとこだ…」

 

「本当すみません」

 

「謝る必要はないけどな、妹ちゃんももう少し気を使った方がいいかもな。容姿が優れている人は面倒事を避けるために人一倍気を使わなきゃいけないらしいから。」

 

そうこう言ってるうちに向こうは更にヒートアップ。相手は森崎という1科生らしい。

 

「同じ新入生じゃないですか、あなたたちブルームが今の時点で一体どれだけ優れてるというんですかっ?」

 

スゲーな結構大人しい顔して大胆なこと言う…

 

「どれだけ優れてるか、知りたいなら教えてやるぞ」

 

「ハッ、おもしれえ!是非とも教えてもらおうじゃねぇか!」

 

「だったら教えてやる!」

 

そう言った森崎の動きを見て気が付く。

 

何やってんのこいつ?

 

CADを人に向けようとしてない?

 

それはやってはいけないことだ、魔法師は簡単に人の命を奪うことが出来てしまう。

 

だから魔法師は簡単にその力を人に向けてはいけない。ましてや1科2科の違いはあるが同じ生徒に…

 

脳内が急速に冷えてゆく…

 

 

 

そして森崎がホルスターに手をかけた時、既にホルスターの中にはCADは()()()()

 

達也は驚愕していた。たった今話してたはずの俺が特化型CADを、森崎の背後で後頭部に向かって構えているのだから、そりゃおどろくか。

 

「カチャリ…」

 

腐っても1科生。さすが優秀者の証。

でも、まぁそうとう焦ったのだろう。ホルスターの中にあるはずのものがないことに。

そして今の音を聞いて気が付いたのだろう。自分のCADを自分に向けられているということに。

 

本来CADは魔法を発動させるためのもの。いくら拳銃の形をしていても実弾が出るわけではない。確かにそのような魔法も無いことはないが、他人のCADで魔法は発動しない。

魔法師なら誰もが知っているであろう事実。

しかしこの場の空気は少し違ったように見えた。

まるでこのモブキャラが本物の拳銃を向けられているかのようなそんな冷たく重たい雰囲気だった。

 

「お前今何しようとした?」

 

自分で思った以上に空気が底冷えしそうなほど冷たく、無機質な言葉を森崎に向けていた。

 

「CADってのは人に向けてはいけないと魔法師なら教わると思うんだが、まだ授業始まってないから知りませんでしたとか言わないよな?」

 

お前も向けてるじゃんと思った奴も中にはいたかもしれないが、あくまで俺が構えてるCADは森崎のであるため魔法は発動しない、そもそも俺CADを使えないし。

 

それ以前にそんな事言える空気じゃなかった。

 

「学外での人に向けた魔法発動は重罪だ。お前は何をしようとしたのか理解してるか?ましてや同じ学校の生徒だろ。」

 

ようやく周りの生徒たちも冷静さを取り戻し始めたのか、1科生の中には襲いかかろうとするもの、魔法を発動しようとするものがいた。

 

二人の名前も知らない1科生が詰め寄る。

 

「甘ぇよ!」

 

俺がそう言った次の瞬間には特化型CADを2()()持って襲いかかろうとした二人の顎に突き付ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はなにが起きているのか理解が追い付いていなかった。

現実は森崎にCADを構えて立ってる迅がいた。

迅が何か喋っていたがそれを聞き取ることがちゃんとできないくらいにはテンパっていた。

 

1科生の何人かが我に返り、襲いかかろうとしていた。そこに追い討ちをかけるように一言きこえる

 

「借りるぞ達也…」

 

その言葉と同時に2丁の拳銃を二人の顎に突き付けている迅がいた。よく見ると一丁は自分のCADシルバーホーンであった。

 

俺が全く捉えられずしかも得物を抜かれてるとは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんかようか?二人とも」

 

襲いかかろうとした二人は何が起きたのかわからないといった表情だった

 

「同じ学校の生徒なんだから、仲良くしようぜ?」

 

「ふざけるな!!」

 

俺の言葉に誰かがキレる。

 

他の何人かが攻撃しようとしていたが光井さんがそれを見てとっさに魔法を発動させようとした。

 

攻撃しようとしたものを見てから発動させようとしたので、俺はなんかしらの目眩ましか無力化させてくれるんだろうと思ってたのだが、光井さんの背後から魔法の飛来。それも、随分自信があるのか狙ったのは起動式だった。

 

いくら起動式を狙ったとしても、人に向けて魔法使っちゃダメでしょ。皆さんこうもポンポン使うけどさ…

 

 

 

バチッバチチチチ!!

 

俺は、稲妻が走ったかのような音ととも光井さんと飛来した魔法の間に割り込み、飛来した魔法を片手でうけ消滅させた。

 

 

 

 

 

 

「止めなさい!自衛目的以外での魔法による対人攻撃は犯罪よ」

 

「その言葉そっくりそのままあんたに返って来るけど?」

 

「風紀委員の渡辺麻利だ、1ーAと1ーEの生徒だな事情を聞く着いてこい!」

 

そして()()から声をかけた

 

「いやいやだから話をきけよ…」

 

「「!?」」

 

驚かす半分牽制半分だったんだけど飛び上がりそうだったな。

 

「自衛目的以外での魔法使用はいけないんだろ?それってあんたのことじゃないの?ここにいる誰も魔法は使用してないけど?」

 

「そこの女子生徒が発動させようとしただろ!それ以外の生徒もだ」

 

「でも発動してないよね?」

 

たしかに魔法を発動させようとしてはいたが、全て俺が先手を取っていたし、発動する前に発動できない状況になっていた。最後魔法を消滅させるのに魔法を使ったが自衛目的と言えるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すみません悪ふざけが過ぎました」

 

達也が唐突に言い出す。

 

「悪ふざけ?悪ふざけには見えないのだけど?」

 

そりゃそうだ。ガチでしたもん。

 

「森崎一門のクイックドロウは有名ですから後学のために見せてもらうだけのつもりだったんですが、あまりにも真に迫っていたのでつい手がでてしまったんですよ」

 

いや、さすがに無理やり感が否めないけど、そういうことなら乗っかっとこう。

 

 

「この男はそんな感じではないみたいだか?」

 

いきなりピンチ到来…

 

「ああそういうことだったのか」

 

「どういうことだ?」

 

渡辺先輩が問う。

 

「いや俺はたまたま通りがかっただけだったんだよ、そしたらCADを抜こうとしてたから先に取り上げたんだ。魔法を人に向けて発動させるようにみえたからさ。」

 

「まさか後学のための実演とは思ってなかったんだよ。なるほど、そうなると大分引っ掻き回したみたいだな…。そんでもっていきなり知らないやつが邪魔をして驚いたからこの子は魔法を発動させようとしたんじゃないの?」

 

これが俺の全力です。あとはなるようにしかならねーな。

 

「そうだと思います」

 

俺の問いに達也が答える。

 

「それに魔法も目眩まし程度の閃光魔法でした」

 

え?起動式読めんの?

 

「つまりこの場を勘違いして引っ掻き回した俺に責任があるみたいだな…ご迷惑をかけてすみませんでした」

 

「しかしなぁ…」

 

「まぁまぁ麻利もういいじゃない達也君本当にただの勘違いだったのよね?」

 

「はい」

 

「まぁ生徒会長が言うなら仕方がない今回は不問にしよう」

 

いやはや、ラッキーだったな。

 

ってかこの人生徒会長だったんだ。

 

だから自信満々に起動式なんかねらったのか。

 

まぁ、あんま誉められたやりかたじゃないよなぁ。

 

「君らの名前は?」

 

「1年E組司波達也です」

 

「同じく九重迅です」

 

「覚えておこう」

 

 

いや、結構です…

 

 

 

 

 

 




とりあえずこの辺でぶったぎります

文字数増えたのにやっぱりあんま進んでないなごめんなさい

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